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かつて存在した日本の出版社(1959年-2007年) ウィキペディアから
株式会社朝日ソノラマ(あさひソノラマ)は、かつて存在した日本の出版社。朝日新聞社の全額出資子会社であった[1]。2007年(平成19年)9月30日をもって営業停止し解散した[1]。
「ソノラマ」とはラテン語で「音」を意味する "sonus" と、ギリシャ語で「見もの」を意味する "horama" を合わせた造語である。かつて販売していた「ソノシート」の商標権を取得していた。
1959年(昭和34年)9月9日に朝日新聞社の関連会社朝日ソノプレスとして創業[1][2]。フランス・ソノプレス社と提携していた[3]。
1966年(昭和41年)、日本初の「音の出る雑誌」[4]として『月刊 朝日ソノラマ』を創刊し、雑誌と同名に社名変更[1]。ニューメディアとして注目される[1]。ニュース記事など様々トピックに現場でのインタビューなどを録音したり、あるいは音楽などを収録したソノシートを雑誌の付録としていた。また、雑誌や漫画単行本、文庫の出版も手がけていた。
ソノシートは音質はビニール盤に劣るものの、廉価で薄く曲げても壊れにくく長時間再生が可能なため、高価なLP盤に手を出せない客層に歓迎され、競合するレコード会社や出版社も相次いでソノシート事業に参入した。
しかし『月刊 朝日ソノラマ』は総花的な内容のためか売り上げが低迷したことから、『月刊 朝日ソノラマ』の内容を報道・ドキュメンタリーのラジオ番組からの音源など音楽以外を中心にする一方、別途音楽や児童向けの分野にも進出した。中でも児童向けは『鉄腕アトム』をはじめとするテレビ番組主題歌のヒットを契機に最も多く発行された[2]。テレビアニメ・漫画・特撮・テレビドラマなどを中心に、主題歌や物語のダイジェスト、または放送素材を収録し、ジャケットの中身は絵本・漫画などを掲載した。読者である子供に買い与えやすい価格であったため数多く出回るようになり、これに競合レコード会社や出版社が便乗して一斉に児童向け絵本ソノシートを発売した。
1960年代には子供向け番組の主題歌の多くは、音楽出版社からレコード会社などへ音源が貸し出されるケースが多かった。新番組が始まると、朝日ソノラマやその競合メーカーは同じ音源を収録したレコードやソノシートを一斉に発売していた。朝日ソノラマでは東映と協力体制をとり、『悪魔くん』や『タイガーマスク』、『仮面ライダー』などの主題歌制作を担った[2]。また、朝日ソノラマは通常のビニール盤レコード『アサヒソノラマレコード』を発売していた時期もあった。
しかし1970年代に入ると、通常のビニール盤レコードの普及が進んだために再び売り上げが伸び悩み、同業者の撤退や倒産が相次いだ。朝日ソノラマは音質を上げるため、ソノシートの盤質をやや硬くし、紙レーベルを付けた『パンチシート』と呼ばれるステレオ仕様のレコードで、アニメや特撮の絵本レコードを生産するようになった。その後は1980年代後半頃を境に、絵本レコード事業からは完全撤退し出版がメインとなった。そのうち「ソノラマ文庫」はジュブナイルSFを中心に清水義範、菊地秀行ら後の流行作家をデビューさせるなど多くの成果を生み、雑誌『宇宙船』は国産特撮映像マニアの牙城として今日まで他社復刊で継続されるなど、個性的な足跡を残している。
2007年(平成19年)6月21日に同年9月30日をもって廃業・会社清算することを発表[1]。既存の出版物の諸権利等は朝日新聞社出版本部が引き継ぎ、「SONORAMA」「朝日ソノラマ」の商標権も朝日新聞社が継承することとし[1]、事実上の吸収合併となった。
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