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日本の企業 ウィキペディアから
たまご&カンパニー株式会社(たまごアンドカンパニー、英文名称TAMAGO & COMPANY INC.)は、鶏卵の販売や加工卵の製造などを行う日本の企業。鶏卵業界の最大手である。旧社名はイセ食品株式会社(イセしょくひん、英文名称ISE FOODS.INC.)。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8F |
設立 |
1971年(昭和46年)6月 ※創業は1912年(明治45年)[1] |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 8030001061642 |
事業内容 | 鶏卵の販売、加工卵の製造 |
代表者 |
管財人 髙井章光 管財人 大石薫朗 執行役員社長 池田真吾 |
資本金 | 2,000万円 |
売上高 | 471億円(2018年1月期) |
純利益 | 約7000万円(2009年1月期)[2] |
従業員数 | 152名、グループ全体1680名(2023年12月) |
決算期 | 1月 |
外部リンク | https://www.tandc.inc/ |
特記事項:純利益以外の財務データなどは主に2018年1月期[3]。 |
たまご&カンパニーホームページ「グループ企業」[5]などによる。
ISEホールディングスについてはISEホールディングス参照。
イセ食品は国内はもとより、アメリカやアジアにも進出して事業を拡大した他、国内事業においてもM&Aによって事業を拡大していき、2018年1月期は470億6000万円の売上があった[11][12]。その一方で、関連会社へ資金融通や過大投資、高額な美術品へ資金を投下していた他[25][26]、不適切な人員配置などでガバナンスが機能しておらず、生産性が著しく低下していた[27]。イセ食品グループが所有している美術品の総額は約120億円に上るという[27]。
しかし、業容拡大により金融債務が増加していき、追い打ちをかけるかのように、新型コロナウイルスの影響により外食産業の不振に伴い卵価が下落した他、飼料価格の上昇により業績や資金繰りが悪化。2020年1月期の売上も約468億円にまで落ち込んだ[11][12]。金融機関からの融資を受けることが困難となり、ノンバンクに手を出すようになった[28][29]。2020年3月に私的整理を申請した[11][12][27]。取引金融機関約50行との間でバンクミーティングなどを行い、2021年3月末までに伊勢彦信の後継者を決めて事業承継することや、伊勢彦信への貸付金の弁済などが私的整理の枠組みに盛り込まれる事になり、2020年9月に全ての金融機関が同意し、2021年7月まで金融債務の返済が猶予される事になった[27]。この時期から取引先の間でイセ食品に対する信用不安が広まり、2020年12月頃から帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査機関に対して問い合わせが相次いでいたという[30]。
一方で、伊勢彦信はバンクミーティングによる合意には非協力的であり、美術品も所有形態を巡って金融機関との関係が悪化していった[27]。2021年6月30日付で伊勢彦信が会長兼社長から退任し、後任の社長に田中保成が就任した[29]。田中が社長に就任した後もバンクミーティング自体も難航していた他[11][12]、金融債務の返済猶予期限を過ぎた2021年7月以降も、約定を履行できない状態に陥ることになった[27]。2022年に入っても、ノンバンクからの借り入れが続いていた他、金融機関の同意を得ないままグループ会社の事業譲渡を実施した[27]。
このため、株主であり、伊勢彦信の長男である伊勢俊太郎が代表を務めるISEホールディングスと債権者であるあおぞら銀行は、経営体制の抜本的な見直しが不可欠と考え、2022年3月11日にイセ食品と関連会社であるイセに対して会社更生手続を申し立て、同日付で東京地方裁判所から保全管理命令を受け[11][12][27][31][32][33]、同年3月25日に東京地方裁判所から会社更生手続開始決定を受けた[15][16]。関連会社である伊勢農場も経営者不在の状態であった事から、同日にイセ食品の管財人から会社更生手続を申し立てられ、同日付で東京地方裁判所から保全管理命令を受け[17][19]、同年4月28日に会社更生手続開始決定を受けた[18][19]。負債総額は3社合計で483億円。信用調査機関によれば、「伊勢彦信と伊勢俊太郎との間で経営をめぐる確執があったのではないか」と指摘している[32][33]。
管財人によれば、金融機関との間で、DIPファイナンスに関する金銭消費貸借契約を締結済みであり、資金繰りには支障はないとしている[11]。イセ食品は「営業はこれまで通り継続し、一般商取引債権に関しては裁判所の許可を得て、従前の取引条件での取引継続を条件に全額支払う予定である」とコメントしている他[12]。すでにイセ食品の事業に興味を持った数社のスポンサー候補が現れているという[27]。
伊勢彦信元会長の弁護団は2022年4月18日に、イセの会社更生手続開始を不服として、東京地方裁判所に抗告を申し立てた。抗告期限が同日であったイセ食品の会社更生手続開始決定に関する抗告は見送った[34][35]。これにより、イセ食品の会社更生手続開始決定は確定する事になった。
11月25日、イセ食品や伊勢農場などのグループ企業と三井住友銀行の投資子会社のSMBCキャピタル・パートナーズがスポンサー契約を締結したことが発表された。事業運営面、経営管理面ではコンサルティング会社の経営共創基盤のサポートを受ける[20][21]。 イセ食品、イセ、伊勢農場の3社以外の関連会社に対する会社更生手続の申立てに関しては当初はないとしていたが[36]、前述の通り、富士たまご、新ひたちファーム、千葉孵化場、はやま農場、イセファーム東北、かすみがうら農場、つくばファーム、森屋農場の8社は法的処理を受けることになった。イセファーム、エッグドリーム八千代、美咲ファームの3社は私的整理での再生を目指す[22][23]。
2019年(令和元年)11月、富山県高岡市福岡町内にある富山事業所内に、伊勢彦信元会長の美術品コレクションを紹介する美術館を開館した。伊勢元会長は日本のトップアートコレクターに選ばれたこともある世界的な美術品コレクターであり、富山事業所に2階建ての新棟建設を機に設立された。新棟の2階は既存棟から移った新事務所で、1階が美術館となっており、西洋画、日本画、陶磁器などの美術品が展示される。なお、警備上の都合により展示品は招待者のみの公開となっている。また、スペースがあいた既存棟はホールと茶室に改築し、イベントなどで一般開放する[39][26]。
旧イセ食品グループは助成・顕彰を行う「一般財団法人イセ文化財団」と、国際交流を支援する「イセ文化基金」を設けている。イセ食品の会社更生手続開始に伴い、伊勢元会長は、全ての美術品コレクションを売却する事を検討しているというが[40]、会社更生手続開始決定により、全ての美術品が差し押さえられる可能性があるという[33]。
ISEホールディングス株式会社は東京都千代田区に本社をおく企業。2020年に当時イセ食品社長であった伊勢彦信の長男である伊勢俊太郎を代表として設立され、イセ食品の事業の一部を引き継いだ。イセ食品とは別に子会社イセデリカ、タマムラデリカ、i-エッグプラスとともにi&Patnersグループを作る。2022年3月11日にイセ食品と関連会社であるイセに対してあおぞら銀行とともに会社更生手続を申し立てた。イセ食品との直接の資本関係はない[41]。
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