高砂香料工業株式会社(たかさごこうりょうこうぎょう、英: TAKASAGO INTERNATIONAL CORPORATION[1])は、日本最大の香料メーカー。本社所在地は東京都大田区蒲田5-37-1アロマスクエア17F。資本金92億円。東京証券取引所プライム市場上場企業(化学に分類)。売上高国内首位、2013年の世界市場におけるシェアは5.2%で、5番目[2]。
1920年に甲斐荘楠香ら12名の香料技術者により創設された高砂香料を母体として、1951年に設立。現在では世界28の国と地域にてフレーバーを中核に、フレグランス・アロマイングリディエンツ・ファインケミカルの4つの事業について開発・製造・販売を展開している。
支店は大阪・名古屋・福岡、出張所・連絡所は静岡・徳島、総合研究所が平塚(神奈川県)、工場が平塚・磐田(静岡県)・鹿島(茨城県)にある。
2001年のノーベル化学賞を受賞した野依良治(名古屋大学教授)は同社の取締役のひとり。
現在、本社が置かれているアロマスクエアは同社東京工場跡地である。
- 1919年(大正8年)7月 - 創業者・甲斐荘楠香が丸見屋(のちミツワ石鹸)を辞職し、香料技術者12名と独立。
- 1920年(大正9年)
- 1928年(昭和3年)1月 - 大礼記念国産振興東京博覧会でバニリン、ヘリオトロピンなど高砂香料製品が「優良国産賞」を受賞。
- 1929年(昭和4年)3月 - スイス・アロンドン商会にサフロール3 tを輸出(日本最初の香料輸出)。
- 1938年(昭和13年)7月 - 本社を台北に移転。
- 1939年(昭和14年)7月 - 高砂化学株式会社に改称。
- 1945年(昭和20年)11月 - 中国国民政府の管理下に置かれる。
- 1947年(昭和22年)3月 - 平塚工場が竣工。
- 1948年(昭和23年)8月 - 販売会社として高砂香料株式会社を設立。
- 1951年(昭和26年)2月 - 高砂化学と高砂香料が合併、高砂香料工業株式会社に改称。本社を東京に移転。
- 1963年(昭和28年)1月 - 東京証券取引所第2部に上場。
- 1968年(昭和43年)
- 1969年(昭和44年)8月 - 東京証券取引所第1部に上場。
- 1975年(昭和50年)5月 - シンガポールに現地法人Takasago Far East Co Pte., Ltd. (現・Takasago International (Singapore) Pte., Ltd.、連結子会社)を設立。
- 1978年(昭和53年)10月 - フランス・パリに現地法人Takasago Europe Perfumery Laboratory S.A.R.L. (現・連結子会社)を設立。
- 1980年(昭和55年)3月 - 鹿島工場が竣工。
- 1983年(昭和58年)7月 - 不斉合成によるl−メントールの製造を磐田工場で本格的に開始。
- 1988年(昭和63年)11月 - スペインのAceites Esenciales Y Derevados, S.A.の株式を30%取得[注釈 1]。
- 1992年(平成4年)1月 - ドイツ・トロイスドルフに現地法人Takasago Europe G.m.b.H(現・連結子会社)を設立。
- 1995年(平成7年)11月 - 中国の上海家化(集団)有限公司との合弁会社・上海高砂・鑑臣香料有限公司(現・連結子会社)への出資比率を60%に引き上げ、子会社化。
- 1998年(平成10年)11月 - 本社をアロマスクエアに移転。
- 2000年(平成12年)2月 - 創業80周年を迎える。
- 2001年(平成13年)1月 - 社外取締役の野依良治がノーベル化学賞を受賞。
- 2003年(平成15年)10月 - ISO9001の全社統合認証を取得。
- 2004年(平成16年)
- 2008年(平成20年)11月 - 米国ニュージャージー州のWessel Fragrances, Inc.から事業を譲受。
- 2013年(平成25年)
- 1月 - マダガスカルにバニラの生産拠点Takasago Madagascar S.A.、モロッコにバニラの加工拠点Takasago Morocco(SteCananga S.A.R.L.)を設立。
- 7月 - 広島県三原市に高砂香料西日本工場株式会社を設立。2015年10月に竣工。
- 9月 - トルコに事業所Takasago International Turkey Esans ve Aroma San. Tic. A.S.を開設。
- 2016年(平成28年)1月 - 米国ノースカロライナ州のCentre Ingredient Technology.Inc.の全株式を取得。
- 2017年(平成29年)3月 - インド・チェンナイに現地法人Takasago International(India)Pvt. Ltd.(現・連結子会社) が新工場を竣工。
- 2019年(令和元年)11月 - インドネシアに現地法人PT. Takasago International Indonesia(現・連結子会社)が新工場を竣工。
ファインケミカル部門
- 医薬中間体
- 写真工業薬品を含む有機電子材料などの精密化学品
- 株式会社高砂ケミカル - 香料、化成品の製造販売及び輸入
- 株式会社高砂アロマス - 高砂グループ製品の販売及び商品の購入
- 高砂スパイス株式会社 - 香辛料、食料品の製造販売
- 高砂フードプロダクツ株式会社 - 天然系調味料、食品香料の製造販売
- 高砂珈琲株式会社 - コーヒー豆の輸入加工、コーヒーの製造販売
- 高栄産業株式会社 - 倉庫業及び洗瓶・包装業
- 高和産業株式会社 - グループの管理業務の受託
- 有限会社高砂保険サービス - グループの保険関係の代理
- 株式会社高砂インターナショナルコーポレーション - ロイヤリティの支払い他
- 南海果工株式会社 - 果汁等飲料を中心とした食料品原料の製造販売
- 高砂香料西日本工場株式会社 - 天然系調味料、食品香料の製造販売
アメリカ
- Takasago International Corp. (U.S.A)
- Centre Ingredient Technology.Inc.
- Takasago de Mexco S.A.de C.V.
- Takasago Fragrancias E Aromas Ltda. (Brazil)
ヨーロッパ・アフリカ
- Takasago Europe Perfumery Laboratory S.A.R.L. (France)
- Takasago International (Deutschland) G.m.b.H.
- Takasago International (Italia) S.R.L.
- Takasago International (Espana) S.R.L. (Spain)
- Takasago (U.K.) Ltd.
- Takasago International corporation South Africa (PTY) Ltd.
- Takasago Europe G.m.b.H. (Germany)
- Takasago International Chemicals (Europe) S.A. (Spain)
- Takasago Magagascar S.A.
- STE Cananga SARL (Morocco)
- Takasago International Turkey Esans ve Aroma San. Tic. A.S.
アジア−太平洋地域
- Takasago International (Singapore) Pte.Ltd.
- Takasago International (Philippines), Inc.
- Takasago Import And Export (Thailand) Ltd.
- Takasago International (India) Pvt.Ltd.
- P.T.Takasago Indonesia
- P.T.Takasago International Indonesia
- Takasago International Corporation (Korea)
- Takasago International Corporation (Taiwan)
- Takasago International (Malaysia) Sdn. Bhd.
- Takasago International (Pakistan) Pvt. Ltd.
- 上海高砂・鑑臣香料有限公司
- 上海高砂香料有限公司
- 高砂香料(広州)有限公司
- 厦門華日食品有限公司
注釈
1998年に全株式を取得。2005年5月、Takasago International Chemicals (Europe) S.A.に社名変更
- BINAP - 社外取締役野依良治が開発し、2001年ノーベル化学賞を受賞
- l -メントール - 世界初の不斉合成の工業化に成功
- 野依賞 - スポンサーとして供託金を提供