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日本の工学者 (1968-) ウィキペディアから
藤井 聡(ふじい さとし、1968年〈昭和43年〉10月15日 [1]- )は、日本の土木工学者、社会工学者、評論家。学位は博士(工学)(京都大学・1998年)。京都大学大学院工学研究科教授、同大学レジリエンス実践ユニット長。カールスタード(カールスタッド)大学客員教授。『表現者クライテリオン』編集長。
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内閣官房より公表された肖像 | |
人物情報 | |
---|---|
生誕 |
1968年10月15日(56歳) 日本 奈良県生駒市 |
国籍 | 日本 |
出身校 |
大阪教育大学附属高等学校平野校舎 京都大学(学士、修士、博士) |
学問 | |
時代 |
20世紀 21世紀 |
活動地域 | 日本 |
学派 |
保守主義 プラグマティズム 現代貨幣理論 反グローバリズム 反新自由主義 表現者グループ |
研究分野 |
土木工学 社会心理学 行動経済学 社会工学 総合政策学 |
研究機関 |
京都大学 ヨーテボリ大学 東京工業大学 カールスタッド大学 |
学位 |
工学士 修士(工学) 博士(工学) |
特筆すべき概念 |
国土強靭化(列島強靭化) 社会的ジレンマ モビリティマネジメント 認知的焦点化理論 |
影響を受けた人物 | 森田実、西部邁、伊藤貫、宮沢孝幸 |
学会 | 研究・主張の項を参照 |
主な受賞歴 | 受賞の項を参照 |
公式サイト | |
公式ウェブサイト |
京都大学大学院工学研究科助教授、東京工業大学大学院理工学研究科教授、第2〜4次安倍内閣・内閣官房参与(防災・減災ニューディール政策担当)などを歴任した。
奈良県生駒市出身。京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻教授及び同大学レジリエンス実践ユニット長を務めるとともに、統計数理研究所リスク解析戦略研究センター客員教授[2]、早稲田大学意思決定研究所招聘研究員[3]などを兼任した。また、京都大学地域連携教育研究推進ユニット教授を務めるとともに[4]、内閣官房国土強靱化推進室ナショナル・レジリエンス懇談会座長[5]、一般社団法人日本モビリティ・マネジメント会議理事長[6]、京都大学土木会評議員、カールスタッド大学客員教授[7]などのような役職も兼任していた。過去には第2次安倍晋三内閣の内閣官房参与も務めた。シミュレーション及び行動経済学のテーマで博士(工学)の学位を取得した[8]。この時制作した交通需要分析モデル、ピーキャッツは日本国政府やフロリダ州でも採用された。心理学科、経済産業研究所[9]や学際ユニット[10]での諸研究など、「実践的総合政策論及び人文社会科学研究」が専門である[11]。
1968年、奈良県生駒市生まれ。大阪教育大学附属高等学校平野校舎、京都大学工学部土木工学科を経て、同大学大学院工学研究科土木工学専攻修士課程修了。1993年より京都大学工学部交通土木工学教室・起終点施設学研究室助手。
1998年、京都大学において博士(工学)の学位を取得[8](いわゆる論文博士[12])。
1998年ヨーテボリ大学客員研究員(心理学科認知・動機・社会心理学研究室)、2000年京都大学大学院工学研究科土木システム工学専攻助教授(社会システム工学講座)、2002年東京工業大学大学院理工学研究科土木工学専攻助教授、2006年同専攻教授を経て、2009年に京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻教授に就任。2011年京都大学レジリエンス研究ユニット長(2016年よりレジリエンス実践ユニット長)、2018年カールスタッド大学客員教授。
2012年、持論の列島強靭化論が、第2次安倍晋三内閣が掲げる「国土強靭化政策」の原型になる。同年12月26日付で第2次安倍晋三内閣の内閣官房参与(防災・減災ニューディール政策担当)に任命された。2018年12月28日、安倍政権による消費税増税のリスクは高いとして、内閣官房参与を辞任した[13]。
2018年、表現者クライテリオン編集長に就任。
2019年9月よりウェブマガジン配信サービス「foomii」で「藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~」を配信中。
土木工学関連の学会(土木学会・交通工学研究会・日本都市計画学会・日本災害情報学会など)を中心に、哲学(応用哲学会)、心理学(日本心理学会・日本社会心理学会・日本行動計量学会など)や教育学(日本社会科教育学会)の諸学会に所属している。主な研究内容は、
など。パースらのプラグマティズムの思想に基づき、このような研究活動を実践活動の一環として推進しており、交通計画やモビリティ・マネジメントについての実践活動や、言論・評論活動も併せて進めている[24]。
オルテガやハイデガーなどの社会哲学に基づいた大衆社会研究を多面的に実践・展開している。現代日本において、大衆社会化、すなわち軽薄なイデオロギーや私利私欲を追求する一方、社会秩序や伝統的価値を破壊する社会病理現象が深刻化しつつあることを指摘している[30]。そして、大衆社会の諸現象を学術的・哲学的に論ずると共に、大衆社会への処方的アプローチとして、政治・経済・社会の様々な分野において、大衆社会の諸問題に実践的に取り組んでいる。昨今では、そうした実践的社会哲学研究に基づいて、現代日本のポピュリズム政治現象、とりわけ大阪都構想問題についての積極的な実践的言論活動を展開している[31][32]。
「社会的ジレンマ」についての社会科学研究を踏まえて、過度な構造改革や自由化は社会的な厚生水準を大幅に低下させることを指摘し、小泉政権下で強力に進められ、現在に至るまで様々な領域で踏襲されている過度な構造改革や自由化あるいは地方分権を批判している[33]。規制緩和・構造改革の典型的な問題がタクシー市場にて顕在化しているとし、タクシー市場における適正規制の必要性を論じている[34]。ただし供給過小のインフレ下では供給力を増強するための一つの手法として規制緩和を進めることに合理性があることを認めている[35]。
著書や日刊建設工業新聞へのコラムなどにおいて積極的な財政政策・公共事業を行うべきであると主張している。インフラストラクチャー政策については、過去の公共事業に無駄な部分があっただろうことは認める一方で、意味のある公共事業はたくさん残されている、と主張している。防災・インフラストラクチャーの維持更新・国際貿易・国内の生産性向上等のためにどのような公共事業が必要であるかを工学的なデータを用いて解説している。その一方で、財政政策についてはデフレ対策を行わなかったことで2008年までに4000兆円~5000兆円程度の経済損失を被っているとの推計結果を、土木工学における費用便益分析の考え方に基づいて示している[35]。デフレ脱却のために財政出動が不可欠であることを指摘し[36]、上述のインフラ政策に投資することが二重の配当をもたらすワイズスペンディング(賢い支出)であると論じている[37]。デフレ脱却は税収増をもたらすことから、デフレ期の積極財政は財政再建をもたらし、デフレ期の緊縮財政は逆に財政悪化をもたらすことをデータに基づいて指摘している[36]。
財政政策はマンデルフレミング効果や公債の中立命題によって効果が乏しいという経済学的な考え方に対して、マンデルフレミングモデルはインフレであることが前提となっておりデフレーションにおいては全く通用しない(→マンデルフレミングモデルも参照)、中立命題も現在の民主党政権でも行っているように日銀による紙幣増刷での国債償還が可能であり、そうすれば中立命題は成り立たない、と批判している[38]。
自由貿易を推進する者に対して、彼らにとって自由貿易は全体の利益に繋がる"道徳的"なものである一方、保護貿易は一国の利益にしかならない"不道徳"なものであるという思い込みがあり、そのため彼らは関税が存在することそのものを「悪」とし、その完全撤廃をもたらすことを「善」として信じて疑わないが、実際は過激な自由貿易は利己主義者ばかりの国を生み出し、あらゆる次元の正直者を駆逐して裏切り者をはびこらせることになるため、亡国どころか世界中の人々を不幸の淵に突き落とし、世界を亡ぼすリスクを高めてしまうものであると述べ、そのような自由貿易を「善」と考えること自体を不道徳なものである、と批判している[39][40]。「TPP加入による日本経済回復のシナリオは、デフレ下にあって需要よりも超過した過剰供給分を、海外への輸出に振り向け、それを通して国内の需給アンバランス(すなわち、デフレギャップ)を解消し、景気回復を図ろうとするものであった」[41]とした。
2000年代初頭に経済評論家の三橋貴明が主宰するメルマガの執筆陣の1人としてMMT啓発のための言論活動に参加。データに基づき過去20年間継続している日本経済のデフレの原因について、「中央政府の緊縮財政と消費増税による」と指摘した[42]。
2021年10月には財務省次官である矢野康治が執筆した所謂「矢野論文」について対立する立場を取り、次のようにまとめた[43]。
藤井の主な主張は、「リスク・アクセプタンス(リスクの受容)」であり、データに基づいて経済活動を部分的に再開すべきと述べた。具体的には以下の三点である[44]。
この主張に対し、「イベントの質を考慮していない。閉鎖空間のイベントは危ない」という批判があった際には、次のように回答した。
「当方の計算は、『そのイベントに感染者が含まれている確率』を計算しているものです。言うまでも無く、感染者がイベントに含まれていなければ感染することはありませんから、当方の確率値は感染率の「上限値」を意味しているのです。したがって、当方の確率値はかなり『悲観的』なものになっているのです」
また新型コロナ感染による死者数より大不況による自殺者数の方が上回るとも指摘し、次のように述べた。
「コロナが蔓延し、昨今ようやく収束し始めたのではないかと言われている中国ですら、その死者数は3000人。これは、上記の大不況による死者数のわずか3%以下の水準に過ぎません。(中略)過剰な自粛を繰り返して、日本経済がさらに疲弊すればまた、瞬くまに自殺者が増加してしまうことは避けられないでしょう」
また2021年7月、元厚生労働省医系技官の木村盛世との共著で『ゼロコロナという病』を出版。政府やメディアの影響による過剰自粛(ゼロコロナ思想)が経済を停滞させ、経済不況による自殺率を増加させていると述べた。同書では京都大学教授の西浦博やテレビ朝日の「モーニングショー」TBSの「ひるおび!」の罪悪を指摘し、テレビ局側から視聴者の恐怖を煽るコメントを求められたと暴露している。
内海聡らと共に「新型のコロナウィルスは存在しない」、「風邪のコロナは4種類あり、5種類目が追加されたと考えるのが妥当」と主張する団体の主要メンバーで2020年12月に共同宣言を行った[45][46]。
また藤井は2021年9月に、新型コロナウイルスワクチン接種を行ったことを明らかにした。このような手の平返しのため、独立行政法人日本原子力研究開発機構J‐PARCセンター物質・生命科学ディビジョン中性子源セクション研究副主幹の井田真人理学博士に「コロナが目の前にあったら飲み干せる」と豪語していた過去があるのにワクチン接種した藤井を「あなた方の言説に惑わされて変な方向に行ってしまった一般の人々に対しては、どのように責任をとるの?」と無責任を指摘している[45][47][48][49][50]。
適菜収は藤井の所属する「WeRise」について、「武田邦彦や内海聡といった陰謀論者が集まっているトンデモ集団」であり、藤井聡について、「新型コロナという危機に対峙できないだけではなく、自分自身の危機にも対峙できなかった。都合の悪い現実を直視せずに、自己欺瞞を続けてきた」「藤井はMMT(現代貨幣理論)の話をずっとしていましたよね。ところが、新型コロナの補償の話になると、それを引っ込めてしまう」とコロナ禍自粛補償に使えるはずの現代貨幣理論を引っ込める矛盾も指摘している。対談した適菜と中野剛志は藤井について、議論の勝敗だけにこだわる「知識人ごっこ」の輩、と糾弾している[46]。
2015年1月27日、大阪都構想の実現の是非を問う住民投票が同年5月17日に行われる事を受けて、「この住民投票で決まっても、大阪都にならない」、「実質は、大阪市を解体して五つの特別区に分割」、「年間2200億円の大阪市民の税金が市外に流出する」、「流出した2200億円の多くが、大阪市外に使われる」、 「特別区の人口比は東京は7割であるのに対して大阪では3割」、「東京23区の人々は、「東京市」が無いせいで損をしている」、「東京の繁栄は『都』という仕組みのせいでなく、一極集中の賜」といった指摘をインターネット上で公開[31]。
その後、2月2日に大阪維新の会から「間違った情報を流し、市民に誤解を与えている」という抗議と共に公開討論の申し入れをされる。これに対し、
という3つの理由からこの申し入れは討論ではなくケンカの申し入れに過ぎないとして、公開討論の申し入れに応じない旨を宣言。根拠を明示しないままの抗議の申し入れや執拗な公衆の面前での罵倒は、大阪府知事・大阪市長及び公党代表・幹事長という公権力者による言論封殺であるとしている[32][54]。
大阪維新の会は、テレビ放送では政治的中立性や公平性が求められると主張し、藤井が反都構想の集会・講演会に出席しているとして、「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」への藤井の出演を朝日放送に自粛要請するも、朝日放送は藤井の出演を継続させる事を表明[55]。
大阪維新の会は、藤井が自民党推薦の候補者らに送ったとされるメールの内容を入手し、番組内で自民側の公約が優位に放送されるよう働きかけた経緯が判明したとして、放送法4条の違反等を理由に2015年10月16日にBPOに調査を申し立てた[56]。翌17日に朝日放送は藤井の番組出演を当面見合わせる事を発表したが、大阪維新の会によるBPO申し立てとは無関係としている[57]。
これについて藤井は「私信であるメールを公開されただけでも遺憾」、「どういった経緯で入手したのか」、「公党による窃盗の疑義すらある」とコメントした[58]。自身のホームページに反論文を掲載し、「番組が確保すべき公平さは番組全体の公平さであり、出演者一人一人の公平さではない」、「発言のどこに不公平があったのかを明らかにすべき」と反論した[59][60]。
メールの内容を大阪維新の会がホームページで公開している事について藤井は「法律を踏みにじり、市民に恐怖を与える違法行為」、「『通信の秘密は、これを侵してはならない。』という憲法21条違反、『人格権であるプライバシー権を侵害』である」と述べ、こうした違法行為と断固として戦うとしている[61]。
本メールの主旨となっている2015年大阪市長選挙、2015年大阪府知事選挙はどちらも大阪維新の会の候補者が当確、自民党系候補者はそろって落選となった。この選挙結果により、藤井が批判している大阪都構想の再設計も決定している[62]。藤井は選挙前後で自民党系候補者を応援するだけでなく、大阪の現状を自由民主主義陣営と共産主義陣営が手を組んだ第二次世界大戦に準えて[63]維新と敵対する日本共産党にも機関紙『しんぶん赤旗』のインタビューで自共共闘を呼びかけていた[64]。
2020年10月、二度目の大阪都構想の実現の是非を問う住民投票に際して、大阪維新の会と大阪市財政局の対立(都構想によってコスト218億円増の莫大な赤字が出ると試算を示した大阪市財政局に対し、捏造であると指摘し財政局長の謝罪会見を求めた維新と、その後に財政局側から独自試算の提出を求められた維新が「計算方法はない」と回答した件)については大阪市財政局側を支持、大阪維新の会を批判する立場を取った[67]。
2021年のインタビューにおいて、昨今の喫煙を巡る社会情勢について禁煙ファシズム論を唱えている。喫煙自体に非常に長い歴史を持つことを理由に挙げ、禁煙風潮で喫煙機会を抑圧していくことについて「文化保存の観点から、恐ろしい問題」「極めて非人間的」「ファシズム的な行い」と述べている。分煙の一定程度の導入には理解を示すものの、バーなど喫煙を楽しむとされる場所については文化の一つとして許容すべきであるし、居酒屋なども喫煙席と禁煙席を設けてしかるべきとしている[68]。
2017年頃より三沢カヅチカ名義で歌手活動を開始し、小池百合子を風刺した「豊洲の女」をリリース[69]。三沢は藤井を尊敬するエリートサラリーマンによる謎の覆面歌手という設定で、ライブパフォーマンスでの顔出しからその正体は藤井ではないかという観測もあったが、2022年1月22日放送のロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUBにゲスト出演した藤井本人によって、「豊洲の女」のオンエアがリクエストされるとともに、内閣官房参与(当時)という身分に配慮した結果の自身による覆面歌手活動であったことが「カミングアウト」(藤井談)された。以降は新曲「聞け!俺のインボイス」も発表しライブ活動も行っている[69]。
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