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近鉄6400系電車(きんてつ6400けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道(近鉄)が保有する同社南大阪線用の一般車両(通勤形電車)である。
本稿では6620系電車についても紹介する。なお、解説の便宜上、吉野側先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として記述(例:モ6401以下2両編成=6401F、モ6621以下4両編成=6621F)する。
1984年に登場した1420系は近鉄では初採用のGTOサイリスタ素子を搭載したVVVFインバータ制御の試作形式として投入され、大阪線にて長期的な試験運用が行われたが、この結果を基に狭軌線(南大阪線系統)用の量産型として登場したのが6400系であり、その4両編成仕様である6620系に続いている[4]。
両形式共に1400系・8810系で確立された車体デザインを概ね踏襲し、車体構造では同時期に登場した3200系と同様の最大車体幅2,800mmの大型車体を採用し[4]、1420系や6600系以前の従来車の鋼製から裾を絞ったアルミニウム合金車体に仕様変更されている[1]。安定した大型アルミ押出材の供給と構体の組立工数の削減が可能になったためであり、特急車と大阪線・名古屋線用急行車の5200系、東大阪線(現・けいはんな線)7000系を除き、その後の車両にもこのアルミ車体は採用され、近鉄VVVF制御車両の標準仕様となっている。
車内インテリア面では内装材は1420系と同様にサンドウェーブ柄の化粧板に、マルーン調の床材を引き続き採用しているが、ロングシートの仕様は本形式の前年に製造された3200系と同様のひじ掛けが化粧板仕上げとなった新しいものに変更されており、以上の車内デザインは2000年に登場するシリーズ21まで近鉄一般車両の標準仕様となった。
6400系電車 | |
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高見ノ里駅に停車中の6400系電車(6404F) | |
基本情報 | |
製造年 | 1986年 - 1996年 |
製造数 | 33編成66両 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
編成定員 |
6400系、6407系:272名 6413系、6419系、6422系、6432系:298名 |
車体高 |
4,050 mm (6412Fまで) 4,025 mm (6413F以降) |
台車 |
Mc車:KD-94/KD-98/KD-98B/KD-305[1] Tc車:KD-94A/KD-98A/KD-98C/KD-305A[1] |
編成出力 | 620 kW |
制御装置 |
日立製作所製[1][3] 6400系:VF-HR-108 6407系、6413系、6419系:VF-HR-114 その他:VF-HR-114A |
備考 |
電算記号:Mi 6432系はワンマン運転対応 |
1986年3月に登場[5][3]。登場から30年が経ち、非冷房車であり老朽化が目立っていた6800系の置換え用として製造された。電算記号はMiで[6]、Mc-Tcで2両編成を組成する[1][4][5]。1422系、1220系の狭軌仕様だが[1]、登場は両形式より約1年早い[5]。
日立製作所製のGTO素子によるVVVFインバータ装置を装備[1][4][5]。主電動機はかご形三相誘導電動機で1台あたりの出力は155kW[1][2]。歯車比は6.31とした。制御路マイコンは16ビットのものを採用し、制動装置はT車優先遅れ込め付きのHSC-R形を採用している。MGはHG-77463形を[3]、CPはHS-10形をそれぞれTc車に設置している[3]。裾を絞った幅2,800mmのアルミニウム合金製の車体を持つ[1][4][5][3]。台車はKD-94形(Mc)、KD-94A形(Tc)を装備[1][3]。車輪径は動輪・付随輪とも860mmとなった。(従来は狭軌用の付随輪のみ860mm、狭軌用の動輪と標準軌用の動輪・付随輪はいずれも910mmであった。)
6400系の他、標準軌用のGTO-VVVFインバータ車と同じ仕様変更の歩みを続けている派生系列を以下に挙げる。
標準軌線用GTO-VVVFインバータ車両と同様に、以下の改造が順次施工されている。
1999年から2001年にかけて6422F - 6429Fにワンマン運転対応工事が行われ6432系に編入された。その後2022年4月実施のワンマン運転区間拡大により6419系全編成に対してもワンマン運転対応工事を実施した[7]。改造された編成はワンマン運転設備を取り付けした関係上、車内乗務員室側の窓が小型化されている。
2022年から制御装置の更新が開始された。更新最初の車両は6422系6430FのC#6430であった[10]。けいはんな線および特急車以外でのVVVF車の制御装置更新は同系列が初めてである。
A更新工事
2023年から内装リニューアルと方向幕のフルカラーと先頭車に落下防止装置が取り付けられた。2024年4月現在6403F~6406Fが完了している。
また、1986年3月に落成した6401F、6402FがA更新は未施行だが、登場から38年が経過しておりA更新されるかどうか不明である。
2024年4月1日現在、33編成66両が古市検車区に配置されている[11]。
← 大阪阿部野橋
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6400系 Mi01 - Mi06 |
ク6500 | モ6400 |
6501 - 6506 | 6401 - 6406 | |
6407系 Mi07 - Mi12 |
ク6507 | モ6407 |
6507 - 6512 | 6407 - 6412 | |
6413系 Mi13 - Mi18 |
ク6513 | モ6413 |
6513 - 6518 | 6413 - 6418 | |
6419系 Mi19 - Mi21 |
ク6519 | モ6419 |
6519 - 6521 | 6419 - 6421 | |
6422系 Mi30・Mi31 |
ク6522 | モ6422 |
6530・6531 | 6430・6431 | |
6432系 Mi22 - Mi29・Mi32・Mi33 |
ク6532 | モ6432 |
6522 - 6529・6532・6533 | 6422 - 6429・6432・6433 |
1993年に登場した6400系(6422系)の4両編成仕様である[13][12][5][3]。電算記号はMT[14]。登場後30年以上経過した6000系の置換え用として[5]、1997年までに合計7編成が製造された[13][12][5]。
1020系の場合、編成中の母線の引き通しでMc、M車とも集電装置は1基装備だが、本系列では最初の2編成はMc車、M車ともパンタグラフを2基搭載し、母線の引き通しを行わなかった。6623F以降、1620系、1020系と同様に母線の引き通しが行われ、各車パンタグラフ1基搭載になった[3]。後年、最初の2編成も母線引き通しが行われたため、現在は全編成のMc車、M車がパンタグラフ1基である。
標準軌線用GTO-VVVFインバータ車と同様に、以下の改造が順次施工されている。
2019年4月現在、7編成28両が古市検車区に配置されている[11]。
← 大阪阿部野橋
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6620系 MT21 - MT27 |
ク6720 | モ6670 | サ6770 | モ6620 |
6721 - 6727 | 6671 - 6677 | 6771 - 6777 | 6621 - 6627 |
この節の加筆が望まれています。 |
6400系は2両編成という汎用性の高さを活かして、南大阪線・吉野線・長野線・御所線・道明寺線の全区間で使用される。特に、2両のワンマン運転は現状6400系専用となっている。ツーマン運転の場合は本系列同士または他系列と連結のうえ4両編成から8両編成まで、普通から急行そして行楽期には臨時快速急行まで幅広く使用される。
6620系はワンマン運転の道明寺線と5両編成以外で、単独の4両編成、本系列同士または他系列との連結で6両編成から8両編成まで、普通から急行、行楽期の臨時快速急行まで幅広く使用される。
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