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日本の小説 ウィキペディアから
『後巷説百物語』(のちのこうせつひゃくものがたり)は、角川書店から刊行されている京極夏彦の妖怪時代小説。「巷説百物語シリーズ」の第3作。妖怪マガジン『怪』のvol.0011からvol.0015まで連載された。第130回直木賞受賞作。
後巷説百物語 | ||
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著者 | 京極夏彦 | |
発行日 | 2003年12月3日 | |
発行元 | 角川書店 | |
ジャンル | 妖怪時代小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判 | |
ページ数 | 784 | |
前作 | 続巷説百物語 | |
次作 | 前巷説百物語 | |
コード | ISBN 4-04-873501-2 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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江戸時代を舞台とした前作『続巷説百物語』とは趣を変え、明治時代に時代が移り、老人になった山岡百介の回想という形で数十年前に又市たちが実行した仕掛けが語られる。また、百介が自分から事件に関わるのではなく、4人の青年から怪事件の相談を持ちかけられるという形式に変わっている。
後日談だが、『半七捕物帳』のように老人の回顧録にすると前作と大差ない構造になるので、ストーリーを2つ考え、現在、回顧、過去を重ねるというスタイルになっている[1]。
舞台は『続巷説百物語』から更に時代が流れた明治10年。東京警視庁一等巡査・矢作剣之進が持ち込む奇妙な話や事件を笹村与次郎達友人は協力し解決を試みる過程で、毎度のように薬研堀の一白翁のもとを訪れ智慧を借りる。彼らは老人がかつて体験した奇妙な体験談を聞くうちに現在追っている事件の謎を見つけ出していく。
主要登場人物は巷説百物語シリーズを参照。
「島が一夜にして海に沈むのか」という話をしていた与次郎たちは、薬研堀の一白翁のもとを訪ねる。そこで、老人は40年ほど前に自らが男鹿半島の向こうにあったという戎島(えびすじま)で体験した事件のことを話し出す。品川宿の旅籠の庭に聳える大柳に纏わる奇ッ怪な騒動が一段落し、江戸に戻る途中のことであった。(『怪』vol.0011 掲載)
両国で起こった小火騒ぎが発展し、油商いの根本屋が全焼した。犯人は根本屋の後妻だとみられたが、彼女は5年前に死んだ前妻の顔をした火の玉が火をつけたと証言する。頭を抱える剣之進は、与次郎たちと共に一白翁のもとを訪れると、老人はかつて摂津で起こった怪火にまつわる事件のことを語る。京の帷子辻で起きた奇妙な事件の後、大塩平八郎の乱の翌年か翌々年のことであった。(『怪』vol.0012 掲載)
池袋村の旧家で起こった蛇塚の祠に入っていた毒蛇による死亡事故。「蛇はどれほど生きるのか」という話題を与次郎たちが一白翁のもとへ持ち込むと、老人は30数年前にその祠ができたとき自分もそこにいたとして、その時のことを話し始めるのだった。(『怪』vol.0013 掲載)
野方村で山男に攫われた娘が、子供を連れて帰ってくる。「山男」とは実在するものなのか、という議論に行き詰った4人組は一白翁のもとを訪れると、老人はかつて遠州秋葉山で自らが体験した山男の話を始めるのだった。(『怪』vol.0014 掲載)
由良公房卿に「青鷺は光り、人に変ずるのか」と尋ねられた剣之進は、与次郎に質問するが明確な答えは得られず、一白翁のもとへ向かうこととなる。老人は又市と関わりを持った最後の仕掛けを話し出す。それは北林の大事件から4年ばかり後のことであった。(『怪』voi.0015 掲載)
「百物語をやり終えると本当に怪異が起こるのか」と公篤卿は弟子たちに尋ねられる。その話を公房卿から持ちかけられた剣之進は、それを検証するために百物語の怪談会の幹事をすることとなる。一白翁は、その会にある寺の住職を呼んでほしいと頼むのだった。(書き下ろし)
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