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日産自動車の高級セダン型乗用車 ウィキペディアから
シーマ(Cima)は、日産自動車がかつて生産・販売していた高級乗用車である。生産は栃木工場が担当。
1988年(昭和63年)、高級セダン「セドリック」「グロリア」のさらなる上級仕様として発売され、モーター店系列(ローレル販売会社)向けの「セドリックシーマ」、プリンス店系列(スカイライン販売会社)向けの「グロリアシーマ」[注釈 1]がラインナップされた。日産には法人・ハイヤー向けとして、最高級乗用車「プレジデント」があったが、シーマは一般オーナー向け兼ショーファー・ドリブン・カー(VIPグレード)の最上級モデルである。全車が3ナンバー登録の普通乗用車となる。
当初の1年間だけで3万6,400台が販売され、初代モデルの4年間の販売台数は12万9,000台にも及んだ。この状況は、当時の高額商品に対する旺盛な需要の象徴として「シーマ現象」と呼ばれた[1]。1991年(平成3年)には2代目モデルに移行したが、景気後退などの影響もあって販売は減少し、2009年(平成21年)の4代目モデルの年間販売台数は294台に留まり[1]、販売不振と後に施行される最新の安全基準を満たさなくなることを機に、2010年(平成22年)8月をもって一旦生産・販売が中止された[1]。
2012年(平成24年)5月、フーガハイブリッドをベースとしたハイブリッド専用車として復活[2]し、2022年(令和4年)8月まで生産された。
2代目モデルまでは日本国内でのみ販売されていたが、3・4代目は日本国外で展開されるインフィニティブランドにおいてもフラグシップモデル 「Q45」として販売される。また4代目はプラットフォームをプレジデントと共有しており、両車種で日産のフラグシップと位置づけられていた。5代目は「インフィニティ・Q70」のロングモデルになったため、日本市場での日産ブランドだけでなく、海外市場におけるインフィニティブランドの乗用車系のフラグシップの位置付けとされていた。
日産・セドリック/グロリアシーマ (初代) FPY31型 | |
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後期型フロント | |
後期型リア | |
概要 | |
販売期間 | 1988年 - 1991年 |
設計統括 | 三坂泰彦 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアピラーレスハードトップ |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | V6 3L VG30DET/VG30DE |
変速機 | 4AT |
前 |
前: ストラット 後: セミトレーリングアーム式サスペンション |
後 |
前: ストラット 後: セミトレーリングアーム式サスペンション |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,735mm |
全長 | 4,890mm |
全幅 | 1,770mm |
全高 | 1,380mm(1,400mm) |
車両重量 | 1,640kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ベンチレーテッドディスク |
データモデル | 3.0 タイプII リミテッド |
同時に従来のV8搭載車(リミテッドシリーズ)のグレード体系が見直され、タイプⅢ/タイプⅡシリーズがリミテッド/リミテッドS-four/リミテッドLに、タイプⅠがリミテッドセレクションに変更。
日産・シーマ(4代目) F50型 | |
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中期型(2003年8月-2008年2月) | |
後期I型(2008年2月-2009年1月) | |
概要 | |
販売期間 | 2001年 - 2010年 |
設計統括 | 宮内照雄 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | 後輪駆動 / 四輪駆動 |
プラットフォーム | 4代目日産・プレジデントと同一仕様。 |
パワートレイン | |
エンジン |
V8 4.5L VK45DD/VK45DE V6 3L VQ30DET |
変速機 | 5AT/4AT |
前 |
前: ストラット 後: マルチリンク |
後 |
前: ストラット 後: マルチリンク |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,870mm |
全長 |
4,995mm(前期型) 5,120mm(後期型) |
全幅 | 1,845mm |
全高 | 1,490-1,505mm |
車両重量 | 1,720-1,920kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ベンチレーテッドディスク |
姉妹車 | 日産・プレジデント(4代目) |
4代目モデルの生産中止から約1年9か月を経た2012年(平成24年)4月25日、日産自動車はシーマの生産再開と、5代目モデルが同年5月21日に発売されることを発表した[8]。5代目モデルはハイブリッド専用車[注釈 7]であり、日産自動車は高級車の再投入によりブランドイメージが向上することを期待しているとされる[8]。
5代目モデルは、北京モーターショーにおいて同日発表となった、インフィニティ Mシリーズの「M35hL」(hはハイブリッド、Lはロングホイールベースの意)と基本的に同じで、フーガ(Y51型系)をベースにホイールベースとリアドアを150mm拡大したもので、延長分はそのまま後席空間の拡大に充てられている。外観ではボディシェル、リアドア、フロントバンパーやラジエーターグリル、リヤガーニッシュなどが専用品となる一方、ヘッドランプやリヤコンビネーションランプレンズなどの主要部品はフーガと共通となる。4代目まで用いられていたアカンサスのエンブレムは廃止されたが、「CIMA HYBRID」グレードを除きディーラーオプションで装着可能である。
搭載される動力ユニットはフーガハイブリッドと同様の、VQ35HRエンジンに「1モーター2クラッチ方式」のハイブリッドシステムを加えた「インテリジェント・デュアルクラッチ・コントロール」で、変速機はジヤトコ製マニュアルモード付電子制御7速ハイブリッドトランス ミッション(AT)である。シンプルな機構ながら、疑似クリープ、モーター走行、エンジン+モーターによる全開加速、エンジン走行+充電、回生ブレーキの切り替えをスムーズに行うことができ、トルクコンバーターを介さないため伝達効率も高い。車体の延長とバッテリーを含むハイブリッドシステムの装備により、車両総重量がベースグレードで2,205kg、VIPとVIP Gで2,225kgとなったが(車両重量はそれぞれ1,930/1,950kg)、ハイブリッドシステム、アイドリングストップ装置、可変バルブタイミング機構、電動油圧式電子制御パワーステアリングなどの効果により、燃費性能はJC08モードで16.6km/Lと、平成27年度燃費基準+20%を達成。さらに、2015年4月に設けられた平成32年度燃費基準も達成しており、平成32年度燃費基準+10%を達成[注釈 8]している。
本世代はエンジン進化型エコカー「PURE DRIVE」の7車種目となるため、その証としてリアに「PURE DRIVE」エンブレムが装着されているが、シーマでは2代目エクストレイル「20GT」と同様のデザインで、ハイブリッドカーを指す「PURE DRIVE / HYBRID」エンブレムが新たに採用されており、左右フェンダーに装着されている「HYBRID」エンブレムもシーマでは左上に小さく「PURE DRIVE」が入った新仕様となっていた(ほどなくしてフーガハイブリッドも同仕様のものに差し替えられた)が、2017年6月のマイナーチェンジに伴ってリアに装着されていた「PURE DRIVE / HYBRID」エンブレムを廃止し、左右フェンダーは左上の「PURE DRIVE」ロゴが無い「HYBRID」エンブレムに変更した。
Y51型系フーガ同様に全数が栃木工場(栃木県上三川町)で生産されるが、さらなる品質向上を図るため、塗装工程において「匠」と呼ばれる熟練者が中塗り後に生産ラインから外し、GT-R同様に一台一台専用の特別室で塗膜を平滑にする「水研ぎ」と呼ばれる作業を行う。 また、検査工程においては資格を持つ検査員が全車両に対し品質検査を実施した後、走行試験において検査員が2名体制(通常は1名体制)で走行や操舵フィーリングの評価試験や内装の軋み音の有無のチェック等も20km程度走行し、行う。晴れて全ての工程を合格した車両には、栃木工場長の直筆サインが記された「品質検査確認書」が付与される[9][10]。
5代目シーマは三菱自動車工業にもOEM供給され、2012年(平成24年)7月26日よりディグニティとして発売した[11][12][13]。ディグニティもシーマ同様に一旦生産を終了していたが、OEM車種として11年ぶりに復活することになる。
スペイン語で「頂上・完成」の意味[注釈 9][17]。初代シーマの開発責任者である三坂泰彦が、少年時代に父に買って貰った腕時計がシーマ(Cyma)のものであり、いつかはこの「シーマ」を使いたいと温めていたもの。
初代発売当時は日産モーター店(ローレル販売会社)と日産プリンス店(スカイライン販売会社)でスタートしたが、1990年から日産チェリー千葉(ただし、1997年7月に日産プリンス千葉販売に経営統合)でもメーカー公認で取り扱いとなり(当時FY31型の後期モデルのグロリアシーマを販売)、 FY32型では、最初から日産ローレル販売会社、日産プリンス販売会社、日産チェリー千葉の取り扱いとなって、FY33型と続いたが、1999年4月の日産ディーラー販売網の2系列化以降は日産全販売店の取り扱いとなり、全店扱い後初フルモデルチェンジされたF50系を経て、現在のHGY51型に至る。
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