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江戸後期から明治期にまとめられた文書集 ウィキペディアから
薩藩旧記雑録(さっぱんきゅうきざつろく)は、江戸時代後期から明治期にまとめられた島津氏および薩摩藩家臣の鎌倉時代から明治までの文書集。島津氏、および薩摩藩政史研究の根本史料である。
薩摩藩の記録奉行であった伊地知季安が文政頃から藩内諸家の文書や記録の書写・蒐集を始めたのが基となっている。その後、弘化頃より季安の息子である季通がその事業を引継ぎ、1880年(明治13年)に浄写が完了したのを持って取りあえずの完成時期と見なされている。しかし、実際は1897年まで季通単独による増補訂正作業が続行されていた。
それまで薩摩藩では『島津世家』『島津国史』などの藩の正史を編纂する事業を幾度か興しているが、それらは全部漢文編年体による物語調のものであった。それらに対し、本書はあくまで古文書を編年順に並べることを主眼としており、藩の御用学者による牽強付会が入っていないところに特色がある。
所収された古文書の中には、その後の廃仏毀釈、西南戦争などで消失した物も多く、史料としての価値は非常に高い。
問題点としては、わずかな人数で莫大な古文書の編纂書写作業を進めたため、書写間での誤脱や重複が見られることが挙げられる。また、すべての文書を書写できず、中世文書や近世藩政史料の一部(知行目録など)は収録できなかった点には留意する必要がある。
島津家本
内閣文庫本、県立図書館本
現在、鹿児島県歴史資料センター黎明館から順次発行されている『鹿児島県史料』で見ることが出来る。[↗ 1]
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