タブレット純(タブレットじゅん、1974年8月31日 - )は、日本の歌手・お笑いタレント。神奈川県津久井郡津久井町(現:相模原市緑区)出身。
所属事務所はトルバ。ボーイズバラエティ協会会員、落語協会会員。
別名:田渕純。「タブ純」と略して呼ばれたり、表記されることもある。持ちネタのひとつ『男はつらいよ』のテーマを使用する自己紹介は「オマタ産婦人科で産湯を使い、姓はハシモト、名はヤスユキ」である。
3人兄弟の三男として育つ。幼少時よりラジオを通じて古い歌謡曲に目覚め、思春期は中古レコード、昭和の雑誌を蒐集しながら研究に没頭する日々を送った[2]。学生時代は勉強も運動も出来ない内気な少年だったが、物まねをするうちに、クラスでも密かな人気を得るようになる。小学校の卒業文集には「好きなタレント・マヒナスターズ」と書く。
高校卒業後は友人の父が経営する古本屋にて時給630円で8年間アルバイトとして働く。流行っていない店だったことから、昭和歌謡の研究にも没頭できたという。やがて古本屋が閉店したため、介護職を経た後、東京都新宿区にある歌声喫茶「ともしび」でアルバイトとして働いたが、半年後にマヒナスターズ加入のため退職した。その後ソロ時代はコンビニ店員等も経験した。
2002年、古い演歌雑誌に掲載されていた和田弘とマヒナスターズメンバー主催のカラオケ教室へ一ファンとしてインタビューのつもりで話を聞きに行き、その後入門する。当時、マヒナスターズは内紛によって三原さと志らボーカル陣全員が脱退したため、3人の新人ボーカリストを迎えて再起を図ろうとしていたが、すぐに新人のひとりが逃亡。急遽、補充要員として白羽の矢が立ち、期せずして憧れのグループの一員となる。こうして27歳という最年少かつ最後の歌手「田渕純」としてデビューする。「田渕純」の名前は加入の際、和田弘が付けた芸名である[3]。和田が死去した2004年からはソロ活動を行い、サブカルチャー系のイベント出演の他、寄席やお笑いライブにも出演した。2011年から浅草東洋館のライブにレギュラー出演し、そこで現所属事務所にスカウトされた[4]。
本人によると「タブレット純」の名前は「田渕純」をもじったものだという[1][4]。
毎日放送の『歌ネタ王決定戦2013』において準決勝へ進出し、翌年の『歌ネタ王決定戦2014』では決勝戦へ進出した。
2015年8月、高見沢俊彦(THE ALFEE)のソロライブのパンフレット内対談に登場した。2015年8月27日、Zepp Tokyoで行われた『帰ってきた! お台場フォーク村「坂崎幸之助やりたい放題ひとり舞台」』にゲスト出演し、坂崎幸之助と共演した。
ボーイズ・バラエティー協会に所属し、浅草東洋館の同協会定席を中心に寄席へ出演しているほか、2023年10月より落語協会に準会員として加入した。
2024年10月1日より、落語協会正会員となった。
- 子供の頃の趣味はプロレス、野球、相撲で、プロレスは国際プロレス、マイティー井上のファン。野球は阪神タイガースファンで弘田澄男、長崎慶一、竹之内雅史といったいぶし銀を好む。小学生の頃、麒麟児の後援会に入っていたほどの相撲ファンであった。
- 自身を「両刀使い」と公言している。また、2014年12月2日放送『芸人報道1時間SP』(日本テレビ)の番組内で、父親にセクシャルマイノリティであることをカミングアウトした[5]。
- 長髪で中性的な顔立ちから若者に中年女性と間違えられ「ババア」と言われたことがあり、本人がライブでネタにしている。1人で立ち飲み屋で飲んでいると、女性と思われ声をかけられるが、男性と分かるとがっかりされることがしばしばあるとも述べている。
- 夢はNHKのうたのおにいさんになることと述べている。
- 酒好きで意識を失うまで飲む。好きな食べ物はきくらげ。
- 石破茂は純のファンでありライブに訪れたことがある。
- 愛猫家で、「姫」という名の猫を飼っている。
- 愛読書は太宰治の「晩年」。
- 2018年、エレキコミックと片桐仁のラジオ番組『エレ片のコント太郎』へのゲスト出演をきっかけに、番組企画を通じ片桐仁と親交を深め、片桐組若頭に任命される。その後は、プライベートで飲みに行き、番組企画でとしまえんデートするなど、親交を深めている。
昭和レトロ
- 衣装は主に古着屋で昭和レトロ風の婦人服を購入している。過去には近所のしまむらを頻繁に利用していた。
- 昭和遺構巡りを好み、かっぱ人形、射的人形、昭和かるたを収集している。他にも昭和レトロポップなグッズも好んでいる。
- 昭和中期頃の暮らしを好み、住まいもわざわざ風呂なしのアパートを探し、銭湯に通うほどである。また、近年の熱中症警戒アラートが続く夏場でも扇風機で凌いでいたが、アパートの大家から「事故(熱中症)があっては困る」と懇請され、エアコンを購入して設置した[6]。
- 昭和の趣きがある大衆食堂も好む。自身の印象に残った店のエピソードを「哀愁の昭和食堂」という歌ネタで披露している。
- 主に歌ネタで構成されており、ムード歌謡漫談という新ジャンルを確立し、異端な存在となっている。また、歌ネタ以外に声帯模写も行っている[4]。
- ネタの最中、自筆によるイラストや著名人の似顔絵を使って説明することが多い。ボールペンで緻密に描かれた似顔絵は、黒目が無いことが共通している。
- 平時は女性のようにか細い声だが、ネタに入ると早口かつバリトンの声に変わり、そのギャップで笑いを取る。
- 持ちネタのひとつに算数の文章題にツッコミを入れるものがある。文として読むとツッコミ所のある問題文を読み上げた後に問題集を投げ捨て、笑いが起こるとギターをかき鳴らし「そんなことより気になるの〜」と歌い出し、早口でツッコミを入れた後に「○○したほうが良いかと思います〜」と締める[4]。
- マネージャーとの飲みの席でネタが生まれることが多く、文章題ネタなどもその際に生まれたという[4]。
「田渕純」名義
- 夜をまきもどせ (2007年9月8日、ボルテイジ・レコード)
- ごあいさつ
- 夜をまきもどせ(岸野雄一監督映画『夜をまきもどせ』主題歌)
- 星空(夜の詩集1)
- うなじ
- 純愛(夜の詩集2)
- からっぽの世界
- ごあいさつ
- 夜をまきもどせ(デモ2006)
- 夜をまきもどせ(アカペラ)
- 夜をまきもどせ(カラオケ)
- うなじ(カラオケ)
- マダム・ヴィオレ〜紫の薔薇〜/粉雪のひと(2010年1月22日、プロミネンス・ハーツ)
- マダム・ヴィオレ〜紫の薔薇〜
- 粉雪のひと
- マダム・ヴィオレ〜紫の薔薇〜(オリジナルカラオケ)
- 粉雪のひと(オリジナルカラオケ)
- 二人の出会い/穂高の夏(2010年6月、制作:公募ガイド社) - 田渕純&中村友美名義
- 二人の出会い(作詞・作曲:目黒忠義 / 編曲:米田直之)
- 穂高の夏(作詞・作曲:目黒忠義 / 編曲:米田直之)
- 銀座あそび(2012年11月20日、自主制作盤)
- 銀座あそび(作詞:藤公之介 / 作曲・編曲:ぺぺよしひろ)
- 有楽町ラプソディー(作詞:藤公之介 / 作曲:ぺぺよしひろ / 編曲:藤井理央)
- 銀座あそび(オリジナル・カラオケ)
- 有楽町ラプソディー(オリジナル・カラオケ)
「タブレット純」名義
- 東京・大阪しのび愛(2013年9月18日、TEICHIKU RECORDS) - 秋山涼子とのデュエット。秋山涼子&タブレット純名義
- 東京・大阪しのび愛 (作詞:島田和 / 作曲:松井義久 / 編曲:伊戸のりお)
- 三州しぐれ(作詞:松居宏 / 作曲:松井義久 / 編曲:薗 広昭)
- 東京・大阪しのび愛(オリジナル・カラオケ)
- 東京・大阪しのび愛(メロ入りカラオケ)
- 三州しぐれ(オリジナル・カラオケ)
- そんなサリゲナーシャ(2013年12月4日、SMEJ) - インターネット配信
- そんなサリゲナーシャ(作詞・作曲:タブレット純 / 編曲:田上陽一)
- そんなサリゲナーシャ(カラオケ)
- そんな事より気になるの(2015年9月16日、TEICHIKU RECORDS)
- そんな事より気になるの(作詞:タブレット純 / 作曲:タブレット純 / 編曲:樋口太陽、山本"ぶち"真勇)
- 浜松町ナイトクラブ(作詞:TERUMI&TOSHIAKI / 作曲:タブレット純 / 編曲:樋口太陽、山本"ぶち"真勇
- そんな事より気になるの(ネタ・バージョン)(作詞・作曲:タブレット純)
- そんな事より気になるの(オリジナル・カラオケ)
- 浜松町ナイトクラブ(オリジナル・カラオケ)
- 夜のペルシャ猫(2017年11月29日) - 179位
- 夜のペルシャ猫(作詩:高畠じゅん子 / 作曲:中川博之 / 編曲:前田俊明)
- あなたのためなのよ(作詩:高畠じゅん子 / 作曲:中川博之 / 編曲:前田俊明)
- 夜のペルシャ猫(オリジナル・カラオケ)
- 夜のペルシャ猫(1音半下げカラオケ)
- あなたのためなのよ(オリジナル・カラオケ)
- あなたのためなのよ(1音半下げカラオケ)
- 東京パラダイス(2020年2月19日) - 164位
- 東京パラダイス(作詞:高畠じゅん子 / 作曲:中川博之)
- サヨナラ大阪(作詞:中川博之 / 作曲:中川博之)
- 鎌倉哀愁クラブ(作詞:高畠じゅん子 / 作曲:田渕純)
- 東京パラダイス(オリジナル・カラオケ)
- サヨナラ大阪(オリジナル・カラオケ)
- 鎌倉哀愁クラブ(オリジナル・カラオケ)
- 百日紅(2022年5月11日)
- 百日紅(作詞:高畠じゅん子 / 作曲:中川博之 / 編曲:松井タツオ)
- 七色のブルース(作詞・作曲:中川博之 / 編曲:松井タツオ)
- 百日紅(オリジナル・カラオケ)
- 七色のブルース(オリジナル・カラオケ)
- ゆけ!超伝合体ゴッドヒコザ(2022年8月19日、有限会社リバートップ)
- ゆけ!超伝合体ゴッドヒコザ(作詞:河崎実 / 作曲:タブレット純 / 編曲:米内山尚人) - 映画「超伝合体ゴッドヒコザ」主題歌
- ゴッドヒコザ音頭(作詞:河崎実 / 作曲:タブレット純 / 編曲:米内山尚人) - 映画「超伝合体ゴッドヒコザ」挿入歌
- ゆけ!超伝合体ゴッドヒコザ(オリジナル・カラオケ)
- ゴッドヒコザ音頭(オリジナル・カラオケ)
- 銀河に抱かれて(2023年2月15日)
- 銀河に抱かれて(作詩:高畠じゅん子 / 作曲:タブレット純 / 編曲:飯島奏人) - NHK「ラジオ深夜便」にて2023年2月 - 3月「深夜便のうた」として取り上げられた
- おしぼりをまるめたら(作詩・作曲・編曲:タブレット純) - 阿佐ヶ谷姉妹提供曲のセルフカバー
- 銀河に抱かれて(オリジナル・カラオケ)
- おしぼりをまるめたら(オリジナル・カラオケ)
- 母よ(2024年6月4日)※配信限定
- 母よ(作詩・作曲:加藤登紀子 / 編曲:米内山尚人)