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アリソン・クラウス(Alison Krauss、1971年7月23日 - )は、アメリカ合衆国イリノイ州出身の歌手、フィドル奏者。ブルーグラス/カントリーの分野で活動し、1990年代にブルーグラスを新しい聴衆に届けたアーティストとして評価されている[1]。
1987年にラウンダー・レコードからデビューを果たして、その後バック・バンドのユニオン・ステーションと共に活動を続けていく。2012年現在、グラミー賞の受賞数は27[2]で歴代2位[3]・女性では史上最多である[3]。また、ドリー・パートンやヴィンス・ギル等多数のカントリー・ミュージシャンとの共同作業に加えて、ロバート・プラントやジョン・ウェイト等、ロック/ポップス系のミュージシャンとのコラボレーションも多い。
自分で作詞・作曲を行うことは少なく、クラウスは2011年のインタビューにおいて「ソングライティングに抵抗があるわけじゃなくて、自分がやらなければいけないことだと思っていないだけ」「私は『この曲は私が歌わなきゃ』とすぐに思わされるような音楽をたくさん聴いている」と語っている[4]。
イリノイ州ディケーターで生まれ[1]、イリノイ州シャンペーンで育った[5]。父は1952年に渡米してきたドイツ系アメリカ人で、母はドイツ系およびイタリア系 [5]。2歳年上の兄ヴィクター・クラウスは、後に作曲家/ダブル・ベース奏者として活動し、2004年にはノンサッチ・レコードからソロ・デビューを果たしている[6]。
5歳でヴァイオリンを習い始めるが、クラシック音楽には興味を持てずカントリーおよびブルーグラスに傾倒し[1]、更に、友人たちの影響でAC/DC、カーリー・サイモン、ローリング・ストーンズ、レーナード・スキナード、エレクトリック・ライト・オーケストラ等の曲にも触れた[7]。また、クラウスはポール・ロジャースの大ファンとして育ち[8]、後にロジャースが在籍していたバッド・カンパニーの楽曲「オー・アトランタ」をカヴァーしている。
1983年11月、SPBGMA(米国ブルーグラス音楽保存協会)による全米フィドラーズ・チャンピオンシップで9位となった[9]。1985年、 インディーズ・レーベルのFiddle Tunesからリリースされたアルバム『Different Strokes』に兄ヴィクターと共に参加しており、これがクラウスの初レコーディングとなった[1]。
クラウスは1985年にラウンダー・レコードとの契約を得て、1987年にはデビュー・アルバム『トゥー・レイト・トゥ・クライ』を発表。続く『Two Highways』(1989年)は、初めてユニオン・ステーションと連名のアルバムとしてリリースされ、グラミー賞最優秀ブルーグラス・アルバム賞にノミネートされるが、受賞は果たせなかった[1]。
1990年のアルバム『アイヴ・ガット・ザット・オールド・フィーリング』で、クラウスは初めてビルボードのカントリー・アルバム・チャート入りを果たして最高61位を記録し[10]、このアルバムでグラミー賞最優秀ブルーグラス・アルバム賞を受賞した[10]。次作『Every Time You Say Goodbye』(1992年)はカントリー・アルバム・チャートで75位に達し、2作連続でグラミー賞最優秀ブルーグラス・アルバム賞を受賞[10]。
1993年、クラウスはグランド・オール・オプリのメンバー入りを果たす。ブルーグラスのアーティストがメンバー入りするのは29年ぶりで、また、当時としては最年少のメンバーであった[11]。
1995年発表のコンピレーション・アルバム『Now That I've Found You: A Collection』はカントリー・アルバム・チャートで2位、総合チャートのBillboard 200でも13位という大ヒットを記録して[10]、1996年3月にはRIAAによってダブル・プラチナに認定された[12]。また、クラウスは1995年のカントリーミュージック協会賞で女性ボーカリスト賞とホライゾン賞を受賞し、シングル・ヒット曲「en:When You Say Nothing At All(ローナン・キーティングもカバーしたen:Keith Whitley の楽曲)」がシングル賞を受賞した[13]。クラウス自身もこの成功に驚き、2002年のインタビューで当時のことを「本当に不思議」「有名になったことで自由に外出もできなくなった」「私の名前を見た自動車教習所の受付が、私を見上げて眉をひそめて『あなたがそんな恰好で出歩くなんて信じられない』って言ったこともあった」と振り返っている[14]。
『Now That I've Found You: A Collection』の大ヒットの後、1997年に発表されたアルバム『So Long So Wrong』はカントリー・アルバム・チャートで4位、Billboard 200では45位に達し、第40回グラミー賞では3部門を受賞した[10]。音楽評論家のCub Kodaはオールミュージックにおいて『So Long So Wrong』を「メインストリームの成功が訪れた時に起こりがちなことに反した、ギミックの全くないアルバム」と評している[15]。また、1997年にはギタリスト/ハーモニカ奏者のパット・バージェソンと結婚。2人の間には長男が生まれたが、2001年に離婚している[14]。
2000年、クラウスがプロデュースしたブルーグラス・グループ、ニッケル・クリークのアルバム『ニッケル・クリーク』がリリースされた[16]。同年、映画『オー・ブラザー!』のサウンドトラックに参加しており、第44回グラミー賞では参加アーティストの一員として最優秀アルバム賞を受賞した[17]。
2001年発表のアルバム『ニュー・フェイヴァリット』はBillboard 200で35位に達して6年ぶりに全米トップ40入りを果たし、グラミー賞ではクラウスにとって4作目の最優秀ブルーグラス・アルバム賞受賞作となった[10]。また、クラウスは同アルバムで初めて全英アルバムチャート入りを果たし、72位を記録した[18]。
2002年にリリースされたニッケル・クリークのセカンド・アルバム『ディス・サイド』は、前作に引き続きクラウスがプロデュースした作品で、クラウスは同アルバムでグループと共にグラミー賞最優秀コンテンポラリー・フォーク・アルバムを受賞した[19]。
2003年2月、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで行われたコンサート「Salute to the Blues」に参加して、ジェームス・ブラッド・ウルマーと共に「Sittin' on Top of the World」を演奏[20]。この模様は、2004年公開のドキュメンタリー映画『ライトニング・イン・ア・ボトル』で紹介された。また、クラウスは2003年公開の映画『コールド マウンテン』のサウンドトラックで、エルヴィス・コステロとT・ボーン・バーネットが共作した「ザ・スカーレット・タイド」と、スティングが作詞・作曲してバッキング・ボーカルでも参加した「ユー・ウィル・ビィ・マイ・エイン・トゥルー・ラヴ」の2曲を歌った[21]。
2004年2月、第46回グラミー賞においてアリソン・クラウス・アンド・ユニオン・ステーションは最優秀ブルーグラス・アルバムと最優秀カントリー・インストゥルメンタル・パフォーマンスを受賞した。2004年11月7日、クラウスはレッドベリーのトリビュート・コンサートに参加し、この時に初めてロバート・プラントと共演している[22]。また、2004年のカントリーミュージック協会賞では、クラウスがフィーチャリング・アーティストとしてゲスト参加したブラッド・ペイズリーのシングル・ヒット曲「Whiskey Lullaby」が音楽イベント賞を受賞した[13]。
2006年、ジョン・ウェイトが自身のヒット曲「ミッシング・ユー」をクラウスとのデュエットでセルフ・カヴァーした。このヴァージョンはコンピレーション・アルバム『Rock the Bones, Vol.4』(2006年)に収録され[23]、後にウェイトのアルバム『Downtown: Journey of a Heart』(2007年)やクラウスのコンピレーション・アルバム『ベスト・オブ・アリソン・クラウス〜ア・ハンドレッド・マイルズ・オア・モア』(2007年)にも収録された。
2007年10月、ロバート・プラントとのコラボレーション・アルバム『レイジング・サンド』をリリース。同アルバムは全米2位の大ヒットを記録して[24]、グラミー賞では同アルバムが最優秀アルバム賞と最優秀コンテンポラリー・フォーク/アメリカーナ・アルバム賞を受賞して、収録曲「プリーズ・リード・ザ・レター」が最優秀レコード賞、「リッチ・ウーマン」が最優秀ポップ・コラボレーション賞、「キリング・ザ・ブルース」が最優秀カントリー・コラボレーション賞を受賞した[10]。
2011年、7年ぶりにユニオン・ステーションと連名のアルバム『ペーパー・エアプレーン』をリリース[25]。同アルバムはBillboard 200で3位に達し、『ビルボード』のカントリー・アルバム・チャートでは自身初の1位獲得を果たした[10]。
※主に年代順、一部同年代をミュージシャン名五十音順で記載
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