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水面の高低運動 ウィキペディアから
波は、起きる原因によって分類することも可能である。風によって起きる波を
多方向からの波が合成されてできるピラミッド状の波を三角波と言う。
特に、確率的に発生する相対的に波高がかなり大きな波や、あるいは絶対的な観点から波高が巨大な波を、巨大波と呼び分類する。海洋遭難防止の観点から、この名称でこのような波を分類し、研究が進められている。
波浪とは風によって起こる波のことである。波浪には
その場で吹いている風によって引き起こされた波は風浪あるいは
風が強くなるほど風浪の高さは大きくなる傾向があり見た目の形状も変化する。無風で波の無い状態の時は
他の海域で風によって起こされた波が伝わってきた波はうねりと呼ばれる。日本の気象庁では、うねりについて「遠くの台風などにより作られた波が伝わってきたもので、滑らかな波面を持ち、波長の長い規則的な波。」と定義している[3]。遠地の台風や低気圧などによって発生している高波が、減衰しながら時間をかけて長距離を伝播していくものであり、例えば日本近海で発生したうねりはハワイにまで到達することがある。うねりの波長は100m以上、周期は8秒以上であることが多い[3]。うねりの代表例としては、 暴風の余波で起こる波や土用波などがある。うねりは、風浪に比べて周期も波長も長く、波頭は丸みを帯びるため、水深が浅い海岸などでは海底の影響で波高が高くなりやすい。このため、しばしば海の事故を誘発したり船舶に影響を与えたりする。気象庁は、風浪やうねりによって災害が引き起こされると予測される場合は、警報や注意報を発表して注意を促している。
波浪は、海岸の地形に大きな影響を及ぼしている。砂浜の形状は波浪の影響を受けて絶えず変化している。岩壁に絶え間なく打ち寄せつづける波浪は岩壁を侵食してゆく。また、波浪は、海岸の生物、生態系にも大きな影響を与えている。波が打ち寄せる場所を波打ち際と言う。
通常「波の高さ」と言えば有義波高(100波のうち高い33波の平均値)をいい、天気予報などでの「波の高さ」もこの値の予報値である。有義波高は100波のうち高い33波の平均値であるから、最大ではこの2倍程度の波が押し寄せることもありうる。→#有義波高
天気予報で波の高さが「波の高さは2mになるでしょう」などと伝えることがあるが、天気予報で伝えられる波の高さは「有義波高」という特別な方法で数値をはじいたものである[4]。
通常、波は大小が入り混じっていて、その大きさをひとつの数字で言い表すことはできない。しかし最大波高や最小波高を用いると、人間の実感ともかけはなれる[4]。平均波高を使っても、平均波高より高い波が数多く打ち寄せるので、平均波高を用いるのも防災上よろしくない[4]。そうした配慮から考え出されたのが「有義波高」であり、平均波高を集めてそれらを高いほうから並べ、上位1/3の平均値を「有義波高」としている[4]。この「有義波高」は人間が波を目視した実感にかなり近く、実用的である[4]。
しかしながら、この便利な「有義波高」でも、それより大きい波や小さい波は発生する[4]。例えば、10波に1波は有義波高の1.3倍、100波に1波は有義波高の1.6倍、1000波に1波は有義波高の2倍となるので注意を要する[4]。このように、全体から見て割合としては小さいものの確率的には発生する波高の高い波を
主に風力に正比例して波が大きくなるが、地球の大気との摩擦面である水面に「油、流氷、流木、海藻など」が浮いてたり、水中の摩擦力が高くなる要素である「氷塊・浮遊生物など」があったりする場合、さらに豪雨・豪雪が水面に衝突する場合は波高が抑えられる[5]。
京都大学防災研究所教授の森信人らによる研究では、地球温暖化は海面上昇だけでなく大気の対流を促して風による波のエネルギーを増大させ、砂浜など海岸の地形や生態系に大きな影響を与えると警鐘を鳴らしている[6]。
津波は、地震によって引き起こされる波のことである。長波の性質を持ち、その進行速度は重力の加速度と、水深の積の平方根となる。気象庁では、地震が起こると直ちに震源地、震源の深さ、地震の強さなどを計算し、津波が予測される場合は、津波の程度により、大津波警報、津波警報、津波注意報を出す。
台風や季節風などにより発生したうねりが遠くまで伝わり、干満差の影響も加わると沿岸部が高波に襲われ大きな被害を受けることがある。
有義波の高さでみると、世界の観測史上最高の波は以下のようになっている[14]。
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波は人間にとって、大切な遊び相手である。海水浴、サーフィン、ボディボード、ウィンドサーフィンなどで、波を体感して楽しむ人々も多い。 また波は形(視覚的要素)でも人々を魅了する。世界的に見れば波をテーマとして追求している画家やカメラマンたちが多数いる。大型書店には波の写真集が通常何種類も並んでいる。
また、波の音も人々を魅了する。波の音は波音(なみおと)という。波の音には適度な規則性と適度な不規則性「ゆらぎ」が含まれている。おだやかな波音を聞いていると、そうでない時よりもずっと熟睡できる、という人も多いため、近年では海から離れて都会で暮らしている人々のために、波音を録音したCDも販売されている。
一部の分野では水の波、そのなかでも波が砕け散ったりしないようなものを「水面波」という用語で呼ぶこともある。水面波は、物理学的に説明する場合、波動の一種という位置づけになる。水面波も他の波動と同様に屈折、回折、反射、透過、減衰などの性質をもつ。
ここでは、主として海の波に関する理論を挙げる。
波は、水深によって、
に分類される。
水面変動の振幅が水深に対して十分小さい波のことを微小振幅波といい、その仮定における理論を微小振幅波理論という。それに対して、波高がそれほど小さくない場合、有限振幅波という。
は、ある仮定および境界条件のもとで解くことができる。すなわち、波の振幅が微小であること、海水が完全流体(非圧縮・非粘性)であることなどの仮定、および、水底・水面における力学的・運動学的境界条件から速度ポテンシャル φ(x, z, t) を求めると、
となる。H は波高、ω は角周波数 (=2π/T)、k は波数 (=2π/L)、cosh は双曲線余弦関数である。
速度ポテンシャルを微分すると速度が求められ、この式から、海水の水粒子は楕円軌道を描いて運動しており、深海波では円軌道に近くなることが分かる。
また、水粒子が水面から飛び出すことなく水面の動きに追随すること(水面における運動学的境界条件という)から、分散関係式
が得られる。tanh は双曲線正接関数である。
ストークス波、クノイド波、孤立波などの理論がある。
波は沖から岸に近付くにつれて形を変える。水深が小さくなるにしたがって、波高が大きくなり波長は短くなる。沖での波高をH0としたとき、Ks = H/H0 を浅水係数といい、波高の増減の具合を示す。
水の波に類似した現象は自然界では広く見られる[15]。例えば、音、光、電磁波などが挙げられる[15]。
物理学などでは、音、光、電磁波などの波を「波動」という用語で表現している[15]。
社会的、心的な要素も含めて、様々な変動を波と呼ぶ。
例:「時代の波」「感情の波」、アルビン・トフラー『第三の波』。
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