東京大学史料編纂所
東京大学の附置研究所 ウィキペディアから
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東京大学史料編纂所(とうきょうだいがくしりょうへんさんじょ、英称:Historiographical Institute, the University of Tokyo)は、東京大学の附置研究所で、国内外の史料の調査、収集・複写、分析、編纂、公開を行い、歴史情報学研究を推進することを目的とする研究所である。1793年(寛政5年)、徳川幕府の援助を受けた国学者塙保己一が開設した和学講談所を源流とする。
近年では複写に最新の写真技術やデジタル画像技術が駆使されている。
附属施設として画像史料解析センターと前近代日本史情報国際センターを持つ。
共同利用・共同研究拠点に指定されている(「日本史史料の研究資源化に関する研究拠点」[1])。
国内外の史料の収集、複写、読解、情報化、管理、出版、公開を引き受けている。
日本全国・世界各地に史料調査に出かけ、年間50件程度、採訪が行われる。注目すべき史料の収集が行われる。収集は複写が主である。史料採訪によって収集された複製史料は、史料編纂所の閲覧室で日本史研究の素材として多くの市民・研究者に利用されている。近年はデジタル画像として所内・閲覧室で検索・閲覧することも可能である (Hi-CAT Plus)。また、原本所蔵者の許可を得て、可能な部分はウェブ公開に供している。
近年飛躍的に発展してきたコンピュータによる画像処理による、各種画像史料の解析・研究のため、1997年(平成9年)度に附属施設として設置された。センター規則第2条によると、その目的は「日本史に関する各種画像史料及び画像史料情報を収集・整理して系統的に蓄積するとともに、電子計算機等による画像情報処理方法を生かして解析・研究を行い、その成果を学内外に公開すること」である。
1984年に構築を開始した「歴史情報データベースシステム (SHIPS)」を学術情報基盤とし、情報学の成果・手法をも導入して、歴史史料から知識データをくみ上げることによる研究を推進するため、2006年に設置。
修復・影写・模写・写真の各分野に分かれ、歴史史料の複本作成、史料の保存・修理を行っている。
この事業は、原本の調査・分析を伴うため、その過程で得られた情報は、重要な歴史情報の研究データとなっている。
これまで史料保存技術室に在室した人物には、その功績が高く評価され「黄綬褒章」「人事院総裁賞」「文化庁長官表彰」等の褒賞の授与や受賞の実績がある。
開室時間や史料・図書請求時間については図書室利用案内を参照。
史料編纂所の起源は、1793年(寛政5年)に開設された塙保己一の和学講談所とされる。明治維新後、史料編輯国史校正局、大学校国史編輯局、太政官歴史課、臨時修史局などと変遷している。
1888年(明治21年)、帝国大学(現:東京大学)に修史事業が移管されるが、のちに編年史の編纂は中止と決まり、代わって蒐集した史料自体を編纂・刊行することになり、1895年(明治28年)文科大学(現:文学部)に史料編纂掛が設置される。1901年(明治34年)に「大日本史料」「大日本古文書」の刊行を開始。1929年(昭和4年)に史料編纂所と改称。
戦後は、1950年4月に文学部から独立し、1954年より教授・助教授(現在は准教授)・助手(現在は助教)の教官制となった。
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