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アメリカ合衆国のプロ野球選手 ウィキペディアから
ディートリック・アーサー・エンス(Dietrich Arthur Enns[1], 1991年5月16日 - )は、アメリカ合衆国イリノイ州ウィル郡フランクフォート出身のプロ野球選手(投手)。KBOリーグのLGツインズ所属。左投左打。
2012年のMLBドラフト19巡目(全体607位)でニューヨーク・ヤンキースから指名され、プロ入り。契約後、傘下のA-級スタテンアイランド・ヤンキースでプロデビュー。22試合に登板して2勝0敗、防御率2.11、33奪三振を記録した。
2013年はA級チャールストン・リバードッグスとA+級タンパ・ヤンキースでプレーし、2球団合計で28試合(先発8試合)に登板して4勝6敗1セーブ、防御率2.94、112奪三振を記録した。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、スコッツデール・スコーピオンズに所属した。
2014年はA+級タンパでプレーし、13試合(先発1試合)に登板して3勝2敗、防御率1.42、26奪三振を記録した。この年はシーズン途中にトミー・ジョン手術を受けた[2]ため、以降は全休している。
2015年は前年の手術の影響もあり、公式戦登板は6月になってからだった。この年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ヤンキースとA+級タンパでプレーし、2球団合計で13試合(先発12試合)に登板して2勝1敗、防御率0.61、55奪三振を記録した。
2016年はAA級トレントン・サンダーとAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースでプレーし、2球団合計で26試合(先発22試合)に登板して14勝4敗1セーブ、防御率1.73、124奪三振を記録した。オフの11月18日にルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐために40人枠入りした[3]。
2017年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ヤンキースとAAA級スクラントン・ウィルクスバリでプレーした。
2017年7月30日にハイメ・ガルシアとのトレードで、ザック・リッテルと共にミネソタ・ツインズへ移籍した[4]。移籍後は傘下のAAA級ロチェスター・レッドウイングスへ配属された。8月10日にメジャー初昇格を果たし、同日のミルウォーキー・ブルワーズ戦にて先発でメジャーデビュー(2.1回で降板して勝敗付かず)[5]。この年メジャーでは2試合(先発1試合)に登板した。
2018年5月1日にDFAとなり[6]、7日にマイナー契約でAA級チャタヌーガ・ルックアウツへ配属された[7]。この年はメジャーでの登板は無く、AA級チャタヌーガでプレーし、11試合(先発9試合)に登板して4勝5敗、防御率4.01、61奪三振を記録した。オフの11月2日にFAとなった[8]。
2018年12月21日にサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結び、2019年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。
2019年は傘下のAAA級エルパソ・チワワズでプレーし、28試合(先発25試合)に登板して11勝11敗、防御率6.70、105奪三振を記録した。オフの11月4日にFAとなった。
2020年1月29日にシアトル・マリナーズとマイナー契約を結んだが、5月27日に自由契約となった[8]。
その後、独立リーグであるシティ・オブ・チャンピオンズカップに所属するタリー・モンスターズと契約を結んだ[9]。5試合(先発4試合)に登板して2勝0敗、防御率0.72、42奪三振を記録した。
2020年8月18日にタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ[10]。この年は新型コロナウイルスの影響でマイナーリーグの試合が開催されず、メジャーにも昇格しなかったため、公式戦の登板は無かった。
2021年は5月のマイナーリーグ開幕から傘下のAAA級ダーラム・ブルズでプレーし、7月末までに14試合(先発10試合)に登板して6勝2敗、防御率2.44、74奪三振を記録した。8月3日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし[11]、7日のボルチモア・オリオールズ戦で4年ぶりとなるメジャー登板を果たした[12]。この年メジャーでは9試合に登板して2勝0敗2セーブ、防御率2.82、25奪三振を記録した。オフの11月17日にNPBまたはKBOでのプレーを望み退団した[13]。
2021年11月22日に埼玉西武ライオンズと契約した[14]。背番号は75。1年契約で推定年俸は1億円[15]。
2022年は新型コロナウイルスの影響で来日が3月6日となり[16]、4月10日の福岡ソフトバンクホークス戦で来日初登板初先発[17]。四球で走者を背負いながらも要所を締め、5回表の無死一・二塁のピンチでは味方のトリプルプレーにも助けられ、5回1安打4四球1奪三振無失点で来日初勝利を挙げた[18]。続く同17日のオリックス・バファローズ戦でも3回まで無失点に抑えていたが、4回から突如乱れ[19]、4回2/3を4安打3四球3失点で来日初黒星[20]。その後は少ない与四球で好投する試合[21][22][23]と制球を乱して先発の役割を果たせない試合[24][25][26]との好不調の波が激しい投球が続いた。6月29日の北海道日本ハムファイターズ戦では5回1安打無四球無失点と好投し[27]、勝利投手となるも、5回表の3アウト目を奪う際に打球が左足首付近を直撃し[28]、7月1日に出場選手登録を抹消された[29]。同13日の千葉ロッテマリーンズ戦で一軍復帰登板を果たし[30]、5回無失点で勝利投手となるも、5安打3四球と苦しい投球内容であり[31]、その後は打ち込まれる試合が増加し[32][33]、8月に入ると被本塁打の増加も目立つようになった[34][35]。9月4日のソフトバンク戦では序盤に制球を乱すも[36]、3回以降は立ち直り、6回無失点にまとめてシーズン10勝目を挙げ、球団の外国人左腕としてはマリオン・オニール以来69年ぶりとなる2桁勝利を達成した[37]。同19日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦は内海哲也の引退試合となり、先発として打者1人を抑えた内海の後を受けて[38]、来日初のリリーフ登板となったが、4回1/3を7安打6四死球2失点と不安定な投球内容で勝敗は付かなかった[39]。QS率40.9%は、この年パ・リーグで20試合以上に先発した21投手の中でワースト[40]とスタミナ面やゲームメイク能力に課題は残したものの、来日1年目は23試合(22先発)の登板で10勝7敗・防御率2.94という成績を残した[41]。オフの11月16日に、西武と推定年俸1億7000万円(前年比7000万円増)の単年契約を締結した[42]。
2023年は開幕ローテーション入りし、開幕2試合目のオリックス戦[43]でシーズン初登板初先発となったが、初回2死から四球を与えた直後に先制2ランホームランを被弾。3回には自身の悪送球で失点するなど[44]、3回5安打3四球6失点(自責点3)という内容で敗戦投手となった[45]。その後も自身の守備のミスが目立ち[46][47]、ピッチングでは試合序盤に好投しながらも1イニング複数失点で一気に崩れる登板が多く[48][49]、5月17日の日本ハム戦でも5回裏に3点を失い、イニング途中で降板[50]。4回1/3を3失点で両リーグワーストの6敗目を喫すると[51]、同20日には夫人の出産に立ち会うために帰国し、出場選手登録を抹消された[52]。10月2日のロッテ戦で4回4失点で降板し10敗目[53]。 登板は12試合に半減、成績も1勝10敗、防御率5.17と悪化した[54]。12月1日に自由契約となり、西武から退団となった。韓国球界でプレーする見込み[55]。
球種 | 割合 | 平均球速 | 最高球速 | ||
% | mph | km/h | mph | km/h | |
フォーシーム | 58.6 | 94.2 | 151.6 | 97 | 156.1 |
カッター | 36.9 | 85.8 | 138.1 | 88.9 | 143.1 |
チェンジアップ | 2.5 | 84.7 | 136.3 | 87.7 | 141.1 |
カーブ | 1.9 | 75 | 120.7 | 76.1 | 122.5 |
平均94.2mph(約151.6km/h)、最速97mph[58](約156.1km/h)のフォーシームとカッターで三振を奪う本格派左腕であり、カーブやチェンジアップもまれに投げる[59]。
年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | MIN | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 21 | 4.0 | 7 | 2 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 3 | 6.75 | 2.00 |
2021 | TB | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 1 | 1.000 | 88 | 22.1 | 17 | 1 | 6 | 0 | 0 | 25 | 0 | 0 | 8 | 7 | 2.82 | 1.03 |
2022 | 西武 | 23 | 22 | 0 | 0 | 0 | 10 | 7 | 0 | 0 | .588 | 506 | 122.1 | 103 | 14 | 45 | 0 | 3 | 92 | 0 | 0 | 44 | 40 | 2.94 | 1.21 |
2023 | 12 | 12 | 0 | 0 | 0 | 1 | 10 | 0 | 0 | .091 | 236 | 54.0 | 53 | 6 | 23 | 0 | 5 | 30 | 1 | 0 | 37 | 31 | 5.17 | 1.41 | |
MLB:2年 | 11 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 1 | 1.000 | 109 | 26.1 | 24 | 3 | 7 | 0 | 0 | 27 | 0 | 0 | 12 | 10 | 3.42 | 1.18 | |
NPB:1年 | 35 | 34 | 0 | 0 | 0 | 11 | 17 | 0 | 0 | .393 | 742 | 176.1 | 156 | 20 | 68 | 0 | 8 | 122 | 1 | 0 | 81 | 71 | 3.62 | 1.27 |
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