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2016年制作のアメリカの映画作品、『ゴーストバスターズ』シリーズ第1作目のリブート作品 ウィキペディアから
『ゴーストバスターズ』(Ghostbusters、Ghostbusters: Answer the Call)は、2016年のアメリカ合衆国の超常現象コメディー映画。1984年の映画『ゴーストバスターズ』のリブート作品である。
ゴーストバスターズ | |
---|---|
Ghostbusters | |
監督 | ポール・フェイグ |
脚本 |
ポール・フェイグ ケイティ・ディポルド |
原作 | 『ゴーストバスターズ』(1984年) |
製作 |
アイヴァン・ライトマン エイミー・パスカル |
製作総指揮 |
ポール・フェイグ ジェシー・ヘンダーソン ダン・エイクロイド トム・ポロック ジョー・メジャック アリ・ベル ミシェル・インペラート ベン・ウェイズブレン |
出演者 |
クリステン・ウィグ メリッサ・マッカーシー ケイト・マッキノン レスリー・ジョーンズ クリス・ヘムズワース セシリー・ストロング アンディ・ガルシア ニール・ケイシー |
音楽 | セオドア・シャピロ |
主題歌 |
フォール・アウト・ボーイfeat.ミッシー・エリオット[1] 「Ghostbusters (I'm Not Afraid)」 友近、渡辺直美、椿鬼奴、山崎静代(南海キャンディーズ)[2] 「Ghostbusters~Japan Original ver.~」 |
撮影 | ロバート・D・イェーマン |
編集 |
ブレント・ホワイト メリッサ・ブレザートン |
製作会社 |
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント Lスター・キャピタル ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ モンテチート・ピクチャー・カンパニー パスカル・ピクチャーズ フェイグコ・エンターテインメント |
配給 |
ソニー・ピクチャーズ・リリーシング ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
公開 |
2016年7月15日 2016年8月19日 |
上映時間 |
116分(劇場公開版)[3] 133分(エクステンデッド・エディション) |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $144,000,000[4] |
興行収入 |
$229,147,509[4] $128,350,574[4] 12.4億円[5] |
前作 | ゴーストバスターズ2 |
次作 | ゴーストバスターズ/アフターライフ |
元々は『ゴーストバスターズ2』に続くシリーズ第3作として、前作の出演者たちを再登場させ女性を含む新しい出演者に物語を継承させる脚本で予定されていたが、オリジナルメンバーであるイゴン・スペングラー博士役のハロルド・ライミスが死去したことなどにより、前2作で監督を務めたアイヴァン・ライトマンが降板。のちに監督として就任したポール・フェイグの提案により、リブート作品となった[6]。監督を降板したライトマンは本作では製作として参加、オリジナルメンバーのレイモンド・スタンツ博士役を演じたダン・エイクロイドは製作総指揮を務める他、タクシー運転手の役でカメオ出演している。その他のオリジナルメンバーも死去したハロルド・ライミスと既に俳優業を引退したリック・モラニスを除く全員がカメオ出演している。エンドクレジットではハロルド・ライミスに捧ぐという一文がある。
なお、断念された続編の概要についてはゴーストバスターズ2#続編の構想を参照のこと。
コロンビア大学で教鞭をとっていた素粒子物理学者のエリン・ギルバートは終身雇用の審査を目前に控えていた。しかし、以前共著した『過去からの幽霊』という本を手にした男性がオルドリッチ屋敷の幽霊騒ぎについて相談に来たことがきっかけで、エリンは本の共同執筆者であるアビー・イェーツと再会。アビーの共同研究者で原子力エンジニアのジリアン・ホルツマンを加えた3人で幽霊騒動の屋敷を訪れ、幽霊に遭遇。その動画を公開したことで超常現象の研究をしていたことが大学に発覚し、終身雇用どころか失職してしまう。アビーを頼ったエリンだったが、アビー達も同様に職を失ってしまう。
3人は幽霊研究というだけできわもの扱いされる現実に直面するが、幽霊の実在を証明した初めての科学者となるべく幽霊を捕獲し、管理下に置いて研究するために「超常現象究明研究所」を設立する。受付担当のケヴィン・ベックマン、地下鉄職員のパティ・トーランを仲間に加え、ニューヨークの街中で暴れ出した幽霊退治に乗り出す。
この節の加筆が望まれています。 |
※括弧内は日本語吹替[7]
2015年1月、監督のポール・フェイグは自身のTwitterで、クリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、レスリー・ジョーンズの4人を本作の主演キャストとすることを明かした。この時点では、4人の役はまだ明かされていなかった[12]。また、エマ・ストーンがキャストに加わることとなっていたが、のちに彼女は自ら出演を断ったとウォール・ストリート・ジャーナルで明かしている[13]。製作総指揮として参加するダン・エイクロイドは、本作での『ゴーストバスターズ』のリブートは「前2作を反映したものになる」としたうえで、「ゴーストバスターズになりたい新世代の女の子のための映画になる」と語っており[14]、フェイグは製作に関して、テレビドラマの『ウォーキング・デッド』を参考にしたと述べている[9]。
本作の撮影は全てニューヨーク州とマサチューセッツ州にて行われ、2015年6月16日にボストンで開始された[15][16]。
撮影場所にはボストン中華街[17]、ウェイマスの海軍航空基地[18]、ウォルサム[19]、トライベッカ[20]、コロンビア大学[20]が含まれている。撮影は2015年9月19日に終了した[21]。
2020年5月21日、ポール・フェイグ監督のTwitterで、3時間半に及ぶディレクターズ・カットの存在が明かされている[22]。
本作の主題歌はロックバンドのフォール・アウト・ボーイが手掛けており、1984年に公開されたオリジナル版の主題歌であるレイ・パーカーJr.の『Ghostbusters』を、ラッパーのミッシー・エリオットと共にカバーしている[1][23][24]。日本語吹き替え版でも『Ghostbusters』のカバー曲が主題歌として起用されているが、こちらは吹き替えを務めるお笑い芸人の友近と渡辺直美が、椿鬼奴と南海キャンディーズの山崎静代と共に歌った日本オリジナルのバージョンとなっている。4人は映画のプロモーションとしてYouTubeに公開された同曲のミュージックビデオにも出演しており、ダンスユニット・エグスプロージョンのメンバーであるまちゃあきがダンスの振り付けを担当している(なお、ミュージックビデオにはエグスプロージョンの2人も出演している)[2][25][26][27]。
『Ghostbusters: Original Motion Picture Soundtrack』 | |
---|---|
アーティスト の サウンドトラック | |
リリース | |
ジャンル | オルタナティブ・ロック、インディー・ロック、ダンス・ミュージック、ヒップホップ、ソウルミュージック |
時間 | |
レーベル | RCAレコード |
本作のサウンドトラック盤には主題歌を手掛けるフォール・アウト・ボーイに加え、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー、元ワン・ダイレクションのゼイン・マリク、ペンタトニックス、マーク・ロンソン、DMXらがそれぞれ楽曲を提供している[28][29]。CDは2016年7月15日にリリースされた[30]。
# | タイトル | アーティスト | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Ghostbusters」 | ウォーク・ザ・ムーン | |
2. | 「Saw It Coming」 | ジー・イージーfeat.ジェレマイ | |
3. | 「Good Girls」 | エル・キング | |
4. | 「Girls Talk Boys」 | ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー | |
5. | 「wHo」 | ゼイン・マリク | |
6. | 「Ghostbusters」 | ペンタトニックス | |
7. | 「Ghoster」 | ウルフ・アリス | |
8. | 「Ghostbusters (I'm Not Afraid)」 | フォール・アウト・ボーイfeat.ミッシー・エリオット | |
9. | 「Get Ghost」 | マーク・ロンソンfeat.パッション・ピット&エイサップ・ファーグ | |
10. | 「Party Up (Up in Here)」 | DMX | |
11. | 「Rhythm of the Night」 | デバージ | |
12. | 「American Woman」 | マディー・マグノリアズ | |
13. | 「Want Some More」 | ビースツ・オブ・メイヘム | |
14. | 「Ghostbusters」 | レイ・パーカーJr. | |
合計時間: |
本作の音楽はセオドア・シャピロが手掛けている。2016年7月8日にiTunesにてデジタルダウンロード版が配信され、7月15日にCDが発売された[31][32]。
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「The Aldridge Mansion」 | |
2. | 「The Garrett Attack」 | |
3. | 「Never Invited」 | |
4. | 「Distinct Human Form」 | |
5. | 「The Universe Shall Bend」 | |
6. | 「Subway Ghost Attack」 | |
7. | 「Ghost Girl」 | |
8. | 「Mannequins」 | |
9. | 「Ghost in a Box」 | |
10. | 「Dr. Heiss」 | |
11. | 「Ley Lines」 | |
12. | 「Pester the Living」 | |
13. | 「I Will Lead Them All」 | |
14. | 「The Power of Patty Compels You」 | |
15. | 「The Fourth Cataclysm」 | |
16. | 「Balloon Parade」 | |
17. | 「Battle of Times Square」 | |
18. | 「Entering the Mercado」 | |
19. | 「Behemoth」 | |
20. | 「Into the Portal」 | |
21. | 「NY Heart GB」 | |
合計時間: |
2016年3月3日に本作のファースト・トレイラーが公開され[33]、YouTubeとFacebookの公開初日の再生数は2400万回を超えた[34]。しかし、YouTubeに挙げられた動画には初日の午前中で12000件の高評価と13800件の低評価が付くという異例の事態になった。アメリカの広告業界の専門誌『アドウィーク』は「近年、最も賛否が割れた広告の一つである」と評した[35]。出来の悪さに失望したファンの中には、ファースト・トレイラーを再編集してネット上にアップロードする者が出ており、その予告編の方が出来がいいと評する声も多く上がった[36]。不評の多くはギャグセンスのなさに対する批判である[37]。
日本では2016年4月1日、ソニーがエイプリルフールの企画として、本作に登場する幽霊捕獲装置「プロトンパック」の開発に成功したという内容のニュースリリースを模したページを公開した。このページでは、プロトンパックはソニーのエンジニアと本作の登場人物ジリアン・ホルツマンとによって共同開発され、ソニーの製品であるサイバーショットやXperiaに搭載されているのと同じ機能が搭載されているという設定だった。また、プロトンパックのプロモーション映像が配信された他、ページ上部にあるソニー(SONY)のロゴのOにマウスオーバーすると、ゴーストバスターズのトレードマークである「ノーゴーストマーク」(斜線入りの赤い丸の中に幽霊が入っている図案のマーク)に変わるという仕掛けが施されていた[38]。
アメリカとカナダでは、7月15日に3,963の映画館で公開され、前日の試写会での売上額(340万ドル)も含めた総計1720万ドルの収入を獲得した[39][40]。公開初週は4600万ドルの収入を記録し、アニメーション映画『ペット』(5080万ドル)に次ぐ成績である[41]。
北米地域以外では3,900の映画館で上映され、初週の興行収入は1910万ドルとなった[42]。最も興行収入が多かった国はイギリスとアイルランド(6100万ドル)で、その次に多かったのはオーストラリア(3700万ドル)とブラジル(2200万ドル)であった[42]。
2016年8月24日時点で、本作は北米地域で1億2400万ドル、北米以外の国と地域で8390万ドル、合計2億790万ドルの興行収入を記録した[4]。しかしソニー側は製作費1億4400万ドルに加え多額の費用を宣伝に費やしたため、採算をとるためには少なくとも3億ドルの収益が必要になると述べ[43]、監督のフェイグも公開前に「少なくとも世界中で5億ドルは売り上げなければならないが、それでもまだ足りない方だろう」と述べた[44]。ハリウッド・リポーター誌によると、本作の財務上の損失額は7000万ドル以上になると推定されている[43][45][46]。ヴァラエティ誌でも、本作でソニーが抱える総損失額は7500万ドルになると推定しており、そのうち約5000万ドルはヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズとの共同出資によるものとした。ソニーの関係者はこの共同出資に伴う総損失額はおよそ2500万ドルになると見積もっている[47]。
映画批評集積サイトRotten Tomatoesは同サイトに寄せられた244件のレビューを基に満足度73%、平均点6.5/10という評価を下した[48]。同サイトでは批評家の総意として「自由奔放で、素晴らしいキャストを揃えた超常現象コメディーとして、見事に仕上がっている。たとえ、オリジナル版と比べ多少見劣りがするとしてもだ」と述べている。Metacriticでも52件のレビューを基に、加重平均値60/100という評価を下した[49]。
フェミニストのジャネッサ・E・ロビンソンは「『ゴーストバスターズ』では3人の有能な女性科学者がたった一人の黒人女性とともに活動している。レスリー・ジョーンズが演じるパティは3人に比べると知性的ではない労働者だ。」「あの映画はラテン系、アジア系、先住民族の女性の存在を無視している。」「先例に倣って、黒人枠として一人だけ黒人女性が登場している」と批判した[50]。アキラ・ヒューズは「(『ゴーストバスターズ』の予告編の描写は)私たちが今までに乗り越えておかねばならなかったはずのミンストレル・ショーを作り出している。」と批判した[51]。
レスリー・ジョーンズはネット上での批判に対し、「パティ・トーランは熱心に働く女性であって、"一般人"を表象するキャラクターです。」「なぜ普通の人間がゴーストバスターズになってはいけないのでしょうか。」と反論している[51][52]。
2021年、『ゴーストバスターズ』シリーズのアルティメットコレクションから、2016年の本作だけが含まれていないことが発覚し、問題視された[53]。監督のポール・フェイグも「うん…。ソニー・ピクチャーズ、これはなんらかの間違いであると分かってる」と失望を表すコメントをSNSに投稿している[53]。なお、本作だけが含まれないことについては「差別などではなく映画が駄作だったから」「フェイグ監督版は『リブート』ではなく、全く別の作品だったから」とする声もあるほか、カメオ出演していたアーニー・ハドソンも、本作について「個人的には好きな作品である。しかし、“リブート”という形を取ったことは正しい判断ではなかった」「僕に言わせればリブートとは、映画のやり直しをしようとしていることを意味している。一度やったことの別バージョンということだ。そう考えると、(今作は)間違いだったと思う」「あれは、(『ゴーストバスターズ』の)続編でも拡大版でもなかった。なんとなく、別のユニバースに属していた。わかるかな?僕らと似ているけど、僕らではない僕らだった」と賛否を交えた発言をしている[54][55]。
合計24部門にノミネートされ、うち5部門で受賞した[56]。
年 | 賞 | 部門 | 候補 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2016年 | ||||
ティーン・チョイス・アワード[57] | サマームービー | ゴーストバスターズ | ノミネート | |
サマームービー:女優賞 | メリッサ・マッカーシー | ノミネート | ||
クリステン・ウィグ | ノミネート | |||
サマームービー:男優賞 | クリス・ヘムズワース | ノミネート | ||
キッズ・チョイス・アワード | フェイバリット映画賞 | ゴーストバスターズ | 受賞 | |
フェイバリット映画男優賞 | クリス・ヘムズワース | 受賞 | ||
フェイバリット映画女優賞 | メリッサ・マッカーシー | 受賞 | ||
Women Film Critics Circle Awards | コメディ女優賞 | ケイト・マッキノン | 受賞 | |
女性アクションヒーロー賞 | クリステン・ウィグ メリッサ・マッカーシー ケイト・マッキノン レスリー・ジョーンズ |
受賞 | ||
ピープルズ・チョイス・アワード | フェイバリットコメディ映画賞 | ゴーストバスターズ | ノミネート | |
2016年7月17日、ソニー・ピクチャーズの世界配給部門代表であるローリー・ブルーアはエンターテインメント情報サイトTheWrapにて、続編の製作について「正式には何も発表されていないが、私の中では疑う余地はない」と可能性を示唆するコメントを述べた。ブルーアはこの他にも、ゴーストバスターズが重要なフランチャイズとなることを希望する旨を、同サイトにて表明している[59][60]。
また、続編とは別に、ゴーストバスターズのテレビアニメシリーズおよびアニメ映画版の製作がそれぞれ企画されている。両作品にはオリジナル版の監督であるアイヴァン・ライトマンがプロデューサーとして携わり、ソニー・ピクチャーズ・アニメーションが製作に参加することとなっている。なお、テレビアニメシリーズは『Ghostbusters: Ecto Force』のタイトルで2018年に放送、アニメ映画版は2019年に公開が予定されていた[43][60][61][62][63]。
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