Loading AI tools
ウィキペディアから
田んぼアート(たんぼアート)は、田んぼをキャンバスに見立て色の異なる稲を使って、巨大な絵や文字を作り出すプロジェクト、またその作品。
田んぼアートは田んぼをキャンバスに見立て、色の異なる稲を植えることで巨大な絵や文字を作る。大規模なものの多くは斜め上から見る前提で図案を設計し、これに基づいて遠近を考慮して植えられている。使用する稲は背景の緑部分には現代の食用に広く栽培されている品種、図柄の部分には古代米と呼ばれている在来種のうち葉色が濃い紫や黄色の稲、または公的機関で葉色や穂色が鮮やかなものを選抜して育成した観賞用品種の稲で、これらの葉や穂の色によって緑色、黄緑色、濃紫、黄色、白色、橙色、赤色といった色が作られる。
1993年(平成5年)に青森県南津軽郡田舎館村で村おこし(地域活性化事業の1つ)として田舎館村の村役場の裏手にある田んぼで田んぼアートが開始された。その後2010年以降になるとこれが日本全国に広まり、全国田んぼアートサミットも開催されている。
田舎館村の田んぼアートが行なわれる場所は、村役場の東側にある約1.5haの水田である。2012年からは、第2会場として道の駅いなかだて施設内の田んぼも設定された。使用されている稲は、当初、古代米2種類(黄稲、紫稲)と、この地方で栽培されているブランド米の「つがるロマン」の計3種類であったが、2006年には、新たに「紅染」「紅都」という赤色系の苗(生育した稲は白色などに見える)を加えた5種類、2011年には新色(オレンジ、深緑)を加えた7種類となり、2019年現在では「つがるロマン」及び「あさゆき」(緑色)、「紫大黒」(紫)、「黄大黒」(黄色)、「緑大黒」(濃緑色)、「ゆきあそび」(白)、「あかねあそび」(橙)、「べにあそび」(紅)、「紫穂波」(穂が紫)、「赤穂波」(穂が赤色)、「白穂波」[2](穂が白)の11種類7色となっている[3][4][5][6]。村役場、道の駅ともに展望室が開放され、作品を眺めることができる。毎年多くの人が訪れ、2007年度には24万人が訪れた。また田植えや稲刈りへの参加者も募集しており、多くの人が参加している。2013年は、第1会場で6月2日に田植え体験ツアー(8時半受付スタート、9時半開会式)が、第2会場では13日・14日に田植えを行った。
2008年には、運営費をまかなうための増収策として、「大黒様」の下部に日本航空(JAL)と東奥日報120周年のロゴを入れ、広告費として200万円を得ることとしたが、地権者で協議会のメンバーでもある前村長が、事前の連絡がなかったとして抗議し、「広告絵柄を抜き取らないと来年から水田を貸さない」と述べた。これを受け、「田舎館村むらおこし推進協議会」が僅差で抜取りを決め、村職員が広告部分の苗を抜き取った[7][8][9]。田植えに参加した住民などは、抜き取りに抗議した[10]。選挙戦で争った現村長との確執が背景にあるともされる。この抜き取りについて、東奥日報が、日本航空の広告部分を抜き取ったことで広告収入が入らなくなったとして、主催者の田舎館村に対し、241万円の損害賠償を求めた[11]。
2013年には、第2会場がある道の駅いなかだて付近に、弘南鉄道弘南線の田んぼアート駅(7月27日開業)が設置され、同時に役場前の第1会場と第2会場を結ぶシャトルワゴン車の運行が開始された[12]。
田んぼアートのRice Codeがカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルで2部門の金賞を獲得し、合わせて五つの賞を受賞した[13]。
古代蓮の里にある古代蓮会館の展望室(高さ約50 m)から一望できる。約2.8 haと大きく、2015年に世界最大の田んぼアートとしてギネス世界記録(記録名:Largest rice field mosaic)の認定を受けた[15][16]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.