近鉄1220系電車

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近鉄1220系電車

1220系電車(1220けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道(近鉄)が1987年に導入した一般車両(通勤形電車)である。近鉄で初めてVVVFインバータ制御を量産採用した形式の1つで、日立製作所製の制御装置を搭載した2両編成として大阪線に投入された。

概要 基本情報, 運用者 ...
近鉄1220系電車
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近鉄1220系電車(1221F)
(2006年6月11日 大阪上本町駅)
基本情報
運用者 近畿日本鉄道
製造所 近畿車輛
製造年 1987年
製造数 3編成6両
投入先 大阪線山田線鳥羽線名古屋線
主要諸元
編成 2両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
編成定員 272名
車両定員 136名
自重 38.0 t (Mc車) ・31.0 t (Tc車)
編成重量 69.0 t
全長 20,720 mm [1]
全幅 2,800 mm [1]
全高 4,150 mm [1]
車体高 4,050 mm [1]
車体 アルミニウム合金
台車 Mc車:KD-95 [1]
Tc車:KD-95A [1]
主電動機 三菱電機かご形三相誘導電動機 MB-5023-A [1]
主電動機出力 165 kW [1]
駆動方式 WNドライブ
歯車比 6.31
編成出力 660kW
制御方式 GTO-VVVFインバータ制御
制御装置 VC21:日立製作所製 VF-HR-111
その他:日立製作所製 VF-HR-115
制動装置 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (抑速・発電制動付き)
保安装置 近鉄型ATS
備考 電算記号:VC
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本稿では同じく制御装置が日立製で標準軌線共通仕様の1230系、4両・6両編成仕様の1020系およびそれらの派生系列についても記述する。

概要

1984年に登場した1420系は近鉄では初採用のGTOサイリスタ素子を搭載したVVVFインバータ制御の試作形式として投入され、大阪線にて長期的な試験運用が行われたが、この結果を基に標準軌線用の量産型として1987年3月に登場した2両編成のVVVFインバータ制御車が1220系である[1][2][3]。制御装置は日立製作所製で、その標準軌線共通仕様の1230系1020系に続いている[4][2]

最大車体幅は2,800mmで[2]、裾を絞ったアルミニウム合金車体を採用[3]制御装置のメーカーを除く仕様は1422系と同一である[1][3]。3編成が製造されたが[2]、増備車は後述する標準軌全線共通仕様の1230系に移行した[1]。電算記号はVC[5]

構造

車体

1400系8810系で確立された車体デザインを概ね踏襲し、車体構造では同時に登場した1422系と同様に、最大車体幅2,800mmの大型車体を採用して[2][3]、1420系以前の従来車の鋼製から裾を絞ったアルミニウム合金車体に仕様変更されている[3]。安定した大型アルミ押出材の供給が可能となり、構体の組立工数の削減が可能になったためであり、特急車と急行車の5200系を除き、その後の車両にもこのアルミ車体は採用され、近鉄のVVVFインバータ制御車の標準仕様となっている[3]

車内インテリア面では内装材は1420系と同様にサンドウェーブ柄の化粧板に、マルーン調の床材を引き続き採用しているが、ロングシートの仕様は本形式の前年に製造された3200系6400系と同様のひじ掛けが化粧板仕上げとなった新しいものに変更されており、これらの車内デザインは2000年に登場するシリーズ21まで近鉄一般車の標準仕様となった。

主要機器・性能

本系列では日立製作所製のGTO素子によるVVVFインバータ装置を搭載する[1][2][3]主電動機三菱電機製のMB-5023-A型で[1]モーター出力165kW[1]歯車比は6.31(16:101)に設定されている。

台車は両抱き踏面ブレーキ式シュリーレン台車である近畿車輛製KD-95系を装着する[1]。性能面では、起動加速度2.6km/h/s、減速度4.0km/h/s、最高速度110km/hを確保している。

改造

近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車と同様に、以下の改造が施工されている。

  • 車体連結部の転落防止幌設置
  • ク1320形運転室側の車椅子スペースおよび手すり整備
  • 簡易内装更新
    • 車内床材および座席モケット交換
  • 車体側面のVVVFマーク撤去

また、2023年8月頃からは以下の改造も順次施工されている。

  • 前面の転落防止幌設置
  • 内装更新
  • 防犯カメラ設置
  • 行先表示のLED化

運用

2019年4月現在、全車が大阪線高安検車区に所属する[6]。なお、1998年時点では名古屋線の所属であり[7]、名古屋線や山田線を中心に運用されていた。

1230系

要約
視点
概要 近鉄1230系電車, 基本情報 ...
近鉄1230系電車
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近鉄1233系電車(1252F)
(2024年10月13日 鶴橋駅
基本情報
製造年 1989年 - 1998年
製造数 46編成92両+車籍編入車1編成2両
投入先近畿日本鉄道難波線大阪線奈良線京都線橿原線天理線山田線鳥羽線志摩線名古屋線
(阪神電気鉄道)本線阪神なんば線
主要諸元
編成 2両編成
最高運転速度 大阪線・名古屋線系統:110 km/h
奈良線・京都線系統:105 km/h
阪神電車:106km/h
車両定員 149名
自重 38.0 t (Mc車) ・31.0 t (Tc車)
編成重量 69.0 t
車体高 1231F・1232F:4,050mm
1233F〜1276F:4,030 mm
1277F:4,032mm
台車 Mc車:KD-96/KD-96B/KD-306B/KD-306H [4]
Tc車:KD-96A/KD-96C/KD-306A/KD-306I [4]
主電動機 MB-5035-A(1231F - 1270F・1277F)[4]
MB-5035-B(1257F・1271F - 1276F)[4]
歯車比 5.73
制御装置 VF-HR-123 [4]
保安装置 近鉄型ATS
阪神型ATS(1271F以降)
備考 電算記号:VC(大阪・名古屋線)
VE(奈良・京都線)
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1989年7月に登場した、標準軌全線共通仕様のVVVFインバータ、アルミ車体の2両編成の車両である[4][7][3]1220系をベースに、大阪・名古屋線と奈良・京都線の間の車両転配を円滑に行えるように車体設計・機器類の配置を可能な限り共通化した標準軌全線共通仕様に設計変更されている[3][7]

電算記号は奈良線・京都線所属車ではVE[8]、大阪線・名古屋線所属車ではVCとされた[5]。新造されたのは1276Fまでで、1277Fは後述するように1026系1030Fが編成替えに伴い、先頭車のみが改造・改番の上編入されたものである[3]

車体・走行機器等

1230系列では台車は、21000系にならってホイールベース台車軸距)を、従来車の 2150 mm から 2100 mm に変更した新設計の空気バネ台車KD-96形、後期型ではボルスタレス台車のKD-306形を採用している[4]。主電動機は中期型まではMB-5035-A型[4]、後期型ではMB-5035-B型を[4]、歯車比を1220系の6.31から5.73に変更し、以上の機器構成はシリーズ21登場前まで標準軌VVVF一般車両に採用されている。

1231F、1232Fの2編成は1220系1224F、1225Fとして製作されている途中での仕様変更に対し[3]、1233F以降は仮称1230系として設計当時からの仕様変更のため、純粋な派生系列ではあるが、1233F以降の車両を1233系と呼ぶことが多い[4][3]。これに関連して、1224F1225F製作時の当初の計画では、奈良線に投入する最初の新造車5編成の車両形式を仮称1230系 1231F - 1235Fと予定していたが、1220系1230系関連の計画変更で1233系 1233F - 1237Fとなっている[* 1]

1230系1233系以外にも1240系1249系1252系1253系1254系1259系と細かく分類されることがあり、1255F以降の車両は1252系および1253系として製造されており、新造当時でも1252F - 1277Fは結果的に3形式が入り乱れていた[3]

  • 1233系1989年7月に登場、1233F - 1239F・1241F - 1248F)
    • 当初から共通仕様の下に設計した車体(新アルミ材を採用)に[9][7][3]、新仕様台車をさらに改良したKD-96B形(M)、KD-96C形(T)となり[3]運転台後方に車いすスペースを整備。
  • 1249系1992年2月登場、1249F - 1251F)
  • 1252系1993年3月登場、1252F・1258F・1262F - 1264F・1270F - 1277F)
  • 1253系1993年3月登場、1253F・1255F - 1257F・1260F・1261F)
    • 踏面清掃装置を搭載し、1軸2ディスクのディスクブレーキをTc車に採用したボルスタレス台車のKD-306型を装着[10][11][3][* 2]
  • 1254系1993年3月登場、1254Fのみ)

以下は後年の改造で生じた形式である。

  • 1240系2001年4月登場、1240Fのみ)
  • 1259系2003年登場、1259F・1265F - 1269F)

改造・更新

近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車と同様に、以下の改造が順次施工されている。

  • 車体連結部の転落防止幌設置
  • バリアフリー対応改造 (2021年4月現在、1233F - 1239F・1241F - 1247F・1249F - 1259F・1261F - 1277Fに施工[12][13][14][15][16][17][18])
    • ドアチャイムおよびLED式(2016年度以前[15])または液晶式(2018年度以降[16])車内案内表示器の整備、ク1330形先頭連結部の連結部注意喚起スピーカー設置
  • 車体側面のVVVFマーク撤去[3]
  • 簡易内装更新
    • 車内床材および座席モケット交換

また、2024年1月頃からは以下の改造(A更新と呼称)も順次施工されている。

  • 前面の転落防止幌設置
  • 内装更新
  • 防犯カメラ設置
  • 行先表示のLED化
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A更新が施工されたVE33編成

名古屋線ワンマン運転対応改造

名古屋線所属の1230系列のうち、2019年4月現在で1231F・1232F・1240F・1259F・1265F - 1269Fの9編成に運賃車内収受式ワンマン運転対応工事が施工されている[19][20]。改造内容は乗務員室運転士側窓ガラスの茶色化と車外スピーカー取り付け、運賃表示器運賃箱の設置、車内通報装置の移設である。初期に改造された1231F・1232F・1240Fでは乗務員室仕切り窓の小型化が行われた。2000系1201系1201F - 1204Fとは異なり、車外スピーカーはクーラーキセに設置されている。
1233系1240Fと1253系1259F・1265F - 1269Fはワンマン改造によりそれぞれ1240系1259系に系列変更しているが[3][19][20]、1231Fや1232Fは元々2編成しか在籍しないため系列名変更は行われていない。1231F・1232Fは2000年11月に、1240Fは2001年4月に[3]、1259Fは2003年[3]、1265F - 1269Fは2007年 - 2008年3月にかけて改造されている[3][19][20]。ワンマン表示は方向幕による「ワンマン普通○○」の表示と電光式ワンマン表示器が混在している。

阪神線相互直通対応改造

奈良線所属の1252系のうち、2019年4月現在で1271F - 1277Fの7本が阪神線相互直通対応となっている。改造内容は5800系に準拠している。また、2008年8月に1253系1273F・1275Fが阪神尼崎車庫に陸送され試運転と乗務訓練が行われた[21]。相互直通対応編成は蝶々に類似したマークを前面運転台下窓と側面乗務員室扉横に貼り付けられている。2009年3月の乗り入れ開始時点では1271F - 1276Fのみ阪神線直通改造がされていたが、2012年3月のダイヤ変更で阪神線相互直通列車が増発されたことに伴って1277Fも追加で改造された[12]。これら改造済み編成の系列名変更は行われていない。

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近鉄1230系の簡易内装更新前の車内
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近鉄1230系の簡易内装更新後の車内
床材と座席のモケットが変更されている
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近鉄1240系1240Fのワンマン改造後に設置された運賃箱・運賃表示器(2015年1月現在、運賃表示器は液晶式に換装済)
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近鉄1233系1238Fの乗降口上部に設置されたLCD

編入

1252系1277Fは、1026系1030Fと1026Fの編成組み換えにより発生した先頭車2両を改造、改番して編入された編成であり、当初から1252系として製造されていない。[3]また、1252系の車体高が4,030mmに対し、本編成は1026系が種車のため、4,032mmとなっており、わずかに1277Fの方が車体高が高い。

配置

2024年4月現在の配置検車区は以下の通り[6]

高安検車区
  • 1253F - 1257F・1260F・1261F
明星検車区
  • 1231F・1232F・1240F・1259F・1265F - 1269F
富吉検車区
  • 1242F・1243F・1247F・1248F
西大寺検車区
  • 1238F・1239F・1241F・1244F - 1246F・1249F - 1252F・1258F・1262F - 1264F・1270F
東花園検車区
  • 1233F - 1237F・1271F - 1277F

転属

1998年4月時点では高安検車区に1253F・1254Fが[22]明星検車区に1231F・1232F・1240F・1242F・1243F・1247F・1248F・1255F - 1257F・1259F - 1261F・1265F - 1269F[23]西大寺検車区に1233F - 1239F・1241F・1244F - 1246F・1249F - 1252F・1258F・1262F - 1264F・1270F - 1277Fが配置されていた[24]

2012年3月に1247F・1248Fが[12]2014年9月に1260Fが富吉検車区に転属している[13]

2014年9月には前述の1260Fと交換する形で1261Fが高安検車区に転属した[13]

2012年3月には1277Fが後述の阪神線相互直通改造に伴って2012年3月に東花園検車区へ所属変更された[12]

事故

大阪線所属の1257Fは、2009年2月27日に大阪線東青山駅構内で発生した脱線衝突事故の影響で、車体や走行機器などが損傷した。特に電柱に激突したモ1257形の車体や台車、VVVFインバータ装置などが大きく破損[25]したため、修繕のために五位堂検修車庫にて長期休車になっていたが、2010年10月20日に営業運転に復帰している。

アートライナー

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1266F 三重県×ミジュマル
  • 1231F:名泗コンサルタント(2009年4月 - 2014年12月)
  • 1243F:海岸漂着物啓発ラッピング(2014年8月 - 2015年3月[26]
  • 1248F:着信御礼!ケータイ大喜利 全国ツアーIN四日市(2015年5月20日 - 2015年8月[27]
    • 番組公式サイトの発表による運転区間は名古屋線・山田線・鳥羽線近鉄名古屋 - 鳥羽間とされていたが[28]2015年6月4日から翌5日にかけて大阪線快速急行・急行・普通列車として大阪上本町まで入線している[29]
  • 1266F:三重県×ミジュマル2022年1月17日[30] - 2024年7月18日[31]
  • 1267F:とばしまメモリー なみの章(2023年2月6日〜当面の間)
  • 1268F:とばしまメモリー うみの章(2023年2月15日〜当面の間)

系列別分類

大阪線・名古屋線系統
 
系列 編成名 電算名 ク1320 (Tc) モ1220 (Mc)
1220系 1221F - 1223F VC21 - VC23 1321 - 1323 1221 - 1223
1230系 1231F - 1232F VC31 - VC32 1331 - 1332 1231 - 1232
1233系 1242F・1243F
1247F・1248F
VC42・VC43
VC47・VC48
1342・1343
1347・1348
1242・1243
1247・1248
1240系 1240F VC40 1340 1240
1253系 1253F・1255F - 1257F
1260F・1261F
VC53・VC55 - VC57
VC60・VC61
1353・1355 - 1357
1360・1361
1253・1255 - 1257
1260・1261
1254系 1254F VC54 1354 1254
1259系 1259F・1265F - 1269F VC59・VC65 - VC69 1359・1365 - 1369 1259・1265 - 1269
奈良線・京都線系統
 
系列 編成名 電算名 モ1230 (Mc) ク1230 (Tc)
1233系 1233F - 1239F ・1241F
1244F - 1246F
VE33 - VE39 ・VE41
VE44 - VE46
1233 - 1239 ・1241
1244 - 1246
1333 - 1339 ・1341
1344 - 1346
1249系 1249F - 1251F VE49 - VE51 1249 - 1251 1349 - 1351
1252系 1252F・1258F
1262F - 1264F
1270F - 1277F
VE52・VE58
VE62 - VE64
VE70 - VE77
1252・1258
1262 - 1264
1270 - 1277
1352・1358
1362 - 1364
1370 - 1377

1020系

要約
視点
概要 近鉄1020系電車, 基本情報 ...
近鉄1020系電車
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阪神直通対応改造後の近鉄1026系電車(1027F)
(2012年7月26日 富雄駅 - 学園前駅
基本情報
製造年 1991年 - 1998年
製造数 66両
投入先近畿日本鉄道難波線大阪線 (大阪上本町駅 - 布施駅間) ・奈良線京都線橿原線天理線生駒線
阪神電気鉄道本線阪神なんば線
主要諸元
編成 4両・6両編成
車体高 4,032 mm
台車 Mc車・M車:KD-96B/KD-306[32]
Tc車・T車:KD-96C・KD-306A[32]
主電動機 MB-5035-A[32](1027Fまで)
MB-5035-B(1028F以降)
歯車比 5.73
編成出力 4両編成:1,320kW
6両編成:1,980kW
制御装置 VF-HR-123
保安装置 近鉄型ATS
阪神型ATS(6両編成のみ)
備考 電算記号:VL(4両)
VH(6両)
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1991年11月に登場した、日立製GTO素子インバータ装置を採用する1230系列の4・6両編成仕様である[32][7][3]。電算記号は4両編成ではVL[33]、6両編成ではVHである[33]。1035Fで生産を終了したが、後年1030Fが欠番となっている(後述)。

増備車

1020系においても1026F以降の編成を1026系1993年9月登場[11][3])と分類されている[32]。4両編成の一部は後述のワンマン運転対応改造によって1021系1031系が登場している(この改造により1020系は形式名としては消滅[3])。

1996年8月以降の増備車では乗務員室仕切り窓が小型化された。1998年の増備車では当初から連結側に転落防止幌を装備し、乗降扉上部の雨樋設置・床面のノンスリップ加工が施されている。

走行機器・性能

基本設計は1230系1233F以降の車両に準拠するが、モ1096形のパンタは2基搭載されているのに対し[24]、モ1020形、モ1026形、モ1070形、モ1076形のパンタは1基として編成内に母線を引き通した[24][3]。これは集電装置間隔を30メートルに抑えるためであるが、それぞれもう1基追加出来る設計となっている。

1026F以降の車両の変更点は、台車空気ばね台車から、ボルスタレス台車に変更し、Tc・T車はディスクブレーキ(1軸1ディスク)を装備[32]。補助電源装置もSIVを東芝製GTO素子のBS-484Q形 (70kVA) とし、編成内での補助電源引き通しを行うことにより故障の際のバックアップ機能を持たせてある点である[32][3]。また、サ1196形とモ1096形の間には簡易運転台が設けられている[24][3]

組成変更

2002年、1030Fの中間車サ1180・モ1080をそれぞれサ1196、モ1096に改番して1026Fに組み込まれた[3]。この2両には他のサ1196形とモ1096形と異なり簡易運転台は付けられていない[3]

残りの先頭の2両モ1030・ク1130はモ1277・ク1377に改番され、2両編成の1277Fとして1252系に編入された[3]

製造直後の編成表
 
系列 編成名 電算記号 モ1026 (Mc) サ1176 (T) モ1076 (M) サ1196 (T) モ1096 (M) ク1126 (Tc)
1026系 1026F
1030F - 1035F
VL26
VL30 - VL35
1026
1030 - 1035
1176
1180 - 1185
1076
1080 - 1085
    1126
1130 - 1135
1027F - 1029F VH27 - VH29 1027 - 1029 1177 - 1179 1077 - 1079 1197 - 1199 1097 - 1099 1127 - 1129
組成変更後編成表
 
系列 編成名 電算記号 モ1026 (Mc) サ1176 (T) モ1076 (M) サ1196 (T) モ1096 (M) ク1126 (Tc)
1026系 1026F - 1029F
1035F
VH26 - VH29
VL35
1026 - 1029 1176 - 1179 1076 - 1079 1196 - 1199 1096 - 1099 1126 - 1129
1035 1185 1085     1135
1031系 1031F - 1034F VL31 - VL34 モ1031 (Mc) サ1181 (T) モ1081 (M) ク1131 (Tc)
1031 - 1034 1181 - 1184 1081 - 1084 1131 - 1134

配置

2019年4月現在、在籍する全編成 (4両編成10本40両と6両編成4本24両) が西大寺検車区に配置されている[6]

改造・更新

近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御車と同様に、以下の改造が順次施工されている。

  • 車体連結部の転落防止幌設置
  • バリアフリー対応改造[12]
    • ドアチャイムおよび車内案内表示器の整備、ク1120形先頭連結部の連結部注意喚起スピーカー設置[3]
  • 車体側面のVVVFマーク撤去[3]
  • 簡易内装更新
    • 車内床面および座席モケット交換

1998年から1999年にかけて、1033Fにシングルアームパンタグラフを搭載した走行試験が行なわれたが[3]、現在は元の下枠交差形のパンタグラフに戻っている。その後、「シリーズ21」各系列や21020系以降の特急車両で採用された[3]2019年、次は1032Fに2024年、次は1238Fにシングルアームパンタグラフが搭載された。

生駒線ワンマン運転対応改造
2004年3月の生駒線ワンマン運転化に伴い、4両編成車は当時西大寺検車区所属であった1035Fを除き、ワンマン運転に対応した改造を施して1020系からの改造車は1021系[3]1026系からの改造車は1031系に改番された[3]。改造内容はクーラーキセに車外スピーカーの取り付けと、1021F - 1025Fでは乗務員室仕切り窓の小型化が行われた。

阪神線相互直通対応改造
2019年4月現在、1026系6両編成全編成が阪神線相互直通対応となっており、改造内容は5800系に準拠している。2009年3月の相互直通運転開始時点では1027F - 1029Fのみであったが[3]2012年3月のダイヤ変更で阪神線相互直通列車が増発されたことに伴って1026Fが追加で改造された[12]。これら改造済み編成の系列名変更は行われていない。

A更新
2023年度より、この系列に対してもA更新が行われるようになった。2024年度には1233系1237Fと1026系1035Fが既存の車両としては初めてA更新時に半自動ドアスイッチと車両側面両端部の小型防犯カメラを設置した。

その他
2018年10月に1034Fが五位堂検修車庫に入場。その際、前照灯が試験的に発光ダイオード(LED)の物に交換され出場した。これは後に8810系8814、8816Fにも採用された。

アートライナー

  • 1026F:「第27回全国都市緑化ならフェアPR列車」(2010年9月 - 2010年11月)
  • 1028F:「Dialogue train」(2024年10月18日~)
  • 1027F・1029F:「ならしかトレイン[34][35]」(1027F:2022年12月5日〜、1029F:2023年4月3日〜当面の間)
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近鉄1021系電車
(2009年6月12日 近鉄生駒線
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近鉄1026系電車
(2006年7月30日 河内花園駅
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近鉄1020系電車のVVVFインバータのロゴ
(2010年11月27日 王寺駅にて撮影)
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近鉄1020系電車の車内
2017年8月20日王寺駅にて撮影
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ならしかトレイン
2023年4月29日尼崎駅にて撮影

編成別運用状況

2両編成

大阪線所属編成

  • 1220系1221F - 1223F
  • 1253系1253F・1255F - 1257F・1260F・1261F
  • 1254系1254F
主に大阪線系統を中心に2両編成単独および他形式併結の4両 - 10両編成で快速急行から普通まで幅広く運用される[10]

名古屋線所属編成

  • 1230系1231F・1232F
  • 1233系1242F・1243F・1247F・1248F
  • 1240系1240F
  • 1259系1259F・1265F - 1269F
名古屋線系統を中心に、ワンマン運転対応車両は志摩線でも運用される[4]。急行・準急の増結車の他、2両編成単独で準急や普通でも運用されている[4]。大阪線所属車の車両不足やダイヤ混乱の際は大阪線でも運用される。

奈良・京都線所属編成

  • 1233系1233F - 1239F・1241F・1244F - 1246F
  • 1249系1249F - 1251F
  • 1252系1252F・1258F・1262F - 1264F・1270F - 1277F
原則として他編成と連結して、主に奈良線京都線橿原線天理線阪神線(相互直通対応車)など広範囲にて運用される。

4両編成

  • 1021系1021F - 1025F
  • 1026系1035F
  • 1031系1031F - 1034F
京都線系統では単独4両及び2両編成を連結した6両編成で運用され、奈良線では同系や他車併結の6両 - 10両編成で運用されている。1021系1031系は生駒線の全列車にも使用されている[32][3]

6両編成

  • 1026系1026F - 1029F
5800系および5820系9820系と共通運用で、奈良線および阪神線相互直通列車を中心に運用されているが、基本的に京都線・橿原線・天理線も含めた運用をしているため京都線系統でも運用されている。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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