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神戸市交通局が運営する地下鉄 ウィキペディアから
神戸市営地下鉄(こうべしえいちかてつ)は、神戸市交通局が運営する地下鉄である。1977年3月13日に開業した[1][2]。
路線は5路線を所有しているが、西神延伸線・西神線・山手線は「西神・山手線」として一体的に運行されているため、実質的には北神線、海岸線と合わせ3路線である。神戸市の西区、須磨区、長田区、兵庫区、中央区、北区の6区に路線を持つ。
なお、各種条例での名称は「神戸市高速鉄道」となっている(神戸高速鉄道とは無関係)。
1917年8月1日に神戸市電が開業し、神戸市内を網羅する路線網を有していたが、モータリゼーションの影響により1971年3月13日に廃止された[1][2]。神戸市営地下鉄は市電に代わる新たな市内交通手段として、また開発の進む西神・北神地域の住民の交通手段として建設が計画され、1977年3月13日に西神線の名谷駅 - 新長田駅間5.7kmで開業した[1][2]。この開業日は、1971年の神戸市電廃止日からちょうど6年後であった[3][4]。
開業後も東西へ向けて路線の延伸が行われ、1987年3月18日には西神・山手線の新神戸駅 - 西神中央駅間22.7kmが全通した[5][1]。1988年4月2日からは北神急行電鉄の北神線新神戸駅 - 谷上駅間との相互直通運転を開始し、神戸市の市街地を通じて西神・北神地域を直結する「みどりのUライン」(愛称)が完成した[1][6]。
兵庫区・長田区南部のインナーシティの活性化を図るため、2001年7月7日に海岸線の三宮・花時計前駅 - 新長田駅間の7.9kmが開業した[1]。
北神線は2020年6月1日に北神急行電鉄から神戸市へ譲渡され、市営地下鉄の北神線として西神・山手線と一体的な運行が開始された[7][8][9]。なお、同区間は、神戸電鉄鉄道事業部北神営業所に委託され、運営されている。
路線は西神・山手線の22.7km、北神線7.5km、海岸線7.9km、総延長合計38.1kmを有する。各線とも軌間は1,435mmの標準軌、架線電圧は直流1,500Vであるが、海岸線はリニア地下鉄で西神・山手線および北神線と規格が異なり、線路は繋がっていない[11]。
当初は三宮から東進して原田(阪急王子公園駅付近)までの延伸計画があった[12]が、新神戸から北方の北神急行電鉄との相互直通運転に変更された[13]。
西方においては舞子 - 学園都市(西区)を人口約22万人の垂水区を縦断する形で結ぶ路線計画があった。正確には現在も検討中の路線になってはいるが、阪神・淡路大震災などによる神戸市の財政状況の悪化や沿線の人口減少、そして同区間の路線を運行している山陽バス(旧・山陽電鉄バス)の反対などにより、計画はほぼ白紙の状態である。なお現在この区間を走るバス路線は神戸市バスと山陽バスの共同運行である。
また、西神中央駅から西区神出町・岩岡町、加古郡稲美町方面、押部谷駅、西明石駅への再々の延伸計画もあるが、これらも現在は見直しが必要な路線として凍結している。
さらに、海岸線は三宮・花時計前駅から新神戸、もしくはHAT神戸を経て灘区、東灘区への延伸計画があった。また、阪急神戸本線と西神・山手線とを相互直通運転させる構想があったが、概算で2000億掛かるのに対し、神戸市は、投資に見合う効果が得られないと判断し、2022年3月に事業化の検討を終了した。
他都市の地下鉄に設置されている可動式ホーム柵(ホームゲート)の設置予定は長い間なかったが、2017年度に三宮駅に設置する方針が発表された。同時にホームドアなどに対応した車両を開発・投入している[15]。2018年3月3日より三宮駅のホームドアが使用開始され、2020年3月14日からはQRコードによる開閉連動を可能とした制御システムが導入されている[16]。
2021年9月には新長田駅に導入。2023年11月現在、西神・山手線全駅と北神線谷上駅に導入されている。 三宮駅は、車両ドアが開いてから遅れてホームドアが開いていたが、2022年3月13日からQRコード式ではなくなり、電車が到着した段階でホームドアが開くようになった[17][18]。
また、ホームドア設置と同時に車両の置き換えも実施され、2018年7月から2023年8月にかけて西神・山手線および北神線の全車両が6000形に置き換えられた。
以下の6形式がある。北神急行からの引き継ぎ車両を除き、全形式が車体塗装に緑色を採用しており、1000・2000形は神戸市電の流れを汲む緑の濃淡を採用している>[19]。製造メーカーは全車地元の川崎車両が担当している。関西の鉄道事業者では珍しく、開業以来全ての車両が前照灯を車体下部に搭載している。
冷房装置は1977年の開業時より全車両に搭載された[13]。電装品は、西神・山手線が日立製作所の制御装置に東芝のモーター[注釈 1]、海岸線が三菱電機の制御装置に日立のモーターと分けられている。
車両形式は、北神急行電鉄から継承した7000系を除き「xxxx系(けい)」ではなく「xxxx形(がた)」となっている。
車両番号の付け方は、東京メトロなどと同じように百の位で連結位置を表すものだが(西神・山手線では西神中央寄りが、海岸線では新長田寄りが「1」となる)、西神・山手線では下2桁は形式に関係なく導入した順番に振られている。なお、7000系は導入当初は北神急行電鉄が保有していたため、同社の親会社であった阪急電鉄同様の付番方式となっている。また、車両番号の書体は7000系と海岸線車両を除き、市電時代の角ばった書体が継承されている[24]。
2002年12月より、女性専用車両が全線で設定された[25]。土曜・休日も含めた毎日・終日の設定は日本初である[26]。西神・山手線は谷上方向先頭から3両目の車両、海岸線は三宮方向一番先頭の車両に設けられている。ダイヤの乱れや三宮周辺でのイベント、ほっともっとフィールド神戸でのプロ野球やノエビアスタジアム神戸でのJリーグ試合開催時などの混雑時には、一時的に女性専用車両の設定が解除される[27]。
第二次世界大戦中の国家総動員法による放射線道路建築予定地を利用して、地下鉄西神線が建設された。
1985年の新神戸駅 - 学園都市駅間の開通を記念して、地下鉄のシンボルマークとして「U」をデザイン化したマークが制定された[28][29]。呼称は「Uライン」。「U」は地下鉄の路線の線形がUの字を形作っていること、英語で地下鉄を指す「Underground」のU、および1985年夏季に開催の神戸ユニバーシアード(神戸総合運動公園で開催)を記念した「Universiade」のUが意図されている[29][28]。
神戸市交通局令和5年度決算による[36]
大人普通料金(小児は半額・10円未満の端数は切り上げ)。2020年6月1日改定[37][38]。
区数 | キロ程(km) | 料金(円) | 北神線利用時 | |
---|---|---|---|---|
区数 | 料金(円) | |||
1区 | - 3 | 210 | 北神1区 | 280 |
北神1区+1区 | ||||
2区 | 3 - 7 | 240 | 北神1区+2区 | 310 |
3区 | 7 - 10 | 280 | 北神1区+3区 | 350 |
4区 | 10 - 13 | 310 | 北神1区+4区 | 380 |
5区 | 13 - 16 | 350 | 北神1区+5区 | 420 |
6区 | 16 - 19 | 380 | 北神1区+6区 | 450 |
7区 | 19 - 23 | 410 | 北神1区+7区 | 480 |
8区 | 23 - 27 | 440 | 北神1区+8区 | 510 |
9区 | 27 - | 470 |
神戸市の環境政策の一環として、市営地下鉄全線・神戸市バス全線でエコファミリー制度が制定されている[39]。適用日は土曜日・日曜日・祝日・振替休日・年末年始(12月25日 - 翌年1月7日)および夏休み(7月21日 - 8月31日の神戸市の夏休み期間中)で、大人1人と同伴する小学生以下が2人まで運賃無料となる。大人1人の支払いは現金またはNewUラインカード・ICカード・定期券のいずれでも利用できる[注釈 2]。利用時には乗車駅の改札口で窓口の駅員に「エコファミリーです」と申告し、無料となる小児用の乗車券を受け取る必要がある。バスの際は降車の際に運転士に告げる必要がある。
2003年10月から1年間の実験として行われ、2004年10月に実験が1年延長され、2005年10月に本格導入している。
2024年10月からは、市バスの運賃改定に合わせて曜日問わず毎日適用されるように制度が変更される。[40]
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