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[3]フランキ・スパス12(英: Franchi SPAS-12)は、イタリアのフランキ社が設計した散弾銃。"Special Purpose Automatic Shotgun"[4]:13(特殊用途向け自動式散弾銃)の頭文字をとってスパスと呼ばれている。
スパス12は、フランキ社のディフェンス・システムズ部門がイタリア軍で行われた軍用散弾銃開発計画に沿って同社のPA80をベースに設計した軍・警察用散弾銃である[5][4]:13。「特殊用途向け」の名の通り完全な戦闘用散弾銃であり、ピストルグリップの採用や大型の照準器など、従来の狩猟や競技用として発達してきた散弾銃とは大きく異なる。スチール板をプレス加工して製作された銃床を伸ばせば全長は1メートルを超え、12番ゲージのシェルを最大で8発装填でき、プラスチックを多用して軽量化を図り、人間工学に基づいて設計されている。ただし、内部構造が複雑で部品点数が多いため、総じて重量は重くなった[5]。銃身周辺には発射後に生じる熱から手を守るために、多数の通気孔が開いたハンドガードを装備している。銃身上部にはヒートシールドが取り付けられている。
最大の特徴として、フォアグリップを前方下面にあるボタンを押しながら切り替え位置にずらすことで、自動式(セミオート)から手動式(ポンプアクション)に切り替えることが可能なコンバーチブル・ショットガンである点が挙げられる[4]:12,14-15。セミオートの作動は発射ガスの圧力を利用しており[4]:15、フォアグリップの切り替え動作はガスポートを遮断または開放する。ジャム(弾詰まり)が許されない現場ではガスポートを遮断して手動式に、制圧力が必要な場合にはガスポートを開放して自動式に、とワンタッチで切り替えられる利点が注目されたが、複雑な構造は故障も多く発生した[6]。催涙弾や非致死性弾といった弱装弾を射撃する際には、ガス圧が低いために手動式が選択される。
引き金の前方には安全装置が設けられている。当初は回転レバー式であったが、意図せずに動いてしまうという問題が指摘されてリコールとなり、以降は押しボタン式に変更された。銃身の先端にはおねじが切られ、交換式チョークなどのアタッチメントを装着できる。
折畳み式金属銃床の床尾板にはU字型のフックが装備されていて、待機姿勢や片手撃ちの際にサポートとして腕に掛けたり、銃床を畳んで携行する時のキャリングハンドルとして利用できる[4]:13。このフックは90度ごとに向きを変えることができ、射手側に向けると床尾板から抜き取ることができる。折畳み式金属銃床の床尾板が肩に触れる面には樹脂やゴムのパッドは付いておらず、スチール素材のままとなっている。銃床を折畳んだ状態でも射撃は可能だが、照門が銃床によって覆われてしまうため、前後の照準器を通して狙うことはできなくなる。
弾倉は、本体に固定されたチューブ型弾倉を採用している。このタイプのリロードは1発ずつ弾薬を込めなければならず、その作業に時間を要するため、セミオートで使用した際に弾薬の消費が早くなることを想定しているとは言えない[7]。また、本銃に限らずチューブ型弾倉共通の欠点として、異なる弾種を素早く交換することができない。本銃はマガジンカットオフ機能を備えるため[4]:12、弾倉からの給弾を一時的に不使用とすることで、異なる種類の弾薬を外部から一発ずつ手動で装填して発射することは可能だが、その間には連射機能を使えなくなる。こうした弱点を解消するため、弾倉をチューブ型から脱着可能な箱型へ変更したスパス15が開発されている。
その他の欠点としては、弾を込める際にフレームのボタンを押しながら込めなければならない(操作に両手が必要=構えながら弾を込めることができない)こと[4]:10や通常のショットガンにある「口径が同じならばより強力な3インチ弾も使用できる」という利点がないことが挙げられる[4]:16。この場合、3インチ弾は使用できないような構造のはずが、実は3インチ弾も装填・発射が可能な構造となっている[4]:16。これは、ショットガンの薬莢がプラスチック部分の先端を折り込んで塞ぐことで内容物のこぼれを防いでいるため、発射前の寸法なら3インチ弾でも薬室に収まってしまうことが原因である[4]:16。無理に発射すれば塞いでいた部分が開いて薬室からはみ出し、銃身に張り付いてしまう。そのため、セミオートでは作動不良を起こし、ポンプアクションでも動かせなくなる場合がある。
ポンプアクションのみのSAS12とセミオートのみのLAW12も存在するが、現在はSPAS12と共に生産を中止している。PAシリーズがベースになっているため、PAシリーズのショットガンと共通のパーツが多い。
SPAS12のエアガンは、日本では東京マルイとKTW、クラウンモデルが製造・販売している。
東京マルイの物は標準的な6mmBB弾を使用し、ショットシェル形のマガジンに最大30発を装填可能。
本体はポンプアクション式のコッキング銃で、圧縮ガスやバッテリーは不要。ショットガンらしく、1回の発射で同時に3発のBB弾を射出する(フル装填のマガジン1個で10回発射可能)。東京マルイ独自のホップアップ機能(弾に上向きの回転を与えて飛距離を伸ばす)を持ち、有効射程は30メートル。
また、ラピッドファイヤー機構があり、引き金を引いたまま繰り返しコッキングすることで連射することができる(ただし、この場合狙いはほとんどつけられず「掃射」に近い撃ち方になる)。連射速度はガスガンや電動ガンには劣る。
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