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保護眼鏡 ウィキペディアから
サングラス(英語: sunglasses)とは、日差しや強い照明から眼を守るために着用する保護眼鏡のこと。眩しさや紫外線などを低減するために着用する。
白人は、日光から健康被害を受けやすいため、瞳を日光から守るという健康上の理由でよく使う。オゾンホールの影響で紫外線が強いオーストラリアやニュージーランドなどでは、児童がかける事も珍しくない。日光が強い地域に住居を置く人や、長時間まぶしい光にさらされ易い自動車での運送などの業務上の対策で、目の保護と負担を減らすために使用が推奨されている。目元が隠れるという付随効果もあるため、視覚障がい者が見た目に特異な目を隠すためにサングラスを着用することも一般的である。
黒眼鏡、色眼鏡やグラサンなどとも言う。黒眼鏡の語は、年配の世代で用いられることが多い。なお、色眼鏡は、「予断」「偏見」「先入観」の比喩として用いられることもある。
黒っぽい色がついているものが主で、マジックミラーを用いたもの(ミラーグラス)もある。外から不透明に見えるものがサングラスに分類されることが多く、黒っぽくない色や透明度が高いものは伊達眼鏡に分類されることもある。
偏光フィルターを用いたものは偏光(ポラライズド)グラスと呼ばれ、水面や雪面で反射して来た光を選択的に反射でき、スポーツや釣りなどの際に使用される(波からの反射を防ぐので水中が見通せる)。基本的にミラーグラスでもあるが、反射防止コートにより反射を軽減させたものもある。
色が濃いほど紫外線を低減する能力が高いとは限らない。透明でもUVカット加工を施した眼鏡がある。色が濃く視界が暗いと瞳孔が開き、サングラスと顔の隙間から入った紫外線が眼球内に届きやすくなるため好ましくないともされるが、この言説に対しては、屋外の太陽光は濃いサングラス越しでも瞳孔を閉じさせるに十分だし、顔とサングラスの隙間から紫外線が入るのならば、同じ隙間から入る可視光線で瞳孔が閉じるので、現実にはほとんど心配する必要はないとする反論もある[1]。眼鏡の専門学校であるワールド・オプティカル・カレッジの提供するサイトでは、濃いサングラスをかけると薄いサングラスをかけるより僅かに多い紫外線が眼に入る可能性があるが、勘違いしてならないのはそれでもサングラスをかけていないときよりは圧倒的に紫外線が減ることだとしている[2]。
溶接や雪山登山に伴う強い紫外線は別として、日常生活で浴びる紫外線までカットすべきかを問う声もある。紫外線に近い可視光線であるバイオレットライトに近視の進行を抑制する効果が確認されたことから、眼鏡や窓ガラスの紫外線カットは波長の近いバイオレットライトまでカットしてしまい近視を招くとするものである[3]。さらには、紫外線そのものに近視抑制効果があるとする説もある[4]。
日本では家庭用品品質表示法の適用対象とされており、雑貨工業品品質表示規程に定めがある[5]。
日本の雑貨工業品品質表示規程ではサングラスの規格を「屈折力がいかなる経線においてもマイナス〇・一二五ディオプトリから〇・一二五ディオプトリまでの範囲内であり、かつ、任意のいかなる二経線間の屈折力の差が〇・一二五ディオプトリ以下であって、平行度が〇・一六六プリズムディオプトリ以下のもの」[5]としている。さらにはサングラスの項に掲げる区分に該当するもののうち、偏光度が九十パーセント以上であるもので偏光軸のずれが十五度以下であるものを「偏光サングラス」と定義している[5]。
日本の雑貨工業品品質表示規程では「サングラス」の規格を満たさないものは「ファッション用グラス」に区分している[5]。
サングラスの起源は明らかでない。古代ローマ皇帝ネロ(在位54~68)も円形闘技場の催しを観戦する際に、エメラルドのレンズを入れた眼鏡を使っていたとされる。
12世紀頃の中国では、スモーキークォーツを使用した黒っぽい眼鏡を裁判官が判決前の表情を隠すために着用していた[6]。
19世紀末の書籍によれば、視力を失った盲人が見た目に見苦しくなった目を隠すためにサングラスを着用することは当時から一般的であった[7]。
中国最後の皇帝で有名な愛新覚羅溥儀は黒っぽい丸眼鏡を愛用していたことで知られた[8]。
最初の安価な大量生産品は、1929年にアメリカ人事業家のサム・フォスターによってもたらされた。
大衆ファッションとして定着するのは、欧米では1920年代に映画俳優などを中心に広まり、1930年代にはビーチなどでサングラスをかけることが普通になり、徐々にファッションのアクセサリーの一部となっていった。
本来は外出時に着用されることを想定した製品だが、目元が隠れるという付随効果があるため、失明により視線が定まらなくなった人が視線を隠す目的で、あるいは目元に傷を負っている人が患部を隠す目的でかける場合もある[7][9]。目元を隠すことで人相を判別しがたくしたり見る者に威圧感を与えたりもできる。また、アメリカ合衆国シークレットサービスなどで要人擁護・警備などの必要上、装用者がどこを見ているか、その視線を隠す目的で用いられることもある。
また、日本では著名人が他人の注目を集めたくない場面で掛けることも多い。その逆に、マスメディアに登場する際に常にサングラスを着用する著名人の場合は、私生活ではサングラスを外すことでその人物であることに気づかれなくなり、注目を避けることができる。
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