西方寺 (仙台市)
宮城県仙台市青葉区にある浄土宗の仏教寺院 ウィキペディアから
西方寺(さいほうじ)は、宮城県仙台市青葉区大倉字上下にある浄土宗の寺院。山号は極楽山。本尊は阿弥陀如来画像軸。観蓮社良念により開基された。正式名称で呼ばれることはまれで、一般に定義如来(じょうげにょらい)と呼ばれる。
名称
一般に当寺は「定義如来」や「定義山」、あるいは親しみを込めて「定義さん」と呼ばれる。また、門前町を含めた周辺一帯は「定義」と呼ばれる。仙台市民が、正式名称の西方寺や正式山号の極楽山と呼ぶことは非常にまれ。
仙台弁の発音特性から「定義」は「じょうげ」と発音し、住所の小字も「上下」(じょうげ)[1]である。国土地理院発行の2万5千分の1地形図の図名「定義」でも「じょうげ」と発音するとしている[2]。戦後占領期に進駐軍が作成した map of SENDAI でも "JOGE" と表記されている[3]。しかし、仙台弁話者以外とも常時対応すべき宮城県庁・仙台市役所[4]・地元観光業界[5]、あるいは、道路の案内標識では、共通語・標準語の発音にならって「じょうぎ」 (Jōgi/Jogi/Johgi) と記載している。そのため、現在の仙台市民の中では「じょうげ」「じょうぎ」の2つの発音が混在している。
→「仙台弁 § 仙台弁の地名・固有名詞」も参照
縁起・歴史
当寺には、平重盛の重臣である肥後守・平貞能(たいらのさだよし)が、壇ノ浦の戦い後に当地に隠れ住んだとされる平家落人伝説が残る。貞能が安徳天皇と平氏一門の冥福を祈って阿弥陀如来を安置し、また改名して「定義」(さだよし)と名乗った。この「定義」を「じょうぎ」と音読みして[6]、当地では阿弥陀如来を定義如来と称し、当地もまた「定義(じょうげ)[6]」「上下(じょうげ)」と呼ばれるようになった。
年表
- 1198年(建久9年)7月7日に貞能が60歳で亡くなり、従臣達が遺言に従って墓上に小堂を建て、阿弥陀如来の宝軸を安置したという。
- 1706年(宝永3年)、従臣の子孫である早坂源兵衛が出家して観蓮社良念と称し、「極楽山 西方寺」として当寺を創立した。
- 1927年(昭和2年)、平貞能の墓所の上にある(旧)御廟をさらに覆う(新)御廟が完成。
- 1930年(昭和5年)、現在の鐘楼が完成。
- 1931年(昭和6年)、現在の山門が完成。
- 1933年(昭和8年)5月16日、仙台敬信定義講が梵鐘を寄進。
- 1986年(昭和61年)10月6日、青森ヒバのみを用いて、宮城県初の五重塔が当寺に落慶した。
- 1999年(平成11年)11月、現在の本堂が完成し、本尊を御廟(貞能堂)から移した。
境内
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全ての施設は無料。
- 旧本堂地区
- 山門(北緯38度21分48.9秒 東経140度40分7.5秒)
- 御廟貞能堂(北緯38度21分49.7秒 東経140度40分5.7秒)
- 延命地蔵尊(昭和40年代)
- 勝軍地蔵
- 鐘楼
- 伊達家の梅
- 裏山
- 大本堂地区
- 大本堂(北緯38度21分54.3秒 東経140度40分4秒)
- 子育観音
- 庭園地区
- 五重塔(北緯38度21分54.4秒 東経140度40分10秒)
- 昭和61年(1986年)落慶
- 庭園
- 玉手箱
- 茶室 など
門前町・周辺
当寺は、奥羽山脈の東側、船形山系と泉ヶ岳の山裾の、大倉ダムより上流の大倉川沿いにある。明らかな山奥にあるものの、古くから参詣者を集めており、門前町には民宿が4軒もある。観光客入込数は年間100万人前後あり、宮城県内有数の観光地と言えるが、他の上位の観光地が県外客も多いのに対し、当寺は県内、特に仙台都市圏の若いカップルのデートコース、あるいは、ファミリー層のドライブコースの目的地の1つとして人気があるのが特徴である。
当寺には平家落人伝説があり、また、縁結びや安産のご利益があるとされるが、仙台では仙台四郎・仙台幸子とともに流行り神の1つであり、週末の無料駐車場は混み合い、門前町の名物「三角あぶらげ[※ 2][9]」にも行列が出来、定義こけしなどの土産物屋も観光客で賑わう。
周辺は豪雪地帯であり、昭和期に定義山スキー場もあったが既に閉場。現在はオフロードを中心としたモータースポーツ施設が点在し、ラリーアートがパリダカに向けて合宿を行ったこともある。また、アウトドア施設では芋煮会シーズンには混みあう。周辺には古くからの集落のほかに、樺太(サハリン)引揚者の開拓地もある。
なお、当寺には「浄土くん」という名の公式キャラクターがおり、平面看板や立体人形として諸所に設置されている。
周辺観光施設
- モータースポーツ
- 仙台ハイランド
- MOTOFIELD MASH!
- 仙台定義アウトドアスポーツパーク
- その他
アクセス
宮城県道55号定義仙台線(定義街道)は、途中、細かく蛇行する山道を通過しなくてはならないため、現在は国道48号からアクセスするのが一般的。
脚注
関連項目
外部リンク
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