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プロレス技の一種 ウィキペディアから
ドロップキック(英語: dropkick)は、プロレスにおける攻撃の技である。蹴り技および飛び技に分類される。メキシコではパターダ・ボラドーラ(patada voladora、意味は飛び蹴り)と呼ばれている。
レスラーが飛び上がり、両方の足の裏を使って相手を蹴る攻撃と定義される。飛ぶ時に体をひねって、相手に当たる時に横向きとなり、体の横側あるいは前側で着地するやり方と[1]、体が仰向けになるように飛んで、相手を蹴った後に背中で受け身をとるやり方がある。
最も基本的なドロップキックは"ジャンピング・ジョー"・サボルディが初めて使用したスタンディングドロップキックである。レスラーは立った状態からのドロップキックを、立った状態あるいは走って向かってくる相手に当てる。ノートルダム大学でアメリカンフットボールのランニングバックとして全米選抜にも選ばれたサボルディは、自身とアメリカンフットボールのつながりからこの技を「drop-kick」と名付け[2]、マスコミも「フライング・ドロップキック(flying dropkick)」と呼んだ[3]。
現在の形のドロップキックの元祖はおそらく "ジャンピング・ジョー"・サボルディであると考えられていたが[4]、プロレスラーのエイブ・コールマンも足から飛んで相手の胴体を蹴る技を行っていた。身長160センチメートルのコールマンはこの技を「カンガルーキック」と呼び[5]、1930年のオーストラリア巡業で見たカンガルーから着想したものだと主張した[6]。サボルディが1933年に「ドロップ」キックを行った時には、マスコミはコールマンの十八番である「カンガルー」キックの別名であると単に報道した[3]。
両膝を折り畳むようにジャンプして鋭く突き出した両足の裏で相手の胸板を蹴り飛ばす。
ペドロ・モラレス、パット・オコーナー、アントニオ・ロッカがドロップキック3人男として名手と呼ばれていた。
日本では遠藤幸吉、吉村道明が名手として名をあげて藤波辰爾もジュニアヘビー級時代に連発式で繰り出していた[7]。木戸修も、かつては名手として評価されていた1人である。
三沢光晴は1回転ドロップキックをヘビー級選手で本格的に使用した第一人者である。現在では田口隆祐がこだわりを持って使用していてドロップキックの空中姿勢に定評があったことから「ドロップキックマスター」という異名を付与されて、この技のみで獣神サンダー・ライガーを秒殺したことがある。また、オカダ・カズチカも高い打点で繰り出す他、鈴木みのるは50歳を超えた2019年現在でも綺麗なフォームでこの技を繰り出す。チェンジ・オブ・ペースの1つとして用いられる。
女子レスラーでは豊田真奈美が正面飛び式を得意技としており、相手が起き上がったところで間髪入れずに打ち込んで2度3度とぶっとばして2ndコーナー(ときにはトップコーナー)からのミサイルキックへと繋ぐムーブメントをみせていた。また、相手に組み付かれて上に投げられた反動を利用して至近距離からの一撃も披露している。豊田から、お墨付きを受けている藤本つかさと、つくしのタッグチームは「ドロップ・キッカーズ」と呼ばれている[9]。主な使用者はAJスタイルズ、エッジ、ランディ・オートン、ハードコア・ホーリー、マーク・ジンドラック。
ミサイルキック(Missilekick)は、コーナー最上段からジャンプして放つドロップキック。海外ではミサイル・ドロップキック(Missile Dropkick)と呼ばれる。
日本では国際プロレスに来日したエドワード・カーペンティアが初公開した後(『週刊プロレス』ビデオ増刊号のレトロ編1に収録されている)、1975年に全日本プロレスに来日したリッキー・ギブソン(ロックンロール・エクスプレスのロバート・ギブソンの実兄)が公開して話題となった[10]。テネシー地区でギブソンのライバルだったココ・B・ウェアも得意技としていた。ダイナマイト・キッドやジョニー・スミスは、着地した後にヘッド・スプリングの要領で、すっと立ち上がるスタイルを取った。
日本人選手では、この技をギブソンに受けたジャンボ鶴田が[8]、ウルトラC・ドロップキック、ジャンボ・ミサイルキックの名称で若手時代の切り札にしていた。高野拳磁は2メートルの巨体から、この技を繰り出して「人間バズーカ」の異名をとった。また、森嶋猛のミサイルキックはスカッド・ミサイルキックと呼ばれた(この技を喰らった丸藤正道が、その威力の凄まじさから実在のミサイル兵器をイメージして命名[8])。そのほかに高田延彦も使用[8]。
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