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アメリカ、日本の映画作品 ウィキペディアから
『名探偵ピカチュウ』(めいたんていピカチュウ、英: Pokémon Detective Pikachu)は、日米合作による2019年のミステリー映画。「ポケモン」フランチャイズをベースにしたこの映画は、2016年に発売されたビデオゲーム「名探偵ピカチュウ」を翻案している。監督はロブ・レターマン、脚本はレターマン、ダン・ヘルナンデス、ベンジー・サミット、デレク・コノリーが務め、ヘルナンデス、サミット、ニコール・パールマンの原案から、レジェンダリー・ピクチャーズと東宝が製作した。ポケモンの実写映画としては初、任天堂のゲームソフトを原作とした実写映画としては『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993年)以来となる。
名探偵ピカチュウ | |
---|---|
Pokémon Detective Pikachu | |
監督 | ロブ・レターマン |
脚本 |
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原作 | |
製作 |
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製作総指揮 |
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出演者 |
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音楽 | ヘンリー・ジャックマン |
撮影 | ジョン・マシソン |
編集 |
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製作会社 | |
配給 |
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ 東宝 |
公開 |
2019年5月3日 2019年5月10日 |
上映時間 | 104分 |
製作国 | |
言語 | 英語 |
製作費 | $150,000,000[1] |
興行収入 |
$433,305,346[1] $144,105,346[1] 30.1億円[2] |
ライアン・レイノルズがピカチュウの声と顔のモーションキャプチャーを務め、ジャスティス・スミス、キャスリン・ニュートン、スキ・ウォーターハウス、オマール・チャパーロ、クリス・ギア、渡辺謙、ビル・ナイが実写で出演している。本作は、元ポケモントレーナーのティム・グッドマンとポケモンの生き物たちが、ティムの父ハリーの謎の失踪事件を解決しようとするという物語。
日本では2019年5月3日、米国では2019年5月10日にに公開された。映画の評価は賛否両論で、ファンにアピールするビデオゲームの映画化として賞賛された。全世界で4億3,300万ドルの興行収入を記録し、同じくレジェンダリー・ピクチャーズが製作した『ウォークラフト』に次いで、コンピュータゲームの映画化としては2番目に高い興行収入を記録した。
21歳のティムは、長い間会っていなかった父ハリーが事故で亡くなったという連絡を受け、人間とポケモンが共存する街・ライムシティを訪れた。探偵業を営んでいたハリーの部屋で、ティムは1匹のピカチュウと出会う。なぜかティムにはそのピカチュウの声が成人男性のものに聞こえ、話す内容も理解することができた。ピカチュウは自らが記憶喪失であることを明かし、自分はハリーのパートナーだったはずであること、自分が生きているのだからハリーも生きているに違いないことをティムに訴える。ティムとピカチュウは、新米記者ルーシーの協力のもと、ハリーが事故の前に追っていた謎の薬品を巡る事件について調べ始める。
※ピカチュウ以外の声は全て日本語吹き替え版の声優。英字は原語版での名称。
その他、第7世代までのポケモンが登場。
2016年4月、『ハリウッド・リポーター』はワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、レジェンダリー・ピクチャーズが『ポケットモンスター』の実写映画化権を巡って交渉中であることを報じた[10]。2016年7月、Deadline.comは『Pokémon GO』の成功後にレジェンダリーとの契約締結が現実味を帯びたことを報じた[11]。7月20日、Deadlineはレジェンダリーとポケモン社が『ポケットモンスター』シリーズ史上初の実写映画の契約を交わし、それが『名探偵ピカチュウ』を原作としたものになると報じた[12]。脚本はマックス・ランディスが執筆し、日本以外での配給はレジェンダリーと契約中のユニバーサル・ピクチャーズが担当すると報じられた[12]。8月16日、ニコール・パールマンとアレックス・ハーシュが脚本執筆のためレジェンダリーと交渉中であることが報じられた[13]。11月30日、レジェンダリーがロブ・レターマンを監督として雇い、2017年から製作が始まり、日本ではこれまでのポケモン映画と同様、東宝が配給することが報じられた[14]。
2017年11月、ジャスティス・スミスが人間の主人公にキャスティングされ、さらにキャスリン・ニュートンが読み合わせとテストを経てスミスの相手役に決まったことが発表された。ニュートンはナタリア・ダイアー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、キャサリン・ラングフォードとこの役を争った[15][16]。12月、ライアン・レイノルズがモーションキャプチャでピカチュウを演じることが発表された[17]。レイノルズの他にはドウェイン・ジョンソン、マーク・ウォールバーグ、ヒュー・ジャックマンが候補に挙がっていた[18]。2018年1月、渡辺謙、ビル・ナイ、クリス・ギアがキャストに加わった[19][20]。2月、さらにスキ・ウォーターハウスとリタ・オラがキャストに加わった[21][22]。4月、オマール・チャパーロも追加された[23]。
日本語吹き替えには、主人公・ティム役に竹内涼真[3]、ヒロイン・ルーシー役に飯豊まりえ[6]、そしてもう一匹の主人公ピカチュウ役に西島秀俊[5]が起用された。竹内は映画本編にもゲームボーイ版ポケットモンスター赤緑主人公のレッド風のポケモントレーナーとしてカメオ出演している[7]。
なお、その他の日本語吹き替え声優には、アニメ版ポケットモンスターでメインキャラクターを演じている声優が何名か起用されており、一部のポケモンの声はアニメ版と同じ声優が演じている。
本作のコンセプトアートはユービーアイソフト・サンフランシスコに所属するRJ・パーマーが手がけた[24]。パーマーは、ポケモンを現実的に描いたイラストをdeviantARTなどのSNSに投稿していることで知られており、「Realistic Pokemon」とgoogleで検索してきたプロダクション・デザイナーの目にとまり、オファーを引き受けた[24]。デザインは株式会社ポケモンが監修しており、映画の製作チームはあらゆる細部に至るまで同社から助言やクオリティチェックを受けた[25]。また、ポケモンたちの大きさは、設定上の身長と体重を基に計算された[25]。
パーマーは、ダニー・デヴィートに似せたり、「電気を伝導しやすくするため、頬には毛が生えていない」という考えを反映したピカチュウのデザインをいくつか用意した[26]。最終的には、ピカチュウを含め、毛に覆われたポケモンが多数登場した[26]。パーマーは映画の封切り後に投稿したツイートの中で、ほおに毛のないピカチュウのデザインは最終版ほどうまくいかなかっただろうと述べており、最終版を強く支持している[26]。
また、監督を務めたレターマンもザ・リバーとのインタビュー中で、「ポケモンを実写化するなら、どうすればリアルなものになるか。そのまま映像化しては、プラスチックのような質感になってしまいます。プラスチックみたいなカビゴンはリアルじゃない。だから、現実に存在する質感を当てはめてみるところから始めました。動物、植物、鉱石など、自然界由来の質感で検討したんです。それから、(日本語で)”可愛い”というのも重要でした。ポケモンを可愛くしたかったので、ピカチュウは”ふさふさ”に。もしも毛がなかったら、ただの黄色い風船みたいになっちゃう。」と、ふさふさしたピカチュウのデザインを肯定している[27]。
主要撮影は2018年1月15日にイギリスのロンドンで始まった[28]。撮影開始から9日後、レジェンダリーは主要撮影の開始を公式発表した[29]。プレスリリースではアレックス・ハーシュは脚本の最終稿には関与しておらず、ニコール・パーマンとロブ・レターマンのみがクレジットされていることが明らかとなった[30]。
撮影に当たり、ジャスティスはピカチュウの代わりに重みのある人形を肩に乗せて演技し、アニメーターがジャスティスの動きに合わせてピカチュウのアニメーションを調整した。
今作はヘンリー・ジャックマンがフィルムスコアを担当した[31]。カイゴとリタ・オラが「Carry On」を、今作のサウンドトラックのリード・シングルとして収録した。この歌とミュージックビデオは2019年4月19日にリリースされた。日本のヒップ・ホップ・グループ、HONEST BOYZもリル・ウージー・ヴァートとコラボレーションし、この映画のもうひとつの曲である"Electricity"を、ファレル・ウィリアムスのプロデュースの元で製作した。なお、日本版WEB用プロモ映像では麻倉未稀の「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」が使われた。
公開2週目では、週末2日間で観客動員数20万9000人、興行収入3億1200万円を稼ぎ、2ランクアップして首位を獲得した。累計では、観客動員数103万人、興行収入14億円を突破した。 公開7週目では、動員196万人、興行収入27億円を突破した。[32]
本作は『ザ・ハッスル』、『チア・アップ!』、『トールキン 旅のはじまり』と同じ週に封切られ、公開初週末に6000万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが[33]、実際の数字はそれを若干下回るものとなった。2019年5月10日、本作は全米4202館で公開され、公開初週末に5436万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場2位となった[34]。この数字はビデオゲームを原作とした映画としては過去最高のものであった[35]。
Rotten Tomatoesによれば、294件の評論のうち、69%にあたる202件が高く評価しており、10点満点中6.02点を得ている[36]。Metacriticによれば、48件の評論のうち、高評価は15件、賛否混在は30件、低評価は3件で、100点満点中53点を得ている[37]。
『名探偵ピカチュウ』の公開を数ヶ月後に控えた2019年1月、レジェンダリー・エンターテイメントは、オーレン・ウジールが脚本家として契約し、すでに続編が開発されていることを発表した[38][39]。しかし、2021年5月3日、スミスは続編について「私たちは希望を捨てなければならない。実現するとは思えない。でも、そうあってほしいと思っている」と語った[40]。
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