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1981年のオーストラリアのアクション映画 ウィキペディアから
『マッドマックス2』(Mad Max 2、アメリカ公開版タイトル: The Road Warrior)は、1981年公開のオーストラリアの映画。
マッドマックス2 | |
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Mad Max 2 | |
監督 | ジョージ・ミラー |
脚本 |
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製作 | バイロン・ケネディ |
出演者 |
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音楽 | ブライアン・メイ |
撮影 | ディーン・セムラー |
編集 |
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配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 | |
上映時間 | 95分 |
製作国 | オーストラリア |
言語 | 英語 |
製作費 | AUD 4,000,000 |
興行収入 | $23,667,907[1] |
配給収入 | 9億8300万円[2] |
前作 | マッドマックス |
次作 | マッドマックス/サンダードーム |
『マッドマックス』の続編。前作のヒットを受け、約10倍の費用をかけて製作されたバイオレンス・アクション映画。
大国同士による戦争後の荒廃した舞台設定、モヒカンヘアーで暴れまわる暴走族などを描いた世界観は、1980年代全般のSF映画をはじめ、『北斗の拳』など多くの作品に影響を与えた。
監督のジョージ・ミラーは本作を作るにあたり、世界各地の英雄神話を研究した書物であるジョゼフ・キャンベルの『千の顔を持つ英雄』を参考にしている[3]。
北部民族長老は、記憶が覚束ない老境に入っても尚、幼い頃に出会った「マックス」という名の一人の男についての記憶が強く残っていた。そんな彼の回想から物語は始まる。
前作の直後に二大国間で勃発した世界大戦により文明は崩壊、戦争の影響で多くが枯渇した石油を巡り、凶悪な暴走族が略奪を繰り広げる荒廃とした砂漠の世界へと変貌した。元警官のマックスは、前作で妻子の命を暴走族に奪われ、復讐を遂げた後は、相棒である犬(オーストラリアン・キャトル・ドッグ)と共に、改造を施した愛車V8インターセプターを走らせ、荒野をあてもなく彷徨い続ける日々を送っていた。
ある日、マックスはインターセプターの燃料を狙って追い回していたウェズ率いる暴走族のグループを追い払った後、道中で1機のオートジャイロを見つける。そこでパイロットのジャイロ・キャプテンの襲撃を受けるも返り討ちにし、命乞いする彼から近くに石油精製所があることを教えられる。マックスはジャイロ・キャプテンの道案内で周辺区域を縄張りとするヒューマンガス率いる暴走族の襲撃に日々脅かされている石油精製所へと辿り着き、その暴走族の中に自身を追い回していたウェズの姿も見つける。
石油精製所に近づく方法を模索するため張り込みを始めて数日、石油精製所から数台のバギーが出発し、暴走族に捕まる光景を目撃。鎖で拘束したジャイロ・キャプテンを置き去りにしたマックスは、ウェズの手により重傷を負った精製所の男を精製所に搬送し、所内に入る事に成功するも、直後に男は息を引き取ってしまった為、精製所リーダーのパッパガーロとの物資取引は頓挫、愛車も差し押さえられてしまう。直後、ヒューマンガスら暴走族が捕らえた住民を車両に磔にしながら接近すると「精製所を手放して立ち退けば命は保証する」という妥協案を突き付けて立ち去っていく。
ヒューマンガスの要求に、精製所の住民らが徹底抗戦か脱出かで意見が割れる最中、マックスはパッパガーロの計画に協力すると申し出、路上に放置されていたトレーラーの調達を請け負い、取引は成立。道中、ヒューマンガス達の妨害を受けるも、精製所に住む野生児のフェラル・キッドや放置していたジャイロ・キャプテンの協力を得てこれを遂行、住民たちが所望していたトレーラーを精製所に運び込み、信頼を得ることに成功する。
その夜、ヒューマンガスが報復として捕虜の処刑を行う中、住民から脱出遂行への共闘と旅の仲間になるよう持ちかけられたが、マックスはこれを拒否し、夜明けと共に精製所を後にする。直後、精製所から出発したのを知ったウェズの追撃を受けてインターセプターは大破し、マックスは負傷、犬も撃ち殺されてしまうが、ウェズの手下がインターセプターの燃料タンクに手を出したために自爆装置が作動、大爆発を起こし、ウェズ達は退散する。瀕死の所をジャイロ・キャプテンに救出され、再び精製所へと戻り手当を受けることとなる。
蘇生したマックスは一度は断った作戦だが、取引と関係無く、住民が目指す「太陽の楽園」へと向かう脱出行の手助けを決意、作戦の要となるトレーラーの運転を任され、パッパガーロ、ジャイロ・キャプテンら護衛のメンバーと共に精製所を出発。それと同時に暴走族を引きつけておいて、精製所を侵入した彼らもろとも爆破した。
トレーラーが牽引する燃料タンクに一斉に群がるヒューマンガスの部下を迎撃していくも、パッパガーロら護衛のメンバーは次々と討たれ、空から援護していたジャイロ・キャプテンも撃ち落され、復讐に燃えるウェズを急ブレーキでトレーラーから振り落とすも、マックスも深傷を負い窮地に陥ってしまう。死と暴走の果てに、マックスの運転するトレーラーは、フロントバンパーにしがみつきながら生きていた血だるまのウェズもろともヒューマンガスの車両と正面衝突、横転してしまう。生き残った暴走族のメンバーは、ヒューマンガスとウェズの死を察し、失意の中立ち去っていく。辛うじて助かったマックスは運転席から這い出すが、横転により破損したタンクから流れ出ていたものが燃料ではなく砂であり、囮に利用されていたと気づく。マックスがヒューマンガスとウェズらを引き付けている間に、燃料はドラム缶に小分けにされ、別ルートで脱出した住民が乗るバスで運び出すことに成功していた。作戦の全貌を知った直後、九死に一生を得たジャイロ・キャプテンと再会したマックスは、長く失っていた安堵の笑みを浮かべるのだった。
その日、夕暮れの路上に佇む傷だらけのマックスを、新たにリーダーとなったジャイロ・キャプテンが運転するバスの後部から、フェラル・キッドは見送った。のちに北部部族の長老となった彼が見た、マックスの最後の姿であった。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |||
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フジテレビ版 | TBS版 | テレビ朝日版 | スーパーチャージャー版 | ||
マックス | メル・ギブソン | 柴田恭兵 | 鈴置洋孝 | 山寺宏一 | 安原義人 |
ジャイロ・キャプテン | ブルース・スペンス | ジョニー大倉 | 青野武 | 牛山茂 | 多田野曜平 |
パッパガーロ | マイク・プレストン | 小林清志 | 若本規夫 | 堀勝之祐 | 郷田ほづみ |
ヒューマンガス | ケル・ニルソン | 柴田秀勝 | 島香裕 | 麦人 | 手塚秀彰 |
ウェズ・ジョーンズ | ヴァーノン・ウェルズ | 渡部猛 | 大友龍三郎 | 若本規夫 | 黒澤剛史 |
トーディー | マックス・フィップス | 牛山茂 | 小島敏彦 | 小形満 | |
女戦士 | ヴァージニア・ヘイ | 小宮和枝 | 金野恵子 | 日野由利加 | 佐竹海莉 |
ゼッタ | ウィリアム・ゼッパ | 千田光男 | 佐古正人 | 仲野裕 | 水越健 |
メカニック | スティーブ・J・スピアーズ | 水鳥鐵夫 | 塩屋浩三 | 天田益男 | 中村和正 |
ジャイロの彼女 | アーキー・J・ホワイトリー | 相沢恵子 | 藤枝成子 | 合田絵利 | |
カーマジャン | シド・ヘイレン | 大宮悌二 | 宮内幸平 | 藤本譲 | 麦人 |
野生児(フェラル・キッド) | エミル・ミンティ | ||||
役不明またはその他 | — | 鈴木勝美 有本欽隆 高橋ひろ子 稲葉実 笹岡繁蔵 清川元夢 田中康郎 大滝進矢 幹本雄之 向殿あさみ 高木早苗 目黒裕一 | 一柳みる 大滝進矢 辻親八 星野充昭 | 火野カチコ 宝亀克寿 峰恵研 中多和宏 大黒和広 小川智子 | 入江純 山岸治雄 小林達也 浅科准平 中村章吾 まつだ志緒理 |
演出 | 春日正伸 | 福永莞爾 | 松川睦 | 羽田野千賀子 | |
翻訳 | 宇津木道子 | 久保喜昭 | |||
効果 | 遠藤堯雄 桜井俊哉 | リレーション | |||
プロデューサー | 山形淳二 | 上田正人 | 圓井一夫 山川秀樹 | ||
調整 | 堀内勉 | 長井利親 | オムニバス・ジャパン | ||
解説 | 高島忠夫 | 淀川長治 | |||
製作 | 東北新社 | 東北新社 TBS | ムービーテレビジョン | 東北新社 | |
初回放送 | 1984年10月13日 『ゴールデン洋画劇場』 21:02-22:54 |
1991年11月27日 『水曜ロードショー』 21:00-22:54 |
1997年8月17日 『日曜洋画劇場』 21:02-22:54 | 2015年6月26日 『シネマクラッシュ』 20:00-21:54 | |
再放送 | 1987年11月3日 『ザ・ロードショー』 20:00-21:54 |
舞台は前作のオーストラリアの片田舎から荒野に変わり、マックス以外の登場人物も全て一新されている。また、前作では当時のオーストラリアで社会問題となっていた暴走族の根絶というテーマを含有していたが、本作はより激しいカーチェイスを前面に押し出したアクション映画としての側面が強い。製作費は前作の約10倍だが、その大部分はマシーンの改造費に当てられていた。
アメリカ公開時のタイトルは、『Mad Max 2』ではなく副題の『The Road Warrior』だった。当時のアメリカでは前作の知名度が低く、『マッドマックス』の続編という認識が成り立ちにくかったためである(オーストラリアでは初公開時から『Mad Max 2』)。LD・DVD版は、ジャケットでは「MAD MAX 2」、本編フィルムでは「The Road Warrior」と表記されている。ブルーレイ版はこの逆である。作中の老いたフェラル・キッドのマックスに関する回想場面にて、老フェラル・キッドのセリフは「マックス=ロード・ウォリアー」と併用した呼称となっている。
配役も決まった撮影開始前、ギブスンとスペンスはミラー監督から「シェーン」と「用心棒」の2作品の鑑賞を指示され、役を練り込んで撮影に望んだ[6]。
年 | 映画賞 | 賞 | 結果 |
---|---|---|---|
1982 | 第8回ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 外国映画賞 | 受賞 |
アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭 | グランプリ[7] | 受賞 | |
オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞 | 監督賞 | 受賞 | |
録音賞 | 受賞 | ||
プロダクションデザイン賞 | 受賞 | ||
衣裳デザイン賞 | 受賞 | ||
編集賞 | 受賞 | ||
作曲賞 | ノミネート | ||
撮影賞 | ノミネート | ||
1983 | ヒューゴー賞 | 映像部門 | ノミネート |
サターン賞 | インターナショナル映画賞 | 受賞 | |
主演男優賞 | ノミネート | ||
助演男優賞 | ノミネート | ||
監督賞 | ノミネート | ||
脚本賞 | ノミネート | ||
衣装デザイン賞 | ノミネート |
ブルーレイ版では、ウェズが腕に刺さった矢を引き抜くシーンが復活している。
本作の大ヒットは、漫画『北斗の拳』以外にも多方面に影響を与えた。例えば、アメリカのプロレスのタッグチーム「ロード・ウォリアーズ」は、本作の副題と世界観を踏襲して作られたユニットで、アメリカのみならず世界中で大人気となった。
映画『ウォーターワールド』は主要なインスピレーションとしてマッドマックス2を引用した映画で、脚本を書いたデヴィッド・トゥーヒーもマッドマックス2のファンだったのでそのことを認めている。
1982年に映画の脚本を担当したテリー・ヘイズによって書かれたノベライズ小説版が出版された。
マッドマックス2の世界観をもとに作成されており、核戦争後の世界という設定やインターセプターのようなマシン、マックスのような服を着た主人公などが出てくる。
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