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プロフィア(PROFIA)は、日野自動車が製造・販売している大型トラックである。日本国外では「700シリーズ」として販売されている。
1992年にスーパードルフィンを11年ぶりにフルモデルチェンジする際に車名にサブネームが付き、スーパードルフィン・プロフィアとなる。その後、2003年にモデルチェンジが行われる。通称グランドプロフィア。
エンジンワンキー操作が標準装備された。エンジンはV8がF20C・F17E・F17D(320-430ps)、直6がP11CとK13C(どちらも300-395ps)・K13Dを搭載。
KF/ZM系後期型のようにヘッドライトとヘッドライトの間に穴が3つ並んだフロントグリルが初期型の特徴である。ウィングマークはやや小型化、フロントグリルの上に控えめに配された。また「HINO」の新しい文字ロゴが付けられた。 自動車用としては非常に珍しい引違い窓のパワーウィンドウが装備されている車両でもあった(両側とも引違い式パワーウィンドウ仕様、運転席側は昇降式・助手席側は引違い式という仕様も存在した)。
キャッチコピーは「輸送文化のフルモデルチェンジ」「物流の21世紀へ」。CMには俳優の役所広司を起用。
セミトラクターについてはこの時デザインの変更は行わず、ABSエンブレムとフォグランプが追加されただけで中期型とほぼ同じまま生産された。車両総重量22t・25tの車種については「テラヴィ」のサブネームがついた。キャッチコピーは「20tを越えたら、テラヴィ」。K13Cエンジンにコモンレール噴射システムを採用。また、低床4軸車のFWは第1軸のタイヤをすべて第2軸以降の19.5インチに統一し、第1軸の位置を前1軸の高床車と同じ位置に前進した。
なお、このモデルは車名が長いので単にプロフィアの名前で呼ばれることが多い。
2003年10月、11年半ぶりのフルモデルチェンジを機に、従来はサブネームであったが、今回から単にプロフィアとした。エンジンは新短期排出ガス規制に適合し、トラクター系を含めて全車直6インタークーラー付ターボとなった。メーカーオプションでDPRを装着した車両については超低PM排出ディーゼル車認定制度85%低減レベル(★4つ,PK-規制)を取得した。アクセル/ブレーキペダルはオルガン式から乗用車で一般的な吊り下げ式となった。また、テールランプの配列が変わり、3連タイプは外側より橙・赤・赤となった(以前は赤・橙・赤だった)。セミトラクターなど、2連タイプのテールランプを装着する車種は従来の配列のままである(外側より赤・橙)。基本的に全車ハイマウントキャブを装備しており、デザインもそれを前提としたものになっている。但し、タンクローリーや消防車、キャブ全高の低さが要求されるカーキャリア向けにバンパー上のスペーサーやドア下のフェンダーを省略することでローマウントキャブにできる構造になっている。ハイマウントキャブの採用は、1970年代に生産されたHE/HH系セミトラクター以来となる。
運転席シートは3種類あり、車型により標準シート、エアサスシートのほか、ドイツISRINGHAUSEN社の高機能シート(タチエスによるライセンス生産品)を選ぶこともできた。
2017年4月5日、セミトラクター、および構内専用車両、除雪車(初代UD・クオンのOEM)を除き13年6か月ぶりにフルモデルチェンジ(同年5月22日販売開始)。初代スーパードルフィンから通算すると4代目に当たる。キャッチコピーは「人を思う、次の100年へ。」でCMキャラクターには俳優の猪塚健太が起用されている。エンジンは平成28年排出ガス規制に適合し、一部の車型ではエンジンがE13C型エンジンからA09C型エンジンへ変更され、GVW23t以下のカーゴ系と、FSのミキサー車は全車A09C型エンジンとなった。Proshift12搭載車はセレクターがダイヤル式に変更された(コラムセレクターとの併用)。安全装備の機能充実も図られ、プリクラッシュセーフティの停止車両や歩行者も検知する機能も追加された。通信により車両情報を日野に送るICTサービス機能を装備している[4]。
2017年10月4日、2017年度グッドデザイン賞を受賞し、グッドデザイン・ベスト100にも選出[5]。同年11月1日には2017年度グッドデザイン金賞も受賞[6]。
2018年1月12日、東京オートサロンに出品される[7](2019年も出品)。
2018年5月31日、セミトラクターをフルモデルチェンジ(同年7月10日販売開始)。セミトラクターには作業用トレーラブレーキが全車標準装備される他、単車系と同様、ICTサービス機能も装備され、ユーザー向け通知機能やウェブ閲覧機能を備える「HINO CONNECT」にも対応している。同時に単車系もマイナーチェンジされ、従来のスキャニングクルーズIIに渋滞追従機能を追加したスキャニングクルーズIIIが設定された。単車系は380ps以上のProshift12搭載車に、セミトラクターは410ps以上のProshift12搭載車にそれぞれスキャニングクルーズIIIが標準装備される。なお、前述以外の車型は従来通りスキャニングクルーズIIが装備される[8]。
2019年3月29日、マイナーチェンジ(同年4月1日販売開始)。安全装備の機能充実が図られ、可変配光型LEDヘッドランプ・オートヘッドランプを単車系・セミトラクターの全車型に標準装備した。ドライバーモニターは取付位置が変更されたと同時に、サングラスやマスク着用時並びに運転姿勢が崩れた際にも検知するなどの精度向上が図られてドライバーモニターIIとなった他、ドライバーモニターII・右左折時警報システムであるサイトアラウンドモニター・ハンズフリー機能付Bluetooth搭載オーディオを単車系の全車型に標準装備した他、単車系は2019年9月1日から搭載が義務化される車載式故障診断装置(J-OBDⅡ)にも対応している[9]。
2019年5月28日、ハイブリッドとハイブリッド冷凍車であるCOOL Hybridを追加(発売は6月18日)。ハイブリッド車はロケーターECUに内蔵された標高・勾配・位置情報を100km先のルート情報を先読みしながら、AIがそれを元に走行負荷に応じたシナリオを作成し、10kmごとに補正しながらハイブリッドシステムを制御するという勾配先読みハイブリッド制御を採用。COOL Hybridは、回生・発電で得られた電力をハイブリッド用バッテリーに蓄え、冷凍機用電動コンプレッサーにも使用。COOL Hybridの冷凍機メーカーは、デンソー製と三菱重工サーマルシステムズ製が設定される[10]。
2020年3月23日、トヨタ自動車と共同でプロフィアFRをベースにした燃料電池トラックの開発を表明[11]。
2020年4月6日、セミトラクターをマイナーチェンジ(同年5月1日販売開始)。単車系同様に安全装備の機能充実が図られ、ドライバーモニターII・サイトアラウンドモニター・ハンズフリー機能付Bluetooth搭載オーディオを全車型に標準装備し、車載式故障診断装置(J-OBDⅡ)にも対応した。同時に、タイヤ空気圧モニタリングシステムを単車系・セミトラクターにオプション設定した[12]。
2022年3月4日、エンジン不正問題により出荷停止[13]。
2022年3月29日、同一のエンジンを搭載するセレガ(スーパーハイデッカ、ハイデッカ)と共に国土交通省から型式指定の取消処分を受ける[14]。
2023年1月31日、国土交通省から再申請していた形式指定を指定され、2月中旬から出荷開始予定であることを公表。
2023年5月より燃料電池トラック「プロフィアZ FCV」の実証運行を開始。アサヒグループジャパン、NEXT Logistics Japan(運行はエービーカーゴ東日本に委託)[15][16]、ヤマト運輸、西濃運輸に貸与して行われる。
2023年10月26日、JAPAN MOBILITY SHOWにプロフィアZ FCVを出品[17]。
※FWには競走馬専用運搬車用シャーシあり
※全輪駆動車は生産台数があまりにも少ないのでスーパードルフィンプロフィアのみ生産され、2003年よりUDトラックス(旧:日産ディーゼル)から除雪車などのベース車となる大型全輪駆動車のOEM供給を受けている。(2005年まではビッグサム、2005年からはクオンがベース)
なお、カーゴ、ダンプ以外のトラクターやセミトラクターにはスーパードルフィンプロフィア及びプロフィアのエンブレムは装着されていない。
ハロゲンヘッドランプ、運転席マニュアルウィンド、ベッドレスなど、装備を簡素化した仕様
スキャニング・クルーズシステム、蓄冷式冷房装置など、標準仕様にはオプション設定される高機能な装備を装着した仕様
「区分」は各エンジンに付けられた記号であり、車種ごとの型式から搭載エンジンを判別できるものである。例えば、KC-SH4FDCAの場合、「4F」はF21Cエンジン搭載車となる。
区分 | エンジン型式 | 形態・方式 | 排気量(cc) | 出力帯(PS) | 搭載期間 |
---|---|---|---|---|---|
1A | A09C | 直6・インタークーラーターボ | 8,866 | 300/320/360/380[18] | 2007- |
1E | E13C | 直6・インタークーラーターボ | 12,913 | 360/380/410/450/460/480/520 | 2003- |
1F | F17D | V8・NA/インタークーラーツインターボ | 16,745 | 310/450/560 | 1992-2003 |
1K | K13C | 直6・インタークーラーターボ | 12,882 | 360・410 | 1992-2003 |
2K | K13D | 直6・NA | 13,267 | 270 | 1994-2000 |
2P | P11C | 直6・インタークーラーターボ | 10,520 | 300・325・340・360 | 1992-2007 |
3F | F20C | V8・NA | 19,688 | 355・380 | 1992-2000 |
4F | F21C | 20,781 | 360・390・430 | 1994-2003 | |
スーパードルフィンプロフィアの全輪駆動車は、ダカール・ラリーに参戦している日野チームスガワラのアシスタントトラック(レンジャーのサポートカー)としてプロフィアにモデルチェンジされた後も2013年大会まで引き続き参加していたが、2014年大会からは700シリーズZS(6×4・プロフィアの海外仕様)へ変更された[21]。
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