レインボーブリッジ
東京都港区の吊橋 ウィキペディアから
東京都港区の吊橋 ウィキペディアから
レインボーブリッジ(Rainbow Bridge)は、東京都の港区芝浦地区と台場地区(港区台場および江東区有明)を結ぶ吊橋。1987年(昭和62年)着工、1993年(平成5年)竣工、同年8月26日開通[2]。
全長約800メートルの二階建て構造で、上部は首都高速11号台場線、下部は中央に新交通システム「ゆりかもめ」、その両側には一般道路と歩道が通っている[3]。
「レインボーブリッジ」の名前は「虹の橋」という意味で、一般公募により決められた愛称であり、正式名称は「東京港連絡橋」である[4]。
千葉県方面および神奈川県方面から東京都心へ向かう交通を分散させ、慢性的な交通渋滞が発生していた箱崎ジャンクション・江戸橋ジャンクションや首都高速1号羽田線の渋滞緩和と共に、開発の進められていた東京臨海副都心と既存都心部を結ぶために建設された。橋梁としては芝浦側アプローチ部1465m(陸上部439m+海上ループ部1026m)+吊橋部918m+台場側アプローチ部1367m(海上部905m+陸上部462m)が一体で建設された[5]が、通常は吊橋部からアンカレイジ部の60m×2を除いた吊橋本体(P22-P25間)の798mをレインボーブリッジと称することが多い。
海とビル群の、昼間の眺望や夜景が良好な事から週末のドライブコースとして人気がある。
有明ジャンクション等付近のジャンクションの分岐点の看板は、レインボーブリッジ方面の分岐が強調されている。
東京港第一航路をまたぐために、中央径間長570m以上、桁下クリアランス50m以上を確保する必要があり、加えて羽田空港の制限表面にかかるため構造物高さを東京湾平均海面(T.P.)+150m以下としなければならない[5]。一方で両岸は埋め立て地で標高が低く、道路・新交通システムの縦断勾配の制約がある。
以上の諸条件を勘案し、加えて景観の条件を勘案した結果、航路部は吊橋とし、前後の高さを稼ぐための1kmを越えるアプローチ部(連続高架橋)とすることとなった。特に臨港道路・ゆりかもめの芝浦側アプローチはループ橋となっている。また、台場側のアプローチ部は水深約10mの海中に鋼管矢板基礎を打ち込み、そこから橋脚を立ち上げる工法を取っている[5]。
吊橋部は、幅員29m、中央径間570m、主塔の高さ126m。ただし、主塔は長大吊橋に見られるようなトラス構造ではなく、ラーメン構造となっている。主塔の基礎と台場側のアンカレイジはニューマチックケーソン工法で建設され、海上に建てられている。
通行路は瀬戸大橋や横浜ベイブリッジと同様、上下2層構造になっており、上層には首都高速11号台場線、下層には中央部に「ゆりかもめ」が、その両側に臨港道路海岸青海線[6]が通る鉄道道路併用橋である。なお、上層の首都高は台場側アプローチ部分に台場出入口が設けられている。
下層の両外側には歩道があり、無料で歩いて渡ることができる。自転車については、専用の貸し出し台車に載せて手押しでの通行が可能である[7]。詳しくは「レインボープロムナード」を参照。
上層部が有料の首都高速道路であるのに対して、下層部は無料で通行できる一般道路である。眺望は上層部に比べ、ゆりかもめの軌道があるため進行方向右側の景色が見えず、左側も橋げた、フェンスがあるため、見通しが悪いなど劣っている。また、下層部はkmモビリティサービスが運行する路線バス「お台場レインボーバス」(01・02系統 品川駅港南口発着)が経由するが、橋の途中に停留所はない。
設計当時、豪華クルーズ客船の象徴と言われていた「クイーン・エリザベス2」の通過・晴海埠頭(晴海客船ターミナル)への接岸を想定し、橋げたの高さは52メートルあるが、完成後に、クイーン・エリザベス2がレインボーブリッジをくぐることは一度も無かった。
クルーズ客船の大型化が進み、水面よりの高さが60 - 70メートルに達するものも登場しており、パナマックスサイズのクルーズ客船は、レインボーブリッジをくぐることができない(日本最大のクルーズ客船である「飛鳥II」はくぐることができる)。このため、レインボーブリッジ以南の貨物用埠頭である品川埠頭や大井埠頭を利用するクルーズ客船もあった[8]。
2020年、レインボーブリッジ以南の青海地区に、大型クルーズ客船の発着に対応した「東京国際クルーズターミナル」が開業。晴海客船ターミナルは2022年2月20日に閉館となり[9]、客船対応の暫定施設を設置した後、将来的には埠頭機能も縮小される予定となっている。
日没後にはライトアップが行われるが、2005年10月1日に首都高速道路公団が株式会社化される記念として、9月30日の日没から翌日の日の出までの間、一夜限りの「レインボーブリッジ虹色ライトアップ」が行われた。これは過去2000年と2001年の2回しか実施されておらず貴重なものであったが、民営化以降は2005年のクリスマスや2006年の年明けなど、年末年始を中心にしばしば行われている。2010年は12月3日から翌年1月3日までの1ヶ月間実施された[10]。また、2013年8月24日から2013年9月1日までの日没から深夜0時の間にレインボーブリッジ開通20周年記念で虹色の特別ライトアップが実施されたほか、2013年9月2日から9月7日までの間は「オリンピック東京招致祈願ライトアップ」が、2013年9月8日から2013年9月16日までの間は「2020東京招致決定記念ライトアップ」が行われている[11]。また、10月1日の「ピンクリボン運動」のピンク色特別ライトアップ[12]や11月14日の「世界糖尿病デー」の青色特別ライトアップ[13]などの特別ライトアップが行われることがある。
2020年5月25日からは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策により、東京都庁と共に、日の入から20時までは青色にライトアップし、20時から24時まではアラートの発令状況により虹色もしくは赤色にライトアップされる。その後、都内でのCOVID-19の新規感染者数が30人以上となった6月2日から、東京都が東京アラートを発動したことに伴い、東京都庁とともに、23時から赤色にライトアップされた[14]。その後、6月3日から6月10日までは20時から24時まで赤色にライトアップされていたが、6月11日に東京都が東京アラートを解除したことにより、同日23時から虹色のライトアップに戻り[15]、6月19日の点灯をもってアラートによるライトアップを終了した[16]。
2009年3月1日に2016年オリンピック東京誘致活動の一環として、橋上を閉鎖して「東京レインボーウォーク」が開催され、一般応募者約20,000人(当日主催者発表)から抽選で選ばれた5,000人が橋上を往復した。
2022年11月23日に東京港臨海部で東京都が開催したサイクリング・イベントの一環として、高速道路部分を通行止めにして、レインボーブリッジの開通以来初めて自転車をこいで渡ることが認められ、約2000人が参加した[17]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.