わかもと製薬株式会社(わかもとせいやく)は、東京都中央区に本社がある薬品会社である。胃腸薬「強力わかもと」などの大衆医薬品の他にも、医家向け商品も研究・開発している。
概要 種類, 市場情報 ...
わかもと製薬株式会社
Wakamoto Pharmaceutical Co., Ltd.種類 |
株式会社 |
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市場情報 |
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本社所在地 |
日本 〒103-8330 東京都中央区日本橋本町2-2-2 |
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設立 |
1933年(昭和8年)1月15日 (株式会社栄養と育児の会) |
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業種 |
医薬品 |
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法人番号 |
1010001035010 |
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事業内容 |
医療用医薬品および一般用医薬品の製造・販売 |
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代表者 |
五十嵐 新 (代表取締役社長) |
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資本金 |
33億95百万円 (2024年3月31日現在) |
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発行済株式総数 |
34,838,325株 (2024年3月31日現在) |
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売上高 |
77億3,842万6千円 (2024年3月期) |
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営業利益 |
-1億9,551万1千円 (2024年3月期) |
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経常利益 |
-1億6,185万7千円 (2024年3月期) |
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純利益 |
1億895万9千円 (2024年3月期) |
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純資産 |
120億2,607万3千円 (2024年3月期) |
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総資産 |
154億2,105万4千円 (2024年3月期) |
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従業員数 |
274人 (2024年3月31日現在) |
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決算期 |
3月31日 |
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会計監査人 |
仰星監査法人 |
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主要株主 |
キッセイ薬品工業 10.88% 株式会社ブレストシーブ 7.20% わかもと製薬取引先持株会 5.32% 朝日生命保険 4.95% 千葉銀行 3.81% 日本ゼトック 3.46% アクサ生命保険 3.25% ロート製薬 3.18% みずほ銀行 3.14% 損害保険ジャパン 2.56% (2024年3月31日現在) |
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外部リンク |
わかもと製薬株式会社 |
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- 1929年(昭和4年)4月 - 東京市芝公園大門(現・東京都港区芝大門)に長尾欽弥らが「合資会社 栄養と育児の会」を設立する。東京帝国大学 農学部の沢村真[注釈 1] より協力を得て「わかもと」[注釈 2] を発売した。
- 1932年(昭和7年)10月 - 東京市外北多摩郡砧村(現・東京都世田谷区宇奈根)に東京工場(玉川工場)を新設する。
- 1933年(昭和8年)1月15日 - 「株式会社栄養と育児の会」を創設する。
- 1943年(昭和18年)7月 - 商号を「わかもと製薬株式会社」に改称する。
- 1949年(昭和24年)5月 - 東京証券取引所2部に上場する。
- 1949年(昭和24年)6月18日 - 東京工場にて人員整理の労使交渉がもつれ重役が軟禁される。労働組合員27人が逮捕される[1]。
- 1954年(昭和29年)2月 - 歯磨の発売をきっかけに化粧品事業へ進出する。
- 1962年(昭和37年)1月 - 従来の製品より成分を強化した「強力わかもと」を発売する。
- 1967年(昭和42年) - 玉川工場跡地を駒澤大学に売却する(現在の同大学玉川グラウンド用地)。
- 1968年(昭和43年)6月 - 神奈川県大井町に相模大井工場と相模研究所を新設する(下記参照)。
- 1983年(昭和58年)9月 - 東京証券取引所1部に指定替えする。
- 1989年(平成元年)1月 - 発行額面総額40億円の第1回物上担保附転換社債を発行 。
- 1989年(平成元年)5月 - 水溶性非ステロイド性抗炎症点眼剤「ジクロード点眼液0.1%」発売。
- 1994年(平成 7年)12月 - 乳酸菌整腸剤「わかもと整腸薬」を発売 。
- 1999年(平成11年)11月 - 世界初の熱応答ゲル技術応用点眼液 緑内障・高眼圧症治療剤「リズモンTG点眼液」発売。
- 2000年(平成12年)11月 - アレルギー性結膜炎治療剤「ゼペリン点眼液0.1%」発売。
- 2002年(平成14年)8月 - 相模大井工場環境マネジメントシステム ISO14001認証 取得。
- 2005年(平成17年)11月 - 薬用歯みがき「アバンビーズ」発売。
- 2007年(平成19年)7月 - 緑内障・高眼圧症治療剤「ニプラジロール点眼液0.25%「わかもと」」発売(防腐剤フリーのNP容器を初めて採用した製品)。
- 2010年(平成22年)12月 - 眼科手術補助剤「マキュエイド硝子体内注用40mg」発売(現 眼科手術補助剤・眼科用副腎皮質ホルモン剤「マキュエイド眼注用40mg」)
- 2011年(平成23年)5月 - 子会社の信栄株式会社を吸収合併。
- 2014年(平成26年)4月 - 本社を東京都中央区日本橋本町2-2-2に移転。
- 2015年(平成27年)10月 - サプリメント「オプティエイドDE」発売。
- 2017年(平成29年)4月 - 乳酸菌含有加工食品「アバンビーズ オーラルタブレット」発売。
- 2018年(平成30年)10月 - アレルギー専用眼科用薬「アレジフェンス」発売。
- 2020年(令和2年)4月 - ロート製薬株式会社との包括的業務提携に合意したことを発表[2][3]。
胃腸薬
- 強力わかもと
- 【指定医薬部外品】同社の主力商品。乳酸菌、麹菌、ビール酵母といった3つの成分を配合しており、麹菌に消化酵素を生み出すアスペルギルス・オリゼーNK菌、乳酸菌にわかもと製薬オリジナルの乳酸菌 Enterococcus faecium WB2000株 を使用[4]。1929年より発売されていた栄養剤(ビール酵母製剤)「若素(わかもと)」の成分を胃腸薬方面へとシフト、さらに1962年に各種ビタミンの配合や乳酸菌の倍増など成分の強化を受けて現在の形となる。わかもと製薬の起源となった商品であり、現在も売上のうち、2割前後を占めている[5]。
- 近年は大衆薬市場の停滞を受け、同商品も売上減少傾向にあったが、台湾人を中心とした訪日外国人の“爆買い”の影響で、2012年を底に売上を回復させた。同商品は、台湾、シンガポール、香港などでも現地代理店の積極的な広告宣伝とともに販売され、特に台湾では胃腸薬のトップブランドとなっている。台湾では日本の約1.5倍の価格で販売されているため、訪日台湾人の爆買いの対象となった[5]。
- わかもと整腸薬
- 【指定医薬部外品】軟便などを繊維使用の成分により改善していく。張ったおなかをやわらげるメカニズムがある。
- わかもと整腸薬 ビナチュラ
- 【第3類医薬品】2013年4月発売。大腸に効く2種類のビフィズス菌、小腸に効く2種類のラクトミン、おなかのハリを改善するジメチコン(消泡剤)、肌の健康に役立つビタミンC・B6を配合した女性向けの整腸薬。特に女性に多いおなかのハリ(腹部膨満感)や便秘に効果がある。直径8ミリと小粒で服用しやすいピンクの錠剤。携帯しやすいチャック付きパウチ入りとなっている。
- ワカモト消化薬
- 【指定医薬部外品】消化を助ける。
- わかもとNK胃腸薬
- 【第3類医薬品】胃の調子を助け腸の働きを守る。アスペルギルス・オリゼーNK菌が主成分。
- 顆粒わかもと
- 【指定医薬部外品】2008年に発売された強力わかもとの姉妹品。
医療用医薬品
- ジクロード点眼液0.1%
- リズモンTG点眼液0.25%,0.5%
- ゼペリン点眼液0.1%
- マキュエイド硝子体内注用40mg
その他
- アバンビーズDX
- (乳酸菌入り歯磨き)【医薬部外品】「強力わかもと」と並ぶ同社の主力商品。「アバンビーズ」として2005年発売。生きた乳酸菌を清掃剤として配合し、歯垢を除去し保つ働きがある。2013年4月に「アバンビーズ」シリーズの処方改良するとともに、パッケージデザインをリニューアル、さらに従来からある80g入りに加え、トライアルサイズとして35g入りが追加された。症状や目的に合わせて、「歯周病予防」「口臭予防」「ダンブランシュ 美白」「知覚過敏予防」「コーラルε(イプシロン)」の5タイプがある(製造販売元:日本ゼトック)。
- タプソール
- (外用鎮痛消炎剤)【第3類医薬品】痛んだ筋肉を温める。クリームタイプ。
- ティアメート
- (目薬)【第2類医薬品】【第3類医薬品】
- アイメート
- (点眼薬)【第2類医薬品】
- コーラル
- (歯磨き粉)【医薬部外品】歯周病予防のための薬用歯磨き。シソの香りが特徴。一般用はパッケージが緑色。医療用、医者用、歯科用はパッケージが青色。
わかもと製薬の社章として使われている砲丸投げをする人のシルエットマークの由来は、外国映画が好きだった創業者が、ある映画で砲丸投げをするシーンを見た際、その健康的な肉体美が商品のイメージに合うとのひらめきから採用された。
- 白田久子(アバンビーズ)
- 瀬葉エミレ(アバンビーズ)
- 桜田淳子(強力わかもと)(過去に出演)
- 椎名令恵(強力わかもと)(過去に出演)
- 友竹正則(強力わかもと)(故人。過去に出演)
- 山下真司(強力わかもと)(過去に出演)
現在、強力わかもとは、顆粒とともにパッケージのみでのCMとなっている。ちなみに新聞広告も行っている。
注釈
栄養学、食品化学を専門とする農芸化学者。1905年、納豆菌の抽出、純粋培養に成功したことで知られている。
出典
「重役軟禁さる わかもと争議27名検挙」『日本経済新聞』昭和24年6月20日2面