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ガンダムシリーズの登場兵器 ウィキペディアから
ノイエ・ジール (NEUE ZIEL) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の機動兵器「モビルアーマー (MA) 」のひとつ。初出は、1991年に発売されたOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(以下『0083』)。
作中の敵側勢力であるジオン公国軍残党組織「アクシズ(のちのネオ・ジオン軍)」が開発した試作機で、別派閥の残党組織である「デラーズ・フリート」に譲渡され、同組織のパイロットで主人公コウ・ウラキのライバルであるアナベル・ガトーの乗機となる。
『0083』劇中終盤に登場し、コウが搭乗する「ガンダム試作3号機デンドロビウム」と死闘を繰り広げる。
当記事では、その他外伝作品に登場する関連機体についても解説する。
メカニックデザインは明貴美加。1988年公開のアニメーション映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したα・アジールからの逆算でデザインされている。
デラーズ・フリートを援助するため、同じジオン残党であるアクシズ側から引き渡されたMA[1]。コウ・ウラキのガンダム試作1号機 フルバーニアンとの相討ちでガンダム試作2号機を失ったアナベル・ガトーがパイロットを務める。
開発はアクシズによって行われた[2]。製造計画そのものは一年戦争時代から存在したとされている[3]。ビグ・ザムに近似したコンセプトであり、ニュータイプの搭乗を想定していたともされる[4]。また、系統図においてはジオングやα・アジール、サイコ・ドーガと繋がりを持つ機体となる[5]。宇宙空間での戦闘力を追求しており、脚部は持たない[2][注 1]が、高出力のジェネレーターと大推力のスラスターを有する[4]。有線クローアームのオールレンジ攻撃を可能としているが、制御にはパイロットに多大な負担をかけることとなる[2]。また、ノイエ・ジールにはサイコミュ用の回路を搭載していないため、脳波制御は行えない[3]。
劇中ではアクシズ艦隊からデラーズ・フリートへ引き渡され、地球にスペースコロニーを落下させる星の屑作戦の最終段階時、その防衛として戦線に投入される。コンペイトウから出撃してきた地球連邦軍の追撃艦隊を奇襲し、戦艦を次々に撃沈する。
その後、コロニー奪還のために追撃してきたアルビオン隊のガンダム試作3号機と交戦。ガンダム試作3号機もIフィールド・ジェネレーターを搭載しているうえに実弾兵器も駆使したため、ビーム兵器主体の本機は序盤こそ劣勢だったが、外部に露出していたIフィールド・ジェネレーターをクローで破壊した後は優位に立ち、コロニーの阻止限界点突破を成功させる。その際、連邦軍が地球へ向かうコロニーを焼き尽くすために稼動準備を進めていた、ソーラ・システムIIのコントロール母艦を稼動直後に撃破し、作動不能に陥らせる。
互いに満身創痍の中、ガンダム試作3号機をクローアームによって背後を取った後に分離できないようサブアームで束縛した直後、再稼動したソーラ・システムIIの照射を浴びせられるも、コントロール艦が破壊されていたことと、コロニーの直撃によって一部のミラーが使用不能になったことによる威力の低下が幸いし、大破は免れる。その後、連邦軍艦隊(サラミス改級巡洋艦)に特攻を敢行し、爆散する。
漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では、未完成形態のみが登場する。
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、α・アジールの原型ともいえるゼロ・ジ・アールが登場する。
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場するジオン公国軍の試作型MA。
一年戦争時、ジオン公国中将 ドズル・ザビによりシャア・アズナブル(当時少佐)の専用機として試作機開発が進められていたが、ガルマ・ザビ戦死時におけるシャアの失策にドズル中将が激怒したことにより、開発は頓挫する。大戦終了後にはアクシズにて開発が再開され、アクシズに逃げ延びたシャアへ、当初の予定どおり渡される。
拠点防衛用として開発された大型のMAであり、機体本体に多数のビーム砲を搭載し、その圧倒的火力で敵を制圧するほか、Iフィールドによる防御をもって、敵のビーム攻撃を無力化させるという移動要塞的な運用を考えられていた。その後、外装や口部メガ粒子砲やサブアームの追加など実戦仕様に改修されている。
本来操縦はプログラムによる自動操縦で行われ(防御はIフィールドで行われるので、相手の攻撃による機体の損傷をあえて考慮していない)、搭乗者は攻撃に関する武器管制をメインに行うのが基本だが、シャアは全操作を自身の手で行い、模擬戦では一箇所を被弾したものの他の攻撃を全回避し、模擬戦で対戦したMS7機を全機撃墜している。シャア自身は、MAは大きすぎて機動性に欠けるとしてあまり乗り気ではなかったが、この機体のコンセプトは後にノイエ・ジールやα・アジールに引き継がれている。
なお、名称の「ゼロ・ジ・アール」は、数字の「0」と「remake」の頭文字であるRから来ており、「0からの再構築」を意味している。アクシズからのジオン公国再出発の象徴たる名とも取れるが、機体自体は一年戦争中から開発されており、実際には「MS戦、MA戦を根本から変える力がある」ことを誇示したかったことから付けられた。
ノイエ・ジールII NEUE ZIEL II | |
---|---|
型式番号 | AMA-002S AMA-X2S[9] / AMX-002S[9] |
武装 | ビームサーベル 80mmバルカン砲 ビーム砲×2 ファンネル Iフィールドジェネレーター |
ゲーム『SDガンダム GGENERATION』に登場。
グリプス戦役初期、アクシズにて開発されたノイエ・ジールの後継機[10]。対艦戦を想定したノイエ・ジールの設計はそのままに、サイコミュを搭載したニュータイプ専用機として開発されたが、生産コストが高いことに加えてテスト用のNTパイロットを確保できなかったことなどから、生産は見送られた(シャア・アズナブル大佐の搭乗が予定されていたが、地球に渡ったことからパイロット不在となった)。しかし、開発時に得られた技術は後にサザビーやサイコ・ドーガ、α・アジールの礎となっている[10]。
ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズ(『ジオンの系譜』以降)では、SDではないリアルタイプで登場する。
ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズ(『アクシズの脅威』、『アクシズの脅威V』)では、ネオ・ジオン(シャア)のシナリオ開始時にシャアが搭乗している。
配信アニメ『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場する、アクシズで開発されていた深紅のMA。型式番号AMA-X4が示す通り、ノイエ・ジール直系の発展機である[11]。
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