鹿児島神宮
鹿児島県霧島市隼人町内にある神社 ウィキペディアから
鹿児島県霧島市隼人町内にある神社 ウィキペディアから
鹿児島神宮(かごしまじんぐう)は、鹿児島県霧島市隼人町内(はやとちょううち)にある神社。式内大社(国幣大社)、大隅国一宮。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。かつては「大隅正八幡宮」「国分八幡宮」などとも称されていた。
現在の祭神は次の通り[1]。
創始は社伝によると遠く神代とも、あるいは「神武天皇の御代に天津日高彦穗穗出見尊の宮殿であった高千穂宮を神社としたもの」とされる。和銅元年(708年)に現在地に遷座され、旧社地には現在摂社石体宮(石體神社)が鎮座している。当社の北西13kmの地点には、穗穗出見尊の御陵とされる高屋山上陵がある。
欽明天皇5年(544年)に八幡神が垂迹したのもこの旧社地とされる。当社を正八幡と呼ぶのは『八幡愚童訓』に「震旦国(インドから見た中国)の大王の娘の大比留女は七歳の時に朝日の光が胸を突き、懐妊して王子を生んだ。王臣達はこれを怪しんで空船に乗せて、船のついた所を所領としたまうようにと大海に浮かべた。船はやがて日本国鎮西大隅の磯に着き、その太子を八幡と名付けたという。継体天皇の代のことであるという。」との記載がある。なお、白井宗因が記した『神社啓蒙』では登場人物が「陳大王」と記されており、娘の名前が八幡であるとされている[2]。
八幡神は大隅国に現れ、次に宇佐に遷り、ついに石清水に跡を垂れたと『今昔物語集』にも記載されている。
大隅正八幡の正の字が示すように、鹿児島神宮は八幡宮の根本社だともいわれている。伝承ではかつて国分八幡と宇佐八幡との間に、どちらが正統な八幡かを巡って争いが起き、宇佐八幡は密かに15人(14人とも)の使者を遣わして国分八幡を焼かせたという。その際、燃え上がる社から立ち上る黒煙の中に「正八幡」の字が現れ、それを見て驚き怖れた使者達は溝辺の地まで逃れてきたが、神罰を受けたのか次々と倒れてその数は13人に及んだ。その後土地の人々は異境に死んだ者たちを憐れみ、それぞれが倒れた場所に塚を盛り霊を慰めたが、その数が13であったことから、そこを十三塚原と名付けたといわれている。この十三塚原は鹿児島県の国分平野北方にあり、その北東部には鹿児島空港やこの伝承に基づく十三塚原史跡公園がある。この宇佐八幡の使者に関する伝承には、上記と内容の異なる伝承が他にもいくつかある。
信頼できる史料での初出は、醍醐天皇の時に編纂された『延喜式神名帳』に「大隅国桑原郡 鹿児嶋神社」とあるもので大社に列しており、日向、大隅、薩摩のいわゆる南九州では最も格の高い唯一の式内大社(国幣大社)である。その高い社格から桑幡氏、税所氏などの有力国人をその神職より輩出した。
平安時代に宇佐八幡が九州五所の八幡別宮を勧請したのに伴い、当社に八幡神が合祀されたともされている。それ以降、正八幡宮・大隅正八幡宮・国分八幡宮などとも称される。
建久年間(1190 - 1199年)には社領2500余町歩の広さがあり、江戸末期まで千石を有していた[3]。
大永7年(1527年)に兵火により焼失したため、天文20年(1551年)に後奈良天皇の綸旨を得て島津貴久は日秀上人に再興を命じ、永禄3年(1560年)12月13日に新造社殿に遷宮した[4]。
戦国時代から江戸時代には、地元の大名である島津氏の尊崇を受けた。
1871年 (明治4年)、明治政府による近代社格制度において「鹿兒島神社」として国幣中社に列格する[3]。
1874年(明治7年)に神宮号宣下及び近代社格制度において官幣中社に列し、1895年(明治28年)に官幣大社に昇格した[3]。戦後は神社本庁の別表神社となった。
1935年(昭和10年)11月10日、陸軍特別大演習に参加中の昭和天皇が行幸[5]。
2021年(令和3年)11月19日、国の文化審議会は本殿及び拝殿、勅使殿、摂社四所神社本殿を重要文化財に指定することを答申[6]。翌2022年(令和4年)2月9日付の官報で告示され、正式に重要文化財となった[7][8]。
鹿児島神宮で行われる年間祭事は次の通り[14]。
所在地
交通アクセス
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.