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(ふね、舟、: vesselあるいはboatあるいはship)は、人や物などをのせて水上を渡航(移動)する目的で作られた乗り物の総称[1]。船(船舶)は浮揚性・移動性・積載性の三要素をすべて満たす構造物をいう[2]

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1931年建造のイタリア「シップ」アメリゴ・ヴェスプッチ(1976年、ニューヨーク港にて)
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カナダの現代の漁船
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古代エジプトで制作された船の模型

基本的にはなどの水上を移動する乗り物を指しているが、広い意味では水中を移動する潜水艇潜水艦も含まれる。動力は人力・原動機などにより得る。

大和言葉の「ふね」「フネ」は広範囲のものを指しており、規模や用途の違いに応じて「船・舟・槽・艦」などの漢字が使い分けられている。船舶(せんぱく)あるいは船艇(せんてい)などとも呼ばれる(→日本語表現参照)。

なお、宇宙船飛行船などの水上以外を航行する比較的大型の乗り物も「ふね」「船」「シップ」などと呼ばれる。これらについては宇宙船、飛行船などの各記事を参照のこと。また、舟に形状が似ているもの、例えば刺身を盛る浅めの容器[1]湯舟/湯船セメントを混ぜるための容器(プラ舟)等々も、その形状から「舟」と呼ばれる[注 1]。これらについても各記事を参照のこと。

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概要

船舶の要素

日本の国土交通省のウェブページ上の記述では、船(船舶)は浮揚性・移動性・積載性の三要素をそなえた構造物[2]、とのことである。

船体

船体が通常進む方向(進行方向)を見て、先端に当たる部分を「船首」(英語では「バウ」)という。反対に、進む方向を見て「後ろ」の端に当たる部分を「船尾」(英語:スターン)という。進行方向に向かって右側の側面を「右舷(うげん)」といい、左側の側面を「左舷(さげん)という。船体の上面の平らな面を「(上)甲板(かんぱん)」(英語:デッキ)という。

艤装

艤装(ぎそう、rigriggingoutfitting(s))には2つの意味がある。

  • 船を構成する物で、船体(等の構造物)以外の装備品全般を指す。航海に必須の装備や荷役や乗客のための装備が含まれる。船は水上を揺られながら航行するので、船の内外の装備や各種機器・道具類が船体やデッキに固定されている必要がある。これらを「艤装」や「艤装品」と呼び、船から始まったこの名は、他の乗り物でも固定された装備全般を艤装と呼ぶことがある。
  • 造船で艤装品を船体に取り付ける工程は「艤装」と呼ばれ、「艤装する」という動詞としても使われる。

法令による定義

  • 日本の商法第684条では「この編(第七百四十七条を除く。)において「船舶」とは、商行為をする目的で航海の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。)をいう。」と定義されている。具体的には商行為を目的とする海商で航海の用に供される櫓櫂船以外の船を指す。ただし、船舶法第35条が「商法第三編ノ規定ハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テセサルモ航海ノ用ニ供スル船舶ニ之ヲ準用ス但官庁又ハ公署ノ所有ニ属スル船舶ニ付テハ此限ニ在ラス」と商法の規定を準用している結果、ほとんどの船舶が商法の適用を受けることになっており、商船と非商船の分類は法の適用の点では大きな意義はない[3]
  • 工学上は飛行機に分類されるホバークラフトは、水面の支持を受けながら前進するものであることから日本の法律上では船舶と見なされる[4]。これに対して、水上航空機は空中輸送手段であり、離着水時の水面での滑走は、空中を航行するためになされるものであることから、商法上の船舶とは見なされない[5]。ただし、海上で水上航空機が船舶と衝突することを防ぐ必要があるため、海上衝突予防法では水上航空機を「船舶」に含めて扱っている(海上衝突予防法第3条第1項)。過去の大型飛行艇には組み立て式のマストと帆が搭載されており、着水後には帆船として航行が可能な機種もあり、緊急用の装備としてだけではなく遊覧航行にも利用されていた。このような目的での航行がどのような扱いを受けるのかは不明。
  • 海上保険(元は商法第3編第6章の「保険」)は、日本においては、岡野敬次郎1896年)『英国保険法』などによって導入されていった。「価額評定」(valuation)、「委棄」(abandonment)などの訳語が策定された。

船舶を指すための様々な表現

日本語表現

  • 舟 - 「舟」の漢字は木をくりぬいて作られた丸木舟の形状に由来する[6]。「舟」の字は、手でこぐような比較的小型のものに使うことが多い[1]
  • 艇 - 「艇」は小型のものをいう[6]
  • 船 - 「船」のセンの読みも木をくりぬく意味に通じるといわれている[6]。「船」は小型から大型のものまでもっとも広い範囲を指して使われる[6]
  • 舶 - 「舶」は大型のものをいい、「船舶」は小型から大型まで船全般を指す[6]
  • 艦 - 「艦」は大型のものをいう。日本海軍では艦(艦の字義は装甲船の意)と書いて「フネ」と呼んだ。

総称として「艦船」(かんせん)、「艦艇」(かんてい)、「船艇」(せんてい)、あるいは「舟艇」(しゅうてい)などの言い方をする場合もある。

  • 槽(ふね) - 一般的にふねの構造は、水上に浮かぶための浮力を得るために、内部は空洞になる。転じて、ある物体の中が空ろな容器全般を「ふね」と呼び、特に木製で中身(おもに液体粉粒体)を入れる目的に特化した場合には「槽」(そう)の文字を当てる。日常的に、これら器を指して「ふね」と呼ぶ場合は使用時に蓋をしない、または蓋の付いていない状態のものをいう(例:湯ぶね、浴槽、酒槽など)。

英語表現

英語では日常的にはboatやshipが用いられ、「boat」(ボート)は比較的小型のものを指し、あえて言えば日本語の「舟」や「艇」に相当する。だが日本人が「結構 大きい」と感じるようなものまで 英語圏では「boat」と呼ばれていることがある。「ship」(シップ)はboatに比べて大型のものを指し、あえて言えば「船」や「艦」に相当する。boat / shipは感覚的な呼び分けがされているのであって、厳密な線引きがあるわけではない。「vessel」は(やや学術用語や行政用語的な表現であり) boatの中の大き目のものおよびshipを指し[7]、(ぴったりの日本語語彙は無いが)あえて言えば「船舶」や「船艇」に相当する。

従来、英語では民間船・軍艦共に代名詞she(女性扱い)であって、これに対し飛行機では民間機がshe軍用機he(男性扱い)であるが、最近は、このような用法が少なくなって、他の一般名詞と同様にitを使用することがある。「ふね」を表すについても、各言語によって異なり一様ではない。 なお、英文表記の航海日誌上では、she(女性扱い)で表記される。

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船舶の分類・種類

用途による分類

船舶は用途によって商船、漁船、軍艦、特殊船などに分類され、商船は旅客船と貨物船に分類される[8]

商船

商船(Merchant ship)とは、主として交易品を輸送する船である[9]

旅客船
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オーシャン・ライナーの一例(クイーン・メリー2
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クルーズ客船の一例(MSアリューア・オブ・ザ・シーズ
貨物船
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コンテナ船の一例(MSCオスカー
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タンカーの一例(TIクラス・スーパータンカー
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バルクキャリアの一例(ヴァーレマックス
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RO-RO船の一例(MSユリシーズ
  • 一般貨物船(カーゴシップ)
    • 貨物輸送に使用されるもの。荷物船。コンテナ船のような専用貨物船の多くは荷役装置を持たない (Gearless Vessel) ため、港の岸壁のクレーン等の荷役装置により貨物の積み下ろしを行うが、多くの一般雑貨運搬船やバラ積み船等では船上にクレーンやデリック等の荷役設備を備えるため港を選ばず荷役作業が行える。
    • タンカー以外の貨物船全般(専用貨物船やコンテナ船、バラ積み船)を特に指す場合は一般貨物船と呼ばれる。重量物、輸送コンテナ、一般雑貨、バラ荷等の多様な貨物を効率よく積めるように作られた船は多目的(貨物)船と呼ばれる。
    • 貨物船には航路、寄港地、スケジュールが定まっている定期船(ライナー)と、定まっていない不定期船がある。定期貨物船の多くが1航海での寄港地が10港以上にも及び、貨物も多種に及ぶため、貨物の揚積の効率を考えて5-7個の船艙と2 - 3層の甲板を持つものが多いが、不定期貨物船では寄港地が少なく貨物の種類も限られるために3-5個の船艙と1~2層の甲板を持つものが多い。また、定期貨物船が運ぶ貨物は不定期貨物船の物に比べて高価なものが比較的多く、貨物の発汗防止のための通風乾燥装置、郵便物のためのメイルルーム[注 2]、貴重品のためのストロングルーム[注 3]、冷蔵貨物用の冷蔵庫、液体貨物用のディープ・タンク[注 4]、重量物の荷役に使うヘビー・デリック (Heavy Derrick) などを備える船が多い。不定期船では木材鉱石石炭穀物鋼材などの原材料や半製品を運搬することが多く、これらはいずれも価格が安く、またこれらを運ぶための専用船との競合にも運搬コスト等の面で対応が求められるため、船型を単純にして小出力エンジンと低速航行によって燃費を抑えるなど定期貨物船との違いがある。不定期船は特殊な装備を求めず単純な船体を低コストで求められるため、同一設計で多数の船が作られるという傾向もある(2,580隻のリバティー船の例を参照)。
    • 定期船と不定期船のいずれにも利用される船はライパーと呼ばれる。
      • コンテナ船
        • 貨物輸送の際に海上コンテナ(通称「海コン」)を運ぶ船。その多くがISO規格で定められた、20、40、45フィートの長さのものである。冷蔵・冷凍コンテナ(リーファーコンテナ)に電源を供給する設備を備えている船が多い。少数ながらコンテナ専用のクレーンを自ら備える船もある。貨物コンテナだけを専門に運ぶフル・コンテナ船(フルコン船)の他に、貨物コンテナとブレーク・バルク・カーゴを混載するセミ・コンテナ船(セミコン船)がある。
      • タンカー(油送船、油槽船、水槽船)
      • ばら積み貨物船(バルクキャリア、バルカー、ばら積専用船)
        • 鉄鉱石石炭穀物や、木材セメントなど、大量の乾貨物(ドライバルク)を運ぶ船。大口荷主との輸送契約に基づき、鉱石専用船・石炭専用船・穀物専用船などとして用いられる事もある。
      • 冷蔵・冷凍運搬船(リーファー)
        • 冷凍船。海洋船団において漁獲したものを急速冷凍し保存する設備を持ち、加工設備も併せ持つ。
      • 特殊運搬船
      • 車両航送船
        • フェリー(渡船、自動車渡船)
          • 定義が幾分あいまいであるが、日本では次の4つの条件を満たす船。
            1. 旅客と自動車などの車輌とその運転士を同時に輸送するもの
            2. 海峡離島を結ぶの代わり、または鉄道道路等に平行して航行し陸路の代わりに用いられるもの
            3. 車輌の搭載はランプウェー上を自走して行われるもの
            4. 不特定多数の利用者が使うもの
          • 片道の航海が100km以下のフェリーを短距離フェリーと呼んでいる。100kmを越え300km未満の航海距離のフェリーは中距離フェリーであり、300km以上のものが長距離フェリーとされている。
        • 鉄道車輌渡船
          • フェリーの中でも特に鉄道車輌航送が可能なもの。鉄道連絡船を参照のこと。海浜に接した鉄道線路間を定期的に航行し、旅客や貨物以外に鉄道車輌を運搬する連絡船。船内にレールが敷かれており、船のレールと桟橋のレールを合わせて鉄道車輌の積み下ろしを行う。同時に自動車の自走による搭載・運送するものも含む。
        • RO-RO船(RORO船、ローローせん)
          • 自走によりトレーラーなどの車両を船内の車両甲板へ搭載・固縛できる構造の専用貨物船である。トレーラーの後部車体のみを運搬する方法は、前部車体であるトレーラーヘッドは搭載・揚陸時のみに少数台ですみ、搭載スペース縮小と重量の軽減や狭い車輌甲板上での運転という運転技量の問題も回避できるために多く用いられる。
          • フェリーのようにランプウェー(斜路)を備えるものが多いが、特定の航路での就役を計画されて、港側のランプウェーを利用できる場合は初めから備えていない場合もある。船が備える機構は乗客を乗せるフェリーとほぼ同じであるが、運転者を含めた乗客を運ばないためフェリーのような客室は備えない。
      • ラッシュ船

漁船

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漁船の一例

漁船漁業に用いる船舶。近海用と遠洋用、また漁獲する水産物の大きさや量によって、船の大きさはさまざまである。

軍艦

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軍艦の一例(ニミッツ級航空母艦

軍事用船舶を指す。大きさ、形態、武装はその用途により様々である。国連海洋法条約によれば保有国が武装に関わらず自国海軍の艦艇であると認めたもの。ただし、海軍の艦艇であっても戦闘に直接寄与しない補助艦艇であれば軍艦でないとされる場合がある。日本では軍艦の管轄官庁は国土交通省だけでなく、防衛省でもある。

日本語では軍事組織の船舶を指す言葉として『』を用い、自衛隊や外国軍の使用する船舶に対して使われる。なお警察沿岸警備隊海上保安庁)が利用する船舶には使われない。

特殊船

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巡視船の一例(しきしま型巡視船
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砕氷船の一例(戦勝50周年記念
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海底ケーブル敷設船の一例
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病院船の一例(USNSコンフォート
  • 練習・調査船
    • 航海練習船
      • 船員になろうとする者が、航海の実習訓練をするための船。船員養成機関が運用する。帆船汽船(動力船)がある。漁業従事者の実習訓練をするための船は漁船に分類される(漁業練習船、漁業実習船)。
    • 調査・観測船
      • 海洋調査船
        • 海洋の科学調査を行う船。掘削船なども含まれる。
    • 気象調査船
      • 測量船
        • 水深や海流、水質等を搭載する測量機器により測る船のこと。日本では海上保安庁が保有運用している。
  • 警備・救難船
    • 巡視船
      • 沿岸警備のための船艇のことで、密輸密入国海賊行為の取り締まり、海難救助を主な任務とする。国・地域によって担当する組織が軍事準軍事、警察と違いがある。日本では巡視船の管轄官庁は国土交通省である。
    • 救難船
      • 救命艇
        • 海上事故から避難するための小型の船。エンジンを備えて自航できるものとオールやパドルのみのものがある。救命いかだは船ではないがエンジンを持たない救命艇と同じに扱われる。
  • 作業用船(作業船)
    • 工作船
      • 本来は甲板上に大型の起重機を複数設置し、艦艇や船舶の軽微な補修作業をドック入りさせなくとも行えるリペアー・シップのこと。近年、他国への破壊活動を行う工作員を輸送する小型の船も、この呼び方をされるようになった。
    • 砕氷船(アイスブレイカー)
      • 極地など氷海や凍結河川を自力航行し、航路啓開を目的とする船。強力な機関と船体を備え、周囲を氷に閉ざされても薄い氷であれば割り進み、ある程度の厚さであれば船首と船尾を上げ下げし、船体の重さで氷を砕き低速での移動が可能である。厚すぎる氷に閉じ込められても、舷側が斜めになっていて潰されない工夫がある。商船の砕氷船も砕氷タンカーのように多数存在する。
    • 敷設船(敷設艦)
    • 浚渫船
    • 海底資源掘削船
    • 作業台船
    • 起重機船(クレーン船)
      • 大型のクレーンを搭載したクレーン船で、海難救助や建設工事等で使用される。
    • 引き船、曳き船(タグボート
      • 狭隘海域・狭小水路・港湾内において大型船舶が航行または離着岸する際の座礁や衝突を回避するために曳航または押航する船。前述のはしけを引くためにも使う。
  • 特殊業務用船舶
    • 水先船、水先案内船 (パイロット・ボート)
      • 水先案内人(パイロット)を、誘導する船まで運びまた戻すための船。水先案内船が案内をするわけではない。
    • 灯船
    • 消防船(消防艇)
      • 火事を消火するための船。消火専用の強力なポンプを備えて海水を高圧にし、放水銃により火元等に放水する。特に専用に開発された消防船では双胴船体に高い塔を備えて高所より放水するものがある。日本では海上保安庁地方自治体の消防局、民間の会社が所有運航している他、同等の機能を備えたタグボートも多数存在する。
    • 検疫船
    • 無線中継船
    • 灯台補給船
    • 灯台見回り船
    • 病院船(ホスピタルシップ)
      • 傷病者の治療と移送を目的とする船。医療設備と多くの病床を備える。軍用のものは軍艦となる場合がある。
    • その他
      • 給水船、給油船 ほか各種[10][11]
        • (はしけ、バージ)
          • 河川交通や港湾運送のための平底の貨物船。動力を持たない場合(非自航)が多いため、他船に曳かれたり押されたりして航行する。
        • バージキャリア
          • 貨物搭載用のはしけ(バージ)を数十艇搭載して運ぶ船
        • プッシャーバージ
          • はしけを押す船。特にはしけをいくつも繋げて押すものはバージ・ラインと呼ばれる。プッシャーバージには大洋を渡る数万トン級のオーシャン・バージもある。
        • 舟艇
          • プレジャー・モーターボート、快遊船(プレジャーボート
            • 私人が所有し、趣味のために使用されるもの。商行為に使用されないものであるが、船舶法第35条によりその準用を受ける。
        • 帆艇
          • ろかい船
        • 係留船
        • 特殊水上装置
  • その他の特殊用船舶

運航形態による分類

船舶は運航形態により自営船、定期傭船、裸傭船、運船委託船に分けられる[8]

  • 自営船 - 船主が自ら運航する船舶[8]
  • 定期傭船 - 船主が期間を決めて傭船者に船舶を利用させて運航する船舶(船主に占有権がある)[8]
  • 裸傭船 - 船主から傭船者が船舶のみを賃貸し、自らの船員を乗せて運航する船舶(傭船者に占有権がある)[8]
  • 運船委託船 - 船主は配船や運航を行わず、集貨力のある者に運航業務を委託している船舶[8]

船型による分類

船舶は大分類として以下の3つ船型とそれらの分類外のその他の特殊な船型に類別できる。

  • 単胴船(モノハル・シップ)
  • 双胴船(カタマラン・シップ)
  • 三胴船(トリマラン・シップ)
  • その他 水中翼船など

単胴船、双胴船、三胴船の違いは水面下に沈む下部船体の数である。 また、双胴船や三胴船での高速船用の船型としてウェーブ・ピアーシング型(波浪貫通型、Wave-piercing)の船舶が2000年代前半から実用化されている。

単胴船

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代表的な船型

水面下に沈んで水と直接接する船体が1つである船型である。多くの船が単胴船であり、船舶の歴史においても最も古く、船舶設計や造船技術の基本となった。双胴船や三胴船は単胴船からの派生デザインといえる。1人乗り手漕ぎボートから大型タンカーまでの船舶が単胴船であり、特に高速航行や波浪に対する非常に高い安定性、幅広い甲板を求めない場合には、燃費や建造コストの点で有利である。

水と接する船底部の形によって「ラウンドビルジ型」と「ハードチャイン型」に分かれる。多くの単胴船は船底が丸くスムースなラウンドビルジ型となっているが、船底での揚力を得て水面を滑走するモーターボートのような小型艇は鋭角的な船底を持つハードチャイン型である。また、はしけの仲間は流線型をとらずに四角い箱型の「バージ船型」というものもある。

単胴船での甲板上の上部構造物(上構)の配置によって、更にいくつかの船型に分けられる。上甲板上の建造物の内で左右の両舷に渡って占めているものを「楼」(ろう)や「船楼」(せんろう、Erection)と呼びその位置によってそれぞれ、船首楼(Forecastle)、船橋楼(Bridge)、船尾楼(Poop)と呼ばれる。この楼の配置によって以下のように分かれる。

  • 平甲板型:大型タンカーに多い
  • 凹甲板型:ウェル甲板型とも呼ばれ、小型の貨物船に多い
  • 三島型:昔の貨物船の標準形、またはタンカーに多い
  • 全通船楼型:客船フェリー、PCC(自動車専用船)などに多い

双胴船

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ポリネシアで使われていた双胴船

水面下に沈んで水と直接接する下部船体が細長く左右2つに平行している船型である。上部船体部分はほぼ四辺形に広く取れるため車輌用フェリーや海上作業用プラットフォームに適している。波浪に対しては特に左右方向の揺れ(ローリング)が単胴船に比べて小さくなる利点がある。このことから、ブローチングに対する危険度が減じられる。しかし横波による揺れ(ローリング)の固有振動数が高く、少しの短波長の横波でも波に追従して激しく揺れるという問題点がある。

曳き波の発生が単胴船に比べて小さいことも、高速航行時にも周囲への影響が少ない点で有利となる。センターバウがあればバウダイビングに対する安全性の確保に貢献する。

双胴船は古くから考案されていたが、単胴船に比べて水中表面積が増加し摩擦抵抗や粘性圧力抵抗が大きくなる点や、下部船体を左右に分ける事による強度確保のため船体重量が増すことで造波抵抗と他の2つの抵抗を増やしてしまうなどの不利な要素が排除出来ずにいた。その後、技術の発達により軽量なアルミ合金が普及したことで実用的な双胴船が建造されるようになった。

三胴船

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外部リンク

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