清澄寺 (鴨川市)
千葉県鴨川市にある仏教寺院 ウィキペディアから
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清澄寺(せいちょうじ)は、千葉県鴨川市清澄にある日蓮宗の大本山。山号は千光山。日蓮が出家得度および立教開宗した寺とされ、総本山久遠寺・大本山池上本門寺・大本山誕生寺とともに日蓮宗四霊場と呼ばれる[1]。
清澄寺 | |
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大堂 | |
所在地 | 千葉県鴨川市清澄322-1 |
位置 | 北緯35度9分39.4秒 東経140度9分5秒 |
山号 | 千光山 |
宗派 | 日蓮宗 |
寺格 | 大本山(霊蹟寺院) |
本尊 | 十界曼荼羅 |
創建年 | 伝 771年(宝亀2年) |
開山 | 伝 不思議法師 |
正式名 | 千光山清澄寺 |
札所等 |
安房国札三十四観音霊場17番 東国花の寺百ヶ寺千葉11番 |
文化財 | 清澄寺中門 他 |
公式サイト | 大本山清澄寺オフィシャルサイト |
法人番号 | 1040005015856 |
寺の縁起によれば、旅の僧(聖僧)が当地を訪れて虚空蔵菩薩を祀る一寺を建立し、山岳信仰の霊場となったという。僧の素性は不明で、「不思議法師」と呼ばれた。山頂近くに古い柏の木があり怪しく千光を発していたことから山号を千光山とし、柏の木の下に水の涸れた池があって、加持すると清泉がたちまちに沸いたことから寺号を清澄寺としたという。かつては12坊25堂を構える天台宗の巨刹として栄えたが、1618年(元和4年)には徳川秀忠の命により智積院の頼勢が入寺し真言宗に改宗された。この時、朱印500石と十万石格式が与えられ併せて独礼寺格も有する事となった。また醍醐三宝院門跡の関東別院に定められ、十六葉菊紋の使用と駆け込み罪人の特赦が認められた。その後1949年(昭和24年)2月16日に日蓮宗に改宗し、以後大本山として威容を整えている。
清澄山(きよすみやま)の主峰は標高377mの妙見山で、千葉県で3番目に高い山である[2]。本堂付近の標高は約310メートルで境内全域が南房総国定公園に含まれており、北斜面には暖帯性、南斜面には亜熱帯性の植物が自生する植物分布の境界となっている。また、安房・上総の分水界にもなっており、養老川や小櫃川は清澄山に源流を有している。地質学的には新第三紀に形成され、泥板岩や砂岩で構成されている。境内の一部である旭が森は富士山を除いて本土で一番早く初日の出が拝める場所(犬吠埼より早い)である。なお、境内の近隣には東京大学農学部の演習林があり、東京帝国大学教授で日本初の林学博士である本多静六は『造林實習日誌』の中で“明治神宮造営に関係して全国の社寺の風致林を見て歩いたが、そのうえでも特に清澄寺の風致林は模範的なものであった”と評している。[3]
1222年(承久4年)2月16日[注 1]、日蓮は安房国長狭郡東条郷(現・千葉県鴨川市小湊)で生まれた[注 2]。善日麿と名付けられた日蓮は、12歳になると清澄寺に預けられ薬王丸と改名、住僧・道善房に師事して16歳で出家得度し是聖房蓮長の名を授かった[注 3]。本尊の虚空蔵菩薩に「日本第一の智者となし給へ」と祈願した日蓮は[注 4]、鎌倉・京都・比叡山・高野山・天王寺などへ遊学、清澄寺に戻った時には32歳となっていた[注 5]
1253年(建長5年)4月28日、清澄寺で帰山報告を兼ねた説法会を行った日蓮は、文献を基に浄土宗を批判し法華経が最も優れた経典と語った。この説法は念仏信者の反発を呼び、日蓮を捕える動きがあったが、師・道善房や兄弟子の浄顕房・義浄房らの助けによって日蓮は安房国を脱した[注 6]後世の伝記によればこの日の朝、日蓮は旭が森に登り、朝日に向かって題目「南無妙法蓮華経」を唱えたとされ、日蓮宗では4月28日を記念して立教開宗の日としている。また日蓮はこの後、蓮長から日蓮へと名を改めている[7][8]
1276年(建治2年)3月16日、師・道善房が没した。日蓮は「報恩抄」を著し、弟子を遣わして同書を師の墓前に供え、深い感謝を捧げた。報恩抄の最後は「されば花は根にかへり、真味は土にとどまる。此の功徳は故道善房の聖霊の御身にあつまるべし」と結ばれている[9]。なお、報恩抄は日蓮の著述の中でも五大部の1つされる重要な書物である[注 7]。道善房没後670余年、1949年(昭和24年)に清澄寺は日蓮宗へと改宗した[11]。
1949年(昭和24年)に岩村義運が大本山清澄寺貫首第1世となるが、程無く下山。以降住職は日蓮宗管長が就任し、清澄寺には寺務一切を総理統監する別當職が置かれている。
歴代 | 法号 (俗姓・道号) | 命日(享年[数え年]) | 経歴 |
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貫首 1世 | 智泉院日秀 (岩村義運) | 昭和50年(1975年)7月7日(84歳) | 真言宗智山派本山 千光山清澄寺 31世 大僧正 |
別當 初代 | 静現院日玉 (戸村堯澄) | 昭和35年(1960年)5月18日(65歳) | 本山 常在山藻原寺(千葉県茂原市茂原) 82世 |
2代 | 玄得院日淳 (湯川泰雅) | 昭和43年(1968年)7月21日(93歳) | 本山 叡昌山本法寺(京都府京都市上京区) 60世 開妙山釈迦本寺(東京都練馬区石神井台) 開山 日蓮聖人銅像護持教会(福岡県福岡市博多区) 3世 常香山妙照寺(福岡県朝倉市甘木) 30世 萬歳山本経寺(長崎県大村市古町) 32世 番守山妙法寺(長崎県東彼杵郡東彼杵町) 22世 |
3代 | 泰忍院日容 (長谷川泰忍) | 昭和38年(1963年)4月18日(65歳) | 南永山玉泉寺(新潟県刈羽郡刈羽村) 29世 安国山東城寺(新潟県柏崎市中田) 35世 |
4代 | 龍淳院日榮 (堀龍淳) | 昭和53年(1978年)8月30日(86歳) | 本山 明星山妙純寺(神奈川県厚木市金田) 39世 法輪山妙像寺(東京都港区六本木) 30世 |
5代 | 明浄院日秀 (小川原潮栄) | 平成4年(1992年)4月20日(79歳) | 随法山實盛寺(新潟県三条市本町) 33世 日栄山常昌寺(新潟県燕市地蔵堂本町) 36世 |
6代 | 清溪院日専 (中條是龍) | 昭和59年(1984年)4月17日(79歳) | 本山 正東山日本寺(千葉県香取郡多古町) 335世 妙典山大乗寺(福井県福井市大丹生町) 43世 |
7代 | 玄洋院日照 (塩田義朗) | 平成9年(1997年)10月20日(84歳) | 久成山正立寺(熊本県熊本市中央区) 32世 大僧正・宗務総長 |
8代 | 大法院日芳 (小林栄雄) | 平成22年(2010年)4月16日(95歳) | 長耀山真浄寺(茨城県笠間市笠間) 36世 |
9代 | 智泉院日慎 (杉山智雄) | 平成18年(2006年)3月19日(81歳) | 福祐山顕妙寺(千葉県いすみ市大原町) 50世 |
10代 | 端正院日鳳 (奥邨正寛) | 令和4年(2022年)1月26日(90歳) | 海照山正蓮寺(大阪府大阪市此花区) 26世 大僧正・宗務総長 |
11代 | 玄唱院日泰 (岡﨑英雄) | 令和4年(2022年)3月9日(87歳) | 妓楽山妙音寺(東京都台東区松が谷) 36世 |
12代 | 東周院日傳 (中條令紹) | 平成27年(2015年)4月8日(79歳) | 妙典山大乗寺(福井県福井市大丹生町) 44世 |
13代 | 日敬 (二宮將泰) | 大野山浄光寺(千葉県市川市大野) 38世 | |
14代 | 文義院日厚 (金子元彦) | 関本山弘行寺(神奈川県南足柄市雨坪) 46世 | |
15代 | 本光院日敬 (齊藤憲一) | 安国山東城寺(新潟県柏崎市中田) 37世 帝釋山東城寺(神奈川県横浜市西区) 2世 | |
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