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75式130mm自走多連装ロケット弾発射機(ななごしき130ミリじそうたれんそうロケットだんはっしゃき)は、陸上自衛隊の装軌式の自走多連装ロケット砲である[1]。
広範囲に展開する陸上兵力の制圧を目的として開発され、73式装甲車の試作型「SUII」の車体に、75式130mmロケットりゅう弾[2]の多連装ロケット弾発射機を搭載し[1]、略記号は75MSSR(またはMSSR=Multiple Surface to Surface Rocket)。
1969年より開発を開始し、1973年から実用試験が行われ[1]1975年に制定化された。
1977年より取得、装備され[3]計66両が調達された[4]。1両の調達価格は1983年(昭和58年)において2億2,000万円である。
73式装甲車の小松製作所製試作型である「SUII」を基にした車体に30連装のロケット弾発射装置を搭載している[1]。発射装置は上から順に7列、8列、7列、8列を重ねた変則的配置となっており、各発射軌道が単純には並んでいない形式になっている[1]。射界は左右50度、最大仰角50度である。
ロケット弾発射装置の他、車体前部右側の車長(発射班長)席には12.7mm重機関銃M2が装備されている。この機銃架はロケット弾の発射時に射線を妨害しないように、射撃時には真横に倒すことができる[4]。
搭載する75式130mmロケットりゅう弾は、4枚の固定フィンを持つ、重量43㎏の単段固体燃料ロケットであり、単発もしくは0.4秒間隔の連射を行う[1]。
出典: 防衛庁 (1975年12月17日). “制式要綱 75式自走多連装130mmロケット弾発射機 XC 5004”. 2004年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月9日閲覧。
諸元
性能
砲弾・装薬
有翼安定式のロケット弾であるため、射撃時は風の影響を受け易い。そのため、射撃精度の向上を狙い、射撃前に同行している75式自走地上風測定装置により風力・風向などの観測による諸元調整後に、ロケット弾を発射する[1]。射程の関係上、実弾射撃が行えるのは矢臼別演習場に限定されていた(唯一上富良野演習場に関してはM31トレーナー射場において演習弾による射撃のみ行われた事もある)。
主に北部方面隊の第1特科団、師団特科部隊などに配備された。例外として、北部方面隊以外では唯一、第3特科群(現:第2特科団)第128特科大隊が装備していた。
装備部隊
装備部隊の廃編[5]や75式自走155mmりゅう弾砲・多連装ロケットシステム(MLRS)への装備更新など[6]により、2003年頃までに全車退役した。
なお、一部駐屯地(湯布院駐屯地など)では展示用として退役車両が現存する。
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