Loading AI tools
日本の小説、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『容疑者Xの献身』(ようぎしゃエックスのけんしん)は、東野圭吾の推理小説。ガリレオシリーズ第3弾。2003年から文芸誌『オール讀物』に連載され、2005年8月に文藝春秋より出版された。2008年8月には文春文庫より文庫化された。
容疑者Xの献身 | ||
---|---|---|
著者 | 東野圭吾 | |
発行日 | 2005年8月30日 | |
発行元 | 文藝春秋 | |
ジャンル | ミステリ、推理小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判上製カバー装 | |
ページ数 | 360 | |
前作 | 予知夢 | |
次作 |
ガリレオの苦悩 聖女の救済(同時刊行) | |
公式サイト | books.bunshun.jp | |
コード |
ISBN 978-4-16-323860-9 ISBN 978-4-16-711012-3(文庫本) | |
ウィキポータル 文学 | ||
|
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞受賞作。そして日本人として史上2度目となるエドガー賞候補となった(受賞は逃した)。また、国内の主要ミステリランキングである『本格ミステリ・ベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位を獲得し、3冠と称された(のちに前出の2賞を取り、最終的に5冠となった)。
2008年にテレビドラマ『ガリレオ』の劇場版として映画化されており、2012年に韓国版、2017年に中国版、2023年にインド版としてそれぞれ映画化されているほか、舞台劇にもなっている。
弁当屋で働く評判の美人、花岡靖子は一人娘の美里と仲良く暮らしていた。ある日、2人が暮らすアパートへ靖子の元夫である富樫慎二が彼女達の居所を突き止め訪ねてくる。どこへ引っ越しても疫病神のように現れ、暴力を振るい金を無心する富樫を、靖子と美里は揉み合いの末に殺してしまう。今後の成り行きを想像し呆然とする母子に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神だった。彼は自らの論理的思考に基づき、警察の捜査から逃れられるよう的確な指示を出す。
そして3月11日、旧江戸川で男性の遺体が発見される。警察は証拠品から遺体を富樫と断定し花岡母子に目をつけるが、2人の完璧すぎるアリバイを前にして捜査は難航する。
困り果てた草薙刑事がいつものように友人の天才物理学者・湯川に相談を持ちかけると、驚いたことに石神と湯川は大学時代の友人であった。当初は傍観していた湯川だったが、やがて石神が犯行に深く絡んでいることに気づき、独自に解明に乗り出していく。
湯川学、および捜査一課の登場人物についてはガリレオシリーズ#登場人物を参照
2005年末、『容疑者Xの献身』が「本格ミステリ」として評価され、同年の『本格ミステリ・ベスト10』にて1位を獲得したことに、推理作家の二階堂黎人が疑問を呈したことに始まる問題[注 1]。
二階堂の主張は、「『容疑者Xの献身』は、作者が推理の手がかりを意図的に伏せて書いており、本格推理小説としての条件を完全には満たしていない(そのため、『本格ミステリ・ベスト10』の1位にふさわしくない)」というものであった。このことに関して二階堂のウェブサイトや『ミステリマガジン』誌上などに多くの作家や評論家が意見を寄せた。
最終的には北村薫や鯨統一郎などの多くが「『容疑者Xの献身』は本格である」という立場につき、2006年5月に同作品が第6回本格ミステリ大賞を受賞したこともあり、現在では二階堂の意見は否定された形で議論が収束している[2]。
なお、作者の東野圭吾本人は、一貫して「本格であるか否かは、読者一人一人が判断することである」というスタンスを取っている[注 2]。
ガリレオシリーズの短編『探偵ガリレオ』『予知夢』を原作としたテレビドラマ『ガリレオ』の劇場版として本作を同ドラマのキャスト・スタッフにより映画化。2008年10月4日に公開された。
月9枠のドラマの映画化は『西遊記』『HERO』に続き3作目となる。2008年初旬に撮入し、映画公開初日には、フジテレビ系で『ガリレオΦ』が放送された。
福山雅治にとって『ほんの5g』以来20年ぶりの本格的な映画出演になり、初の主演映画である。また、本作の上映に先駆けて、10月1日に福山の出身地である長崎市に開館した映画館「TOHOシネマズ長崎」のこけら落としとして本作が先行上映され、柴咲とともに舞台挨拶を行った[7]。
なお、翌2009年に死去した伊藤隆大の遺作である。
基本的なストーリーは原作に沿ったものとなっているが、所々で独自要素が組み込まれている[注 3]。また、ドラマの劇場版という位置づけながらもドラマからのオリジナルキャラクターの出番が少なく、石神と花岡が話の軸となっている。湯川が数式を書いて推理を整理するシーンがないといったドラマのパターンを踏襲しない展開を見せている。また原作との相違点として湯川と石神が雪山に登るというものがあり、足を滑らせた湯川が窮地に陥るという演出がされている。
公開直前の2008年9月28日にTOKYO FM他JFN加盟局全38局で放送された『福山雅治のTalking F.M.』に制作のフジテレビおよびFNS27局の女性アナウンサー28人が、本作品のプロモーションとして女子アナならぬ助手アナとして出演した。
2009年12月29日に『ガリレオΦ』と連動した「二夜連続ガリレオスペシャル」を銘打って、地上波で初放送された(視聴率17.3%)。2022年9月24日には、フジテレビ系列にて『沈黙のパレード』映画公開記念でノーカットで地上波で放送された。
回数 | 放送日 | 放送時間 | 放送局 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 2009年12月29日(火) | 21:00 - 23:38 | フジテレビ | [初](28分拡大) |
2 | 2011年1月8日(土) | 21:00 - 23:30 | フジテレビ | 20分拡大 |
3 | 2011年12月27日(火) | 21:00 - 23:23 | フジテレビ | 13分拡大 |
4 | 2013年7月6日(土) | 21:00 - 23:25 | フジテレビ | 15分拡大 |
5 | 2013年8月11日(日) | 19:00 - 21:55 | BSフジ | |
6 | 2014年6月14日(土) | 21:00 - 23:20 | フジテレビ | 10分拡大 |
7 | 2016年3月19日(土) | 21:00 - 23:20 | フジテレビ | 10分拡大 |
8 | 2017年4月9日(日) | 21:00 - 23:25 | BSフジ | 30分拡大 |
9 | 2017年7月1日(土) | 15:00 - 17:25 | BSフジ | |
10 | 2022年9月24日(土) | 21:00 - 23:25 | フジテレビ | 映画”沈黙のパレード”公開記念 |
11 | 2024年3月23日(土) | 21:00 - 23:25 | フジテレビ | 15分拡大 |
2012年に公開された韓国のミステリー映画である。
2017年に公開の中国のミステリー映画である。日本未公開。
2023年に配信のインドのミステリー映画である。
2009年に演劇集団キャラメルボックスによって舞台化された。脚本・演出を成井豊が手がけた。4月18日から4月26日に新神戸オリエンタル劇場で、4月30日から5月24日にサンシャイン劇場で上演された。翌2010年には、成井豊脚本のままで上海の現地製作会社が『嫌疑人X的献身』のタイトルで2週間上演した。
2012年には同劇団で再演された。5月12日から6月3日にサンシャイン劇場(東京・池袋公演)で、6月7日から6月12日にシアター・ドラマシティ(大阪公演)で、6月15日・6月16日にシアター1010(東京・北千住公演)で上演された。脚本は初演に引き続き成井豊が担当し、演出は成井豊と真柴あずきが手がけている[8]。
2015年に劇団変形日和によって舞台化された。脚本は演劇集団キャラメルボックス版と同様に成井豊のものを使用した。演出は劇団変形日和の鈴木勝明と、演出補佐として北山和泉が担当。9月9日から9月14日に阿佐ヶ谷シアターシャインで上演された[10]。
2016年に演劇集団 笹塚放課後クラブによって舞台化された。脚本・演出を亜南博士が手がけた。9月29日から10月2日にザ・ポケットで上演された[11]。
一部ダブルキャスト。
2021年にNAPPOS UNITEDの主催によって舞台化された。脚本・演出とも演劇集団キャラメルボックス版と同様に9年ぶりに成井豊が手がける。当初は2020年5月・6月に公演が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で延期になり[12]、5月28日から5月30日にシアター1010で、7月10日から7月11日に兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで上演された。
一部ダブルキャスト。
学生劇団の公演も行われている。神戸大学演劇部自由劇場の第190回公演として2014年12月12から14日に神戸アートビレッジセンターで上演された[13]。脚本は演劇集団キャラメルボックス版と同様に成井豊のものを使用している。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.