GO (タクシー関連企業)
タクシー関連企業 ウィキペディアから
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GO株式会社(ゴー、英: GO Inc.)は、東京都港区に本社を置き、タクシー配車アプリ「GO」の提供など、タクシー関連事業を行う企業[1]。旅行業および職業紹介事業の許可も有する[2]。筆頭株主は、日本交通およびディー・エヌ・エー (DeNA) [3]。
本社が入居する麻布台ヒルズ森JPタワー | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
機関設計 | 監査等委員会設置会社 |
本社所在地 |
日本 〒106-0041 東京都港区麻布台1丁目3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー23階 北緯35度39分39.0774秒 東経139度44分26.1816秒 |
設立 |
1977年(昭和52年)8月 (株式会社日交計算センター) |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 2011501015896 |
事業内容 | ソフトウェア開発 ほか |
代表者 |
|
資本金 | 1億円 |
会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
主要株主 |
日本交通 ディー・エヌ・エー |
主要子会社 | IRIS |
外部リンク | https://goinc.jp/ |
旧社名はJapanTaxi株式会社(ジャパンタクシー)および、株式会社Mobility Technologies(モビリティーテクノロジーズ)。2023年4月1日付でサービス名に合わせて現社名へ商号変更した。
配車アプリ「GO」の開発・提供を中心に、日本全国のタクシー事業者に向けたモビリティ分野の事業を行っている。
元来は1977年に日本交通の電算システムを管理する子会社(株式会社日交計算センター、1992年より株式会社日交データサービス)として設立された。
2010年より日本全国のタクシー事業者を対象とした「全国タクシー配車」などのタクシー配車アプリの開発・提供を開始した。その後の配車アプリの競争拡大に伴い、2015年に法人名を「JapanTaxi株式会社」、2018年にアプリ名を「JapanTaxi」へ改称した。
現体制は、2020年に同じくタクシー配車アプリ「MOV」を提供するDeNAのMOV部門および同DRIVE CHART部門と当社が事業統合し、社名を「株式会社Mobility Technologies」に変更して以降である。DeNAが会社分割してJapanTaxiが承継した。配車アプリはMOVをベースとして開発が継続され、同年中にアプリ名を「GO」へ改称した[4]。
タクシー配車アプリの運営、および加盟するタクシー事業者への業務支援システムの提供[1]。
GO BUSINESS(ゴー ビジネス)は、法人向けタクシー利用管理サービスである[7]。旧JapanTaxiの「JapanTaxi BUSINESS」に相当する。社員のタクシー利用履歴管理や請求書払い、経理システム連携、Web上からの代理配車の他、来客向けの電子タクシーチケット機能などがある[8]。
GO CALL(ゴー コール)は、施設の車寄せなどにGO CALL端末を設置して運用される、公共施設向けタクシー配車システムである。来訪者が自ら施設に配車を依頼したり、タクシー会社に電話したりすることなく、簡単な操作でタクシーを呼ぶことができる[9][10]。旧アプリの「MOV CALL」「JapanTaxi forTAB」に相当する。
配車後、端末から発行されたレシートに印字されたQRコードを読み取ることで車両位置を確認できる等の機能がある。
GO Dine(ゴー ダイン)は、高級料理店専門のフードデリバリーサービスである。一般的な出前などと異なり、配達はタクシーで行われ、保冷バッグに入れて運搬される。GOに加盟するタクシー事業者の内、貨物自動車運送事業(飲食物限定)の認可を有する事業者が対応する[11]。配送料は料理店から届け先までの距離などに応じた事前確定運賃が請求される。
2023年7月31日にサービス終了。
お客様探索ナビは、加盟事業者に所属するタクシー乗務員向けの需要予測サービスである。運転席に専用端末を設置して利用する。AIが乗客・車載アプリの双方から収集した過去・現在の情報を元に、今後タクシー需要が高いと予測される地域に向けてナビ案内を行い、乗客を探すのに最適な運行経路をタクシー乗務員に提示するもので、新人乗務員の売上確保や、効率的な運行を目指したものである[12]。
DRIVE CHART(ドライブチャート)は、商用車向けドライブレコーダーおよびそれに付随する安全運転支援システムである。危険運転箇所をAIが自動的に抽出し、管理者・運転手が簡単に当該箇所の映像を確認できるなどの機能を備える[13]。
元々DeNAで開発・提供が行われていた(MOVとは無関係の別部門)が、JapanTaxiとの経営統合時にMOV部門と共にDRIVE CHART部門もDeNAから分割され、Mobility Technologies(当時)に引き継がれた[14]。
GO Reserve(ゴー リザーブ)は、GOからの注文のみで運行する車両である。その他ハイヤー枠のトヨタ・ジャパンタクシーに青基調の専用ラッピングを施したもので、乗務員はGO Crew(ゴー クルー)と称する[15]。社名表示灯(行灯)と車外表示機(スーパーサイン)は設置されていない代わりに、フロントウィンドウ上部に「アプリ専用」(APP only)の表示器が装備される。
乗務員の雇用形態は通常のタクシー乗務員とは異なり、時給制・短時間シフトでの勤務が可能である点をアピールしている。従来の雇用形態が障壁となって人手不足が続き、都市部のラッシュ時間帯において全てのGO注文を受けられない状況を改善するために始まった[16]。
車両の運行や乗務員の雇用は提携事業者が担当し、GOは雇用仲介のみ行う。クルーの制服は紺色のノーカラージャケット(支給)のみ指定。リザーブ車両にはGO注文のうち、GO Payと降車地が設定され、乗車距離が一定以下と予想される注文のみが配車され、リザーブ車指定での注文はできない[17]。
2024年(令和5年)5月時点での当事業提携事業者は以下の通り[18]。
タクシー車両を電気自動車に置き換え、脱炭素化・グリーントランスフォーメーション(GX)を推進するプロジェクトである。NEDO採択事業。タクシー事業者向け車両リースや急速充電器の設置などといった、タクシー事業に特化したエネルギーマネジメントシステムを構築していく計画である[20]。
既に当プロジェクトに基づき小田原市と包括連携協定を結んでおり、世田谷区の荏原交通[21]および小田原市の日本交通横浜[22]を皮切りに、複数のタクシー事業者で電気自動車タクシー運行のマネジメントを行っている。
冬期のオーバーツーリズム対策[23]。
以下、統合前も含めて提供アプリの沿革も同時に記す。
法人としては、1977年(昭和52年)に日本交通 (東京都)が子会社として株式会社日交計算センターを設立したのが始まりである。1992年(平成4年)、株式会社日交データサービスに改称。従来は日本交通社内の電算システムの開発・保守を行う会社であったが、ASPを利用したフィーチャーフォン用タクシー配車システムなども開発していた[24]。
2010年(平成22年)頃から、日本交通の会長・川鍋一朗の指揮により、スマートフォンでタクシーを呼ぶアプリ(配車アプリ)の開発を開始、2011年(平成23年)に「日本交通タクシー配車」「全国タクシー配車」をリリースする。スマートフォンの地図上にピンを刺して乗車場所を指定したあと、車両など条件のを選択してタクシーを注文するという仕組みであったが、これは川鍋がピザの宅配アプリから発想を得たという[25]。従来の電話注文に比べ、注文からタクシーの到着までにかかる時間が大幅に短縮されたことから、配車アプリは徐々に人気を増していくこととなる[26]。
2015年(平成27年)にはJapanTaxi株式会社に改称し、同年から2016年(平成28年)にかけて、以下のサービスを提供開始する。
この当時、同社が提供するアプリは、既存の配車システムとの融合を前提としていたため、乗客用アプリ、アプリサーバ、加盟事業者の配車システム、タクシー車両の4者間で情報を往復させて配車を行っていた。この方式は、新規導入する際のコストが抑えられ、タクシー乗務員も従来通りの機器操作でアプリ配車に対応できる点ではメリットがあったが、異なる配車システムが混在する地域では車両決定までに時間がかかる上、各社が個別に受注する配車とも輻輳することから、配車能力に限界があった。
そこで、2018年(平成30年)にはアプリ名をJapanTaxiに改称し、乗客用アプリのUIを一新する。同時に、後述の「タクベル」に倣い、JapanTaxi配車専用の車載器「JapanTaxi DRIVER'S」を加盟事業者向けに提供開始する。これは配車受信機能やカーナビ機能を組み込んだ乗務員向けアプリをAndroidタブレットに搭載したもので、配車をアプリサーバとDRIVER'S端末の2者間でのみやりとりするため、配車能力の向上、効率化につながった。同時に、乗客・乗務員間での音声通話や定型文のやりとりを行えるようになった[27]。
2019年(平成31年・令和元年)には新型「JapanTaxiタブレット」を提供開始。従来は液晶画面とQR決済用カメラのみを有していたところに、クレジットカード決済機(コンタクトレス/IC/磁気対応)とFelica決済機を組み合わせ、決済方法の選択から支払まで乗客自ら行うセルフレジ式決済機となった[28]。
2020年(令和2年)には、当社とタクシー配車アプリ「MOV」を提供するDeNAの当該事業部門が合併し、株式会社Mobility Technologiesに改称された。この時点で「JapanTaxi」は47都道府県の7万台が利用可能で、「JapanTaxi BUSINESS」も1000社以上の登録があった[29]。
日交データサービスによる「全国タクシー配車」リリース以降、配車アプリの人気が高まり、多くのタクシー事業者が同様のアプリを提供しはじめたが、その多くが各社局の車両のみ配車可能なものであった[32]。一方で、従来より事業者跨ぎでの配車を目指していた「全国タクシー配車」は日本交通という特定の事業者が母体となっていたために忌避する事業者もあり、2016年(平成28年)には東京ハイヤー・タクシー協会により、これらを解決したアプリ「スマホ de タッくん」が提供開始されるまでとなったが[33]、いずれも各社が保有していた既存の配車システムとの融合を図ったものであったため、システム面での課題を多く抱えていた[32]。
DeNAはこうした状況に着目し、自社のオートモーティブ事業部内に新部門を立ち上げ、2017年(平成29年)より「タクベル」でタクシーアプリ事業に参入した。大まかな機能(地図上で場所を指定して注文、カード登録によるネット決済機能など)は先発の各配車アプリに倣っているが、従前の課題を解決すべく、当初より「専用の乗務員端末を用いて」「AIにより車両を決定するシステム」を、日本の配車アプリとして初めて導入した[34]。
2017年(平成29年)に神奈川県タクシー協会の協力の下、横浜市内で実用実験を開始した。後に、神奈川県全域への拡大、京阪神地域への進出を経て、2018年(平成30年)には正式全国展開と共にアプリ名を「MOV」に変更した。
2019年(平成31年・令和元年)には、以下のサービスを提供開始する。
2020年(令和2年)には、DeNAのMOV部門が同業のJapanTaxi株式会社と事業統合することとなり、同社は名称を「株式会社Mobility Technologies(MoT)」に変更。MOVの全事業はMoTに引き継がれた[14][39]。この時点でMOVは全国7エリアで展開していた[40]。
2020年(令和2年)2月4日、DeNAのMOV部門とJapanTaxi株式会社の事業統合が発表され、同年4月1日には先述の通り「株式会社Mobility Technologies(以下、MoT)」として事業を開始した。統合時点の株式はDeNAと日本交通が各38.17%を保有し、残りは日本交通以外の旧JapanTaxiの株主がそのまま保有する。事業統合はDeNAが当該部門を会社分割で切り離し、それをJapanTaxiが承継するという形で行われたが、会長の川鍋は内部的な認識は対等な合併であることを強調している[4]。
事業統合の理由として、「JapanTaxiの日本全国に及ぶ加盟事業者・台数と、タクシー向けハードウェアの開発能力」「DeNAのAIを用いた技術開発、サービスづくりの能力」という両者の強みを活かし、経営資源の集約化により事業拡大を加速し、日本のタクシー産業の次世代化を図る旨が公式より発表された[14]。
事業内容は両者のものを統合した上で順次整理が進められた。同年9月1日には統合後の配車アプリの名称が「GO」となることが発表され、同日リリース開始[51]。当初の対応予定範囲は、JapanTaxiとMOVの加盟事業者を合算した、47都道府県の約10万台[40]。その後、2020年~2021年にかけて以下のような施策が採られた[52]。
システムの統合が進んだ2021年(令和3年)以降は、タクシーによる料理配達サービスの「GO Dine」[58]や、タクシー車両の電気自動車化を進める「GX(グリーントランスフォーメーション)プロジェクト」[59]など、配車アプリに限らないタクシー産業全体を対象とした事業を拡大している[60][20]。
2022年(令和4年)に加盟する大半の事業者のJapanTaxiからGOへの切替が完了し、JapanTaxiは2023年(令和5年)にサービス終了となったが、2024年現在でも島根県・鳥取県でGOに対応する事業者はない。
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