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日本のアニメ映画、アニメ『ルパン三世シリーズ』の劇場用スピンオフ作品 ウィキペディアから
『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』(ルパン ザ サード ちけむりのいしかわごえもん)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のスピンオフ劇場用作品『LUPIN THE IIIRD』シリーズ第2作。キャッチコピーは、「未熟なり、五ェ門…!」。PG12指定。
2017年2月4日、新宿バルト9他29館で公開され、2日間で観客動員数15,167人、興行収入1,950万円を記録した[2]。前作に続き、PG12のレイティングが適用された。
剣術の腕を買われた五ェ門は、伊豆半島を根城にするヤクザ・鉄竜会の用心棒として雇われる。不遜な態度をとる五ェ門に幹部たちは不満を抱くが、五ェ門は鉄竜会の運営する賭博船の中で他の組の襲撃から組長を守り、幹部たちを黙らせる。同じ頃、ルパンと次元は賭博船の売上金を盗むため金庫に侵入し、先回りしていた不二子と出会う。ルパンと不二子は売上金を山分けすることにしたが、直後に賭博船が爆発する。様子を探りに機関部に向かった五ェ門は、そこで斧で機関部を破壊する大男に遭遇する。五ェ門は大男を追い詰め目的を尋ね、大男は「ルパン・次元・不二子を殺しに来た」と答える。隙を突かれた五ェ門は大男を逃がしてしまい、さらに雇い主である稲庭牧男が爆発に巻き込まれて死んでしまう。
翌日、爆発現場に公安警察の銭形が現れ、海上保安官たちに大男の行方を尋ねる。大男の素性を尋ねる海上保安官に対し、銭形は「バミューダの亡霊だ」と答える。同じ頃、稲庭牧男の葬儀に現れた五ェ門は、彼の息子・稲庭Jr.に用心棒の務めを果たさなかったことをなじられ、仇を討つことを誓う。一方、ルパンたちは伊豆山中のアジトで祝杯を挙げていたが、そこを「バミューダの亡霊」ホークに襲撃される。ルパンたちは逃走するもののホークに追い付かれるが、そこに五ェ門が現れる。五ェ門は自らにかけられた汚名をそそぐため、ホークに戦いを挑むが、ホークは五ェ門の太刀を受け止めて彼を弾き飛ばしてしまう。ホークは五ェ門を無視してルパンたちを殺そうとするが、そこに銭形が駆け付け、ルパンたちは逃げ出し、ホークは「眠気には勝てない」と呟いて無抵抗のまま逮捕される。
ホークに敗れて誇りを失った五ェ門は、剣術を磨くために修行を始めるが、彼に敗れたことがトラウマとなり刀を抜けなくなっていた。一方、銭形は公安局長からホークを釈放するように圧力をかけられる。そのまま局長室を出た銭形の元に「ホークが脱獄した」という報告が入り、銭形は追跡を開始する。ホークは追手のパトカーを振り切り逃走するが、出くわした銭形にバイクを撃たれ、崖下に転落する。しかし、ホークは無傷で立ち上がり、ルパンたちを殺しに向かう。ルパンと次元は、五ェ門の修行を途中まで見届けていたが、ルパンは彼の修行が完遂間近なことを悟り、五ェ門の前から姿を消し、ホークの情報を集めるため銭形に自首する。
五ェ門は修行を終えて満身創痍の状態で鉄竜会の組員たちと出くわし、稲庭Jr.から用済みと判断され、幹部の西郷兄弟からリンチを受ける。その中で、実力が開眼した五ェ門は、西郷兄弟をはじめとした稲庭四天王以下、鉄竜会の組員50人を次々と斬り捨て、ホークから手を引くことを稲庭Jr.に認めさせる。一方、ホークの襲撃を受けたルパンと次元は銭形の元から逃げ出し、山奥の古寺に逃げ込む。ホークはルパンと次元を追い詰め、止めを刺そうとするが、そこに五ェ門が到着する。五ェ門はホークに一騎打ちを挑み、斧で左腕を斬られながらも彼の右腕を斬り捨てる。ホークは五ェ門に斬りかかろうとするが、五ェ門に首を斬り落とされる恐怖を感じ、勝負に敗れたことを認め、五ェ門の前から姿を消す。ホークが去った後、五ェ門は今回の事件で犠牲になった人々のために祈るが、そこに銭形が現れてルパンと次元を逮捕しようとする。五ェ門は修行を見守ったルパンと次元への義理を返すため、2人を逃がして銭形に闘いを挑む。
前作『次元大介の墓標』の好評を受けて続編の制作が検討され、登場シーンをカットされた石川五ェ門を主役に、彼が剣豪になるまでの成長を描くことになった[4][7]。監督の小池健をはじめとするスタッフは前作『次元大介の墓標』から続投している[8]。小池は『ルパン三世』(TV第1シリーズ)初登場時の、自分の剣術に過剰な自信を抱く五ェ門の姿が印象に残っていたとして、その五ェ門が一般的に知られている悟りを開いた剣豪として成長するまでの物語を描くことを思いついたという[3]。そのため、本作の五ェ門は高価な紋付羽織を着て斬鉄剣に豪華な装飾を施した驕った姿で登場するなど「嫌われるくらい高飛車な感じ」なキャラクターとして描かれている[7][3]。また、「前作では登場しなかった五ェ門の活躍が見たい」という反響があったことも理由に挙げられている[4]。
時系列上はTV第1シリーズ第5話「十三代五ヱ門登場」直後の、ルパン三世と五ェ門が信頼関係を築いていない頃で、時代設定は「1960年代後半の下田市の辺り」「前作から1カ月後の日本」となっている[4][3][9]。企画当初は「試し切り」というタイトルで制作されていた[4]。当初のストーリーは、「五ェ門と惹かれ合っていたくノ一の南條ナナをホークに殺され、復讐を誓う」という内容だったが、「ストーリーの軸が二つになる」という理由で没になっている[10]。
脚本の高橋悠也は「TV第4シリーズで五ェ門の台詞が一切ない回があり溜め込むものがあった」として、「今までで一番しゃべる、一番五ェ門も出るシーンが多い作品を作りました」とコメントしている[11]。また、「前作でエッジの効いた表現ができることが分かった」として「今回はR18指定を目指した」とコメントしているが、最終的には前作と同様にPG12指定となった[7][3]。終盤の50人斬りのシーンは滝口禎一が担当し[12]、2万5,000枚から3万枚の原画が使用された。脚本の段階では100人斬りの予定だったが、最終的に50人斬りに決定した[3]。小池は「1作品で五ェ門役が斬った人数は過去のルパンのなかで一番だと思います」とコメントしている[11]。
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