松山大学(まつやまだいがく、英語: Matsuyama University)は、愛媛県松山市文京町4-2に本部を置く日本の私立大学。1923年創立、1949年大学設置。大学の略称は松大(まつだい)。
概観
大学全体
1923年(大正12年)松山高等商業学校は四国で最初の、日本で三番目の私立高等商業学校として創立された。以来、7万を超える卒業生を送り出し、政財界での活躍も多数。経済学部、経営学部、人文学部、法学部、薬学部の5学部を設置する四国最大の私立大学である[1]。
法学部には大学院の修士課程、経済学部と経営学部および人文学部には修士課程・博士課程、薬学部には、博士課程を有する。
キャンパスは愛媛県松山市の中心市街にあり、四国最大の国立大学愛媛大学と校地を接している。図書館の蔵書数は中四国最大。同窓会温山会は7万9千の会員と42の支部を国内、国外に設置する。中四国地方を中心に学生が集まり学生の半数は一人暮らしをしている[1]。
校訓「三実」(校訓・理念・学是)
教育方針
松山大学では「教育方針」を制定しており、その中で大学の目的や使命を明確化している。科学の総合的かつ専門的な研究と教育を目的として掲げ、人材養成を通じて社会の発展を図ることを使命としている[2]。
教育理念
建学の精神である三実主義、すなわち真実・忠実・実用の精神を伝統的な教育理念としている。
三恩人
今日の松山大学では、前身の松山高等商業学校の設立に寄与した新田長次郎、加藤恒忠、加藤彰廉を「三恩人」と呼んでいる[3]。
- 新田長次郎 - 号は温山。実業家、新田帯革製造所創業者。松山高商設立時に巨額の私財を投じた。
- 加藤恒忠 - 号は拓川。松山市長。松山高商設立発起人に名を連ね、新田長次郎と加藤彰廉を結ぶパイプ役を果たしたが、開校直前に病でこの世を去った。
- 加藤彰廉 - 松山高商初代校長。「松山の福沢先生」[4]「伊予の福沢諭吉翁」[5] と呼ばれた教育者。
沿革
略歴
1923年(大正12年)に松山出身の大阪の実業家である新田長次郎(温山)の出資をもとに、正岡子規の叔父で当時松山市長の加藤恒忠(拓川)および後の初代校長となる加藤彰廉(元大阪高等商業学校校長)の3人によって創立された松山高等商業学校が起源である。新田は東京証券取引所一部上場のニッタの創業者でもある。
四国で最も古い歴史を持つ私立文系大学であったが、平成18年度に薬学部を新設した。2023年に、開学100年を迎える。2025年に情報学部を新設予定。
年表
- 1923年 松山高等商業学校創立、北予中学校の一部を借りて授業開始
- 1924年 新校舎(現在地)に移転、開校式挙行
- 1926年 文部省から高等学校大学予科と同等以上と認定される
- 1941年 校訓「三実」を明文化する
- 1944年 松山経済専門学校に改称、工専に転換した福知山高等商業学校の生徒約280名を受け入れる
- 1949年 新制松山商科大学設立、商経学部を設置。隣地の練兵場跡地に愛媛大学開学。
- 1951年 旧制松山経済専門学校廃止
- 1962年 商経学部を改組し、経済学部・経営学部を設置
- 1972年 大学院経済学研究科を設置
- 1974年 人文学部を設置
- 1979年 大学院経営学研究科を設置
- 1988年 法学部を設置
- 1989年 松山大学に改称
- 2006年 大学院社会学研究科を設置
- 2006年 薬学部医療薬学科を設置
- 2007年 大学院言語コミュニケーション研究科を設置
- 2014年 大学院医療薬学研究科を設置
- 2020年 大学院法学研究科を設置
- 2025年 情報学部情報学科を設置予定。
- 歴代校長
- 歴代学長
- 初代 伊藤秀夫(1949〜1957)
- 第2代 星野通(1957〜1963)
- 第3代 増岡喜義(1964〜1968)
- 第4代 八木亀太郎(1969〜1974)
- 第5代 太田明二(1974〜1976)
- 第6代 伊藤恒夫(1977〜1979)
- 第7代 稲生晴(1980〜1985)
- 第8代 越智俊夫(1986〜1988)
- 第9代 神森智(1989〜1991)
- 第10代 宮崎満(1992〜1997)
- 第11代 比嘉清松(1998〜2000)
- 第12代 青野勝広(2001〜2003)
- 第13代 神森智(2004〜2006)、再任
- 第14代 森本三義(2007〜2012)
- 第15代 村上宏之(2013〜2016)
- 第16代 溝上達也(2017〜2020)
- 第17代 新井英夫(2021~)[6]
基礎データ
所在地
象徴
校歌
校歌として、北川康宏が作詞し團伊玖磨が作曲した『松山大学校歌』が定められている[11]。また、松山大学の前身である松山高等商業学校では、沼波武夫が作詞し山田耕筰が作曲した『松山高等商業学校校歌』が校歌として歌われていた[11]。のちに松山商科大学となった際は、旧高商校歌の一部を修正し『松山商科大学校歌』として引き継いだ[11]。
校章
松大みきゃん
2015年5月14日に、愛媛県のマスコットキャラクター「みきゃん」とコラボレーションした「松大みきゃん」が愛媛県庁と大学から発表された[12]。みきゃんの「お友達」という設定で、夏目漱石の坊つちやんに登場する「坊っちゃん」と「マドンナ」をイメージした衣装に身を包み、「松大みきゃん(坊っちゃん)」の頭部には松山大学の名前が入った学帽が、「松大みきゃん(マドンナ)」の頭部には松山大学のシンボルマークをモチーフとしたリボンが付いている[13]。
教育および研究
組織
学部
大学院
附属機関
- キャリアセンター
- 国際センター
- 図書館
- 総合研究所
学生生活
学園祭
大学祭の名称は「熟田津祭」(にぎたつ)で、例年11月中旬に開催される。
サークル・クラブ活動
文化系、体育系、同好会、非公認同好会など合わせて100以上のクラブ・サークル・同好会が活動している。中国・四国地区で常に上位を占めるものや、全国でも優秀な実績を持つものも多い。
- スポーツ
2007年(平成19年)の第56回四国地区大学総合体育大会(四国インカレ)では、男子は優勝を逸したが、女子は21年連続21度目の優勝を遂げた。ちなみに、2006年まで男子は21年連続となる47度目、男女総合では20年連続の優勝を続けていた。
- 弓道部女子は、第54回全日本学生選手権(2006年)の女子団体の部で初優勝した。
- なぎなた部は、第45回全日本学生選手権(2006年)の団体戦で初優勝した。
- 女子駅伝部は、2008年7月に陸上競技部女子長距離ブロックから独立して創部されて以来目覚ましい活躍をしている。2010年10月開催の第28回全日本大学女子駅伝では、堂々の4位に入り、出場3回目にして中四国地方の大学では初となる次回大会のシード権を獲得した。以降、毎年5位以上の安定した成績を収め続け、9回目の出場となった2016年10月開催の第34回全日本大学女子駅伝では、中四国地方の大学として悲願の初優勝を果たした。また、2016年リオオリンピック大会3000m障害の日本代表に女子長距離界では初の現役女子大学生の高見澤安珠が選ばれている。
- 硬式野球部は、四国地区大学野球連盟に所属し、2024年現在歴代最多のリーグ戦優勝回数を数える。全日本大学選手権ベスト4進出1回(1965年:第14回大会)の戦績がある。
大学関係者と組織
大学関係者組織
同窓会は、創立者の雅号を冠し「温山会」と呼び、創設は1927年(昭和2年)。全国各地とニューヨークに合わせて42の支部があり、合わせて会員約6万人。
大学関係者一覧
施設
キャンパス
文京キャンパス
- 使用学部:経済学部、経営学部、人文学部、法学部、薬学部
- 使用研究科:大学院経済学研究科、経営学研究科、言語コミュニケーション研究科、社会学研究科、法学研究科、医療薬学研究科
- 交通アクセス:JR予讃線松山駅から伊予鉄道城北線に乗り換えて鉄砲町停留場下車すぐ
松山市の中心部に近く、「松山城」北部に広がる文京地区に位置している。
御幸キャンパス
主に運動部が活動している。
久万ノ台グラウンド
主に運動部が活動している。
松山大学温山記念会館
- 交通アクセス:JR東海道本線甲子園口駅
ゼミや研究などの会議にて使用されている。創立者新田長次郎が建築させた洋館であり、新田家から大学側に寄贈された施設である[14]。また、NHKの朝の連続テレビ小説「わかば」(ロケ地:神戸、淡路島)ではわかばの住む家として、同じく連続テレビ小説「マッサン」ではヒロイン・エリーがお世話になる大富豪・野々村家として撮影された。
東京オフィス
東京都周辺での就職活動やインターンシップの支援活動をはじめ、国や都道府県東京事務所からの情報収集などを行っている[15]。 同オフィスが所在するニッタビルは、新田長次郎が創業したニッタの所有であり、同社東京支店も当ビル内にある。
対外関係
地方自治体との協定
他の大学との協定
日本国内
- 単位互換
- 旧制三高商
- 教育・研究交流に関する協定(2010年3月5日締結)[22]。
- 6大学包括連携協定(2012年8月28日締結)[23]。
- 6大学7薬学部における連携協定(2016年3月23日締結)[24]。
日本国外
学部間協定
その他団体・機関との協定
系列校
企業からの評価
出世力
脚注
関連文献
外部リンク
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