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台湾の郷土料理、または台湾原住民の伝統料理 ウィキペディアから
台湾料理(たいわんりょうり、繁体字: 臺灣料理; 注音: ㄊㄞˊ ㄨㄢㄌㄧㄠˋ ㄌㄧˇ<タイウァンリャオリー>)または台湾菜(たいわんさい、繁体字: 臺灣菜; 注音: ㄊㄞˊ ㄨㄢㄘㄞˋ<タイウァンツァイ>)とは、台湾原住民の料理をルーツに持ち、中華料理をベースに日本や西洋、そして台湾独自のアレンジが加わって成立された料理である。
台湾料理 | |||||||||||||||||||||||
蒸籠の中の小籠包 | |||||||||||||||||||||||
スープが溢れ出ている小籠包 | |||||||||||||||||||||||
繁体字 | 臺灣料理 | ||||||||||||||||||||||
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簡体字 | 台湾料理 | ||||||||||||||||||||||
漢語拼音 | Táiwān liàolǐ | ||||||||||||||||||||||
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台湾菜 | |||||||||||||||||||||||
繁体字 | 臺灣菜 | ||||||||||||||||||||||
簡体字 | 台湾菜 | ||||||||||||||||||||||
漢語拼音 | Táiwāncài | ||||||||||||||||||||||
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台菜 | |||||||||||||||||||||||
繁体字 | 臺菜 | ||||||||||||||||||||||
簡体字 | 台菜 | ||||||||||||||||||||||
漢語拼音 | Táicài | ||||||||||||||||||||||
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台湾島にはもともとオーストロネシア系の原住民が住んでいたが、16世紀からオランダ人やスペイン人の移住によって料理の概念が広まった。17世紀中頃、鄭成功の台湾征服に伴い、中国大陸、とくに福建省から多くの閩南人が渡り、かれらが食べている福建料理が原住民料理と融合して現在の台湾料理の基礎が築かれていた。19世紀には清国からの中国人や大日本帝国からの日本人が統治者や開拓者として次々に台湾に入植し、多様な料理法がもたらされていた。その結果、台湾料理は400年以上の歴史をへて、独自の食文化へと進化していた。
台湾では「台湾料理」という言葉が2つの意味に分けている:
台湾はアメリカやカナダ、オーストラリアと同じように移民より構成された地域であり、移民や開拓民が総人口の大部分を占めている。このため、台湾料理のルーツは原住民料理にあるが、現代の台湾料理には原住民文化の影響があまり見られない。人口の多い中国人や漢民族の移民たちは、中華料理を台湾全土に広めていて、とくに福建料理や一部の客家料理が台湾料理の基礎となっている。一方、人口の少ない台湾原住民の料理が全国的には広がらず、地域ごとの郷土料理として台湾島の各地へ分散している。
台湾料理の中華料理は中国大陸各地の特徴を持ち、多彩な中華が食べられる。まず、厦門・泉州・漳州からの福建料理は台湾原住民の料理と融合し、台湾料理の起源となった。この3つの地域のうち、台湾では閩南人が大半の人口を占めた。また、同時期の台湾には広東省から来た客家人や、湖西など、他域出身の民族も流入し、これらの移民の影響もあって、様々な中華料理が台湾社会に浸透していった。第二次世界大戦後、中国国民党とともに中国各地の兵士や料理人が台湾にわたり、台湾にも中国大陸各地の料理(北京料理・上海料理・四川料理・広東料理など)がもたらされた。
さらに、台湾料理には日本料理の要素もある。50年間の日本の統治時代を経て、日本料理も台湾民間に広く普及した。台湾料理は1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)にかけて、特に明治・大正期の日本料理の影響を強く受けた。現在の台湾ではおでん(中国語:黑輪/和田/關東煮;台湾語:o͘-lián)や天ぷら(中国語:天婦羅、甜不辣;台湾語:thian-puh-la)、刺身(中国語:沙西米、生魚片;台湾語:sā-si-mih)、寿司 (中国語:壽司;台湾語:su-sih)[1]、味噌汁[2](中国語:味噌湯;台湾語:mi-so͘h-thng)、カレーライス[3](中国語:咖哩飯;台湾語:ka-lí-pn̄g)、日本酒[4]などのメニューが残っている。台湾の寿司は「壽司」と表記され、握り寿司のほかに稲荷寿司(豆皮壽司)や太巻きが一般的で、酢飯の酢の味付けは薄めになっている[1]。また、現代の台湾の家庭内でも、中華料理の主菜に稲荷寿司や味噌汁などの日本料理のおかず・スープと合わせて、和華問わずに食べることが一般化している[1]。
歴史的背景により、中国や日本からの料理人は台湾で採れる食材をそれぞれの料理法で調理し、台湾人はこれらを吸収して独自な料理を創造した。
台湾は四方を海で囲まれ、また、島の中央部に3千メートル級の山々が南北に縦走し、日本よりも山がちの地勢が多い。比較的小さな地域である台湾は土地の広さにこだわらず、多様な地形や豊かな自然環境がそろっている。日本と同様「海の幸・山の幸」という言葉があって、全体的にみれば食材に恵まれる国である。そのため、台湾の常用食材は極めて豊富で、以下の分類で簡単に紹介する:
結論からいうと、台湾料理は中華料理よりも甘く、日本料理よりも塩が少ない。
中華料理との主な差は「甘い味付け」にある。刺激的な調味料を多用する中華料理と違って、繊細で淡白な味付けが主流であり、野菜炒め以外の料理は油っぽさを意図的に抑えている。一つの円卓の周りに多人数でゆっくりと食べる中華料理とは異なり、台湾料理は気軽に食べられるB級グルメとして発展することが多い。食べ歩いたり、屋台街のテーブルで手早く食べきったり、一品料理として扱われたりするのが最大の違いである。中国の薬膳料理も強く受けていることから、油で揚げた漢方系の野菜が多用し、普通の香辛料より薬味の匂いのほうが強いと言われている。薬味の苦手な人にとっては、台湾での食事に困る可能性がある。
日本料理との主の差は「塩の少なさ」にある。台湾人は健康を意識しているため、精進料理以外の料理では塩分をできるだけ避けている。日本料理と共通する部分も多いが、それは台湾総督府時代からの影響であった。日本の明治・大正時代の頃の醤油・味噌・椎茸・鰹節・出汁・乾物・塩漬けなどの和風食品は台湾に広く浸透し、普通の場合には台湾の和風中華に親しみを感じる日本人もいるが、昔の日本の味つけが起源のため、現代の日本料理と味違いの場合が多い。台湾メディアの『三立新聞網』によれば、「台湾人は日本の食事に慣れてしまうと、台湾に帰ったら台湾料理の味をもう感じない…」と報道され、これは台湾料理がいかに薄味になっているか分かる[5]。すでに塩分の多い味噌汁やラーメンスープに慣れてる一部の日本人にとっては、台湾料理を物足りなく感じることもある。
全体的な印象においては、本場の中華料理や日本料理より茶色とベージュ色の食べ物が圧倒的に多く、これは中国の漢方、日本の出汁、またもち米の多用からだと言われている。台湾料理は中華や和食の間のようなものであり、これらの範疇に入れていないものもある。
現代の日本では、「台湾料理店」と称する店舗(主にロードサイド店舗)が増えているが、そこで出される料理は「台湾料理」よりも「日式中華」「町中華」に近い[6]。店員も台湾人ではなく中国東北部(旧満洲)出身者の場合が多い[6]。
台湾料理のうち、比較的ポピュラーなメニューの例としては、以下のようなものがある。台湾語読みが定着している料理名は、台湾語発音をカタカナと白話字で表記した。
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