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1220系電車(1220けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道(近鉄)が保有する一般車両(通勤形電車)である。本稿では、1230系および1020系およびその派生系列についても記述する。
共通事項 | |
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基本情報 | |
運用者 | 近畿日本鉄道 |
製造所 | 近畿車輛 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 直流1,500V |
最高運転速度 |
大阪線・名古屋線系統:110 km/h 奈良線・京都線系統:105 km/h 阪神電車:106km/h |
全長 | 20,720 mm [1] |
全幅 | 2,800 mm [1] |
全高 | 4,150 mm [1] |
車体 | アルミニウム合金 |
主電動機 | 三菱電機製かご形三相誘導電動機 |
主電動機出力 | 165 kW [1] |
駆動方式 | WNドライブ |
編成出力 |
2両編成:660kW 4両編成:1,320kW 6両編成:1,980kW |
制御方式 | GTO-VVVFインバータ制御 |
制御装置 | 日立製作所製 |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (抑速・発電制動付き) |
保安装置 | 近鉄型ATS |
1984年に登場した1420系は近鉄では初採用のGTOサイリスタ素子を搭載したVVVFインバータ制御の試作形式として投入され、大阪線にて長期的な試験運用が行われたが、この結果を基に標準軌線用の量産型として登場したのが1220系であり、その標準軌線共通仕様の1230系・1020系に続いている[2][3]。
いずれの形式も1400系・8810系で確立された車体デザインを概ね踏襲し、車体構造では同時に登場した1422系と同様に、最大車体幅2,800mmの大型車体を採用して[3][4]、1420系以前の従来車の鋼製から裾を絞ったアルミニウム合金車体に仕様変更されている[4]。安定した大型アルミ押出材の供給が可能となり、構体の組立工数の削減が可能になったためであり、特急車と急行車の5200系を除き、その後の車両にもこのアルミ車体は採用され、近鉄のVVVFインバータ制御車の標準仕様となっている[4]。
車内インテリア面では内装材は1420系と同様にサンドウェーブ柄の化粧板に、マルーン調の床材を引き続き採用しているが、ロングシートの仕様は本形式の前年に製造された3200系や6400系と同様のひじ掛けが化粧板仕上げとなった新しいものに変更されており、これらの車内デザインは2000年に登場するシリーズ21まで近鉄一般車の標準仕様となった。
1987年3月に登場した2両編成のVVVFインバータ制御車[1][3][4]。最大車体幅は2,800mmで[3]、裾を絞ったアルミニウム合金車体を採用[4]。制御装置のメーカーを除く仕様は1422系と同一である[1][4]。3編成が製造されたが[3]、増備車は後述する標準軌全線共通仕様の1230系に移行した[1]。電算記号はVC[5]。
2019年4月現在、全車が大阪線高安検車区に所属する[6]。なお、1998年時点では名古屋線の所属であり[7]、名古屋線や山田線を中心に運用されていた。
本系列では日立製作所製のGTO素子によるVVVFインバータ装置を搭載する[1][3][4]。主電動機は三菱電機製のMB-5023-A型で[1]、モーター出力165kW[1]。歯車比は6.31(16:101)に設定されている。
台車は両抱き踏面ブレーキ式シュリーレン台車である近畿車輛製KD-95系を装着する[1]。性能面では、起動加速度2.6km/h/s、減速度4.0km/h/s、最高速度110km/hを確保している。
近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車と同様に、以下の改造が施工されている。
また、2023年8月頃からは以下の改造も順次施工されている。
近鉄1230系電車 | |
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近鉄1233系電車(1239F) (2006年7月30日 河内花園駅) | |
基本情報 | |
製造年 | 1989年 - 1998年 |
製造数 | 46編成92両+車籍編入車1編成2両 |
投入先 |
(近畿日本鉄道)難波線・大阪線・奈良線・京都線・橿原線・天理線・山田線・鳥羽線・志摩線・名古屋線 (阪神電気鉄道)本線・阪神なんば線 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
車両定員 | 149名 |
自重 | 38.0 t (Mc車) ・31.0 t (Tc車) |
編成重量 | 69.0 t |
車体高 |
1231F・1232F:4,050mm 1233F〜1276F:4,030 mm 1277F:4,032mm |
台車 |
Mc車:KD-96/KD-96B/KD-306B/KD-306H [2] Tc車:KD-96A/KD-96C/KD-306A/KD-306I [2] |
主電動機 |
MB-5035-A(1231F - 1270F・1277F)[2] MB-5035-B(1257F・1271F - 1276F)[2] |
歯車比 | 5.73 |
制御装置 | VF-HR-123 [2] |
保安装置 |
近鉄型ATS 阪神型ATS(1271F以降) |
備考 |
電算記号:VC(大阪・名古屋線) VE(奈良・京都線) |
1989年7月に登場した、標準軌全線共通仕様のVVVFインバータ、アルミ車体の2両編成の車両である[2][7][4]。1220系をベースに、大阪・名古屋線と奈良・京都線の間の車両転配を円滑に行えるように車体設計・機器類の配置を可能な限り共通化した標準軌全線共通仕様に設計変更されている[4][7]。
電算記号は奈良線・京都線所属車ではVE[8]、大阪線・名古屋線所属車ではVCとされた[5]。新造されたのは1276Fまでで、1277Fは後述するように1026系1030Fが編成替えに伴い、先頭車のみが改造・改番の上編入されたものである[4]。
1230系列では台車は、21000系にならってホイールベース(台車軸距)を、従来車の 2150 mm から 2100 mm に変更した新設計の空気バネ台車KD-96形、後期型ではボルスタレス台車のKD-306形を採用している[2]。主電動機は中期型まではMB-5035-A型[2]、後期型ではMB-5035-B型を[2]、歯車比を1220系の6.31から5.73に変更し、以上の機器構成はシリーズ21登場前まで標準軌VVVF一般車両に採用されている。
1231F、1232Fの2編成は1220系、1224F、1225Fとして製作されている途中での仕様変更に対し[4]、1233F以降は仮称1230系として設計当時からの仕様変更のため、純粋な派生系列ではあるが、1233F以降の車両を1233系と呼ぶことが多い[2][4]。これに関連して、1224F、1225F製作時の当初の計画では、奈良線に投入する最初の新造車5編成の車両形式を仮称1230系 1231F - 1235Fと予定していたが、1220系、1230系関連の計画変更で1233系 1233F - 1237Fとなっている[* 1]。
1230系、1233系以外にも1240系、1249系、1252系、1253系、1254系、1259系と細かく分類されることがあり、1255F以降の車両は1252系および1253系として製造されており、新造当時でも1252F - 1277Fは結果的に3形式が入り乱れていた[4]。
以下は後年の改造で生じた形式である。
近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車と同様に、以下の改造が順次施工されている。
名古屋線所属の1230系列のうち、2019年4月現在で1231F・1232F・1240F・1259F・1265F - 1269Fの9編成に運賃車内収受式ワンマン運転対応工事が施工されている[19][20]。改造内容は乗務員室運転士側窓ガラスの茶色化と車外スピーカー取り付け、運賃表示器と運賃箱の設置、車内通報装置の移設である。初期に改造された1231F・1232F・1240Fでは乗務員室仕切り窓の小型化が行われた。2000系や1201系1201F - 1204Fとは異なり、車外スピーカーはクーラーキセに設置されている。
1233系1240Fと1253系1259F・1265F - 1269Fはワンマン改造によりそれぞれ1240系・1259系に系列変更しているが[4][19][20]、1231Fや1232Fは元々2編成しか在籍しないため系列名変更は行われていない。1231F・1232Fは2000年11月に、1240Fは2001年4月に[4]、1259Fは2003年に[4]、1265F - 1269Fは2007年 - 2008年3月にかけて改造されている[4][19][20]。ワンマン表示は方向幕による「ワンマン普通○○」の表示と電光式ワンマン表示器が混在している。
奈良線所属の1252系のうち、2019年4月現在で1271F - 1277Fの7本が阪神線相互直通対応となっている。改造内容は5800系に準拠している。また、2008年8月に1253系1273F・1275Fが阪神尼崎車庫に陸送され試運転と乗務訓練が行われた[21]。相互直通対応編成は蝶々に類似したマークを前面運転台下窓と側面乗務員室扉横に貼り付けられている。2009年3月の乗り入れ開始時点では1271F - 1276Fのみ阪神線直通改造がされていたが、2012年3月のダイヤ変更で阪神線相互直通列車が増発されたことに伴って1277Fも追加で改造された[12]。これら改造済み編成の系列名変更は行われていない。
1252系1277Fは、1026系1030Fと1026Fの編成組み換えにより発生した先頭車2両を改造、改番して編入された編成であり、当初から1252系として製造されていない。[4]また、1252系の車体高が4,030mmに対し、本編成は1026系が種車のため、4,032mmとなっており、わずかに1277Fの方が車体高が高い。
2024年4月現在の配置検車区は以下の通り[6]。
1998年4月時点では高安検車区に1253F・1254Fが[22]、明星検車区に1231F・1232F・1240F・1242F・1243F・1247F・1248F・1255F - 1257F・1259F - 1261F・1265F - 1269F[23]、西大寺検車区に1233F - 1239F・1241F・1244F - 1246F・1249F - 1252F・1258F・1262F - 1264F・1270F - 1277Fが配置されていた[24]。
2012年3月に1247F・1248Fが[12]、2014年9月に1260Fが富吉検車区に転属している[13]。
大阪線所属の1257Fは、2009年2月27日に大阪線東青山駅構内で発生した脱線衝突事故の影響で、車体や走行機器などが損傷した。特に電柱に激突したモ1257形の車体や台車、VVVFインバータ装置などが大きく破損[25]したため、修繕のために五位堂検修車庫にて長期休車になっていたが、2010年10月20日に営業運転に復帰している。
系列 | 編成名 | 電算名 | ク1320 (Tc) | モ1220 (Mc) | |
1220系 | 1221F - 1223F | VC21 - VC23 | 1321 - 1323 | 1221 - 1223 | |
1230系 | 1231F - 1232F | VC31 - VC32 | 1331 - 1332 | 1231 - 1232 | |
1233系 | 1242F・1243F 1247F・1248F |
VC42・VC43 VC47・VC48 |
1342・1343 1347・1348 |
1242・1243 1247・1248 | |
1240系 | 1240F | VC40 | 1340 | 1240 | |
1253系 | 1253F・1255F - 1257F 1260F・1261F |
VC53・VC55 - VC57 VC60・VC61 |
1353・1355 - 1357 1360・1361 |
1253・1255 - 1257 1260・1261 | |
1254系 | 1254F | VC54 | 1354 | 1254 | |
1259系 | 1259F・1265F - 1269F | VC59・VC65 - VC69 | 1359・1365 - 1369 | 1259・1265 - 1269 |
系列 | 編成名 | 電算名 | モ1230 (Mc) | ク1230 (Tc) | |
1233系 | 1233F - 1239F ・1241F 1244F - 1246F |
VE33 - VE39 ・VE41 VE44 - VE46 |
1233 - 1239 ・1241 1244 - 1246 |
1333 - 1339 ・1341 1344 - 1346 | |
1249系 | 1249F - 1251F | VE49 - VE51 | 1249 - 1251 | 1349 - 1351 | |
1252系 | 1252F・1258F 1262F - 1264F 1270F - 1277F |
VE52・VE58 VE62 - VE64 VE70 - VE77 |
1252・1258 1262 - 1264 1270 - 1277 |
1352・1358 1362 - 1364 1370 - 1377 |
近鉄1020系電車 | |
---|---|
基本情報 | |
製造年 | 1991年 - 1998年 |
製造数 | 66両 |
投入先 |
(近畿日本鉄道)難波線・大阪線 (大阪上本町駅 - 布施駅間) ・奈良線・京都線・橿原線・天理線・生駒線 (阪神電気鉄道)本線・阪神なんば線 |
主要諸元 | |
編成 | 4両・6両編成 |
車体高 | 4,032 mm |
台車 |
Mc車・M車:KD-96B/KD-306[32] Tc車・T車:KD-96C・KD-306A[32] |
主電動機 |
MB-5035-A[32](1027Fまで) MB-5035-B(1028F以降) |
歯車比 | 5.73 |
制御装置 | VF-HR-123 |
保安装置 |
近鉄型ATS 阪神型ATS(6両編成のみ) |
備考 |
電算記号:VL(4両) VH(6両) |
1991年11月に登場した、日立製GTO素子インバータ装置を採用する1230系列の4・6両編成仕様である[32][7][4]。電算記号は4両編成ではVL[33]、6両編成ではVHである[33]。1035Fで生産を終了したが、後年1030Fが欠番となっている(後述)。
1020系においても1026F以降の編成を1026系(1993年9月登場[11][4])と分類されている[32]。4両編成の一部は後述のワンマン運転対応改造によって1021系・1031系が登場している(この改造により1020系は形式名としては消滅[4])。
1996年8月以降の増備車では乗務員室仕切り窓が小型化された。1998年の増備車では当初から連結側に転落防止幌を装備し、乗降扉上部の雨樋設置・床面のノンスリップ加工が施されている。
基本設計は1230系1233F以降の車両に準拠するが、モ1096形のパンタは2基搭載されているのに対し[24]、モ1020形、モ1026形、モ1070形、モ1076形のパンタは1基として編成内に母線を引き通した[24][4]。これは集電装置間隔を30メートルに抑えるためであるが、それぞれもう1基追加出来る設計となっている。
1026F以降の車両の変更点は、台車を空気ばね台車から、ボルスタレス台車に変更し、Tc・T車はディスクブレーキ(1軸1ディスク)を装備[32]。補助電源装置もSIVを東芝製GTO素子のBS-484Q形 (70kVA) とし、編成内での補助電源引き通しを行うことにより故障の際のバックアップ機能を持たせてある点である[32][4]。また、サ1196形とモ1096形の間には簡易運転台が設けられている[24][4]。
2002年、1030Fの中間車サ1180・モ1080をそれぞれサ1196、モ1096に改番して1026Fに組み込まれた[4]。この2両には他のサ1196形とモ1096形と異なり簡易運転台は付けられていない[4]。
残りの先頭の2両モ1030・ク1130はモ1277・ク1377に改番され、2両編成の1277Fとして1252系に編入された[4]。
系列 | 編成名 | 電算記号 | モ1026 (Mc) | サ1176 (T) | モ1076 (M) | サ1196 (T) | モ1096 (M) | ク1126 (Tc) |
1026系 | 1026F 1030F - 1035F |
VL26 VL30 - VL35 |
1026 1030 - 1035 |
1176 1180 - 1185 |
1076 1080 - 1085 |
1126 1130 - 1135 | ||
1027F - 1029F | VH27 - VH29 | 1027 - 1029 | 1177 - 1179 | 1077 - 1079 | 1197 - 1199 | 1097 - 1099 | 1127 - 1129 |
系列 | 編成名 | 電算記号 | モ1026 (Mc) | サ1176 (T) | モ1076 (M) | サ1196 (T) | モ1096 (M) | ク1126 (Tc) |
1026系 | 1026F - 1029F 1035F |
VH26 - VH29 VL35 |
1026 - 1029 | 1176 - 1179 | 1076 - 1079 | 1196 - 1199 | 1096 - 1099 | 1126 - 1129 |
1035 | 1185 | 1085 | 1135 | |||||
1031系 | 1031F - 1034F | VL31 - VL34 | モ1031 (Mc) | サ1181 (T) | モ1081 (M) | ク1131 (Tc) | ||
1031 - 1034 | 1181 - 1184 | 1081 - 1084 | 1131 - 1134 |
2019年4月現在、在籍する全編成 (4両編成10本40両と6両編成4本24両) が西大寺検車区に配置されている[6]。
近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車と同様に、以下の改造が順次施工されている。
1998年から1999年にかけて、1033Fにシングルアームパンタグラフを搭載した走行試験が行なわれたが[4]、現在は元の下枠交差形のパンタグラフに戻っている。その後、「シリーズ21」各系列や21020系以降の特急車両で採用された[4]。2019年、次は1032Fに2024年、次は1238Fにシングルアームパンタグラフが搭載された。
生駒線ワンマン運転対応改造
2004年3月の生駒線ワンマン運転化に伴い、4両編成車は当時西大寺検車区所属であった1035Fを除き、ワンマン運転に対応した改造を施して1020系からの改造車は1021系に[4]、1026系からの改造車は1031系に改番された[4]。改造内容はクーラーキセに車外スピーカーの取り付けと、1021F - 1025Fでは乗務員室仕切り窓の小型化が行われた。
阪神線相互直通対応改造
2019年4月現在、1026系6両編成全編成が阪神線相互直通対応となっており、改造内容は5800系に準拠している。2009年3月の相互直通運転開始時点では1027F - 1029Fのみであったが[4]、2012年3月のダイヤ変更で阪神線相互直通列車が増発されたことに伴って1026Fが追加で改造された[12]。これら改造済み編成の系列名変更は行われていない。
A更新
2023年度より、この系列に対してもA更新が行われるようになった。2024年度には1233系1237Fと1026系1035Fが既存の車両としては初めてA更新時に半自動ドアスイッチと車両側面両端部の小型防犯カメラを設置した。
その他
2018年10月に1034Fが五位堂検修車庫に入場。その際、前照灯が試験的に発光ダイオード(LED)の物に交換され出場した。これは後に8810系8814、8816Fにも採用された。
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