テッド・ジェンセン
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テッド・ジェンセン(Ted Jensen、1954年9月19日 - )は、アメリカ合衆国出身のマスタリング・エンジニア。ニューヨークのスターリング・サウンド(Sterling Sound)[1]所属のチーフエンジニア。現在、業界中で最多のマスタリング要請がある[2]。
ジェンセンの所属するスターリング・サウンドは、ニューヨーク市マンハッタン島内のチェルシー界隈に近接し、ハイライン沿いのチェルシーマーケットを内包するブロックに位置する。各エンジニア別の5.1chサラウンドスタジオが3部屋[注釈 1]あり、ジェンセンのスタジオにはBowers & Wilkins社製のNautilus 801が5本設置され、それぞれを4台[注釈 2]のClassé Audio社製Omega Mono[4]パワーアンプで駆動している。ステレオマスタリングに於ける、スターリング・サウンドの特色としては、独自に開発したアナログマスタリング卓の他、各スタジオにエンジニア別のカスタマイズが施してあり、「アナログ-デジタルの各回路間」、「真空管と半導体のそれぞれのコンプレッサーとイコライザー間」、「各種アナログ-デジタル変換回路間」を自由に行き来し、聴き比べることができる[5]。
ジェンセンは、第45回グラミー賞に於いて、マスタリング・エンジニアとしては史上初の最優秀アルバム賞[注釈 3]を受賞している[8]。
対LPのCD普及率[9]が100%になって以来、マスタリングに於けるダイナミックレンジは、1990年代を期に一気に犠牲の一途を辿り[10]、その商業的大義名分を優先させるあまりマスタリング業界は「ラウドネス・ウォー」の第一線となってきた[11]。2000年代に至っては、その傾向はさらに著しく、高域難聴を訴える若者も急増し、相関性の真偽が検討されている[12]。そういった背景のもと、2008年9月、ジェンセンの手がけたメタリカのアルバム『デス・マグネティック』の全楽曲がCDとギターヒーロー3の配信版[注釈 4]とで相互に比較され、話題になった[14][15]。さらに、メタリカファンのBBSにジェンセンからのコメントが掲載され、CD版のマスタリングに彼自身が満足のいくものではなかった事[注釈 5]や、「何らかの形で」このボリューム事情に対抗する良策を祈願する旨が明らかになる[17]。その後、13,000人[注釈 6]が、同アルバムのリマスタリングを要請するオンライン・ペティッションに署名を行った[注釈 7]。
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