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セイントフォー(Saint Four)とは、加瀬邦彦が音楽プロデュースをしていた1980年代のアイドルグループである。2018年3月から濱田・岩間・鈴木の元メンバー3人で本格的に再始動している(2021年8月からコロナ禍の影響により、グループ活動を一時的に休止している)。
1982年「あなたもスターに!」というプロダクションのダイレクトメールに応募して、約3万人の中から選ばれた4人。デビューするまでの間は、歌唱、体操、アクロバット、ジャズダンス、ローラースケート、基礎体力づくりの為のジョギング等、そのトレーニング期間は2年にまで及んだ。また、時としてザ・ドリフターズの仲本工事氏からもトランポリンの指導を受けていたことがある。
結成当初は岩間、鈴木、他2名(幻のメンバー)による通称「四人組」としてレッスンをスタートしたが、他2名が芸能活動を辞退したため、代わりに浜田、板谷が加入し、オリジナルメンバーとしてデビュー。
デビュー前にはテレビ朝日「鶴ちゃんのアイドル・パンチ」に「ツールーズ・エンジェル」としてアシスタント出演をしていた。正式なグループ名として「ルナリアンズ」(意味:月よりの使者)に決まりそうだったものを「もっと私たちに合う名前があるはず!」と「鶴ちゃんのアイドル・パンチ」番組内で一般募集した中から「セイントフォー」(意味:聖なる4人)に決定した。
また、デビューに際し、当時のレコード会社数十社が争奪戦を繰り広げ、リバスター音産が獲得している。
グループは板谷・浜田・鈴木・岩間の立ち位置順で構成、「100%女の子のままデビュー!」というキャッチコピーでデビューを果たし、曲間にバック宙などを取り入れたアクロバティックなパフォーマンスが話題になった。
ステージでの衣装のほとんどを、日本の老舗バレエ・ダンス用品企業「チャコット」から提供を受けていた。
1985年10月、同グループの振付師である一の宮はじめが主催した『ダンシングミュージカル フィナーレには花束を』に出演。
同年、西ドイツの音楽番組に日本人歌手代表して『不思議Tokyoシンデレラ』、『ロマンチックの向こう側(2ndアルバム収録曲)』の2曲を披露。
デビューからのシングル、アルバムは共に好セールス、また賞レースへの出場や受賞を獲得するなど、順風満帆な活動であった。
1986年、メンバー最年少の板谷祐三子が「学業に専念したい」という理由でグループを脱退。同事務所でソロデビューに向けてレッスンを受けていた「いわお潤(岩男潤子)」が新メンバーとして加入した。
しかしセイントフォーを巡って、所属事務所「日芸プロジェクト」と所属レコード会社「リバスター音産」との間で発生した契約上のトラブルに巻き込まれ、4枚目のシングルを発表した後は新曲が発売できない状態が続き、デビューから2年2か月後、本人たちの意思という形で解散。
1987年、東宝が救済に立ち上がり、再出発に向けて準備をしていた映画『やるときゃやるぜ! 〜COME BACK HERO〜』の公開、テレビ放映(テレビ朝日)、ビデオ発売を発表し実現させた。このことを受け、岩間は「セイントフォーは不滅です!」と、涙ながらに語った。
また、解散直後に日本テレビ『酒井広のうわさのスタジオ』にて、浜田と鈴木の二人が解散の経緯についてインタビューに答えている。
セイントフォー解散後、浜田範子・鈴木幸恵はロック系ボーカルデュオ「ピンクジャガー」として再デビュー。解散後、浜田は濱田のり子としてセクシー系の女優として活躍。岩間沙織も現在は女優として活動している。いわお潤は本名の岩男潤子に芸名を戻して、主に声優として活動するようになった。
2012年1月、「ザ・追跡スクープ劇場」(日本テレビ)の2月放送回には、解散から初めてオリジナルメンバーの4人が勢揃いしテレビ出演が予定されていたが、収録間近になり諸般の都合で急遽取りやめになったことについて、濱田はブログで「タイミングって本当に大事で、いつか良きタイミングで必ずその日が訪れると信じている」と、今後の活動においても「大きく前進したのも事実です」と報告した。
2013年3月17日、当グループのプロデュースをしていたザ・ワイルドワンズの加瀬邦彦氏が運営する東京「ケネディーハウス銀座」にて、当グループのボーカルレッスン指導と楽曲提供をしていた上田司氏のバースデーライブに、濱田・岩間・鈴木の元メンバーがグループ解散以来、初のステージライブパフォーマンスを26年振りに披露。濱田のオフィシャルブログでの告知から広がり、チケットは即日完売しゲスト出演ライブは大成功となった。
10月、日刊スポーツには、一夜限りのワンマン復活ライブ!!の開催情報が、芸能欄で大きな記事として掲載された[1]。
11月3日、ケネディーハウス銀座にて濱田・岩間・鈴木の3人で一夜限りのワンマン〜復活ライブ!!〜が開催された。2回公演のチケットは、即日完売した。その後、日刊スポーツ、FLASHなどでは復活ライブの記事が掲載される。このライブ以降、今後のセイントフォーとしての活動については検討中としていたが、板谷祐三子とは連絡がつかないことが2015年4月10日放送のTBS『爆報! THE フライデー』にて公表された。
2015年12月、『爆報! THE フライデー』に、解散以来28年振りに岩間、濱田、鈴木の三人が揃ってテレビ出演をした。
2018年3月12日、濱田・岩間・鈴木による3人で本格的に再始動することを表明。5月にはベスト盤と最新アルバムの2タイトルを同時発売し、また6月には再始動&CDリリース記念ライブも開催されることが本人たちのブログで報告された。その後の詳細は、週刊雑誌「FLASH」にも掲載され、濱田・岩間がインタビューに答えている。
また、同グループには橋幸夫がプロデュースしていたとされているが、本人たちは「1,2度しかお会いしたことがない」と雑誌の取材で答えており、実際のプロデュースには関わっておらず、当時、単に彼女たちが籍をおいていた所属レコード会社の副社長を橋が務めていただけににすぎなかった事が報告されている。
3月29日、テレビ朝日『スマートフォンデュ』に生出演。デビュー曲「不思議Tokyoシンデレラ」を当時のダンスとともにフルコーラスで披露。曲間に宙返りはなかったものの、現在も舞台やマラソンで身体を鍛えているメンバーの岩間が側転を披露した。
6月に開催される再始動&CDリリース記念ライブの予約は、受け付け開始から1時間で完売となった。その為、多くのファンが記念すべきライブへの参加ができない事情を考慮し、急遽7月8日に追加ライブが決定したが、既に予約が完売しており、さらに再追加ライブを同月15日に行うことが発表された。
5月16日、再始動CDリリース記念としてタワーレコード、HMV、ディスクユニオンなどのショップにて「セイントフォー が帰って来た!奇跡の再始動記念キャンペーン!!」を展開。先着でオリジナル特製缶バッジ、オリジナル特製クリアファイル(共に非売品)の特典が発表された。
5月31日、『スマートフォンデュ・もう一度見てみたい投票ランキング』視聴者アンケートで1位を獲得。「不思議Tokyoシンデレラ」と「太陽を抱きしめろ」の2曲を披露。
6月3日、タワーレコード新宿店イベントスペースにて、インストア・イベント(ミニライブ、特典手渡し&握手会&サイン会)を開催。
6月28日、『スマートフォンデュ・もう一度見てみたい投票ランキング』視聴者アンケートで2度目の1位を獲得。2ndアルバム収録曲からの名曲「ファイアー~灼熱物語~」をテレビで初歌唱した。
7月6日からは、Radio NEOにてレギュラー番組「セイントフォーのミッドナイト・トーク」がスタートした。
7月27日、『スマートフォンデュ・もう一度見てみたい投票ランキング』視聴者アンケートで3度目の1位を獲得。第4弾シングル「ハートジャックWAR」をテレビで歌唱した。
8月24日、東京歌謡曲ナイト(CLUB CITTA'川崎)のライブアクトにゲスト出演。シングル曲、映画でのライブシーンをバックスクリーンに映しだしながら「COME BACK HERO」を歌唱。ほかメドレーを披露。会場では、グッズやCDの販売も行われた。
2021年8月26日、コロナ禍のもと、岩間はメンバーとしての活動と並行して介護職も行っていることやメンバーの時間調整など、グループとしての活動が厳しくなり、セイントフォーとしての活動をストップしたままでは「応援してくれているファンに申し訳がない」という気持ちが一致し、一旦「それぞれに充実した時間を大切に過ごして行こう」というメンバー間での話し合いが持たれ「解散ではなく一時活動を休止する」ということをファンにむけて各メンバーのSNSなどで報告された。
2022年7月6日、ULTRA-VYBEpresents~名鑑シリーズ(邦楽ロック編)~にて「セイントフォー・コンプリートコレクション1984-1986(2CD)」が7月6日に期間限定で再販され、先着で特製オリジナル缶バッジ、特製カードサイズカレンダー(共に非売品)の特典が発表された。
2024年7月3日、「音楽ファン必聴!期間限定・特別価格で選出された名盤1100円シリーズ」として、「セイントフォー・コンプリートコレクション1984-1986(2CD)」と「時の旅人」がULTRA-VYBEより再々販売する[2]。また、先着で江口寿史特製イラストコースター(非売品/取扱各店)、オリジナルポストカード(非売品/DISK UNION)、抽選で江口寿史特製イラストトートバッグ(非売品/タワーレコード)の特典が発表された。
過去に濱田・鈴木に対してインタビューを行っている[3]プロインタビュアーの吉田豪は、セイントフォーは事務所による「オーディション詐欺」であったと断じている[4]。無差別にダイレクトメールを送り、応募してきた者から30〜40万円の登録料を取るというもので、月3万円の給料も未払いだったという。彼女たちの主演映画「ザ・オーディション」も、セイントフォーの妹分を募集して同様に登録料を取るためのもので、それに応募して追加メンバーになった岩男は彼女の知らない間に両親がさらに大金を支払っていたという。
事務所の方針により、グループのマンネリ化を防ぐため結成から2年ごとにリーダーを変えていく方針だった。グループ結成からデビューまでの2年間は岩間がリーダーを務め、1985年3月に行ったデビューコンサート(芝郵便貯金ホール)にてリーダーが鈴木にバトンタッチされた。
デビュー直後に出演した『ザ・トップテン』(日本テレビ)の「もうすぐトップテン」というコーナーでは、結成当時から「え〜」「うっそ〜」「やだ〜」などのいわゆる「ぶりっ子言葉」を使ったら1回100円の罰金という決まりがあり、結構貯まっていると浜田が語った。このとき浜田は、緊張のあまり大きく息つぎをしながらのコメントに、司会の堺正章に「あんた、(一言一言)しゃべると疲れるんですか?」と、突っ込まれていた。
1985年1月5日、『オレたちひょうきん族』の「ひょうきんベストテン」(フジテレビ)に出演した。
コーナー司会の山村美智子(当時フジテレビアナウンサー)から「TOKYO不思議シンデレラ」と誤って紹介されて登場した。冒頭では、覇気がない言動のためか、島田紳助を相当困惑させていた。肝心の歌の部分は「西川のりお扮するレオタードオバQ(他は書き割り)とヒップアップ&コント赤信号のすもうダンサーズ」のコラボレーションで終わっている。また板谷も、本番中に西川のりおからセクハラを受け、終盤にはとうとう泣き出してしまうというハプニングがあった。なお、当コーナーへの出演は、この回だけだった。
少年サンデー連載『炎の転校生』第8巻では著者の島本和彦が当時、彼女達に熱を上げていたことから「戦闘フォー」というキャラクターが登場している。また、セイントフォーのビデオ『FIRE KISS 〜シークレット・メッセージ〜』には、彼の描き下ろしブックが予約特典として配布された。
この頃からは浜田と鈴木は作詞も勉強し、それぞれにサードアルバムにて自身のソロ曲の作詞で歌唱もしている。事務所の後輩で後に新メンバーとなった潤は加入前のレッスン生時代に、浜田が作詞した楽曲「愛の為に」の提供を受けて、セイントフォーのライブでは妹分と紹介され歌唱していた。
2009年11月16日、「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP(フジテレビ)」放送回は、当時ファンだったという松村邦洋やキャイ~ンの天野ひろゆきらが伝説のアイドルグループとして「不思議Tokyoシンデレラ」を当時の貴重映像とともに歌と踊りを織り交ぜながら紹介していた。
2010年2月14日、「5時に夢中!」(TOKYO MX)放送回、司会の逸見太郎が「今日はセイント・バレンタインデー!」というと、すかさずマツコ・デラックスが「セイントって言っていいのはセイント・フォーの時だけ!!」と言い放った。
2012年9月8日、「にじいろジーン」(フジテレビ)放送回、鈴木砂羽と山口智充が昭和のアイドルイベントで盛り上がりたいという中で「不思議Tokyoシンデレラ」が流された。
2013年5月1日、「ヒルナンデス!」(日本テレビ)放送回、アウトドアグッツの紹介コーナーで森山直太朗とミッツ・マングローブがヘッドライトを装着。するとミッツ・マングローブが「セイントフォーか光GENJIみたいに見える」と森山直太朗にツッコミを受けていた。
2013年7月18日放送のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』のワンシーンで、同局で放送されていた『レッツゴーヤング』に出演して『太陽を抱きしめろ』を歌唱した時の映像が使用されたことが濱田のブログで報告されている[5]。また同ドラマでは、この放送回の他にも、本グループの曲が流れたり、映像にレコードジャケットが映し出されたことで、根強いファンの間では話題となった[6]。
鈴木は取材に対して、そして岩間は自身のブログで、オリジナル・メンバーになる前の「幻のメンバー」2名とは、今でも親交があることを明かしている。
2015年11月18日、「NHK歌謡コンサート」で司会の高山哲哉が、ゲストで登場した「フォー・セインツ」のグループ名を間違えて「セイントフォー」と紹介してしまう。
2018年3月、濱田・岩間・鈴木の三人で本格的に再始動することを正式に発表。一年前からレッスンや再始動に向けての準備をしていたことが明かされた。
同月、再始動発表直後に緊急生出演が決定した「スマートフォンデュ歌謡祭」(テレビ朝日)では、およそ30年振りにデビュー曲を歌唱し、その直後からはセイントフォー がYahoo!検索トレンドやツイッタ―で1位にランクインし、その状態は翌日のお昼過ぎまで続いて、番組は神回とまで言われた。
4月、再結成に伴う2タイトルCD同時リリース発表後、ベスト盤CD「コンプリート・コレクション1984-1986」は、Amazon新着予約ランキングの歌謡部門、歌謡/演歌、各部門でベストセラー1位、新作「時の旅人」は2位にランクインした。
5月、2タイトルCD同時リリース後もAmazonランキング歌謡部門、歌謡/演歌各部門で、新作「時の旅人」は2位に、ベスト盤CD「コンプリート・コレクション1984-1986」はベストセラー1位にランクインした。
またオリコンでは「時の旅人」は週間アルバムランキング225位、「コンプリート・コレクション1984-1986」はデイリーアルバムランキング49位、週間アルバムランキング120位にランクインした。
12月、東京神保町タクト(CDショップ)では、昭和歌謡新譜CD年間売上で「コンプリート・コレクション1984-1986」が3位を獲得。
2019年1月、「コンプリート・コレクション1984-1986」が「レコード・コレクターズ 」2018年歌謡曲/芸能部門を獲得。
同年9月、「コンプリート・コレクション1984-1986」が「レコード・コレクターズ」歌謡曲・芸能特集にて10位を獲得。
枚 | 発売日 | タイトル | 規格品番 | 備考 | オリコン 最高位 |
---|---|---|---|---|---|
1st | 1984年11月21日 | THE AUDITION | LP/28RL-0011
CT/28RM-0007 |
LP/CT(売上総数2.2万枚[9]) | 40位 |
2nd | 1985年5月21日 | 太陽を抱きしめろ | LP/28RL-0016
CT/28RM-0012 |
LP/CT(売上総数1.2万枚) | 26位 |
3rd | 1985年9月21日 | We're Saint Four~セイントフォーⅢ~ | LP/28RL-0017
CT/28RM-0013 CD/32RR-0003 |
LP/CT/CD(売上総数1.5万枚) | 34位 |
枚 | 発売日 | タイトル | 規格品番 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1st | 1985年8月21日 | セイントフォー・ベストヒット14 | 32RR-0002 | CD |
2nd | 1985年11月21日 | ザ・ベスト・オブ・セイントフォー | LP/28RL-0019
CT/28RM-0015 CD/32RR-0006 |
LP/CT/CD オリコン最高位90位(売上総数0.2万枚) |
3rd | 2002年10月17日 | セイントフォー・BEST | PCCA-01754 | CD/ポニーキャニオン |
4th | 2018年5月16日 | 時の旅人 | CDSOL-1807
UVPR-60030 |
ソリッドレコード
(収録参加メンバー:濱田・岩間・鈴木) |
5th | コンプリート・コレクション1984-1986 | CDSOL1808-09
UVPR-50018 UVPR-60029 |
(歌唱メンバー:浜田範子、鈴木幸恵、岩間沙織、いわお潤) |
上記4曲は、2018年5月16日発売CD「時の旅人」に初音盤化収録されている。
以下、メンバーチェンジにより潤加入後
以上4曲は、『セイントフォーの“みんな起きてる!?”』( アール・エフ・ラジオ日本)の最終回および「解散ライブ~旅立ち~」で披露された。
上記4曲は、2018年5月16日発売CD「コンプリートコレクション」に初音盤化収録されている。
【キャスト】
【スタッフ】
【収録楽曲】
※ 他に、ファンクラブ会員限定で販売された「セイントフォー旅立ちコンサート1部・2部(日仏会館)」がある。
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