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本田技研工業のハイブリッドスポーツカー ウィキペディアから
CR-Z(シーアールズィー[1])は、本田技研工業がかつて生産・販売していたハイブリッドエンジンを搭載したコンパクトクーペスポーツカーである。
ホンダ・CR-Z ZF1/2型 | |
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フロント(前期型・北米仕様) | |
リア(前期型・北米仕様) | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2010年2月 –2017年1月 |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ | 3ドアハッチバッククーペ |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン | LEA型: 1.5L 直4 SOHC 4バルブ i-VTEC |
モーター | MF6型: 薄型DCブラシレスモーター |
最高出力 |
エンジン(CVT): 118PS (87kW) / 6,600rpm |
最大トルク |
エンジン(CVT): 144N·m / 4,800rpm エンジン(MT): 145N·m / 4,800rpm モーター: 78N·m / 1,000rpm |
変速機 | CVT / 6速MT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット |
後 | 車軸式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,435mm |
全長 | 4,105mm |
全幅 | 1,740mm |
全高 | 1,395mm |
車両重量 |
CVT: 1,170kg MT: 1,150kg |
その他 | |
ハイブリッド方式 | HV(ホンダ・IMAシステム) |
燃費 |
CVT: 23.0km/L MT: 20.6km/L (JC08モード) |
系譜 | |
先代 | ホンダ・CR-X |
CR-Zは、環境負荷の軽減が優先されるハイブリッドカーでも運転する楽しさを感じられる、スポーツ性を融合させた乗用車である。
1.5L 直4 SOHC i-VTECのガソリンエンジンとHonda IMAシステムのハイブリッドシステムに、6速MTまたはパドルシフトを装備したCVTが組み合わされたパワートレインが、全長約4m 車重約1.1tのコンパクトで軽量な車体に搭載されたライトウェイトスポーツというパッケージは、CR-Xや初代インサイトを彷彿させるものである。
2008年以降発売される地球環境を意識した車両をホンダでは「Honda Green Machine」と称し、CR-Zは「グリーンマシーン3号」[2]である。
ハイブリッドによる走行性能の高さと走りの楽しさを両立させた点が評価され、第31回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
販売面ではSNSのmixiとコラボレーションした「Ole!Ole!CR-Zキャンペーン」と呼ばれた、mixiアカウント所有者のハンドルネームの語尾に「@CR-Z」と付与するとCR-Zの新車一台を抽選でプレゼントする応募権利を得られるという当時のホンダ広報担当者の企画による若者向けの需要喚起策や200万円台前半という低価格も後押しして、月間販売目標台数の3倍である3,000台以上の登録台数を発売1年目に記録。
搭載されるLEA型エンジンは、低回転時に2つの吸気バルブの片側を休止する1バルブ休止VTEC機構を採用し、低回転時のトルクと高回転時の出力を向上させながら、低燃費・クリーン性能を高次元で達成し、さらにIMAシステムの装備により、2.0Lガソリンエンジン並みの加速性能と低回転域のトルクを実現している。
当初はインサイト用のLDA型を流用することが企画されたが、より高出力を得るために1.5LのLEA型が開発された。L15A型用シリンダーブロックと、L13A型用シリンダーヘッドとが組み合わされたが、L15A型のデッキハイトはL13A型よりも20mm高く、インサイトよりも低いボンネットにエンジンを収めるために、L13A型シリンダーヘッドの流用や、インテークマニホールドやエアクリーナーケースを、ボンネットの傾斜に沿ったフラットな形状にするなどの工夫がされた。
また、最高出力はアメリカのAT-PZEV(Advanced Technology - Partial Credit Zero Emission Vehicle:ゼロ排出ガス車として部分換算される先進技術搭載車)に対応するために114PSに抑えられている。
それに組み合されるトランスミッションには、スポーツ走行にも適した専用設計の6速MTと、低燃費走行からスポーツ走行まで対応するCVTの2種類を設定した。専用設計の6速MTはシフトストロークを45mmに、セレクトストロークも短く設計され、シンクロナイザーには2速にダブルコーン、3速に摩擦係数の高いカーボンのシングルコーンを採用。これらによりスムーズなシフトフィールとダイレクトな操作感を得ている。
CVTはフィットやモビリオなどに搭載される、スタートクラッチに湿式多板クラッチを用いる「ホンダマルチマチックS」を搭載。全車パドルシフトを標準装備し、7速手動変速が可能。フロアシフトレバーはホンダ初となる前進がDレンジのみの仕様となっている[3]。また、走行距離に応じメーター内のマルチインフォメーションディスプレイにHMMF(ホンダマルチマチックフルード)の交換時期をお知らせする機能が搭載されている[4]。なお、ホンダマルチマチックSについてはフィットなど5車種に発進時の振動(ジャダー)問題が多発したことを受けて本車の発売から1か月後の2010年3月に該当車種に保証期間の延長が行われたが、本車については保証期間の延長などは行われていない。
2012年のマイナーチェンジではエンジン、ハイブリッドシステムがそれぞれ改良され、最高出力の向上が図られた。更に、瞬間的にモーターアシストを全開にするPLUS SPORTボタンがステアリングに追加された。ホンダの広報によるとPLUS SPORTボタンを押した場合では「3LのV6エンジン」並みの加速感が得られるとしている。
ドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)、モーターアシスト(ハイブリッドシステム制御)、CVT変速制御、電動パワーステアリング(EPS)、エア・コンディショナーなどを統合制御する『3ドライブモードシステム』を搭載する。きびきびとした走りと燃費性能を両立した「NORMALモード」、エンジンのトルク感を強調し、しっかりとした特性のあるステアリングとすることで、レスポンスの良い走りと手応えのあるハンドリングにより痛快な走りを楽しめる「SPORTモード」、エンジンのスロットル開度を控えめに制御しつつ、最適なエンジン効率を求めたモーターアシスト、エアコンの省エネ運転、アイドリングストップ時間の延長など、実用燃費向上を重視した「ECONモード」を備え、状況に応じて、ボタン一つで簡単に切り替えられる。NORMALまたはECONモード時には、燃費の良い運転をするとスピードメーター外周の照明が青色から緑色に変化するアンビエントメーターなどの、エコアシスト機能も備わる。
燃費運転度の採点履歴などを表示する「ティーチング機能」を備えるオプションの「Honda HDDインターナビシステム」は、専用通信機器により通信費が無料になる「リンクアップフリー」に対応し、ユーザーの利便性向上と車両の走行データ収集量の増加を図っている。
スポーツモデルとしては珍しく坂道発進補助装置も全車標準装備となっている(ホンダとしても初)。
軽量で高剛性なボディに新構造のフロントピラーや新開発のドアミラーの採用、ボディ下面の整流処理などを行い、ショート&ワイドボディでありながら、2代目インサイトと同等の空力性能を達成。また、欧州や北米など日本国外では比較的ポピュラーなシャークフィンアンテナや当時日本車ではまだ少なかったポジション球LEDデイライトを、日本国内で販売するホンダ車で初めて採用している。北米仕様ではテールライトに違いがあり、5段目のLED、サイドマーカーが点くようになっている。ドライビングポジションはシビックタイプRより約30mm低く設定され、スポーツドライビングを演出しているが、フロントウィンドウを左右に大きく回りこませ、コーナリング時の視界を確保している。後部座席は2名分装備されているが、初代CR-Xと同様に最小限の空間しか無く、大人は上半身をかがめて座る必要がある[5]。
走行性能向上のためタイヤはインサイトより大きな195/55R16が装着され、ホイールの固定部もP.C.D. 114.3/5穴になっている[6]。
グレード体系は、ベーシックグレードの「β」と、クルーズコントロールや軽量アルミホイール、Hondaスマートキーシステムなどを装備した上級グレードの「α」、17インチ・タイヤと合成皮革&ファブリック・コンビシートを装備した最上級グレードの「α Master Level」の3グレードとなる。いずれもオーディオレス仕様で、6速MT、CVT共に同一の価格となる。
MUGEN RZ ZF2型 | |
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フロント | |
リア | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2012年11月 |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ | 3ドアハッチバッククーペ |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン | LEA型: 1.5L 直4 SOHC 4バルブ i-VTEC |
モーター | MF6型: 薄型DCブラシレスモーター |
最高出力 |
エンジン: 156PS (115kW) / 6,600rpm モーター: 15kW / 2,000rpm |
最大トルク |
エンジン: 185N·m / 4,800rpm モーター: 78N·m / 1,000rpm |
変速機 | 6速MT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット |
後 | 車軸式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,435mm |
全長 | 4,100mm |
全幅 | 1,740mm |
全高 | 1,380mm |
車両重量 | 1,188kg |
2012年に行われたマイナーチェンジと同日に、M-TECが「Honda CR-Z MUGEN RZ」[25]というコンプリートカーを発表し、300台限定で11月26日から販売された。
エンジンは遠心式スーパーチャージャーを追加するなどのチューニングが施され、最高出力は30%アップの156PSとなっている。 車体はサスペンションやブレーキなどが強化され、車体前後には調整式のエアロパーツが装着されている。
また、ボディーカラーは青色のみとなり、内装はボディカラーに合わせて青と黒でまとめられている。価格は449万4,000円。
2011年に、フォーミュラ・ニッポンとSUPER GTの公式戦後に行なわれたJAFグランプリの、往年のドライバーによるレース「レジェンドカップ」において、M-TECによりオーバーテイクシステムなどの装備が追加された車両が使用された。この車両は、翌2012年より開催された「Honda Sports & Eco プログラム」でも使用された[26]。
2012年2月には、同年7月のSUPER GT 第4戦(SUGO)より、レーシングハイブリッドシステムを搭載した車両をGT300クラスに投入することが発表された[27]。この車両にはJ35A型をLMP2クラス用に改造したV6 2.8L ツインターボエンジンがミッドシップ搭載され、本田技術研究所とザイテックで共同開発したハイブリッドシステムと組み合される。7月4日には、ツインリンクもてぎにおいて正式な体制発表とシェイクダウン走行が合わせて行なわれた[28]。ホンダは、この車両で参戦する「TEAM 無限」の参戦サポートも行なう。また、当車にはHSV-010のギヤボックス、クラッシャブルストラクチャー、リヤウィングや2009年モデルのNSX-GTの足回りなども流用されている。
2013年にはTEAM 無限に加え、前年までASL・ガライヤを使用していたARTAもCR-Z GTで参戦することになった。そのARTAは第3戦(セパン)でCR-Z GT初勝利したのち第4戦(SUGO)も連勝した。TEAM 無限はアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)第2戦(富士)で優勝したほか全戦で入賞した結果、シリーズチャンピオンを獲得した。
2014年をもってTEAM 無限はGT300クラスから撤退、ARTAも2015年をもって参戦車両を変更し、CR-Z GTのGT300クラス参戦は終了した。
「Compact Renaissance ZERO」の頭文字から[29]。
なお、以前ホンダには2代目「バラード」の後期型に、「CR-Z」というグレードがあった。
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