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1995年の日本のテレビドラマ ウィキペディアから
『未成年』(みせいねん)は、TBS系列の「金曜ドラマ」枠(毎週金曜日22:00 - 22:54、JST)で1995年10月13日から12月22日まで放送された日本のテレビドラマ。主演はいしだ壱成。
同年代の若者5人を中心に、青春の過程で起こる様々な苦悩と葛藤を生々しく描いたこの作品は、出演芸能人の出世作としても知られている。後年歌手として大ブレイクした浜崎あゆみの数少ない女優出演作のひとつでもある。全11回。
野島伸司が脚本を手がけた1993年の『高校教師』、1994年の『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』と、このドラマを合わせて、一般的に『TBS野島三部作』という[1]。後年の『聖者の行進』(1998年)などを含む場合は、『TBS野島伸司シリーズ』という。
若者の青春群像劇として人気を獲得。平均視聴率は20.0%、第8回は最高視聴率23.2%(関東地区 ビデオリサーチ調べ)を記録した。
本放送では「罪を犯した登場人物が未成年であるにもかかわらず容疑者として実名・顔写真がニュースで公開される部分」を、ビデオ・DVD版では別のカットに差し替えている[注 1][注 2]。
後年、中居正広は本作を「慎吾が出てたドラマの中で一番好き」と絶賛している[2]。但し、2015年6月27日に放送された『音楽の日』にSMAPとして出演した時、SMAPメンバー主演のドラマ特集と称し、本作品の映像が流れた際に香取演じる室岡仁の愛称の「デク」を、同じく香取が主演を務めたドラマ『ドク』と言い間違えるハプニングがあり、司会の安住紳一郎(TBSアナウンサー)から「『ドク』は他局です!」とツッコまれる一幕がある。
主題歌や挿入歌にはカーペンターズが使用され、ベスト盤の売り上げも好調で、再びスポットが当たるきっかけとなった。また、第1回の放送では、当時結成されたばかりのTHE HIGH-LOWSのライブ会場でロケが行なわれた。
本作は過去の野島作品出演者が多数出演している。
また、新村萌香役の桜井幸子は、野島三部作全作に出演している。
主題歌、挿入歌共にカーペンターズの楽曲が使用されている(ドラマのヒットを受けて発売されたベスト盤は300万枚のセールスを記録した)。
話数 | エピソードタイトル | 初回放送日 | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
第1話 | 赤い傘の兄貴の恋人 | 10月13日 | 吉田健 | 21.1% |
1995年夏、東京で暮らす高校3年生の戸川博人(ヒロ)は、これまで父から出来のいい兄・辰巳と比べられ、兄にコンプレックスを抱いていた。ヒロは何事も無気力で卒業後の進路も決まっておらず、野球部員の田辺順平や同じクラスの安西加代子と雑談を交わして日々を過ごす。またヒロは、中学時代の同級生で暴力団構成員の坂詰五郎と再会し、ひょんな事から知的障害を患う室岡仁(デク)とも出会う。女子大生の新村萌香と出会ったヒロは好意を抱くが、直後に彼女が兄の恋人であることが判明する。驚くヒロだったが「いや俺にもまだ脈はある」と前向きに考え直し、片思いを続けることに。 | ||||
第2話 | 彼女のハートにダイビング | 10月20日 | 吉田健 | 19.3% |
辰巳が弟の進路を心配して萌香に家庭教師を頼むと、彼女と会える口実ができたヒロは胸を踊らせる。ヒロは萌香に好きだと伝えてみるが、「私はあなたのお兄さんの恋人だから」と受け流される。有名進学校に通う神谷勤と出会ったヒロは、彼が片思いする有名女子校に通う令嬢・田畑瞳との橋渡しを頼まれる。ヒロたちの協力により勤は瞳との交際が成立し、これを機にヒロ、順平、五郎、デク、勤(以下、彼らのことは仲間と表記)は友人関係となる。放課後に隠れ家などでくだらない会話やバカをやり始めるヒロたちだったが、皆それぞれ悩みを抱えていた。 | ||||
第3話 | 俺達のクソッタレ人生 | 10月27日 | 金子与志一 | 16.9% |
順平は同級生の安西加代子に密かに片思いをしているが、当の加代子はヒロの事が好きだった。また一見恵まれていそうな勤も、受験勉強のストレスや母の過保護に人知れず悩んでいた。さらに勤は、瞳から以前関係を持った家庭教師の子を身ごもっていることを告げられる。ヒロはある日怪我をして現れたデクを見て“慌てて転んだんだろう”と思うが、実は小学生集団によるイジメが始まっていた。順平が所属する野球部が夏の甲子園の地区予選を勝ち進み、後日決勝戦の終盤で彼に見せ場が訪れる。しかしエラーをした順平は英雄になり損ねて甲子園出場を逃し、客席のヒロたちはその不運に言葉を失うのだった。 | ||||
第4話 | 汚ねェ大人になるように | 11月 | 3日金子与志一 | 17.1% |
進路への不安を感じたヒロは、萌香につい八つ当たりして言葉でイライラをぶつけてしまう。順平を励ますため仲間で海に訪れるが、彼の体に複数のアザを見つけた五郎は部員からの暴行の事実を知る。翌日順平の高校に訪れた五郎は、独断で加害者に怪我を負わせて逮捕されてしまう。校長たちから五郎との関係を問われたヒロと順平は、退学を恐れて「知らない」と嘘をつく。五郎と面会した恋人・アリサはヒロに会って、「俺のことは気にすんな」との伝言を伝える。五郎への裏切りを恥じたヒロは、萌香に先日の謝罪と共にその日の出来事を打ち明けて心を癒される。 | ||||
第5話 | サヨナラ僕の友だち | 11月10日 | 加藤浩丈 | 17.7% |
7月、順平はアリサに恋愛相談をすると、ヒロへの嫉妬心から「恋人をヒロに取られた」と嘘をつく。勾留を解かれた五郎は“恋人を取った”というヒロを殴るが、嘘を後悔した順平に罵られて傷心し、ヤクザの兄貴分とつるみ始める。デクは小学生の命令でドブ川に入らされた所、偶然通りかかった萌香に助けられ、ようやくイジメから解放される。夏休みになり萌香と遊園地に訪れたヒロは、彼女が抱えている心臓病のことを偶然知ってしまう。萌香から「辰巳に一度だけ抱かれたい」と言われたヒロは彼女の体を心配するが、死を覚悟の上と聞いて何も言えなくなる。 | ||||
第6話 | 俺はあなたを愛してる | 11月17日 | 吉田健 | 22.6% |
秋になり、大学の推薦入試を受けたヒロは面接官を務めた教授から合格のお墨付きをもらい有頂天になる。一方萌香は勇気を出して辰巳に胸の手術痕を見せるが拒絶され、兄から話を聞いたヒロは彼女を想って涙する。その頃、慕っていた兄貴分に裏切られた五郎はアリサの為に堅気になる事を考え、いらなくなった拳銃をデクに譲る。仲間内で集まると勤は瞳の子の父親になること、五郎はアリサと結婚することを伝え、ヒロも改めて萌香に告白する。萌香は「ありがとう」と答えるが彼女は密かに母親になることを願い、子持ちの独身主治医との結婚を考えていた。 | ||||
第7話 | 友達の死 | 11月24日 | 吉田健 | 21.3% |
ヒロは、萌香が主治医の家で暮らし始めたと知って考え直すよう電話で説得するが、彼女の気持ちは変わらない。アリサに恋愛相談したヒロは、「あなたが告白してくれたから萌香は“恋愛はもう十分”って思ったのかも」と助言される。五郎は順平と和解した後堅気の仕事を見つけるが、兄貴分と共に組織を裏切っていた彼は組織の恨みを買っていた。五郎は自宅前で組員に命を狙われるが、偶然居合わせたアリサが彼をかばって死んでしまう。仲間と共にアリサの葬儀に参列したヒロは、その帰り際萌香と再会するが彼女の幸せのため気持ちを抑えてその場を去っていく。 | ||||
第8話 | 真夜中の逃亡者 | 12月 | 1日加藤浩丈 | 23.2% |
秋が深まる頃、ヒロのもとに大学の不合格通知が届くが、高校教師の裏切りによる推薦取り下げの事実を知り激昂する。実家にお金が必要と知ったデクがヒロ・順平との外出時に、持っていた拳銃で意図せず銀行強盗傷害事件を起こしてしまう。3人は隠れ家に逃げ込むが、ニュースで「3人の未成年による重大事件」として報じられ、社会の注目を集め始める。順平は自首を提案するが、障害者のデクが一生病院暮らしになることを恐れたヒロは逃亡を決意する。さらに話を聞いた五郎、勤、瞳そして萌香も、それぞれが抱える悩みや様々な事情が引き金となって逃亡に加わることに。その夜密かに7人の若者たちを乗せた夜行列車[注 22]は東京を後にし、北へと走り出す。 | ||||
第9話 | 傷ついた戦士たち | 12月 | 8日金子与志一 | 19.3% |
東北のとある山村にたどり着いたヒロたちは廃校で逃亡生活を送り、いつしか12月を迎えていた。しかし瞳に早産の兆候が現れると、警察に捕まる不安から勤が正気を失い、ヒロたち相手にトラブルを起こす。瞳のため萌香は東京の友人に頼んで点滴を持ってきてもらうが、友人はテレビ局の関係者だった。勤が口にした社会への不満が萌香の友人に隠し撮りされ、翌日のワイドショーで“強盗犯のインタビュー”として流される。番組と電話で会話したヒロは、「俺たちを誰かと比べたり、価値観を押し付けないでほしい」と訴える。その後勤は瞳の産んだ赤ん坊を抱いて涙を流すが、逃亡に疲れた順平は東京に向かう。 | ||||
第10話 | 愛と哀しみのクリスマス | 12月15日 | 吉田健 | 20.7% |
12月下旬、父からの電話で「デクを病院に入れない」と約束されたヒロは、デクとの自首を決意する。隠れ家に戻った順平は、加代子に連絡したことが仇となり刑事に捕まってしまう。警察がヒロたちの潜伏先を突き止めた頃、先日の父の約束が嘘だと知った彼は自首を取りやめる。12月24日、知らぬ間に校庭に機動隊がいるのを見つけたヒロは銃で威嚇した後、仲間とバリケードを築く。仲間たちとクリスマスを祝ったヒロは、その夜萌香の告白を受けて彼女と初めて一つになる。しかし翌朝、機動隊に銃を向けた五郎が狙撃手に撃たれ、それを合図にヒロたちは機動隊の突撃を受け、報道陣のカメラの前で拘束されてしまう[注 23]。 | ||||
最終話 | イエスタディ・ワンス・モア | 12月22日 | 吉田健 | 21.4% |
しかしその後、ヒロを移送中の護送車が事故を起こし、彼はそのすきに手錠をしたまま逃走する。東京に戻ったヒロは萌香の友人宅で彼女と再会するが、デクが警察病院に入院したことを知らされる。ヒロは直後に現れた刑事に銃を向けられると、萌香が身を挺して彼を逃がすが彼女はそのまま意識を失う。デクの病室に侵入したヒロは一緒に逃げるよう説得するが、デクは自分の意志で残ることを告げる。その夜、加代子との電話で萌香の突然の死を告げられたヒロは、悲しみに打ちひしがれる。翌朝、登校した加代子たち生徒は校舎屋上にいるヒロを見つけて騒ぎとなり、教師、テレビカメラ、刑事たちも集まってくる。萌香やデクの生き方から自己を省みたヒロは、「精一杯生きることの大切さ」、「自分と他人を比べることの無意味さ」を語る。警察に拘束されながらもヒロは「俺らと同じくデクにも裁判を!」と訴えると、その訴えは若者たちの間でやがて大きな流れとなる。後日裁判に出廷したヒロたちはデクと再会し、裁判官の「静粛に!」の言葉も聞かず、喜びを分かち合うのだった。 |
最終回では、萌香(桜井幸子)が死んだという設定であったが、最終回ラストシーンで、ヒロ達五人が裁判所で裁判を受けているシーンで、萌香と思われる女性が傍聴席に座っていた。(武郎の横に座っている女性。)また、5人の裁判の裁判のラストにお尻を出すシーンがあるが、そのシーンでカメラを持った萌香が写真を撮っているシーンがあり、萌香は生きているのか、亡くなったのか不明である。(ただし、幽霊的描写である。)
いしだ壱成、北原雅樹は、youtubeの対談にて、最終回ラストシーンはファンタジーではないかと語っている[10][11]。
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