白糠町
北海道白糠郡の町 ウィキペディアから
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白糠町(しらぬかちょう)は、北海道東部、釧路総合振興局管内の白糠郡の町である。
しらぬかちょう 白糠町 | |||||
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恋問海岸(2008年) | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 北海道地方 | ||||
都道府県 | 北海道(釧路総合振興局) | ||||
郡 | 白糠郡 | ||||
市町村コード | 01668-3 | ||||
法人番号 | 3000020016683 | ||||
面積 |
773.13km2 | ||||
総人口 |
7,039人 [編集] (住民基本台帳人口、2024年9月30日) | ||||
人口密度 | 9.1人/km2 | ||||
隣接自治体 |
釧路市 十勝総合振興局:足寄郡足寄町、中川郡本別町、 十勝郡浦幌町 | ||||
町の木 | ナナカマド | ||||
町の花 | キンセンカ | ||||
他のシンボル | - | ||||
白糠町役場 | |||||
町長 | 棚野孝夫 | ||||
所在地 |
〒088-0392 北海道白糠郡白糠町西1条南1丁目1番地1 北緯42度57分22秒 東経144度04分19秒 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
アイヌ語に由来する。原義は諸説が示されてきた中で、山田秀三の考察では、過去に示されてきた解釈を踏まえた上で、「シラリカㇷ゚(sirar-ika-p)」(〔潮が〕岩を・越える・場所)、あるいは「シラロイカ(sirar-o-ika)」(〔潮が〕岩を・そこで・越える)、「シラルカウ(sirar-u-ka-u)」(〔潮が〕岩の・互いに・上に・ある〔=重なりあう〕)などに由来すると解している[2]。いずれにしても、これは市街の東に有る、石炭岬付近の岩礁を表した地名と考えられる[2]。
釧路総合振興局西部に位置する。距離は釧路市都心部から西に約30 km。町域の東西を、東西へ飛び地になった釧路市に挟まれている。帯広市からは東に約90 km。
北部の方が標高が高い傾向が見られる。南部の太平洋沿岸に沿って東西に国道38号、根室本線が走る。また、根室本線の白糠駅の付近には、白糠町役場が置かれ、白糠港とも近い。また、町域東端部の釧路市との行政境界付近には、釧白工業団地が整備された。人口の多くも海岸部に集中する。なお、人口の分布とは関連性が低いものの、釧路市との行政境界に跨って、釧路空港の滑走路が存在する。
参考までに、白糠町成立前の江戸時代から、町域では炭鉱の開発が為されていたものの、それらは全て閉山した。ただし、白糠港の東に「炭鉱岬」という地名が残存する。
町内の河川は、全て太平洋に注ぐ。他の市町村とは、ほとんど集水域を共有しない。
ケッペンの気候区分によると、白糠町は湿潤大陸性気候に属する。寒暖の差が大きく、気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。冷帯に分類される地域の中でも、降雪量が多く、豪雪地帯に指定されている。冬季は-20 ℃を下回る気温の観測事例が珍しくなく、寒さが厳しい。夏季には千島海流の影響を受けて、海岸部では濃霧が出る場合が有る。例えば、釧路空港などでも濃霧が観測され、航空機の離着陸にも影響が出ていた[注釈 1]。有視界飛行では、濃霧発生時の離着陸は難しい程の濃霧である。なお、濃霧が出た場合には、気温が上昇し難い。
白糠(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 8.2 (46.8) |
13.2 (55.8) |
15.6 (60.1) |
26.4 (79.5) |
30.9 (87.6) |
31.1 (88) |
33.4 (92.1) |
35.5 (95.9) |
31.3 (88.3) |
23.1 (73.6) |
21.2 (70.2) |
13.1 (55.6) |
35.5 (95.9) |
平均最高気温 °C (°F) | −0.3 (31.5) |
−0.2 (31.6) |
3.4 (38.1) |
8.8 (47.8) |
13.4 (56.1) |
16.3 (61.3) |
20.0 (68) |
21.9 (71.4) |
20.2 (68.4) |
15.3 (59.5) |
8.8 (47.8) |
2.3 (36.1) |
10.8 (51.4) |
日平均気温 °C (°F) | −6.2 (20.8) |
−5.9 (21.4) |
−1.4 (29.5) |
3.5 (38.3) |
8.3 (46.9) |
12.0 (53.6) |
16.0 (60.8) |
17.8 (64) |
15.4 (59.7) |
9.5 (49.1) |
3.2 (37.8) |
−3.3 (26.1) |
5.8 (42.4) |
平均最低気温 °C (°F) | −13.0 (8.6) |
−13.0 (8.6) |
−7.2 (19) |
−1.8 (28.8) |
3.3 (37.9) |
8.3 (46.9) |
12.8 (55) |
14.6 (58.3) |
11.0 (51.8) |
3.6 (38.5) |
−2.8 (27) |
−9.5 (14.9) |
0.5 (32.9) |
最低気温記録 °C (°F) | −26.5 (−15.7) |
−29.2 (−20.6) |
−20.8 (−5.4) |
−14.6 (5.7) |
−7.2 (19) |
−1.9 (28.6) |
2.9 (37.2) |
5.3 (41.5) |
−0.5 (31.1) |
−6.5 (20.3) |
−13.4 (7.9) |
−22.9 (−9.2) |
−29.2 (−20.6) |
降水量 mm (inch) | 38.3 (1.508) |
25.6 (1.008) |
53.9 (2.122) |
82.2 (3.236) |
123.1 (4.846) |
113.3 (4.461) |
132.5 (5.217) |
148.9 (5.862) |
170.4 (6.709) |
119.6 (4.709) |
63.6 (2.504) |
55.0 (2.165) |
1,119.1 (44.059) |
降雪量 cm (inch) | 77 (30.3) |
71 (28) |
78 (30.7) |
14 (5.5) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
8 (3.1) |
49 (19.3) |
298 (117.3) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 5.0 | 4.3 | 7.2 | 8.8 | 10.3 | 9.5 | 11.0 | 11.6 | 10.8 | 8.6 | 8.1 | 6.6 | 101.5 |
平均月間日照時間 | 187.0 | 183.4 | 197.4 | 182.2 | 172.1 | 128.7 | 112.7 | 123.0 | 140.8 | 174.3 | 170.0 | 177.6 | 1,949.2 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[3] |
(白糠町HP)
かつて、本町と白糠郡音別町および阿寒郡阿寒町を管轄する釧路西部消防組合の本署が置かれていた。しかし、2005年10月11日の釧路市新設合併に伴い釧路西部消防組合が解散し、釧路市消防本部と統合された。これ以降、本町は釧路市に常備消防事務を委託している。
2021年7月5日に、福地裕行町議が、マスク不着用や、口元を切り取ったマスク姿で議会での発言を認められず、退席を求められた[9][10]。2021年9月13日に議会は辞職勧告を決議したのに対して、町議は受け入れず、損害賠償を求めて町を提訴した[11]。裁判中は「マスクの着用は有害無益だ」と訴え、法廷には弁護士と共にマスクを付けずに入り、着用を求められても応じなかった[12][11]。弁護士は、神真都Qの弁護士である木原功仁哉が担当した[9][13]。2022年3月29日、町議に敗訴の判決が言い渡された[10]。
酪農と漁業が盛んであり、農業も営まれている。工業については、食品加工の他に発電事業が目立つ。林業も営まれており、林業関連の工業として、ベニヤ板の製造が為されている。なお、鉱業は廃れた。
農業では、鍛高地区でシソの栽培が行われており、その地名はシソ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」の名に冠されている。酪農に関しては、町域の南東部に「共同利用模範牧場」も有る。
漁業は、シシャモやサケなどの定置網を用いた漁法による漁が盛んだったものの、2010年代以降はサケの漁獲量が激減し、代わってブリの漁獲量が急増した。ブリ専用の加工場を整備し「極寒ブリ」としてブランド化し、ふるさと納税の返礼品などに活用している[14]。
かつては雄別炭礦の上茶路炭礦、明治鉱業の庶路炭礦など複数の炭鉱で採炭されていたものの、いずれも閉鉱した。町の南東端部には釧路白糠工業団地が置かれ、軽工業と食品加工業の企業を中心に立地している。また、西庶路地区西部にも軽工業団地が置かれている。釧路市、白糠町全域が釧路・白糠次世代エネルギー特区に指定され、ジメチルエーテルの研究・供給拠点の集積を図っている。この関係も有り、木質バイオマス発電所やメガソーラー発電所といった再生可能エネルギーの発電所が集積している。
白糠町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 白糠町の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 白糠町
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
白糠町(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
2021年8月末現在
閉校した学校
かつては国鉄の白糠線が、沿岸部の白糠駅から茶路川に沿って北進まで通じていた。北進からは、分水嶺を越えて、足寄町の螺湾地区を通り[注釈 2]、今度は螺湾川、足寄川に沿って降って、足寄駅まで延伸する計画が有った。しかし、1983年10月23日に白糠線は廃止された。なお、その延伸計画先の足寄駅も、池北高原鉄道の廃線に伴って、すでに無い。
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