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ラクガキ王国(ラクガキおうこく)は、タイトーから発売されたプレイステーション2用のゲームソフト。また、同社が営むアミューズメント施設のブランドの一つ。
プレイヤーは「ラクガキ」と呼ばれるキャラクターを作成し、そのキャラクターを戦わせてストーリーを進行させていく。
コントローラーのアナログスティックを用いてプレイヤーが自由に描いた「落書き」が、3Dポリゴンのキャラクターとなるシステムが特徴的。このシステムは東京大学大学院情報理工学研究科の五十嵐健夫教授[1]が院生のときにSIGGRAPH'99で発表した論文[2]の基本概念を参考に作成されている。
「からだ」「あたま」「あし」「はね」など、パーツごとに絵を描いてキャラクターを作っていく。描いた形状に応じた動きが自動であてがわれ、例えば「あし」をくの字型に描くと、折れ曲がった所が膝になる。「うで」の先端に指を設けるとその指が開閉したりする。また、描き方を工夫することで空中に浮いたり、地中にもぐったりして動くラクガキも作ることができる。
原則として、ラクガキの大きさ及び使われている色によってその強さの性質が変化する。なお、初代ではラクガキを描ける人をクロッカーと呼ぶが、本ゲームのユーザー間でもプレイヤーの事をクロッカーと呼ぶことがある。
制作側の企画意図としては「ラクガキ」というタイトルに象徴される通り、絵心がなくても気軽にお絵かきが楽しめるソフトを目指していた。しかし、発売前から各ゲーム雑誌ではプロの漫画家やイラストレーターの作成した落書きを「このようなものすごいラクガキが描ける!!」と大々的に取り上げて紹介していたため、消費者からは「絵が上手くないと楽しめないマニア向けソフト」と認知されてしまった[3]。
製作発表直後から当時『ファミ通』編集長だった浜村弘一など多方面から絶賛され、また購入者からの評価も高かったものの、売り上げ的にはそれほど恵まれなかった。愛好者も多く、2007年の冬には著名ユーザーによるトークイベントが開催された。当初はある開発スタッフが参加する予定だったが急遽参加できなくなった事が告知された。その後、後述する別のあるスタッフが告知なしで急遽参加した。
2002年3月20日にプレイステーション2用ソフトとして発売したラクガキロールプレイングゲーム。2003年1月16日にPlayStation 2 the Best版が発売された。
「ペンジェル」で「ラクガキノート」に絵を描くと、3Dで動くキャラクターになる。描いたラクガキは「ラクガキファイト」でバトルすることができる。色の元である「カラー石」の色は複数の種類があり、ラクガキファイト後に一つあるいは複数のカラー石をもらう事ができる。なお、バトルに勝利した場合はさらに多くもらえる。カラー石はお金(ゴールド)に換金する事ができ、ラクガキやペンを買う事もできる。ガラクタギャラリーのラクガキ大会の予選に勝ち抜くとストーリーの進行と共にペンジェルが成長し、描けるパーツや最大ライン数が増える。
女性の声で見知らぬ空き地で目覚めたプレイヤーは、空き地に住む勝気な少女ヒバナと彼女の弟分のタローと出会い、ガラクタ市場を支配する帝国が主催する「ラクガキ大会」での優勝を目指すこととなる。
各パーツは大きさや形状により動きが変化し、また、覚える「こうげき」や「まほう」の種類が変わる。1つのラクガキに64個まで描ける。
あし(又はからだ)以外は地面に接触判定がない事を利用し、あし(からだ)より下にパーツを描けば、水面にいるサメ等が出来る。
パーツの正面にマークして、横からりんかくの内側をなぞるように描く。
また、このシステムを応用して、羽を見えなくしてラクガキを浮遊させることもできる。パーツの正面にマークした後、上からみて、内側から描き始める。
所有しているラクガキの内、1体から3体までを選び、「こうげき」「まほう」「バリア」、そして「チャージ」の4種類のワザをターンごとに選んで戦う。ルールはいわゆるじゃんけん方式。「あいこ」の時は相打ちとなる。同じワザは2回続けて使うことが出来ないほか、「まほう」による異常状態によって同じワザを選択した場合は行動不能になる。一部の敵キャラクターは固有の技名を持つ。
HPが尽きて倒されたときは、残りの控えのラクガキを選択して交代する。戦闘中に交代することはできない。全てのラクガキを倒したほうが勝者となる。
その他、数多くのキャラクターが登場する。役名表記が無い声優は以下の通り。
玄田哲章 巴菁子 樫井笙人 渡辺久美子 梅田貴公美 横手久美子 鶴野恭子 永野広一 小西克幸 鈴木琢磨 岸尾大輔 平野俊隆 加藤優子
CPUキャラクターの使うラクガキは約3000体登場しており、東京ゲームショウ2001秋にて配布された体験版によってユーザーから一般公募されたラクガキが多数使用されている。また、日本漫画家協会の全面協力のもとに、以下の21名の漫画家がデザインしたラクガキも登場する。
バロン吉元 花村えい子 はらたいら ちばてつや 藤子不二雄Ⓐ 一峰大二 小島功 松本零士 モンキー・パンチ 牧野圭一 みつはしちかこ 佐川美代太郎 さいとう・たかを 東海林さだお 新谷かおる 鈴木義司 関根義人 わたなべまさこ 里中満智子 やなせたかし 矢野徳
なお、CPUとの対戦で勝利したことのあるラクガキは、一部を除き市場の店で買うことで自分でも使うことができる。ラクガキノートでの編集も可能。
ゲーム中のある場面では『ダライアス』、『サイキックフォース』などタイトーゲームのキャラをモチーフにしたラクガキも出現する。また、説明書には「さよちゃん」(『奇々怪界』の主人公)の名前が振られた画像が存在する。
さらに、隠しキャラクターとして、PC-98用の同人ゲームシリーズ『東方Project』(旧作)の主人公である博麗霊夢を模した「博麗の巫女(ハクレイノミコ)」というラクガキも登場する[4]。 『東方Project』の作者であるZUNは、開発当時戦闘を担う班の一員であり、このキャラクターは元々テスト用に使われる予定だった[4]。ところが、マスターアップ後に班内からラスボスが弱すぎるなどの指摘が上がり、現存するデータを用いた隠し要素が急遽追加された結果、「博麗の巫女(ハクレイノミコ)」は隠しキャラクターとして出現することとなった[4]。その後、開発チーム内の他の班はソニー・インタラクティブエンタテインメント側から隠しキャラクターの倒し方を尋ねられて初めて、存在を知った[4]。
なお、「博麗の巫女(ハクレイノミコ)」は続編の2でも登場するが、服装は『東方紅魔郷』以降のデザインをモチーフとする。また、『ラクガキ キングダム』では『東方Project』のキャラクターのアップロードが許可されている[4]。
ジャンル | ラクガキ対戦ゲーム |
---|---|
対応機種 |
プレイステーション2 ニンテンドーゲームキューブ |
開発元 | トーセ |
発売元 | タイトー |
人数 | 1~2人 |
メディア | DVD-ROM |
発売日 |
PS2版2003年9月18日 GC版2003年10月3日 |
対象年齢 | CERO: 全年齢 |
プレイステーション2版は2003年9月18日発売、ニンテンドーゲームキューブ版は2003年10月3日発売。
NHK教育で放送されていた『天才ビットくん』内で行われていた視聴者参加コーナーのゲーム化。番組では視聴者から送られてきた葉書に描いてあるモンスターをラクガキ王国のシステムを使ってグラディエーターモンスター、略してグラモン化して戦わせていたが、それを家庭用ゲーム機に再移植している。
戦闘システムは初代「ラクガキ王国」と同じで、PS2版とGC版の内容は同じだが、登場するグラモンの種類が違い、GC版は当時の番組出演者の描いたグラモンが4体多く登場している。
本作のストーリーは、天才ビットくん2002年度二学期の「リセット」の後から始まる。 様々なアイデアによって発展していく街「ビットランド」。プレイヤー(作中ではグラモンファイターと呼ばれる)はビットランドに訪れ、ミクと箱二郎と出会う。ビットランドは住民が少なく、ミクと箱二郎はビットランドに友達が増えることを願っている。 そんな中、グラモン同士が戦うトーナメントが開催され、何でも願いが叶うと言われるカギ「ビッキー」が賞品に出された。トーナメントに優勝し、ビッキーを手に入れた一行の前に謎の探偵「シン」が現れ、「3つのビッキーをくれたら大切な人達に会わせてやる」と取引を持ちかける。この取引をきっかけに3人はビットランドの失われた記憶に迫ることとなった…
『天才ビットくん』内の人物がそのままゲームキャラとして登場する。
2004年9月22日、プレイステーション2用ソフトとして発売。「ラクガキ王国」シリーズの第三弾。ラクガキ変身アクションゲームになった。北アメリカではホット・ビィが販売している。
ラクガキノートには「カスタムモード」や「スポイト」ツールも増え、パーツの種類も多くなり、複雑なラクガキが描ける様になった。前作では「あくまでラクガキであることにこだわった」という理由で排除されていたコピー&ペーストや書き直しなど、編集機能が増強された。
その結果、描き方によっては動きや造形が非常にリアルなラクガキを描くことが出来るようになった。ギミックを組み合わせて、さらに細かい動作を実現させるユーザーやインターネットで作品を公開している者もいる。
多くのパーツを配置し、細部まで作りこむことができるようになった反面、トゥーンレンダリングは行われなくなった。
『コミックボンボン』(講談社)で漫画化もされ、作者による独自の設定が付加された。執筆はコイトデルタ。
前2作とは打って変わって、今作はアクションゲームとなった。主人公「ピクセル」を操作し、プレイヤーが描いたラクガキに変身して冒険する。
描いたラクガキは十字キーの上・左・右ボタンにそれぞれ登録することができ、対応したボタンを押すことで登録したラクガキに変身する。下キーを押すと変身を解除し、ピクセルの姿に戻る。ピクセルの状態ではセーブポイントを使用することが可能で、回数制限はあるが敵のラクガキをキャプチャーして変身する能力が使用できる(使用可能回数はセーブポイントに隣接することで回復する)。キャプチャーして変身した場合は一定時間で強制的に変身が解けてしまうが、キャプチャーした敵の持っている技を覚えて自分のラクガキの技として使用出来るようになる。
フィールド上、または敵を倒すと出現するメダルを拾うことによって経験値を獲得できる。経験値量はゲージで表示され、満タンになることでレベルがあがる。レベルアップによって体力等のパラメーターやラクガキ作成の自由度が向上していき、戦いにおける有利さだけでなくゲームとしての面白さが強化されていく。
ラクガキに変身した状態では、ラクガキの設定画面で事前に登録した技を使用して闘うことができる。今作では、技を○×△□ボタンにそれぞれ任意に設定する事が出来、レベルが上がることでコンボを登録することもできる。各技は消費するPPが存在し、連続して技を使用するなどしてPPの値が減り過ぎると技が使用できなくなる。PPは技を使用しなければ回復する。
ラクガキのステータスは前作と同じように描いたラクガキの大きさや細さ、パーツの位置などで大きく変わる。パーツの組み合わせ方によっては、技のバリエーションも大きく広がる。
また、フィールドにはラクガキ(敵のラクガキ(ワルガキ)も有る)のカードも存在し、カードのラクガキをコピーして登録することでそのラクガキを使用・改造することができる。
『その昔、突如現れた魔王によって世界は恐怖と混乱に陥ったが、神から授かった「ラクガキの力」を携えた勇者によって、魔王は倒され、地中深く封印された。』
それから千年----
平和なキャンバス王国の王子ピクセルは、勉強から逃げるため城の地下へと迷い込み、そこで宙に浮く不思議な杖を見つける。それこそ千年前に魔王を倒すために勇者が使った「ラクガキの杖」であった。そうとも知らず、杖を手にするピクセルの前に、壁に描かれたハコイヌのラクガキが飛び出す。ハコイヌいわく、ピクセルが杖を手にしたことで、杖の封印が解けてしまったとのこと。さらにピクセルが不注意で描いてしまったラクガキによって、同じく地下に封じられていた魔王が目覚めてしまい、キャンバス王国は魔王の魔力によって魔王城へと変貌してしまう。魔王を倒し、さらわれた人々と国を元に戻すため、パステルと名乗るハコイヌと共に魔王城の最上階を目指す。
ちなみに魔族に属するキャラたちは全て、ピクセルに倒されて身体(ラクガキ)を失っても魂の状態で活動ができ、新しい身体が描かれると即座に復活可能。魂のままでも他の生物から触れられたり、会話したりできる。
スマートフォン向けゲームアプリとして2021年1月28日にiPhone・iOS/Androidで配信開始。15年ぶりとなるシリーズ最新作となる。
2019年7月5日にカウントダウンサイトを公開、同月11日に本作が発表された。
2021年11月2日にサービス終了。
タイトーは自社運営のアミューズメント施設ブランドとして、主に使用している「タイトーステーション」や「ハロータイトー」の他に、ファミリー向けアミューズメント施設ブランドとして「ラクガキ王国」の名称も使用している。ただし、2015年現在で存在する店鋪は埼玉県三郷市の1箇所のみである[5]。ロゴタイプのみが本シリーズと同じものをそのまま使用されている。
2021年4月16日には、実際に遊べる「らくがキッズ」がタイトーステーション宇都宮内ベルモールで稼働開始。ラクガキを描いて戦わせることができる他、腕に装着する機器を使用して店舗内のアスレチックで運動することでガッツと呼ばれる経験値を集めることが可能。入場に関しては対象年齢が設定されている。
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