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日本のテレビアニメ ウィキペディアから
『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』(ゴジラ シンギュラポイント、英語: Godzilla Singular Point)は、ボンズおよびオレンジの共同制作による日本のテレビアニメ作品[1]。2021年4月から同年6月までTOKYO MXほかにて放送された[2]。
「ゴジラシリーズ」としては2017年から2018年に公開された映画『GODZILLA』三部作以来となるアニメ作品であり、シリーズ初の日本で制作されたテレビアニメシリーズである[3][4]。物語は三部作とは異なる新たな世界観を舞台にしており、手描きとCGを併用した映像作品として製作される[2][5]。
監督 | 高橋敦史 |
---|---|
シリーズ構成 SF考証・脚本 |
円城塔 |
キャラクターデザイン原案 | 加藤和恵 |
キャラクターデザイン 総作画監督 |
石野聡 |
怪獣デザイン | 山森英司 |
コンセプトアート | 金子雄司 |
美術デザイン | 平澤晃弘 |
デザインワークス | 上津康義 |
軍事考証 | 小柳啓伍 |
美術監督 | 横松紀彦 |
色彩設計 | 佐々木梓 |
撮影監督 | 若林優 |
CGディレクター | 池内隆一、越田祐史 鈴木正史 |
VFXディレクター | 山本健介 |
編集 | 松原理恵 |
音響監督 | 若林和弘 |
音響効果 | 倉橋静男、西佐知子 |
音楽 | 沢田完 |
音楽プロデューサー | 有馬由衣 |
音楽制作 | 東宝ミュージック |
プロデューサー | 吉澤隆、天野直樹 和氣澄賢 |
アニメーション制作 | ボンズ、オレンジ |
製作 | 東宝 |
本作品は、2016年の『シン・ゴジラ』のヒットを契機にこれまでゴジラシリーズに触れてこなかった層を取り込むことを目指して本放送の2〜3年前に企画された[7]。
監督の高橋敦史は、東宝プロデューサーの吉澤隆が『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』を鑑賞した際、原作をベースに物語を一から作る点やSF要素を盛り込みつつエンターテインメントとしても成立させるアプローチが、ゴジラに似ていると感じたことからオファーがかけられた[5]。
シリーズ構成を手かげる円城塔には、SF要素を組み込みつつゴジラシリーズを手掛ける上で設定のリアリティを大事にしなければならないこと、『メッセージ』のようにちゃんとしたSFを作りたいと思い、『スペース☆ダンディ』で高橋との製作経験があることから、ボンズの南雅彦を通じて声がかかった[8][4][9]。円城は当初SF考証の監修としての参加であったが、設定と考証の繰り返しの末に別のシナリオライターへ依頼が現実的でなくなったため、ストーリー制作と全話の脚本執筆を兼ねることとなった[10][11]。
この他、高橋とはスタジオジブリ作品、『青の祓魔師』、『ドラえもん』などで面識のある山森英司、加藤和恵、沢田完がそれぞれ主要スタッフとして作品に参加している[12]。
ストーリーは『GODZILLA』三部作との差別化や、過去のゴジラシリーズで既に採用された設定が多い状態の中、完全なSFに振るかファンタジーに寄せるか議論が重ねられ、当初はゴジラと世界各国の代表が戦う子供向けの案や、戦国時代の小国に現れたゴジラに対して財政を切り盛りしながら戦う『武士の家計簿』のようなものもあった[4]。しかし最終的には円城が提案したアイディアを元にして、2030年の日本という現実の延長線上にある世界観を舞台に、天才的な才能をもった一般人の主人公2人が周囲の人間と協力してゴジラに立ち向かうサイエンス・フィクションとなった[8][9][13][14]。
主人公たちは共通して頭脳を用いることでゴジラに対抗する設定となっているが、これは過去のゴジラシリーズの主人公の多くが厭戦的なタイプであったことや、作品に謎解きの要素を加えようとした高橋のアイディアによる[7]。そのため、作中には円城が監修したパズル的な要素が多分に盛り込まれている。また、これまでのゴジラ作品は時代を反映したテーマを内包していることが多かったが、本作品はアニメというフォーマットであることから、メッセージ性を極力排してエンターテインメントに振り切った作品となっている[10]。さらにゴジラもシリーズでは初となる核エネルギーとは無縁の存在となっている[15]。
実際の制作は、東宝側から「ゴジラであれば何をやってもいい」というオーダーを受け、監督の高橋、シリーズ構成・脚本の円城、東宝およびボンズのプロデューサーが話し合いながら骨子や流れを決める方法で行われた[3][9]。円城の提示した脚本は映像化するには情報量が多く難解な部分もあったため、アクションやロボット、過去の東宝作品の表現といった要素を加えることで、受け手に配慮した映像作りが行われている[7]。
神戸市外国語大学准教授の山本昭宏は制作者が核を軽視しているとは言えないとしたうえで、本作品を「核が架空では時代遅れとなりつつある昨今に合致する作品」と評している[15]。
本作品の登場怪獣は、2030年に謎の音声電波が受信されたのを皮切りに確認されるようになった、既存の生態系より逸脱した巨大生物を指す[18]。円城塔執筆の小説版では怪獣側の視点が描かれ、総ての怪獣は個体や種に関係なく共通の記憶情報を共有する関係でありながらも互いに競合する関係でもあることが明かされるなどで、アニメの出来事の裏舞台をうかがうことができる。
怪獣の鳴き声が過去作に寄せられたことを受け、劇伴は「ゴジラのテーマ」を使用しつつ、過去作をリスペクトして昔風のアレンジを加える方向で制作される[12]。本作品の音楽を担当する沢田は、「ゴジラのテーマ」と「地球防衛軍のテーマ」を本作品で作られる曲の軸にしたという[55]。本作品では「ゴジラのテーマ」に松井五郎による作詞のコーラスが追加されている[38]。
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 初放送日 |
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第1話 | はるかなるいえじ | 高橋敦史 |
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| 2021年 4月1日 |
第2話 | まなつおにまつり |
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| 4月8日 | |
第3話 | のばえのきょうふ |
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| 4月15日 |
第4話 | まだみぬみらいは |
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| 4月22日 |
第5話 | はやきことかぜの |
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| 4月29日 |
第6話 | りろんなきすうじ |
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| 5月6日 |
第7話 | じかんのぎもんふ |
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| 5月13日 | |
第8話 | まぼろしのすがた |
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| 5月20日 |
第9話 | たおれゆくひとの |
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| 5月27日 |
第10話 | りきがくのげんり |
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| 6月3日 |
第11話 | りふじんながくふ |
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| 6月10日 |
第12話 | たたかいのおわり |
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| 6月17日 |
第13話 | はじまりのふたり | 高橋敦史 |
| 6月24日 |
巻 | 発売日[58] | 収録話 | 規格品番 | |
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BD限定版 | DVD限定版 | |||
1 | 2021年8月18日 | 第1話 - 第5話 | TBR-31209D(完全数量) TBR-31210D(初回) | TDV-31211D |
2 | 2021年9月22日 | 第6話 - 第9話 | TBR-31212D | TDV-31213D |
3 | 2021年10月20日 | 第10話 - 第13話 | TBR-31214D | TDV-31215D |
シリーズ構成・SF考証・脚本を担当した円城塔による小説版が集英社より刊行された。物語はジェットジャガーユング&ペロ2のナラタケ側と怪獣側の視点が描かれ、アニメ版の裏舞台をうかがうことができる。
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