親韓(しんかん、: Pro-South Korean)とは、大韓民国に好意的な立場を指す。対義語は嫌韓反韓。日本では、第二次世界大戦末期以前から日本統治時代体験していた韓国人達が国内の多数占めて日本統治時代の実情を知っていた時代、さらに反共を韓国政府と韓国国内世論が最優先していた時代の前後、民族主義的な教科書など非実体験でしか日本統治時代を知らない人が韓国社会を動かすようになった前後でこの立場をとる人々の政治思想が大きく異なる。韓国で反日の優先度・卑日が強まるにつれて、日本の右派・左派で親韓・反韓の割合が逆転している[3][4][5]

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2017年 BBCワールドサービスの国際世論調査
調査対象国別の対韓国観[1]
調査対象国肯定否定どちらでもない肯定-否定
中華人民共和国の旗 中国
25%
71%
2 −46
ドイツの旗 ドイツ
11%
32%
57 −21
スペインの旗 スペイン
24%
42%
34 −18
ブラジルの旗 ブラジル
36%
46%
18 −10
メキシコの旗 メキシコ
36%
42%
22 −6
ギリシャの旗 ギリシャ
24%
29%
47 −5
パキスタンの旗 パキスタン
19%
22%
59 −3
インドの旗 インド
27%
28%
45 −1
ペルーの旗 ペルー
37%
37%
260
ケニアの旗 ケニア
34%
34%
320
フランスの旗 フランス
45%
44%
11 1
トルコの旗 トルコ
39%
33%
28 6
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
44%
34%
22 10
カナダの旗 カナダ
47%
36%
17 11
イギリスの旗 イギリス
52%
40%
8 12
ロシアの旗 ロシア
32%
20%
48 12
インドネシアの旗 インドネシア
37%
23%
40 14
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
51%
33%
16 18
オーストラリアの旗 オーストラリア
61%
24%
15 37
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2014年 BBCワールドサービスの国際世論調査
調査対象国別の対韓国観[2]
調査対象国肯定否定どちらでもない肯定-否定
ドイツの旗 ドイツ
24%
59%
17-35
スペインの旗 スペイン
21%
50%
29-29
日本の旗 日本
13%
37%
50-24
メキシコの旗 メキシコ
22%
41%
37-19
チリの旗 チリ
21%
40%
39-19
イスラエルの旗 イスラエル
11%
25%
64-14
ブラジルの旗 ブラジル
32%
41%
27-9
フランスの旗 フランス
42%
46%
12-4
ペルーの旗 ペルー
32%
35%
33-3
イギリスの旗 イギリス
45%
45%
100
インドの旗 インド
30%
23%
47 7
ケニアの旗 ケニア
36%
28%
36 8
中華人民共和国の旗 中国
40%
32%
288
パキスタンの旗 パキスタン
31%
23%
468
カナダの旗 カナダ
48%
39%
139
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
46%
36%
1810
ロシアの旗 ロシア
35%
23%
4212
トルコの旗 トルコ
38%
22%
4018
インドネシアの旗 インドネシア
48%
27%
2521
アメリカ合衆国の旗 アメリカ
55%
34%
1121
オーストラリアの旗 オーストラリア
62%
27%
1135
大韓民国の旗 韓国
68%
26%
642
ガーナの旗 ガーナ
63%
16%
2147
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冷戦時代の右派による親韓

親米保守派は、韓国も日本と同じ米国側の資本主義西側諸国)の国であることから北朝鮮より韓国を朝鮮半島唯一の国家として支持する親韓のスタンスを取っていた[6]

岸信介福田赳夫などが大きな存在感をもち、政界に限らず日本の政界と韓国軍事政権とは緊密な関係を保っており、日韓基本条約締結以後は独立祝金や企業による技術移転や多額の政府間経済協力(ODA円借款)も行なわれていた。現在の韓国の主要な産業が海運、造船、自動車、電子、機械、製鉄など金融以外の日本の産業と酷似しているのはそのためである[7]。また、当時の日本の右派陣営は韓国の政権との協調を優先した。朝鮮総連が派遣した在日韓国人によって、暗殺事件がおきるなど在日北朝鮮支持者らが日韓の仲を裂こうとする言動が相次いだ。当時の日本の左派陣営は韓国には否定的で北朝鮮に非常に好意的だった(拉致問題以後の現在でも韓国よりも北朝鮮に好意的なままの左派は存在する)。日本の左派は「韓国を支配しているのは朴正煕の軍事独裁政権であり、日本や米国の支配層と癒着して民衆を抑圧している」と主張し、北朝鮮こそ朝鮮半島の正統国家として金日成独裁を地上の楽園と言うまでに全面支持してい た[8][9]

韓国民主化以後の左派による親韓

韓国が民主化されると日本の左派陣営は韓国に対する否定的な見解は少なくなった。さらに2002年の拉致問題への日本国内主流世論確定以後さえも北朝鮮に好意的な言動を示すことによって、親北思想を維持する極左より圧倒的に多い支持層の中道左派の反発を恐れて好意を表だって出来くなった分、一部の拉致被害者帰還以後は韓国に特に心を置いている。これは、軍事政権崩壊による反動で民主化後の韓国で政権与党になったのが、新千年民主党金大中)、ウリ党盧武鉉)、共に民主党文在寅)など主に中道左派政党であったのも影響している。

下記のように共産党社民党、旧民主党党として親韓の言動をすることがある。特に旧民主党に関しては党内の左右を問わず親韓的な傾向が強かったが、旧社会党系と旧民社党系では背景が異なり、後者は冷戦時代の反共主義に由来するものであった。公明党2009年から2012年までのように自民党が野党になって連立として協議や配慮をしなくてよくなると態度が変わって他の左派政党と今度は協調して同じ言動を下記のように積極的にし始める[10]

韓国民主化以後の右派による韓国批判

日本の保守派議員は冷戦時代はソ連・中国・北朝鮮など反共の防波堤として基本的に親韓であったが、 韓国の民主化冷戦の終結により日本を貶めて快哉を叫ぶ韓国の国民的運動[9]など反日卑日の韓国の実態が知られると[38]、韓国へ距離を置いたり批判することが目立つようになった。保守系団体や右翼団体では反韓国のスローガン(比較的友好だった時代は棚上げされていた竹島奪還や在日特権廃止など)を掲げる団体も発生した。

在韓30年以上の黒田勝弘産経新聞ソウル駐在客員論説委員は、朴槿恵大統領に対する名誉毀損韓国検察当局が産経新聞ソウル支局長を起訴したことについて「韓国で軍人政権時代が終わって言論の自由のある民主化以後に日本のメディアが法廷に立たされるのはこれが2件目である。そしてその1件目は金泳三政権の1993年にフジテレビ・ソウル支局長が逮捕、起訴されているが、いずれも本来は保守親韓的だったフジサンケイグループが韓国の法的処罰の対象にされるというのは皮肉である」としている[6]

しかし、2014年の日韓関係の時でさえセヌリ党、統一教会及びその関連団体の国際勝共連合世界平和女性連合など、韓国の政治家や宗教団体との関係が深い保守系議員も少ないが存在している(野田毅河村建夫谷川弥一ら)。特異な例として次世代の党田沼隆志は、歴史問題等での反韓国のスタンスの一方、統一教会主催のイベント「グローバル・ユース・フェスティバル2014」に来賓として参加し挨拶を行うなど統一教会への友好的な態度を示している[39]

脚注

関連項目

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