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プロダクションアイムズ制作による日本のテレビアニメ作品 ウィキペディアから
『ハイスクール・フリート』 (High School Fleet) は、プロダクションアイムズ制作による日本のテレビアニメ作品。2016年4月から6月までBS11、TOKYO MXほかにて放送された[1]。略称と漫画版のタイトルおよび第1話終了まで公表されていた名称は『はいふり』[2]。
ハイスクール・フリート | |||
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ジャンル | 学園、SF(艦隊) | ||
アニメ | |||
原作 | AIS AAS(OVA以降) | ||
原案 | 鈴木貴昭 | ||
監督 | 信田ユウ | ||
シリーズ構成 | 吉田玲子 | ||
脚本 | 吉田玲子、鈴木貴昭、岡田邦彦 | ||
キャラクターデザイン | あっと(原案) 中村直人(アニメーション) | ||
音楽 | 小森茂生 | ||
アニメーション制作 | プロダクションアイムズ | ||
製作 | 海上安全整備局 | ||
放送局 | BS11、TOKYO MXほか | ||
放送期間 | 2016年4月10日 - 6月26日 | ||
話数 | 全12話 + OVA2話 | ||
映画:劇場版 ハイスクール・フリート | |||
原作 | AAS | ||
総監督 | 信田ユウ | ||
監督 | 中川淳 | ||
脚本 | 鈴木貴昭、岡田邦彦 | ||
キャラクターデザイン | あっと(原案) 中村直人 | ||
メカニックデザイン | 寺岡賢司 | ||
音楽 | 小森茂生 | ||
制作 | A-1 Pictures | ||
製作 | 新海上安全整備局 | ||
配給 | アニプレックス | ||
封切日 | 2020年1月18日 | ||
上映時間 | 105分 | ||
漫画:はいふり | |||
原作・原案など | AIS → AAS(原作) | ||
作画 | 阿部かなり | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
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掲載誌 | 月刊コミックアライブ | ||
レーベル | MFコミックス アライブシリーズ | ||
発表号 | 2015年12月号 - | ||
発表期間 | 2015年10月27日 - | ||
巻数 | 既刊11巻(2024年3月現在) | ||
漫画:ハイスクール・フリート ローレライの乙女たち | |||
原作・原案など | AIS(原作) | ||
作画 | 槌居 | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
掲載誌 | 月刊コミックアライブ | ||
レーベル | MFコミックス アライブシリーズ | ||
発表号 | 2016年8月号 - 2017年10月号 | ||
発表期間 | 2016年6月27日 - 2017年8月26日 | ||
巻数 | 全3巻 | ||
ゲーム:ハイスクール・フリート 艦隊バトルでピンチ! | |||
ゲームジャンル | 海戦ゲーム | ||
対応機種 | iOS、Android | ||
開発・発売元 | Aniplex | ||
キャラクターデザイン | あっと(原案) 中村直人 | ||
プレイ人数 | 1 | ||
発売日 | 2019年3月27日 | ||
キャラクターボイス | あり | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | アニメ・漫画・ゲーム | ||
ポータル | アニメ・漫画・ゲーム |
日本列島の大半が海中に沈んだパラレルワールドを舞台とし、海上の保安と防衛を担う職業であるブルーマーメイドになることを目指してその養成学校に入学し、教育艦「晴風(はれかぜ)」に乗艦した女子生徒たちのさまざまな活躍を描く。
シーンの多くは海上が舞台であり、作中には現用・旧式を問わず、多数の艦船が登場する。また、学生の練習用艦船という設定で、武蔵、比叡、伊201、アドミラル・グラーフ・シュペーなど、第二次世界大戦中に使用された艦船が登場する。
2015年8月27日発売の『月刊コミックアライブ』(KADOKAWA/メディアファクトリー刊)にて第一報が発表された[3]。以降、本放送開始までは略称である『はいふり』(HAI FURI)を仮タイトルに艦船の登場が一切伏せられたまま日常系アニメを思わせるプロモーションが展開され、第1話のエンディングで正式タイトルが登場してから、公式サイトが正式バージョンに置き換えられた[2]。
2016年2月には放送局や放送開始時期、オープニングテーマ担当が明らかになり、PV第1弾が公開された[4]。
2016年4月1日には海上保安庁・横須賀海上保安部(第三管区海上保安本部所属)とのタイアップ[5]やエイプリルフールにちなみ、同庁のTwitterで「横須賀海保、アニメ主人公に厳重注意?」というツイートが流された[6]。
女子生徒たちの担当声優については、放送開始1か月前の2016年3月1日から同月31日まで毎日1人ずつ公開された。
横須賀市が舞台であり、東日本旅客鉄道(JR東日本)横浜支社とタイアップしたイベントが行われている[7]。
2016年9月24日に行われたイベント「ハイスクール・フリート presents 横須賀赤道祭 2016」で、新作OVAの製作が発表された。テレビアニメの後日談で、2017年5月23日にBD/DVDが発売されたほか、本編の再放送に合わせてOVAの前編が放送・限定公開された。
2018年4月7日に行われたイベント「ハイスクール・フリート 放送開始2周年記念イベント」で、劇場版新作アニメーションの制作が発表され[8]、2020年1月に封切られた。詳細は#劇場版を参照。
本作の世界では、坂本龍馬が暗殺を免れたことで現実の歴史から分岐しており、日本や世界も史実とは異なる発展を遂げている。
龍馬の奮闘と西郷隆盛、中岡慎太郎をはじめとする海援隊士たちの活躍により、龍馬は近江屋事件における暗殺の危機を脱する。政治の世界にさほど興味がなかった龍馬は早々に日本の政治の表舞台から退場し、世界を相手にしての貿易事業を起こすことを決断する。その前段階として龍馬は海援隊士や姉の乙女、隊士の妻女たちを連れて世界を見聞するが、この時同行した乙女や隊士の妻女たちが中心となり、後にブルーマーメイドに繋がる「女子海援隊」が発足することになる。世界見聞を終えた龍馬は、五代才助や明治政府内での政策の違いから下野した西郷と共に日本初の海運会社「坂本商会」を設立。坂本商会は海運業を主軸として世界各国と貿易を展開して諸外国との関係を深めていき、日本最大の貿易会社となる。
一方、日本は日露戦争後の講和条約によって中国大陸進出の足掛かりを失ったばかりか、石油やメタンハイドレートの採掘に端を発する急激な地盤沈下で平野部が海に沈みつつあった。国土の縮小と大陸進出の芽を断たれたことで陸軍の規模は必然的に縮小されていく一方、代わりに海軍が増強されると同時に海上都市の整備が急激に進む。アメリカとイギリスが極東開発の拠点として日本との同盟を重視したことによってこの流れはさらに加速し、坂本商会を通じて資金や先端技術が導入され、日本は海洋立国として劇的な発展を遂げる。
このころ、ヨーロッパでは第一次世界大戦に相当する欧州動乱が勃発。日本が直接参戦することはなかったが、アメリカを含むヨーロッパの国々がことごとく戦火に巻き込まれて動乱は長期化。さらに休戦後も講和会議が戦後処理を巡って紛糾し、講和に多大な労力と時間を費やしたためにヨーロッパ大陸諸国は軒並み疲弊する。こうした中、日本・アメリカ・イギリスを中心とした海洋国家は協力体制を確立し、シーレーンの安全確保のための国際機関設立を進め、海上安全委員会を中心とした国際海洋機関を設立。日本は海洋大国として、アメリカ・イギリスとともに世界に確固たる地位を築くことに成功する。なお、一時緊張した時期はあったものの、坂本商会が外交に尽力して日本とアメリカ・イギリスの友好関係がおおむね良好に保たれたこと、欧州動乱においてヨーロッパ大陸諸国が疲弊したことで再び争う余力がなかったこともあり、この世界では第二次世界大戦は起きていない[9]。
また、本作の世界では飛行機やヘリコプター、ミサイルは理論が確立されなかったために存在せず(飛行船は実用化されている。また、作中に登場する噴進魚雷は実在するアスロックに酷似しているがミサイルではなく、噴進弾を利用して航続距離を伸ばした魚雷である)、人工衛星がないためGPSも存在しない(人工衛星を使わない類似のシステムは存在する)。このため、現実世界における航空母艦は飛行船支援母艦として運用されており、本作登場の艦船の飛行甲板に相当するものは、全て飛行船用の甲板である。なおこの世界では先述した通り航空機が実用化されなかったため、「航空機の台頭による大艦巨砲主義の終焉」は起きなかったが、噴進魚雷の実用化によって小型艦艇でも大型艦をその搭載艦砲の射程圏外から撃沈することが可能になった結果、各国は小型艦艇の大量建造にシフトし、大型艦の必要性が薄れたことで終焉を迎えている。
幼い頃、岬からブルーマーメイドの当時の旗艦・大和を見た岬明乃と彼女の幼馴染の知名もえかは、お互いブルーマーメイドになろうと誓いを立てる。時は流れ、9年後。明乃は神奈川県横須賀市にあるブルーマーメイドを養成する横須賀女子海洋学校に入学、そこでもえかと再会する。その後のクラス分けで、明乃は晴風の艦長に、もえかは武蔵の艦長にそれぞれ任命される。
晴風に乗艦した明乃は海洋実習に参加すべく、艦を出港させる。だが、彼女たちを待ち受けていたのは明るく楽しい学校生活ではなく、さまざまな出来事に翻弄される日々であった。
「声」は担当声優。
横須賀女子海洋学校の航洋直接教育艦「晴風」に乗艦する31名の少女たち。入学試験の成績があまり良くない者が集まったクラスといわれているが、明石艦長の杉本が「変わり者の寄せ集め」と評したように、何かしらの特技や特徴を持った者が多い。入学早々の航海実習で反乱の嫌疑をかけられてしまうが、数々の難局を乗り越え、艦長の明乃を中心にしてクラス全員が結束していく。
「時津風」「天津風」の乗員たちはゲーム「艦隊バトルでピンチ!」にて初登場し、各艦の艦長と副長は劇場版にも登場する。
テア以外の生徒たちは劇場版にて登場する。
本作に登場する艦船は実在した艦船に類似しているが、砲塔に自動揚弾・装填機構が備わるなど、各部の自動化・省力化が徹底的に推し進められており、少人数の女子でも運用できるようになっている。また水上レーダーやソナーなどの電子設備は最新のものに換装されている(飛行機が存在しないため、対空レーダーはない)他、GPSの代わりにTACANに似たシステムが搭載されているなど、実在した艦船とは若干の差異が存在する。
男子を含め、海洋学校に所属する教育艦は1隻の艦がひとつのクラスであり、晴風のような小型艦から武蔵のような超大型艦に至るまで、乗員数(クラス人数)はすべて30名である。
話数[注釈 5] | サブタイトル[41] | シナリオ | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
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#1 | 初航海でピンチ! | 吉田玲子 | 信田ユウ | 山川宏治、滝川和男、垣野内成美、永野孝明 萩尾圭太、土屋浩章、藤田正幸 | 中村直人 奥田陽介 | |
幼い頃、岬からブルーマーメイドの旗艦・大和を見た岬明乃と彼女の幼馴染の知名もえかは、お互いブルーマーメイドになろうと誓いを立てる。9年後、明乃は神奈川県横須賀市にあるブルーマーメイドを養成学校「横須賀女子海洋学校」に入学し、そこでもえかと再会。入学者たちは教育艦に配属され、明乃は晴風の艦長に、もえかは武蔵の艦長に任命される。 4月5日、初の海洋実習として、晴風を含む艦隊は集合地点の西之島新島沖へ向かうが、晴風は機関の故障で4時間遅刻してしまう。集合地点に到着した晴風を待っていたのは、古庄が乗艦する教員艦・さるしまからの砲撃であった。謝罪の打電や手旗信号にも応じることなく攻撃を仕掛けるさるしまに対し、明乃はクラスの安全を守るために反撃することを決意。模擬弾頭の魚雷を用いてさるしまの足を止め、海域を離脱する。その頃、さるしまの司令室の中で古庄は公安管理局へ「さるしまは晴風から攻撃を受けた」と打電する。これにより、晴風クラスには反乱の嫌疑がかけられ、彼女たちは追われる身となる。 | ||||||
#2 | 追撃されてピンチ! | 吉田玲子 | 信田ユウ 笹嶋啓一 | 橋本能理子 | サトウミチオ、小澤円、森前和也、小林真平 柏敦志、永野孝明、桑原良介 | 山田有慶 |
4月6日、事情を説明すべく艦隊の次の合流予定地点である鳥島沖へ向かう晴風。だが、海上安全整備局の広域通信を傍受し、事態が自分たちにとって良からぬ方向に動いていることを知った明乃たちは、無用の戦闘を避けて横須賀女子海洋学校へ帰投することにする。 そんな中、晴風はドイツの留学生艦・アドミラル・シュペーと遭遇。敵対する意思がないことを示すが、シュペーは晴風に向けて発砲。晴風は機関部の問題から速度を上げて振り切ることが難しいため、明乃はシュペーを攻撃することを決意。その最中、シュペーから脱出したボートがシュペーの攻撃で撃沈されるのを目撃する。明乃はボートに乗った人物を救出するため、スキッパーで出る。ましろは戸惑いつつもシュペーの注意を晴風に惹きつける。晴風は主砲でシュペーの船足を落とすことに成功、ボートの少女を救出した明乃を回収して海域を離脱する。そんな時、武蔵艦長のもえかから非常回線で救援要請が入る。 | ||||||
#3 | パジャマでピンチ! | 鈴木貴昭 | 信田ユウ 笹嶋啓一 | 住吉嵐 | 芳賀亮、山根まさひろ、柏淳志、小野孝明 土屋浩章、栗原学、後藤依子、甲田正行 今井雅美、和合薫 | 中村直人、小林真平、山田有慶 |
4月8日、横須賀女子海洋学校では、海上安全整備局が教育艦の異常な行動を受けて強硬手段を準備していることに苦慮する。同じ頃、明乃はもえかからの救援要請に後ろ髪を引かれつつも、横須賀への帰投を優先しようする。その過程で、海上安全委員会が横須賀女子海洋学校所属艦の異常行動を受け、学校所属の艦は各地への寄港を禁止とし、晴風については抵抗した場合は撃沈を許可する旨の通知が出ていることを知るが、状況の報告と自らの潔白を証明すべく、危険を承知の上で横須賀への帰投を急ぐ。 同日夜、晴風は東舞鶴男子海洋学校(東舞校)の潜水艦・伊201と接触。伊201から魚雷攻撃を受けるが、ボートの少女、ヴィルヘルミーナの力も借りて、爆雷によって伊201に損傷を与えることに成功し、海域から離脱する。明乃はヴィルヘルミーナと情報交換し、シュペー内で突如異常事態が発生したことを知る。直後、校長の真雪が横須賀女子海洋学校に所属する教育艦に対して全艦速やかに横須賀へ帰投する命令を出したことを知り、晴風クラスの一同は安堵する。 | ||||||
#4 | 乙女のピンチ! | 吉田玲子 | 藤森カズマ | 阿部達也 | キム ゼヒョンほか | 中村直人、奥田陽介、サトウミチオ |
4月13日、学校からの命令を受けて帰投を急ぐ明乃たちだったが、トイレットペーパーなどの生活物資の不足が判明、帰投する前に必要な物資を補充するために明乃たち4名が近くのオーシャンモールに買い出しに行くことになる。一時待機となった晴風で理都子と果代子は漂流物を漁っていたが、ある箱の中にいた小動物が箱から飛び出し艦内に脱走する。明乃たちは物資の調達を終えて帰ろうとするが、ブルーマーメイドに発見されて拘束される。一方の晴風も、明乃たちとの合流地点で明石・間宮とその護衛教育艦の計4隻の艦隊に包囲される。その時、突然いつも無口でおとなしい志摩が好戦的な性格に豹変し、包囲した艦船に向かって発砲するが、ヴィルヘルミーナの活躍により事態は収束する。そこに明乃たちが現れ、包囲している艦隊が味方であり、自分たちの補給に来てくれたことを知らせる。 補給作業中に明乃はブルーマーメイドの平賀と対面し、改めてさるしまに対する攻撃は自衛目的であったことを報告。発砲した志摩については聴取が行われ、五十六が捕まえた小動物についてはひとまず美波が管理することになる。そして補給が終了したという報告を受けた際、明乃は武蔵が行方不明になっていることを知る。 | ||||||
#5 | 武蔵でピンチ! | 岡田邦彦 | 笹嶋啓一 | 越田知明 | 三島千枝、森下勇輝、一橋優一、岩田幸大 斉藤育実、阪本麻衣、森田和也、王國年 | 中村直人、山田有慶、小林真平 |
4月14日、明石、間宮と別れた晴風では、ブルーマーメイドによる志摩の聴取が行われる。同じ頃、真霜は古庄が入院する病院を訪れ、古庄から当時の状況を聞くが、東舞校の艦隊が武蔵を発見したという連絡を受け取り、病院を後にする。東舞校の教員艦隊は武蔵との接触を試みるが、武蔵から攻撃を受け状況は一変。武蔵は教員艦からの呼び掛けに応じることなく、双方戦闘状態に突入する。 一方、晴風では志摩の取り調べが終わり、ヴィルヘルミーナの歓迎会が開かれて和やかなムードが漂っていた。そんな中、学校からの緊急連絡が入り、晴風は急ぎ武蔵のいるアスンシオン島近海へ向かう。東舞校の教員艦を圧倒する武蔵に恐怖を感じるなか、明乃はもえかの救出に向かおうとする。ましろは思いとどまるよう明乃を説得するが、明乃は制止を振り切り、スキッパ―で救出へ向かう。止むを得ず、ましろは明乃を支援すべく、晴風に武蔵の目を惹きつけることを通達。一方、武蔵に接近した明乃はもえかが無事なことを視認するが、障害物に接触して海に投げ出される。 | ||||||
#6 | 機雷でピンチ! | 鈴木貴昭 | 佐藤清光 藤森カズマ | 佐藤清光 | 永野孝明、桑原良介、藤田正幸、栗原学 土屋浩章、森前和也、芳賀亮、ひのたかふみ | 中村直人、奥田陽介 |
真雪たちは東舞校の艦隊が武蔵によって全艦行動不能となったこと、連絡が取れなくなった教育艦が増えたこと、そして武蔵をすぐに追跡できる艦艇が晴風しかいないことを確認する。海上安全整備局もまた、事態の鎮圧に向けて緊急会議を招集する。その頃、明乃は武蔵の救援を断念し、失意のまま晴風に帰還する。武蔵から距離を取った晴風だが、電子機器が謎の故障を起こす。原因は美波が管理する小動物であることが判明、美波は小動物が何らかのウイルスを保菌していると推測し、一連の案件にこれが関わっていると考える。 一夜明け、晴風は機雷に囲まれる。安全と航路確保のため、スキッパ―を利用した掃海が提案され、理都子と果代子がスキッパ―に搭乗して掃海を行うが、機雷に接触して爆発に巻き込まれてしまう。2人は海に投げ出されたものの、明乃と鈴が救助に向かい、事なきを得る。そんな中、美波は自らを実験台にしてウイルスのワクチンを試す。 | ||||||
#7 | 嵐でピンチ! | 吉田玲子 | 笹嶋啓一 | 飯田薫久 | 飯田清貴、小澤円、王國年、相澤秀亮 | 中村直人、山田有慶、小林真平 |
4月22日、晴風は学校から武蔵の捜索を指示されるが、艦内の水不足が発覚したため、まずはそちらへの対応を優先する。同月25日、晴風は霧が発生する海域を通過中に降雨に遭遇。水不足は解消されるが、降雨は嵐に変わる。当直を務めていた明乃は落雷で恐怖にかられ、ましろに当直の交代を願い出る。明乃は雷が嫌いになったきっかけをましろとヴィルヘルミーナに告白し、さらに自分ともえかの関係を吐露する。 そこへ突然、商店街船「しんばし」からの救難信号が入る。晴風はブルーマーメイドに状況を報告し、救難信号が発信された現場へ急行する。現場に到着した晴風はましろとヴィルヘルミーナを中心とした臨時の救助隊を編成し、座礁した船の救助活動を行う。ましろは艦内に取り残された生存者の確認に向かい、取り残された猫を確保するが、船体が破断したことによって船内に取り残されてしまう。そこにブルーマーメイドの救助隊が到着し、ましろは間一髪で無事救助される。明乃はましろを抱擁しながら、艦で仲間の無事を待つことの辛さを打ち明ける。 | ||||||
#8 | 比叡でピンチ! | 岡田邦彦 | 西島克彦 | 村田光 後藤礼雅 | 桜井正明、三井麻未、佐藤このみ、臼田義夫 宇良隆太、山田将司、今田茜、相澤秀亮 | 中村直人、奥田陽介 |
4月26日、晴風は比叡に遭遇。対応を思案する間もなく、比叡は発砲。晴風はブルーマーメイドの派遣部隊が到着するまでは距離を取って監視せよと命じられが、幸子からウイルスに感染しているであろう比叡はトラック諸島に向かっており、このままでは全世界にウイルス感染が拡大する恐れがあると報告される。感染拡大を防ぐために明乃は比叡の航路を妨害するが、機関科から船速の維持ができない旨の報告を受ける。作戦の変更を迫られた明乃は、五十六たちを見てある作戦を思いつく。 明乃は校長と通信を行い、現状の報告とその上で立案した作戦実行の許可を求め、校長は条件付で許可を出す。明乃はクラス全員に比叡を座礁させる作戦の内容を説明し、全員の賛同を得て実行に移す。最初の予定ポイントで座礁させることに失敗するが、再度同じポイントで今度は潮の干満も計算に入れ、比叡を座礁させることに成功する。比叡の監視を兼ねて艦を停泊していた所へ、宗谷家の次女・真冬率いるべんてんが到着する。 | ||||||
#9 | ミーナでピンチ! | 鈴木貴昭 | 祝浩司 | 安藤貴史 阿部雅司 | 棚澤香織、西田美弥子、芳賀亮 栗原学、土屋浩章、後藤依子 | 中村直人、小林真平 |
アドミラルティ諸島とトラック諸島の沖合に大型艦の目撃情報が報告され、晴風はアドミラルティ諸島沖の目標に向けて出航する。情報を分析した結果、目標はアドミラルシュペーであることが判明。明乃はクラスの意志とヴィルヘルミーナの思いを聞き、救出作戦実行を決意する。しかし魚雷でシュペーを足止めしてシュペーの弱点を攻撃して乗り込むする作戦は失敗してしまう。艦に直撃弾を受け、進退窮まる晴風。そんな中、芽衣がスキッパ―で接近してシュペーに乗り込む案を提案する。突入班を志願した明乃は艦の指揮をましろに任せ、スキッパ―でシュペーへ向かう。突入班を援護すべく、ましろが指揮を執る晴風はシュペーを牽制するが、再び直撃弾を受け、牽制を中止。明乃たちがシュペーに乗り込んだことを確認し、射程範囲外へ退避する。 その頃、シュペーに乗艦した突入班は、ウイルスに感染した生徒たちを次々に鎮圧。シュペー艦長テアの確保をもって全艦鎮圧し、作戦は成功する。その後、シュペーの乗員と交流会が開かれるが、会の終了後にシュペーは自国の基地へ向かうと告げられる。ヴィルヘルミーナを乗せたシュペーは出航、幸子はヴィルヘルミーナとの別れを惜しむ。 | ||||||
#10 | 赤道祭でハッピー! | 吉田玲子 | 藤森カズマ | たかたまさひろ | 古矢好二、丸岡功治、植竹康彦 大西秀明、江間一隆、福地和浩 成松義人、相澤秀亮、王國年 | 中村直人、奥田陽介、山田有慶 |
麻侖は晴風が赤道を越えていることを受け、赤道祭の実施を提案する。晴風が修理中で動けないこともあり、明乃は実施を了承し、2日後に開くことが決定する。その頃、陸上では真霜を議長としたブルーマーメイドの会議が行われ、感染した艦の救出作戦「パーシアス作戦」が決定、作戦内容は晴風にも通達される。赤道祭前日、麻侖は他の乗員が祭りにさほど関心がないことを知り、拗ねて機関室に籠ってしまう。黒木から柳原が拗ねたことが伝えられた明乃たちだが、媛萌が個人的に用意していた神輿と明乃の機転によって麻侖の機嫌は直り、他の乗員たちも明乃に引っ張られて本格的に準備に取り組み、予定通り赤道祭は開催される。 祭りは滞りなく進み、麻侖は自分のことを心配してくれた黒木に感謝の意を込め、彼女が抱える不満を解消すべく相撲大会を開き、明乃ともスキンシップを図らせる。最後は美波が希望した合唱を行い、祭りは終了する。 | ||||||
#11 | 大艦巨砲でピンチ! | 岡田邦彦 | 笹嶋啓一 | 村上勉 | 吉田巧介、飯飼一幸、大木比呂 齋藤温子、山田英子 | 中村直人、小林真平 サトウミチオ、栗原学 |
乗員が祭りの片付けをする中、浮かない表情を見せる明乃。5月5日、ブルーマーメイドの予想に反して武蔵が伊豆半島の沖合で発見され、位置的に武蔵に近い晴風には武蔵の捕捉が命じられる。武蔵を捕捉し、砲撃を何とか回避する晴風だったが、平賀の率いる別動隊が到着して武蔵と交戦に入り、晴風は回避行動に専念する。そんな中、ましろは明乃が判断を下せない姿を見て、幸子らに指揮を任せ、明乃を副長室に連れて行く。 平賀隊は様々な策を講じて武蔵の足を止めようとするが全て失敗、艦隊は壊滅状態に陥る。ブルーマーメイド本隊の到着も期待できない状況で、明乃はクラスメイトを危険にさらすことに恐怖を感じて決断を下すことが出来なくなり、ましろもそんな明乃にかける言葉を失う。その最中、二人の会話を聞いた麻侖はましろを機関室に連れ込み、叱咤する。麻侖と黒木の言葉を受けたましろは決意を固め、明乃に思いの丈をぶつける。それを聞いたクラスメイトたちも自らの思いを発露し、明乃は覚悟を決めて武蔵との対決を決断。正気を保っていた武蔵艦橋のもえかへ向けて、救援に向かうとの発光信号を送る。 | ||||||
#12 | ラストバトルでピンチ! | 吉田玲子 | 西島克彦 藤森カズマ | 橋本能理子 | 芳賀亮、小澤円、佐々木貴弘、土屋浩章 | 中村直人、山田有慶、奥田陽介 |
東京防衛のデッドラインとなる浦賀水道に武蔵が到達するまで、残り20分。晴風は単艦で武蔵の足を止めようとするが、武蔵の砲撃により機関部の浸水など多数の損害を受ける。明乃が一度は総員離艦命令を出そうとしたその時、別方向から武蔵に対して砲撃が行われる。それは比叡、アドミラルシュペー、舞風、浜風、そして古庄が乗るてんじんによるものだった。 明乃は増援に来た艦と協力し、晴風以外の艦が武蔵に対して牽制を行う間、晴風が武蔵に接近接舷する作戦を実行する。明石から受け取った噴進弾を武蔵の目隠しに使い、武蔵の眼前で大回頭を行った晴風は、傷つきながらも武蔵に接舷することに成功し、突入班がウイルスに感染した武蔵の生徒を鎮圧。明乃は艦橋へ向かい、親友のもえかと再会を果たす。晴風は武蔵らと共に横須賀へ帰港し、乗員は1ヶ月ぶりに上陸を果たす。それを見届けたかのように、晴風はゆっくりと沈み始める。晴風クラスの各員がその光景を見つめる中、明乃は沈みゆく晴風を敬礼で見送る。 | ||||||
OVA 前編 | 納沙幸子がピンチ! | 岡田邦彦 | 藤森カズマ 信田ユウ | 阿部雅司 | 飯田清貴、棚澤香織、山根まさひろ、沼田広 藤田正幸、栗西祐輔、滝川和男 | 和合薫、倉谷亮多 |
一連の騒動から1か月後。晴風クラスは中間考査を終え、試験休みに入っていた。そんな中、幸子は明乃から呼び出しを受ける。明乃とましろは幸子に封筒を手渡し、この封筒を始末書の作成に追われる自分たちに代わってクラス全員に渡して欲しいと幸子に依頼する。封筒が開封時間が指定された密封指示書だと確認した幸子は、偶然通りかかった鶫と慧の協力を得て、横須賀の街中に散らばった晴風クラスの仲間たちを探す。だが封筒を渡していく中で、晴風クラスは艦が沈んでしまったためにこのままでは2学期からの実習ができず、クラスが解体・再編されるのではないかという噂が持ち上がる。その噂は、「麻侖と黒木が明石の杉本艦長に、美甘と杵崎姉妹が間宮の藤田艦長にスカウトされていた」という噂と相まって、さらに信ぴょう性を帯びたものとなる。不安を押し殺して用事を果たす幸子だが、ヴィルヘルミーナの前でついにこらえきれなくなり、自らも晴風クラスの解体に不安を抱いていることを泣きながら訴える。 | ||||||
OVA 後編 | 納沙幸子もピンチ!? | 鈴木貴昭 | しまづあきとし 信田ユウ | 石倉礼 | 久松沙紀、棚澤香織、藤田正幸、今田茜 宇良隆太、山根まさひろ | 和合薫、倉谷亮多 |
密封指示書の開封期限まであと3日。ましろから晴風クラス解体の噂に動揺するクラスの取りまとめを依頼された幸子は、クラス存続のために広く署名を集めることを考える。幸子の趣旨に賛同した晴風クラスは全員で署名を集めようとするが、思うように集めることができない。困り果てたところに、もえかは人を集める手段として、三笠公園で晴風カレーをメインとしたカレーフェスを開催することを提案する。幸子たちは手続きや各所への協力依頼を短時間で終わらせてカレーフェスを開催するが、それでも思うように人は集まらない。万策尽きかけたところに、やっと始末書を片付けた明乃とましろが到着。明乃が駆け付けたことで、士気は大いに高まる。さらに明乃がもえかと一策を講じたことで人も集まり、武蔵とシュペー乗員の協力もあって、晴風クラスは大量の署名を学校に提出することに成功する。明けて翌日。晴風クラスの密封指示書に書かれた内容は、教育艦「Y469」への転属指示。その「Y469」は、艤装がまだだった晴風の姉妹艦「沖風」に晴風の部品を艤装した、晴風とほとんど同じと言ってもよい艦であった。真雪の好意もあり、Y469を晴風と命名した明乃は新たな晴風、そして晴風クラスの仲間とともに新たな航海に出発する。 |
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [42] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2016年4月10日 - 6月26日 | 日曜 0:00 - 0:30(土曜深夜) | BS11 | 日本全域 | 製作参加 / BS放送 『ANIME+』枠 |
TOKYO MX | 東京都 | |||
とちぎテレビ | 栃木県 | |||
群馬テレビ | 群馬県 | |||
2016年4月12日 - 6月28日 | 火曜 1:35 - 2:05(月曜深夜) | テレビ愛知 | 愛知県 | |
2016年4月13日 - 6月29日 | 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) | KBS京都 | 京都府 | |
水曜 0:30 - 1:00(火曜深夜) | サンテレビ | 兵庫県 | ||
水曜 2:05 - 2:35(火曜深夜) | テレビ北海道 | 北海道 | ||
TVQ九州放送 | 福岡県 | |||
水曜 23:00 - 23:30 | AT-X[43] | 日本全域 | CS放送 / リピート放送あり |
2017年1月から3月にかけて、BS11にて「パッケージリマスター版」が再放送された。番組タイトルは、本放送時は「はいふり」となっていた1話から「ハイスクール・フリート」として放送。全12話終了の翌週(2017年3月31日)には、OVA前編「納沙幸子がピンチ!」が特別先行放送された[44]。2018年1月よりBS11にて2度目の再放送が行われ、2019年1月より同じくBS11にて3度目の再放送が行われた。3度目の再放送では、第11話放送の翌週にアプリゲーム『〜艦隊バトルでピンチ!』の特番がオンエアされ、最終回はその翌週に回された。2020年1月1日には、OVA前[45]・後編[46]が放送された。
作品中で横須賀市が登場することから、横須賀市内でのタイアップ企画が行われている。
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | |
---|---|---|---|---|
BD限定版 | DVD限定版 | |||
1 | 2016年6月22日 | 第1話 - 第2話 | ANZX-11921/2 | ANZB-11921/2 |
2 | 2016年7月27日 | 第3話 - 第4話 | ANZX-11923/4 | ANZB-11923/4 |
3 | 2016年8月24日 | 第5話 - 第6話 | ANZX-11925/6 | ANZB-11925/6 |
4 | 2016年9月28日 | 第7話 - 第8話 | ANZX-11927/8 | ANZB-11927/8 |
5 | 2016年10月26日 | 第9話 - 第10話 | ANZX-11929/30 | ANZB-119229/30 |
6 | 2016年11月23日 | 第11話 - 第12話 | ANZX-11931/2 | ANZB-119231/2 |
OVA | 2017年5月24日 | 前編 - 後編 | ANZX-11933/4 | ANZB-11933/4 |
2016年4月6日に岬明乃(夏川椎菜)と知名もえか(雨宮天)によるキャラクターソング『わたしたち記念日』が発売された[54]。
いずれもスマートフォン端末向けのアプリケーション。
『明乃とましろのハイスクール・フリートラジオ 晴風艦内放送』のタイトルで、2016年4月9日から7月2日までニコニコ生放送にて毎週土曜日23時30分に配信されていた[81]。また、ニコニコ生放送の2日後、HiBiKi Radio Stationにて毎週月曜日に本放送のアーカイブ配信と「楽屋裏」が更新された。4月9日配信分は『明乃とましろのはいふりラジオ(仮)』第0回として配信された。パーソナリティは夏川椎菜(岬明乃役)とLynn(宗谷ましろ役)。
『劇場版 ハイスクール・フリート』のタイトルで、2020年1月18日より公開[82]。アニメーション制作はA-1 Picturesが担当、担当声優は続投し、TV版のメインスタッフは継続して参加する[83]。2019年4月14日に行われたイベントで、公開時期や正式タイトル・メインスタッフが公開された[82]。キャッチコピーは「横須賀に吹く、新しい風―」「みんなと過ごす、かけがえのない時間。」「守るべき艦(いえ)、進むべき航路(みらい)」「仲間と一緒なら、どんな危機(ピンチ)も乗り越えられる。」[38]。
晴風クラス解体の危機から3か月後。横須賀女子海洋学校では、呉女子海洋学校、舞鶴女子海洋学校、佐世保女子海洋学校の3校の生徒を横須賀に迎え、計4校による競闘遊戯会(きょうとうゆうぎかい)が開催される。晴風クラスをはじめ、横須賀女子海洋学校の生徒たちは遊戯会のホスト校として横須賀市内で歓迎会の各種出し物を開催、明乃とましろも自分たちのクラスの出し物のチェックとフォローに走り回る[84]。その最中、明乃とましろは外国から日本へ父親を捜しに来たという少女・スーと出会い、彼女のためにいろいろと世話を焼く。一方、ましろは教官の古庄から、比叡の艦長就任を打診される。自分たちの現在と将来の夢のことを考え、思い悩む明乃とましろ。そんなふたりをよそに遊戯会は2日目の競技会が開催されるが、そんな時、真雪のもとに水生成プラントが多数の人質とともに海賊に奪われ、これまた海賊に乗っ取られた海上要塞との合流を図っているとの連絡が入る。そして図上演習競技の決勝で明乃とましろが対戦している最中、突然横須賀港の出口付近で廃棄フロートが爆沈。フロートを港の入り口まで手引きしたのは、父親を捜してやるからと海賊に言いくるめられて協力したスーだった。爆沈したフロートのせいで港内に停泊していたブルーマーメイド艦隊は出動不能、強固な要塞を止める手立てが限られる中で、もえかは女子海洋学校4校の所属艦艇で構成される学生艦隊を編成して海上要塞の制圧に向かう作戦を真雪に進言する。旗艦の武蔵に真霜が現場責任者として座乗した学生艦隊は、真冬が艦長を務めるべんてん、作戦に協力を申し出たシュペーとともに洋上プラントの奪還と海上要塞の鎮圧に向かう。
2020年10月にBDおよびDVDがアニプレックスより発売されている。
発売日 | 規格品番 | |
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BD限定版 | DVD限定版 | |
2020年10月28日 | ANZX-13741/2 | ANZB-13741/2 |
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