川井 憲次(かわい けんじ、Kenji Kawai、1957年4月23日[1] - )は、日本の作曲家、編曲家。
ニックネームは「かーいさん」で、自らを「かーい」と自称することに由来する。インストゥルメンタルバンドであるfox capture planのカワイヒデヒロは甥。
サントラ界の大御所として知られており、アニメ、ドラマ、映画、ゲーム等、幅広いメディアミックス作品で活動している[2]。川井によれば、その作品のヴィジュアルから音を引き出していくため、何も無い状態から楽曲を作ることは苦手と述べている。アニメでは映像ができていない場合が大半である為、絵コンテのビジュアルから作曲する[3]。
映画はそれほど観ないが、北野武作品は全作鑑賞しており、「男はつらいよ」は全シリーズ好きだと語っている[4]。
父の影響で幼少時から音楽を聴いており、小学生時代にはフォーク、中学時代には洋物ポップスを中心に聴いていた。高校時代に初めてエレキギターを購入しバンドも結成したが、その影響で浪人する。この時期には、バート・バカラック、森山良子、ディープ・パープル、サンタナなどを聴いていた[4]。
大学時代には音楽クラブでの活動に熱中しすぎた為に中退し、親の手前で音楽の専門学校に入学したが、こちらも半年ほどで退学する。しかし、この頃から作曲の仕事が入るようになる。同時期にある歌手のバックバンドのリハーサルコンテストの張り紙を見て、大学生との混成バンドを結成する。バンドはコンテストで優勝したが、ギャラの良い仕事には恵まれず、結局は川井だけがギタリストとして活動することになり、自然消滅する。この頃から自宅録音に興味を覚え、舞台音楽やCM音楽などを手がけ、劇伴作曲家としての活動を開始する。自宅スタジオには当時、矢沢透などが年中訪れていたという[5]。
1987年、映画『紅い眼鏡』で押井守と出会い[6]、以後『機動警察パトレイバー』や『攻殻機動隊』の劇場版の映画音楽を担当する。『BLOODY MALLORY』などのフランス映画、『美しき野獣』『南極日誌』などの韓国映画でも作曲を担当する。また、日本のテレビ番組のBGMとしても利用されることが多い。
2005年、AMD Awardの「Digital Contents of the year」に出品された『イノセンス』で「Best Music Composer賞」を受賞。
2008年、第41回シッチェス・カタロニア国際映画祭に出品された『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』で日本人としては3人目となる最優秀映画音楽賞を受賞。
2009年、eAT金沢で名人賞受賞。
2012年には紅白歌合戦のメインテーマを手掛ける。
2015年には大河ドラマ『花燃ゆ』の劇伴曲を担当した。
2017年、『仮面ライダービルド』の音楽を担当したことで、佐橋俊彦に続き日本を代表するキャラクター作品で『コンパチヒーローシリーズ』の御三家に当たるウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズ、ガンダムシリーズに参加した作曲家になる。
テレビアニメ
- 1986年
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- 1987年
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- 1989年
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- 1990年
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- 1992年
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- 1993年
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- 1994年
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- 1995年
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- 1996年
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- 1997年
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- 1998年
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- 1999年
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- 2000年
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- 2001年
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- 2002年
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- 2003年
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- 2004年
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- 2005年
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- 2006年
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- 2007年
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- 2008年
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- 2009年
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- 2010年
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- 2014年
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- 2015年
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- 2016年
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- 2018年
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- 2019年
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- 2020年
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- 2021年
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- 2022年
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- 2023年
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劇場アニメ
- 1989年
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- 1990年
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- 1992年
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- 1993年
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- 1995年
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- 1999年
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- 2002年
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- 2004年
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- 2008年
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- 2009年
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- 2010年
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- 2011年
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- 2012年
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- 2013年
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- 2014年
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- 2017年
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- 2018年
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- 2019年
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- 2022年
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- 2023年
-
OVA
- 1986年
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- 1987年
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- 1988年
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- 1989年
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- 1990年
-
- 1991年
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- 1992年
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- 1994年
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- 1995年
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- 1996年
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- 2002年
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- 2004年
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- 2005年
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- 2006年
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- 2008年
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- 2011年
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- 2013年
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- 2019年
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- モブサイコ100 第一回霊とか相談所慰安旅行〜ココロ満たす癒やしの旅〜[13]
- 2024年
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その他アニメ(CM・Webアニメなど)
- 1989年
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- 1993年
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- 1994年
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- 1997年
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- バンダイエモーションレーベル モアイの映像BGM(雲が鳥に変わるバージョン)
- 2003年
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- アイシールド21 幻のゴールデンボウル(イベント用映画)
- 2007年
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- A New Visual Odyssey(東芝HD映像プロモーションビデオ/CM)
- 2011年
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- サイボーグ009 PEPSI NEX(3Dアニメ CM/ワーナー・マイカル・シネマズでのみ上映)
- 2012年
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- 2016年
-
- 2021年
-
- 2023年
-
- 2024年
-
楽曲
- トワイライトQ(1988)
- 『リフレクション』(作詞 - 森田里子 / 作曲 - 川井憲次 / 歌 - 兵藤まこ)
- 『ぐうたらな魚』 (作詞 - 児島由美 / 作曲・編曲 - 川井憲次 / 歌 - 兵藤まこ)
- 吸血姫美夕
- 『神魔の鼓動』(作曲 - 川井憲次 / 演奏 - 神楽)
- 『美夕八千夜』(作詞 - 垣野内成美 / 作曲 - 寺嶋民哉 / 編曲 - 川井憲次 / 歌 - 鈴木佐江子)
- 『まんまる手まり歌』(作詞 - 垣野内成美 / 作曲・編曲 - 川井憲次 / 歌 - 長沢美樹)
- 『逢いたい』 (作詞 - 前田耕一郎 / 作曲・編曲 - 川井憲次 / 歌 - 笠原弘子)
- 『吸血姫 美夕』(作詞 - 垣野内成美 / 作曲 - 川井憲次 / 歌 - 鈴木佐江子)
- 『冷羽ひとり』(作詞 - 垣野内成美 / 作曲 - 川井憲次 / 歌 - 緒方恵美)
- 『乱馬ダ☆RANMA』(作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:川井憲次)(1990)
- 人魚の森(OVA)
- 『時の漂泊』(作詞 - 松本花奈策 / 編曲 - 川井憲次 / 歌 - 広谷順子)
- らんま1/2 DoCoファースト(1991)
- 『プロローグ』
- 『僕たちはこれから』
- 『赤い靴のSUNDAY』
- 『うそつき』
- 『少しだけ坂道』
- 『思い出がいっぱい』(編曲)
- 『彼』
- 『乱馬とあかねのバラード』(作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲:川井憲次、編曲:中村暢之)(1993)
- 無責任艦長タイラー ミュージック・クリップ(1995)
- 『艦隊出撃!』
- 『A Tribute To Dom』
- 『バカンスリゾート』
- 『軍人ヤマモト』
- 『ハ・ル・ミ♥セクシー』
- 『愛が消えた夜』
- 『うつせみの…』
- 無責任艦長タイラー イメージソング(1995)
- 『船乗り【声優Version】』(作詞 - 真下耕一 / 作曲・編曲 - 川井憲次 / 歌 - 辻谷耕史、天野由梨、中田和宏、三石琴乃)
- 『舟が港に帰る時』(作詞 - 木本慶子 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 丸尾めぐみ / 歌 - 辻谷耕史、岩田光央、中田和宏、天野由梨、かないみか、三石琴乃)
- 『Love me more』(作詞 - 木本慶子 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 丸尾めぐみ / 歌 - かないみか)
- 『いざ征けヤマモト!』(作詞 - 小松研多郎 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 丸尾めぐみ / 歌 - 柴本浩行&中田和宏)
- 『気付いてないのはアナタだけ』(作詞 - 木本慶子 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 丸尾めぐみ / 歌 - 天野由梨&速水奨)
- 『Keep on smiling』(作詞 - 島エリナ / 作曲・編曲 - 川井憲次 / 歌 - 柴本浩行)
- 『SKY HIGH』(作詞 - 小松研多郎 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 丸尾めぐみ / 歌 - 岩田光央)
- 『風は愛☆愛はあなた』(作詞 - 杉山麻理子 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 丸尾めぐみ / 歌 - 三石琴乃)
- 『普通の生き方』(作詞 - 木本慶子 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 坂下秀実 / 歌 - 辻谷耕史)
- 『祈り』(作詞 - 杉山麻理子 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 丸尾めぐみ / 歌 - 笠原弘子)
- 戦ー少女イクセリオン(OVA)
- 『YOU'RE THE BEST PARTNER!』( 作詞 - 前田耕一郎 / 作曲 - 川井憲次 / 編曲 - 矢野立美 / 歌 - 高橋なおみ)
- 『my best friend』(歌:堀江由衣、作詞:Sora、作曲:川井憲次、編曲:船山基紀)
- 風人物語(2005)
- 『夕陽の色だけ』(作詞 - 西村純二 / 補作詞 - 児島由美 / 作曲 - 川井憲次 / 歌 - Windy-s)
- Fate/stay night(2006)
- Fate/stay night キャラクターイメージソング
- セイバー(川澄綾子)・『遠い夢』(2006)
- 遠坂凛(植田佳奈)・『KIRARI』(2007)
- 間桐桜(下屋則子)・『笑顔ひとつで』(2007)
- イリヤ(門脇舞以)・『月の涙』(2007)
- キャスター(田中敦子)・『誘い』(2007)
- ウルトラマンジード(2017)
- 『GEEDの証』(作詞 - 六ツ見純代 / 作・編曲 - 川井憲次 / 歌 - 朝倉リク with ボイジャー)
テレビドラマ
中京テレビ
- 転校生は妹だった(1988年)
- 父さんゴリラが帰った日(1994年)
関西テレビ
- 進路指導室(2002年)※オムニバスドラマ番組『愛と不思議の物語スペシャル ウルチョラ・セブン』
WOWOW
- 風起隴西(英題:The Wind Blows From Longxi)(2022年)
CM
- 湖池屋「カラムーチョ」(1987年)
- AXIA(フジフイルム)「AXIA PS-IIx」機動警察パトレイバーOVA内挿入CM(1988年)※後年DVD化された「アーリーデイズ」には著作権の関係上のため未収録。
- 湖池屋「すっぱムーチョ」(1993年)
- TOYOTA「MARK X」(2009年)
- TOYOTA「MARK X ZIO」(2011年)
- 月桂冠「つき」(2012年)
- JR東海「そうだ 京都、行こう。」(2016年)※『サウンド・オブ・ミュージック』の『私のお気に入り』の編曲を担当
- 再春館製薬所「ドモホルンリンクル『事実』篇」(2023年)
映画・オリジナルビデオ(アニメ以外)
- 1980年
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- 1987年
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- 1988年
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- 1991年
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- 1992年
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- 1998年
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- 1999年
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- 2000年
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- 2001年
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- 2002年
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- SAMOURAIS(日本未公開)
- ブラッディ・マロリー
- 2003年
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- 2004年
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- 2005年
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- 2006年
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- 2007年
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- 2008年
-
- 2009年
-
- 2010年
-
- 2011年
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- 2012年
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- 2013年
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- 2014年
-
- 2015年
-
- 2016年
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- 2017年
-
- 2018年
-
- 2019年
-
- 2021年
-
- 2023年
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- 2024年
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- トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(原題:九龍城寨之圍城)(香港映画)
ゲームミュージック
- 1987年
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- Captain Power and the Soldiers of the Future
- 1989年
-
- 1990年
-
- 1992年
-
- 1994年
-
- 1998年
-
- 2001年
-
- 2003年
-
- 2007年
-
- 2014年
-
- 2017年
-
- 2019年
-
- 2021年
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- シドニアの騎士 掌位ノ絆(2021年 - 、fox capture planと共作)
- 永遠の7日(2021年 - 、放置ゲーとしてリブート)
- エゴエフェクト:フラクタス
その他
- MOTHER[要曖昧さ回避](1986年、1987年、2003年) 三ツ矢雄二演出のミュージカル
- おかえりなさい (1994年) 『モンタナ・ジョーンズ』イメージソング。井上喜久子歌唱
- シンプル・レヴュー〜愛に関するオムニバス(2003年) 三ツ矢雄二演出のミュージカル
- 憧れのスーザン・ボイル様〜ママさんコーラス奮闘記〜(2009年) 三ツ矢雄二演出のミュージカルの挿入歌『心に刻んだメモリー』(作詞・三ツ矢雄二/作曲・川井憲次/編曲・竹田えり/歌・出演者全員)
- 小田原市:尊徳記念館の上映アニメ(制作時期不明)
- デルフィニア戦記(1997年) イメージアルバム
- めざめの方舟(2005年) 愛・地球博において押井守の映像とコラボレーション展示をおこなったもの。
- 舞台演劇版鉄人28号(2009年)
- 国立科学博物館 シアター36○上映作品[20]
- 「宇宙137億年の旅-すべては星から生まれた-」(2009年)
- 「海の食物連鎖 -太陽からクロマグロをつなぐエネルギーの流れ-」(2010年)
- SHANGHAISKYGATE〜天空の扉〜(上海環球金融中心<上海ヒルズ>エントランスムービー)(2011年)
- go on a trip to kanazawa(2011年)※金沢市プロモーション映像
- 男声合唱とピアノのための「ブレイブ・ストーリー」(2017年) 早稲田大学グリークラブ初演
- 氷艶 hyoen2019 -月光かりの如く-(2019年)テーマ曲を除く劇中曲を担当
“スタッフ・キャスト”. TVアニメ「ひぐらしのなく頃に 業」公式サイト. 2020年10月9日閲覧。
『まんたんウェブ』MANTAN、2023年12月18日。2023年12月18日閲覧。