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日米のアニメ作品(ウルトラシリーズ) ウィキペディアから
『ウルトラマンUSA』(ウルトラマンユーエスエー)は、アメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションと日本の円谷プロダクションが提携して製作した長編アニメ作品[1][2]。アニメーションの実制作はスタジオ・ザインと葦プロダクションが請け負った[1][2]。英題『ULTRAMAN : THE ADVENTURE BEGINS』[2]。アメリカでは1987年10月にテレビ映画としてニューヨークPYX局などで初放映され[3]、日本では「ウルトラマン大会(フェスティバル)」のメインタイトルとして、日本語吹き替え版が1989年4月28日に劇場公開された[出典 1]。同時上映は『ウルトラマン 恐怖のルート87』『ウルトラマンA 大蟻超獣対ウルトラ兄弟』『ウルトラマンキッズ』。上映時間は78分。
M78星雲怪獣惑星ソーキンの爆発によって地球に飛来したソーキン・モンスターを追ってやってきた3人のウルトラ戦士が、アメリカ空軍のアクロバットチーム「フライング・エンジェルス」のメンバーと一体化を経てウルトラフォースとなり、地球の各地に落下したソーキン・モンスターに戦いを挑む姿を描く。
『ウルトラマンキッズ』を除けば、本作品は『ザ☆ウルトラマン』以来10年ぶりに制作されたアニメでのウルトラマン作品である。『ウルトラマン80』の終了後の1982年、日本でのテレビシリーズは休止中であった中、円谷プロダクションはウルトラシリーズのアメリカにおけるキャラクター展開を見据えて現地法人ウルトラ・コムを設立し、ハリウッドでの劇場映画を目指して『ULTRAMAN Hero from the stars』の脚本が作成されたが、プロモーションや制作予算などの条件を考慮して、同社社長の提案によってまずはコストの大きい実写特撮ではなく長編アニメーション作品を製作することとなった[2][6]。本作品は1987年にパイロット版として製作され、好評であればテレビシリーズ化[4]や実写作品の製作も予定されていたが、興行的には失敗となり、シリーズ化は実現しなかった(ただし、視聴率は同時期の子供向けプログラムで第3位という好成績を収めた)[3][2]。アメリカでの実写作品は、その後にオーストラリア製作の『ウルトラマンG』(1990年)の成功を経て『ウルトラマンパワード』(1993年)が製作されている[7]。
ウルトラシリーズでは初となるチームで活動するウルトラマンという設定で[6]、主人公は「フライング・エンジェルス」のパイロット、チャック、スコット、ベスの3人で、それぞれウルトラマンチャック、ウルトラマンスコット、ウルトラウーマンベスに変身する。変身の際には特に用具は用いない。彼らはM78星雲から来たヒーローであり、設定上は他の「ウルトラ兄弟」たちも存在する世界が舞台になっているが、本編中では語られない。後年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009年)では当初は登場予定は無かったが、「設定上さしさわりないなら出したい」というスタッフの意向で[8]、宇宙警備隊の隊員としての姿が描かれた。
アメリカでの公開を見据えて、個性的なメンバーによるヒーローチームという要素はアメリカのヒーローアニメの王道であり[9]、戦士として男性のウルトラマンと肩を並べて戦う「ウルトラウーマン」の登場やキスシーン、主人公の恋愛関係など、これまでのウルトラシリーズに無かった試みも多く取り入れられた[2]。円谷皐は「(私が)ウルトラマンを男女3人にしたのですが、熱烈なファンのいる日本でなら抵抗があったでしょう」と語っている。
当初、ハンナ・バーベラ側から提示されたデザインでは、ウルトラマンがマントを付けていた。これは、アメリカでは「マントも付けずに空を飛ぶヒーロー」という概念が理解できなかったからだと言われている[3][10]。日米間で何度も打ち合わせを続け、ようやく決定稿のデザインに落ち着いたという。
モンスターデザイナーの一人である雨宮慶太は、本作品以前に企画されていた実相寺昭雄監督の映画『ウルトラQ
国内公開は他の劇場版ウルトラシリーズの多くを手がけた松竹ではなく東宝の配給である。アメリカでは1987年10月12日にニューヨークPYX局など全米で初放送され、同時期の子供向けテレビ番組で第3位の視聴率を記録した[9][2]。
ソーキン・モンスターを追って地球へやってきたM78星雲からやってきたウルトラ戦士の一人。アメリカ空軍のアクロバット飛行チーム「フライング・エンジェルス」のスコット・マスターソン大尉と一体化し、当初は彼自身が危機に陥ると変身できたが、中盤では自らの意思で変身できるようにもなった。腹部に青色の星型をしたバックルを持ち、太陽エネルギーが消耗すると頭部にあるビームランプが青色から赤色に点滅し警告音を発する[14]。ガルバラードを発電所に投げつけるなど、やや荒っぽい戦い方を得意とする。
ソーキン・モンスターを追って、他のウルトラチームと共に地球へやってきたウルトラ戦士の一人。スコットと同様、フライング・エンジェルスの一人チャック・ギャビン大尉と一体化した。冷静に物事を対処し、他の2人に的確な指示を出す指令塔に近い[24]。太陽エネルギーが減ると額にあるビームランプが青色から赤色に点滅し警告音を発する。
ソーキン・モンスターを追って、他のウルトラチームと共に地球へやってきた女性ウルトラ戦士。他の2人と同様に、フライング・エンジェルスのベス・オブライエン中尉に宿った。太陽エネルギーが減ると額にあるビームランプが青色から赤色に点滅し警告音を発する。ウルトラシリーズで初めて「ウーマン」が名称に付いたキャラクターである[27]。日本で映画が公開された当時の名称はウルトラウーマン[12][28]。
謎の老人ウォルター・フリーマンが結成したスーパーチーム[30]。本部はジョージア・ナショナル・ゴルフクラブの地下にあり、ラシュモア山内部にメカの格納庫があり、エイブラハム・リンカーンの口部分から侵入する[30]。
1989年4月にビデオ(VHS、セル・レンタル共通)が、1991年7月にLD(セルのみ)がそれぞれ発売されたが、DVDは発売されなかった。2018年9月26日には、35ミリネガフィルムをハイビジョン解像度のデジタルデータへ変換したBDがバンダイナムコアーツ(現:バンダイナムコフィルムワークス)から発売された。日本語版と英語版『ULTRAMAN : THE ADVENTURE BEGINS』を初収録[41]。
本作品の主役チーム3人がすべて実写で客演したウルトラシリーズ作品。3人のスーツは、『ウルトラマンネオス』のパイロット版製作の際にウルトラ戦士全員集合ビジュアルを撮影するために制作され[42]、1995年には東宝ビルト特写会にてスチールが撮影された[1]。
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