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「ケータイ刑事 銭形シリーズ」(ケータイでか ぜにがたシリーズ)は、2002年より2011年まで、BS-TBS(旧・BS-i)で放送されていたテレビドラマシリーズ。TBSテレビおよびTBS系列7局などでは時期遅れで放送されていた。
警視総監を祖父に持つIQ180の10代の女の子が、携帯電話を武器に難事件を解決する刑事ドラマシリーズ。番組スポンサーがNTTドコモ1社提供ということもあり、出演者が使う携帯電話は全てドコモの製品である。当初、犯人逮捕の際に携帯電話を犯人に投げつけるという案があったがドコモからNGが入り、結局、携帯ストラップを用いることになった。現在ではケータイ刑事が実際に「ケータイ」を使用するのは事件発生の入電ボイスを受信する時、事件現場のカメラ撮影、携帯ストラップを使い犯人を捕獲する時がメインである[1]。また犯人が携帯電話を使うことはほとんどない。「銭形雷」では一時期、当時ドコモがサービスを開始して間もなかった「プッシュトーク」を使用していたことがあった[2]。
このドラマの主演女優は、その後、映画やドラマで重要な役柄を担当するようになる例が相次いでおり、若手女優の登竜門的色合いが強いシリーズとなっている。
主役の相棒を務める刑事は、過去に放送された刑事ドラマやミステリードラマで主人公や主要人物を演じた俳優が配され、同一の、あるいは類似した役名で演じている(例として『太陽にほえろ!』のスニーカー刑事こと五代潤役の山下真司や、長さんこと野崎太郎役の下川辰平など[3])。
ミステリーとしては「トリック当て」が多い。とはいえ「犯人当て」もある。現場状況や消去法などにより犯人は早い段階で判明するのだが、トリックが解明できないためラストまで逮捕できないエピソードが多い。また、シリーズの決まり事として「一度使ったトリックは再び使わない」というものがある。
シリーズの原型は2000年放送のTBSドラマ『悪いオンナ「ルーズソックス刑事」』である。2005年11月からは「TBS BooBo BOX」(現・Paravi)で、ケータイ刑事シリーズのベストセレクションが有料でネット配信されている。2006年1月1日から放送された『ケータイ刑事 銭形雷』では、前4作品において共通であった相棒や鑑識といった主要キャストは全て一新された。
2006年2月4日には劇場版作品『ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密〜銭形姉妹への挑戦状』が、2007年3月10日には劇場版作品第2弾『ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森』が、2011年2月5日には劇場版作品第3弾『ケータイ刑事 THE MOVIE3 モーニング娘。救出大作戦!〜パンドラの箱の秘密』が公開された。
2011年公開の『THE MOVIE3』以降、新作は製作していない。またTBSテレビでは、新作が製作されなくなってからも2015年3月まで金曜未明(木曜深夜)に当シリーズの再放送が続けられた。
強烈なキャラクターやあからさまなパロディなど、エンターテイメント性に振った作風や、ワンシーンワンカット、公開収録、ミュージカル仕立て、時代劇、活弁、サイレント、人形劇(フィギュア使用)など、実験的な演出が多数行われていることが挙げられる(シリーズが進むほどそのような変則的な回の頻度が上がる。)。同じ役者が違う役で何度も登場したり、特に同じ役者が犯人役と被害者役で2週連続で登場するなど、通常の刑事ドラマでは有り得ない演出が多数あることも特徴といえる。シリーズ開始当初は、他作品のパロディと思われるシーンは少し登場する程度であった。コメディの要素が強くなるのは、『ケータイ刑事 銭形泪』2ndシリーズからである。シリーズを重ねる毎にシリアス性が薄くなりバラエティ豊かな作風へと変化しているが、ミステリーの要素は消し去られてはおらず継承されている。
また、アドリブの多用や、出演者がVサインを決める、笑顔を作る、歩く時などに頻繁にSEが入る、主人公を含め主要キャスト専用のオリジナルテーマソングがある、2000年以降のドラマとしては珍しくアイキャッチが入る(CMが存在しない劇場版(MOVIE1)でもアイキャッチが三度挿入されている)、ほとんどのエピソードのタイトルに「〜殺人事件」といったサブタイトルが付くのも特徴として挙げられる。
いかなる難事件であろうと、事件発生(入電ボイスが送られてくる時)から事件解決(犯人逮捕)まで、日を跨がずにその日1日で解決する。早い時では数十分で解決してしまう(唯一、事件が発生した日に解決できずに日を跨いだエピソードは「ケータイ刑事 銭形泪」の2ndシリーズ第14、15話の前後編のみである。それでも翌日には解決した)。
銭形泪1stシリーズからは各シリーズ、○○クイーン(演じるのはほとんどが宝積有香)に関するエピソードが恒例となっている。
「恋する日曜日」など、ケータイ刑事シリーズとは別の作品において当シリーズとほぼ同一のキャストで作品が制作されることがある。これらは、登場人物の設定などはまったく別物であるため、本来スピンオフとは呼ばれないが、「ケータイ刑事のスピンオフ作品」として扱われることがある(たとえば「ケータイ刑事 銭形海 冬舞台完全版」DVDに「恋する日曜日 41歳の春」「東京少女大政絢 エチュード」がスピンオフと明記されたうえで特典映像として収録されている。)。
本シリーズには先述の通り、他のテレビドラマには見られないような実験的な演出による、特徴的なエピソードなどがいくつか存在する。
ドラマ公式サイトなどによる登場人物のプロフィールと実際の時間経過には、歪みが生じている。
『銭形愛』放送時、公式サイトには各登場人物の生年月日が記されていた。しかし、『銭形舞』以降では年齢のみになり、生年月日の設定は無くなっている。ただし、愛と舞のプロフィールを比べると、現実世界での時間経過(『銭形愛』の1年後に『銭形舞』は放送された)と同様に、各登場人物は1歳ずつ歳をとっている。しかし、これ以降では放送時期とは関係なく、年齢の設定は固定されており、『銭形舞』から『銭形泪』、『銭形零』となっても年齢は変化していない。さらに、五代など一部の登場人物に関しては年齢の設定そのものがなくなってしまっている。これは、おそらく実際の時間経過と同様に歳をとってしまうと設定に矛盾が生じてしまうことの回避策と思われる。
例えば、『銭形愛』放送時、愛は17歳であり、この時点で泪は16歳、舞は15歳でなければおかしい。その1年後に放送された『銭形舞』の時点では、泪は17歳、舞は16歳となる。そして、『銭形泪』の1stシリーズから2ndシリーズへ変わる時期、現実世界では年度が変わって、泪は途中で学年が上がってしまうことになる。しかし、実際には『銭形泪』放送時、泪は1stシリーズ、2ndシリーズ通して高校2年生の設定であり、年齢も17歳の設定である。なお、『THE MOVIE』では、泪が高校3年、舞が高校2年、零が中学2年であることが判明した。
ちなみに、多摩川ドイルは年を取らないという設定であり、『銭形愛』放送時10歳だったが『銭形舞』、『銭形零』、『銭形雷』放送時も10歳である。
トリックにも矛盾がある。例を挙げると、部屋の内側から鍵が閉まっていて中に入れない状況であっても、部屋の中の被害者の死体の画像が入電ボイスとともに送られてくる、などがある。
※購入に関する詳細は、ケータイ刑事銭形泪公式ホームページを参照。
※制作スタッフも内輪ネタを扱った話などで多数出演している。
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