爆発(ばくはつ、: explosion)とは、 圧力の急激な発生もしくは解放の結果、などおよび破壊作用を伴う現象[1]

ガソリンの爆発
台湾の高雄市で2014年7月31日に発生したガス爆発の結果。

概要

爆発とは、圧力が急激に発生したり圧力が急激に解放される結果、などが発生する現象であり、しばしば破壊的な影響を及ぼす。 爆発は、急激な化学反応容器の破壊、核反応などによって起きる[1]

東邦大学理学部は、燃焼による爆発が閉鎖された狭い室内空間で起こった場合の影響について、以下のように説明している[2]

  1. 火炎が伝播
  2. 燃焼によって引き起こされる温度上昇によって室内の気体の体積は一気に膨張しようとする
  3. 閉鎖空間の圧力は急激に高まる
  4. 圧力に耐え切れなくなった弱い部分、例えば扉や窓ガラスが割れ、そこから一気に高圧の気体が噴出する

これらがわずかな時間で起こり、大きな被害をもたらす。

種類

石油エネルギー技術センターは、爆発の種類を物理的な爆発と化学的な爆発とに分けている。

物理的な爆発

高圧ガスが低圧の容器に流入した場合や、初めに容器に亀裂があり、容器内に充満したガスや液体の熱膨張による場合など。高圧ガス容器の破裂や蒸気爆発(爆発的蒸発)などの物理現象をさす。[3]

化学的な爆発

容器内で発熱的な化学反応が起こる場合や、急激な相変化によって吸熱的な反応が起こる場合など。たとえば、可燃性物質の燃焼、不安定物質の分解などの化学反応で、発熱を伴って急速に起こる場合には、反応熱の蓄積によって温度が急上昇して爆発を起こす。ガス爆発粉塵爆発、蒸気雲爆発などをさす。[3]

  • ガス爆発 - 爆発事故のうちで最も多い
  • 粉塵爆発
  • 混合爆発

専門家は、燃焼による爆発を、さらに次の二つに区別することがある[4]

爆燃(deflagration)
膨張速度(炎の伝播速度)が音速に達していないもの。衝撃波を伴わず、被害が比較的に軽微である。
爆轟 (detonation)
膨張速度が音速を超える激しい爆発。衝撃波を伴い(時には数百mから数kmの範囲で)甚大な被害を及ぼす。

火薬学における爆薬の爆発

爆薬が爆轟現象を起こすと、化学反応超音速で未反応部分へ伝播していく。この爆轟波は爆薬を急速に高圧・高温のガスへと変化させる。 内部から発生した爆轟波が爆薬の表面に達するとガスの急激な膨張を生じ、周囲の空気や構造物に強大な衝撃波を超音速で伝達し、空気中においては爆風となる。

元々は1866年アルフレッド・ノーベルによって爆発を制御するダイナマイトの発明により、土木工事や鉱山開発などに活用され、間もなく戦争における兵器として使用された。爆発は化学現象である一方で物理現象でもあり、複雑に絡み合っているとされる[5]

利用

事故

19世紀

20世紀

21世紀

比喩

「爆発」は、比喩的に、抑えていた感情などが一気にふきだすことを指すことがある[1]。「彼は3カ月間忍耐強く我慢していたが、ついに爆発した。」のように使う。日本の芸術家の岡本太郎は「芸術は爆発だ!」と、しばしば表現した。

また、スポーツなどの分野においては、「秘められていた才能が開花し、活躍する」ことを「爆発する」と言ったりする。この時には、活躍する・大活躍するよりも強い意味を持つ場合が多い。

また「爆発」という言葉は、急激な物事の喩えとして幅広く使われている。「人気が爆発する」「人口が爆発する」など。

数学における比喩的表現

数学では、指数階乗などを扱った関数などで、急激に数が増えることを「数の爆発」と表現することがある(組合せ爆発指数関数的成長も参照)。

また、微分方程式において独立変数 t を時刻としたときに、有限時間内(独立変数 t が有限区間内)で解が発散することを「解の爆発」という[13]

代数幾何学においては、特異点(接線がいくつも引けてしまうような点)を解消英語版する(接線を"バラバラ"にして滑らかにする)ある手続きが爆発英語版(ブローアップ、ブローイングアップとも)と呼ばれる[14]

脚注

関連項目

外部リンク

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