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頭にかぶる衣類の一種 ウィキペディアから
帽子(ぼうし)は、防暑、防寒、防砂、装飾を主な目的として頭にかぶる衣類の一種[1]。西洋化以前は広義に布の被り物、狭義では烏帽子の略語であったが、西洋化とともに多くの頭にかぶる被り物を帽子と言うようになった[1]。
素材には布や織、皮革や毛皮、ゴムやプラスチックなどが用いられ、用途に応じたさまざまな形状がある。冠やターバン、ヘルメット、兜、カツラなどを帽子に含めるか否かについては議論がある。
英語では、頭に乗せるものの総称としてハット(hat)、比較的柔らかい素材で頭部にフィットする形状のものをキャップ(cap)と呼んでいる[2]。 ハットと呼ばれるものは一般に装飾的で全周につば(ブリム)を持つものが多いが、例外もあるため一概には言えない。現代に使用される実用的な帽子の大半はキャップに分類されるが、習慣的にハットと呼ばれるものもあり、その境界は曖昧である。
帽子の種類は非常に多いので、記事末尾の#種類の節に列挙する。
なお、帽子は種類ごとに様々な呼び方があり、各言語でも指す範囲が若干ズレている場合もあるので、各名称が具体的に何を指すかは、これらの呼び方を理解する必要がある。
歴史的には特定の頭部の装身具は、その人物の社会での立場を示すこともある。
白いトックブランシェ(仏: Toque blanche、コック帽)[† 3]は、白い上下のシェフの制服(英: Chef's uniform)と共に一目で洋食の料理人と認識されるアイテム[† 4]である。ベレー帽は画家を、麦藁帽は夏や農村を連想させるものである。
今日では特定の帽子を身につけるように求められる状況は限られている。代わって、ファッションとして帽子の必要性が認識されるようになった。特定の被り方や、帽子が所属する地域やサブカルチャーを示す他、擬似的に制服に近い意味合いを持つものもある。野球帽は一般に特定チームへの支持を示すものだが、ヒップホップ、ストリートファッションのアイテムとしても多用される。
19世紀から20世紀にかけて、山高帽が紳士の礼装として認識されていた。当時のヨーロッパでは以下のように言われていたという[7]。
もしその人物が家の中に入って来て、帽子を脱ぐようなら真の紳士。
帽子を脱がないのなら紳士のふりをしている男。
そして帽子をかぶっていない人物は、紳士のふりをすることさえあきらめている男。
このエチケットは軍隊のそれに準じており、入隊教育の中で新兵は帽子の取り扱いについて、講義を受ける。軍隊では戦闘中でなければ、屋内だけでなく艦船の中でも脱いでいなくてはならない(逆に旧ドイツ国防軍の様に、上官に対面する時の無帽は軍規違反になる軍隊もある)。また、敬礼の一つとして帽子を取ることがある(脱帽、シャッポを脱ぐ)。
これ以外の状況では、葬式や国歌斉唱、食事などが帽子を脱ぐべき状況である。男性の挨拶として帽子に手を当て軽く前に傾ける・一瞬だけ持ち上げ掲げるという方法ハット・チップがある。女性の場合、帽子は正装の一部と見做されている為この挨拶をする必要は無く、小さくお辞儀をする・スカートをつまみ、右脚を引いて屈んで小さく身を沈める(カーテシー)などで十分である。日中、女性は室内でも食事の時も、帽子をぬぐ必要はない。夜の行事では、帽子はかぶらない。ただし、夕刻のパーティーでは、カクテルハットをかぶる場合がある。
ユダヤ教徒はタルムードにより独特のキッパーをかぶることが決められている。これはヤハウェの偉大さ、人の卑小さ矮小さを、被る者に認識させるためである。ユダヤ教徒はシナゴーグで帽子を取る必要はない。 またイスラム教徒もモスクで帽子を取る必要がない。いずれも神への敬虔さを示す。 一方、キリスト教の教会堂では、男性は帽子を取ることが求められる(が、女性は帽子を取らないのがむしろエチケット。ちなみに女性クリスチャンの一部は、伝統を重んじて教会堂では男性にあまり顔を見せないようにヴェールを被る場合もある。)。男性キリスト教徒が帽子を脱ぐのは膝をつくことや頭を下げることと同じ意味で、やはり神に対する敬虔さからである。
古代中国では冠を被ることが礼儀であった。7世紀に書かれた『晋書』には、南蛮の装束は被髪文身(冠を被らず、入れ墨をしている)ので野蛮である[要出典]という記述がある[8]。儒教の経典『礼記』には、夫礼、始于冠(礼は冠に始まる)という記述がある[9]。
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